夜のボルドーは美しい。
街の至る所に、違った時代に造られた歴史的建造物が散らばっている。
それぞれがライトアップされていて、トビッキリ美しい。

長年に渡ってイギリス領だったボルドーは、他のフランスの都市とは違った雰囲気を醸している。
街の真ん中にガロンヌ河が流れていて、昔は大型船が大西洋からジロンド河を登ってガロンヌ河に入ってボルドーの街まで入って来れたのである。
昔はこのガロンヌ河沿いに、多くのワイン商の倉庫、館が並んでいたのである。そうボルドーワインはイギリスに運ばれてイギリス人が飲んでいたのである。

ボルドーワインが他の地方よりいち早く世界に出回ったのは、このガロンヌ河とイギリス領だったことに由来する。
売れればワイン造りが盛んになる。より美味しいものを造ろうと切磋琢磨する。醸造技術・ノウハウが向上する。

手間暇かけて美味しいものを造れば売れる可能性が大きかった。
他の地方では、そこまで手間暇かけても売れる術はなかった。
土壌が優れていたということよりも、このメカニズムがボルドーワインを造りあげたと言ってよいと思う。

土壌だけみれば、フランス中に優れた土壌は存在している。
でも、その土壌を生かすために、手間暇かけて造っても売れない、だから、まだ手間暇かけて造ったことがないところが多い。
つまり、今現在マイナーな地方でも優れた土壌がまだ眠っているよいってよい。
まだ、まだ、とんでもないワインが誕生する可能性がフランス中に存在している。
そう、まだ宝探しの時代が続いている。

Pont de Pierre

ガロンヌ河にかかるピエール橋、1810年から1822年にナポレオンが命じて造った橋。
全長487m, 4000人を投じて造った。
敵が海からジロンド河を通じてフランスの奥地まで侵入できる可能性をこの橋を造ることで阻止した。

サンピエール教会の塔、紫の門は、ボルドーなのに、ブルゴーニュ門 Porte de Bourgogne とよばれている。