何事にも“旬”というものがある。
食べ物も、旬のものは本当に美味しい。
人にも、あらゆる角度から見て“今だ!”という時期がある。
今のジャン・クロード・ラパリュをみていると、その“今だ”と思う。
経験、精神、体力、どれをとっても今が充実。
この三つが和した“技”は エッ!と思うような奇跡的なことを成してしまう。
一般的に難しい年だった2016年に、ジャン・クロードは言い切る。
『私の過去で、最高の品質の葡萄を、豊作と云ってもよい量も確保できた。』
フランス中で2016年にこんな言葉を云えるのは、このジャンクロード・ラパリュだけ。
完璧な葡萄と量を収穫
確かに、ここまで完璧な葡萄房を実らせた葡萄木を、私はこの16
年にフランス中で見ていない。
天がジャン・クロードに与えた天候は皆同じである。
ジャン・クロードがそれに、合わせて、キッチリ対応できた。というしかない。
本当に、必要な時に必要なとことを、一寸の隙もなく,精確に実行できたという結果でしかない。自分でも感心するほど完璧な葡萄ばかり。
勿論、ツキもある。でもツキも実力と云える。
16年のジャン・クロード・ラパリュのワインは面白い!!
ジャンクロード・ラパリュ 少数精鋭の気合の収穫 !!
ジャン・クロードの人なりは、“質実剛健”“謙虚”“無言実行”
自分や自分のやっている事をアピールすることは、殆どしない。
他人のやっていること、他人のワインを批判することがない。
自分のやるべきこと、やりたいことをコツコツと確実にこなしていく人だ。
勿論、完璧な人はいない。
でも、尊敬に値する人柄である。
ワインもボジョレでは、先頭を走る一人であることは間違いない。
強靭な精神力と体力で独自なジャンクロード・スタイルを確立した。
体力は強靭。若い頃、パリ消防士の特殊隊に入っていた程の強靭さ。
(特殊部隊は過酷で危険な状況下で活動できる強靭な体力、精神力が要求される。)
己を律する精神力も持っている。
お祖父さんの畑を継承、最初は農協に葡萄を販売していた。20年前より自分で造りだした。当初は、自然派グループとはあまり接触がなく、独自で失敗しながら自然なワイン造りを模索した時代がある。
後に、マルセル・ラピーエルや自然派グループを知り、自然な造りを学んだ。
しかし、最初の独自で暗中模索した時代に彼の独自性が造られた
子供のような遊び心も備えている。一緒にいて心地よい。
だから、多く若者達が、ラパリュの門を叩いて、手伝いながらワイン造りを
勉強にやってくる。
この収穫人の中にも将来の若き醸造家の卵が何人かいる。
On peut dire que Jean Claude est un rechercheur du GAMAY.
Jean Claude nous a montré tous les visages et les capacités du GAMAY.
ジャン・クロードはガメ品種の研究家と云ってもよい。
ガメ品種を、誰も挑戦しなかった造りを、あらゆる角度から試作を繰り返してガメ品種の色んな顔・可能性を我々に示してくれた。
限りなく水に近いスタイル、軽めでスート体にはいるもの、ガメの果実味が爆発するほど詰まったもの、上品で芳醇なタイプ、超完熟ガメのバニュルの酒精強化ワイン風味のようなタイプなど、エット!驚くようなガメ品種の可能性を示してくれた。
特に、可能な限りピュアーな造り、透明感のあるワイン Eau Forte オーフォルトは“水より水らしい”透き通ったワインだ。
また、アランフォ(カメ)内の発酵のガメ、ALMA MATER アルマ・マテールなどは、今までのガメ品種の概念を覆してくれるワインである。
2016年収穫 VENDANGE
実に心地よい雰囲気の中での収穫。
ストレスがゼロ!
皆、自分が飲むワインの為に、自分の葡萄を収穫しているという感覚だ。
ゆったりとした中にも、規律がしっかりと保たれている
理想的なチームワークが成り立っている。
ラパリュの性格そのものだ。
収穫
収穫した葡萄は速やかに醸造所に運びこまれる。
今年は、収穫時の温度が低いので、そのままダイレクトに発酵槽へ。
勿論、ポンプは使わない。持ち上げて上から重力で発酵槽に落とし込む。
さあ、ジャン・クロード・ラパリュの恒例の圧搾が始まった。
これから、ほぼ一か月間は、少しづつ、この古式の垂直式プレス機でのるイベントが始まる。
この絞り半ジュース,半ワイン、“パラディ”を飲みに(試飲)多く人達がやって来る。
このプレス機の前が、宴会場と化することも度々。
液体が止まると交代で、舞台に上がって絞る。
このプレス機の下部の石灰岩が凄い。
一枚岩になっている。
ジャン・クロードがこのプレス機に変えてから、液体のフィネス度が一段と上がったのを覚えている。
醸造所が“Paradis”楽園に変身する。
順調に液体が流れ出すのを確認してジャンクロードが立ち上がった。
ジャン・クロードがこの為に熟成していた特性ジャンボンを切り始めた。
長い夜中の、宴の始まりだ。
圧搾機からチョロチョロと流れでる液体“パラディ”の快音をききながら、延々と続く晩餐だ。
パラディを飲みながらジャン・クロードと話したくて、近所の人、若手醸造家、色んな人達が寄っては、美味しい食べ物を持参して、宴が延々と続く。
私もここで何回、記憶を失ったことか。
私はこの空間が大好きだ。本当に心地よいエネルギーが流れている時空だ。
ジャン・クロードとそこには集まる人達の心がホワッ融合する暖かい空気が流れている。過去、この宴に居合わせた多くの若者達が自然派醸造家として旅だった。
2013年に、この時期にオザミグループの丸山弘人氏がシェフ、ソムリエを連れて、LAPALUを訪問。
この時期に来ないと飲めない“パラディ”を飲むためにやって来た。
勿論、この圧搾機の前にテーブルを設置して、宴を開いた。
オザミ・グループでは、このLAPALUのワインを長年に渡って全レストランで使って提供している。
造り手と販売者の深い繋がりは大切!!
お金だけじゃない。心の繋がりを大切にしたい。
絞りたてのマールの中にソーセージ、豚肉を入れて蒸した名物料理をジャン・クロードが造ってくれた。最高のもてなしだった。
有難う!ジャン・クロード。