流石のラピエール家、このエネルギーは凄い!!

世界中から自然派ワイン大好きな若者達が集まってくるラピエール家。この中にはもう18年間も毎年来ている古株もいる。

今年、19年は、春先の霜被害、猛暑被害、最近の雹の被害、どれも少しずつ被害が出たけど、その都度の対策が功を奏して大きな問題にならずに済んだ。特に8月中旬の大雨の後は、夏休みを返上して畑仕事に精を出した結果だった。
カミーユもマチュもいい顔していた。

カミーユに質問した。
『今年は過去の何年に似ているか?』
私は毎年この質問をする。何故なら、ラピエール家にはマルセルのお父さんの時代から、収穫時の葡萄の状況を細かく記録した日記が残っている。勿論、マルセルもこの記録を残している。
だから、カミーユもマチュもこのよくこの記録を参考にして、対応策を毎年練っているのを知っているからである。
でも、今年は、カミーユが即答した。
『過去のどの年にも似ていない!』
昨今の地球温暖化からくる気候変化は異常なことばかり、いよいよあのマルセルも経験したことがない気候条件の中でワイン造りをしなければならない時代が到来した。

今年も直接な醸造担当はカミーユがやっている。勿論、マチュも総合的な観点から葡萄園の収穫から醸造所までの流れを管理監督している。
今年から、一部の醸造は食堂の向えの敷地にある赤い建物の中でも行っている。
次々と運ばれてくる葡萄を醸造所内に運びこむカミーユがいた。
勿論、除梗なしで、ベルトコンベヤーで発酵槽の上まで持っていて重力で発酵槽に運び入れていた。

マチュは蔵で木製発酵槽の洗浄をやっていた。
そして、今年から、垂直式プレス機をもう一つ導入した。
マチュがある醸造家の倉庫で寝ていたプレス機を交渉して手に入れて、周りの柵の部分を特注で創ってもらった。

葡萄園での収穫は、ベテラン収穫組が新人を教育して徹底した選果を実施していた。
皆、明るい雰囲気が漂っていた。

厳しい重労働の後の楽しみは、皆でとる夕食のひと時。
ほぼ3週間の合宿生活、朝、昼、晩と共に過ごす収穫。

ラピエール一家も収穫の皆と食事を共にする。
これが、ボジョレーの収穫の伝統文化。

今、フランス中で機械での収穫が主流になってきている。さみしい限り。
一年間、過ごした葡萄達が畑から旅たつ収穫は、暖かく人の手でやってもらいたい。

ラピエール家の2019年、数々の気候試練を乗り越えて、素晴らしい状態で収穫中です。
やっぱり、ボジョレはラピエール!!
当たり前です。