南フランスの街モンペリエの街で開催された自然・ビオワイン見本市で特に感動したワインがある。
ラングドック地方の街、ベジエの北東に位置している蔵、ドメーヌ・ラ・ガランスDomaine Garanceのワインである。

多くの醸造家がいる中で、特に感動的なワインを醸す醸造家Pierre Quinoneroピエール・キノネロがいた。
Pierreが精魂込めて醸すLes Armieresレ・ザルミエールがある。

もう彼の感情が伝わってくる液体だ。
ピエールの20年の歴史が、感情が、すべてが入っている。

98年に初リリースだった。でも92~98年までは醸造所を設立する為の準備期間、昼夜も働くほどの努力をした。
そして、98年の収穫直前に交通事故に遭い、厳しい状況の中、醸造家仲間に助けられながら、念願のワインを初リリースした。

それ以降も諸々の受難に遭いながらも、諦めることなく地道な努力を重ねながら今日に至っている。
2度目の交通事故の後遺症で、体が思うように動けないピエールだが決して妥協することがない志には頭が下がる。

そんなピエールが、自分のすべてを打ち込んだワインがこのLes Armieresレザルミエールである。

  

100歳を超えるカリニャン品種が主体。石灰土壌の中に玄武岩が混じる複雑な土壌。
フレッシュさを感じさせるミネラル感はこの土壌構成からきている。

除梗なしのグラップ・アンティエール(葡萄丸ごと発酵槽に入れる)の造り。
しかも長いマセラッション。
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それでも、ここまでのフィネスとフレッシュさ備えたワインがここにある。
今流行の単に飲みやすい軽めのワインではない。
かと言って、濃くて飲みにくいワインでも決してない。
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南仏の良さの濃縮した果実味を楽しみながら、軽快さをも感じさせてくれる。酸の残し方が凄い。
だから濃縮感とその上にフィネス上品さが備わっている。
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こんなワインはPierre Quinoneroしか造れない。
ピエールには、お父さん子の娘Cralaクララちゃんがいる
常にお父さんを後ろから支えている。

(このワインの問合せはディオニ社まで)