Philippe PACALETがパリにやって来た

Philippe Pacalet フィリップ・パカレがCPVのパリ事務所にやって来た。
この時期は、毎年、今年一年あったことをお互いに総括をするために逢っている。
それと、同時に最近、瓶詰されたサンプルを持ってきた。
今日は昨年から醸造を始めたポルトガルのワインTinta Marena 15とボジョレのChenas15, Cornas15を持ってきた。

まず、今年一年、ブルゴーニュであったこと、ブルゴーニュのワイン全体の話し、クローンのピノノワールの問題点が顕著化していること:

フィリップ
クローンやセレクションマサルに頼るだけでなく、種からピノ・ノワールを育てて改良する根本的な研究をする必要があることを、フィリップは強調している。
このような仕事は、一醸造家ができることではない。何十年もかかる仕事だから、政府の農業機関や研究機関に事あるごとに要請している。とのこと。

修道士が種からピノ・ノワールを育ててきた時代の貴重な資料がフランス革命時にすべて焼かれてしまった、ことをフィリップは本気で嘆いている。
このような何世代もかかる貴重な研究資料があれば、アメリカ産の苗木に接ぎ木しなくても良いピノ・ノワールが完成するのに。
フィリップは本気でこれからの、将来のブルゴーニュのピノ・ノワールのことを危惧している。
現実に今ブルゴーニュで起きている最近のピノの寿命が極端に短くなっているのをまのあたり見ているかなのだろう。
先日、原産地呼称のトップと会った時にも、現状と必要性を説明したようでした。

ブルゴーニュとピノノワールを愛するパカレだからこそ、本気で心配している。
3年前に、フランスで最も権威のある新聞 le Monde が、パカレ氏が語ったこの警笛を載せたことがあった。

CPVスタッフが全員でフィリップ・パカレを囲んで 3種類の2015年産をテ-スティング。
フランソワ、あさみ、貴翔、私。

Tanta Marena ティンタ・マレナ

フィリップは3年前よりポルトガルに頻繁に行ってポルトの土壌を研究している。公式ににはすべてシスト土壌であるが、部分的には石灰質ぽいものが混ざっていたりするところがあるのを発見。
標高が高い(450m)の段々畑で栽培されている品種Tanta Marenaに注目していた。
普通はポルト酒に使われる品種の一つ。
ガメイ品種のような性格をもっている。

15年産より、試作を開始した。
勿論、すべてブルゴーニュ方式つまりフィリップ・パカレ方式で醸造をやってみた。
除梗なしのグラップ・アンティエール(葡萄房まるごと)仕込むセミ・マセラッション・カルボヌック醸造である。

まるでボジョレのガメイのように軽快なタッチ、でもシスト土壌からくる凹凸のあるミネラル感。
その上に石灰土壌っぽい旨味、爽やかなピノっぽい果実味。

まだ、樽から出してきたサンプルだけど、素晴らしいパカレ風味のポルトガルワインが誕生した。
好ご期待!!

Chenas シェナ(クリュ・ボジョレ)を利く

フィリップはここ数年自分の故郷でもあるボジョレのテロワールに大変興味を持っている。
18年に渡ってブルゴーニュ・テロワールに集中してきた。
昨今のブルゴーニュの土地代の高騰に伴うブルゴーニュ・ワインの価格の高さにはフィリップ自身も心配の種で、ブルゴ-ニュワイン価格の高騰には決して納得していない。
フィリップは葡萄畑を借りたり、葡萄を買ってワインを造っている。
土地代が上がれば葡萄の価格も上がる。このメカニズムは、本来、ワインの質とは関係ない。
中国人や単なる投機で土地を購入する人達にブルゴーニュ・ワインが翻弄されている。

ブルゴーニュ・ワインが、単なるお金儲けの道具として利用されているところに大なる疑問を感じている。
そんなことも関係しているのかもしれないが、フィリップはブルゴーニュ以外の土壌で、偉大なブルゴーニュ醸造手法をもってワイン造りをやみたかった。

この北ボジョレのChenasシェナの土壌は単なる花崗岩土壌ではない。マコンとボジョレの境界線もちかいので、川から流れてきた丸石や石灰石なども入り混じっている北ボジョレの特殊なミクロ・クリマを備えている。

15年、ブルゴーニュ方式で醸造、22日間のカモシ、ピジャージもほぼ毎日実施。スパイシーで、濃縮感もあってグルナッシュを思わせる風味あり。

フレッシュ爽やかさもあり。今まで存在しなかったシェナのテロワールを表現」してくれている。実に興味深いワインである。

Cornas 北ローヌのコルナス

フィリップは北ローヌの花崗岩土壌が好きだ。
ずっといい葡萄畑を探していた。
北ローヌには親友のエルヴェ・スオがいる。
3年前にローヌ河を見下ろす標高の高い最高のミクロ・クリマを備えた畑を確保できた。

太陽が燦々と降り注ぐ急斜面で育つシラーを
パカレがブルゴーニュ方式で醸すとどんなスタイルになるか?
誰もが興味を抱くところ。

花崗岩土壌のミネラルを活かした透明感、パカレ独特の果実味と深味を備えながら、決して強すぎることがない。
フレッシュささえ感じるシラーが仕上がる。
ウーン、美味い。パカレのワインは常にキレイに仕上がる。

これから年末年始に出てくる、旨味タップリのグルメ料理に是非合わせたいワインだ。
和牛のグリエにパカレのコルナス。バッチリでしょう。

気がつけば13時を回った。
お腹が空いてきた。

今日は、久々にフィリップとBaratinバラタンに行くことになっている。
ピノーットことバラタンのフィリップが首を長くしてフィリップ・パカレを待っている。

でも、アペリティフをやろうと云うことになり、
この一本を開けた。
フィリップの大好きなマーク・ペノのシャポームロンを開けた。
イヤー!!美味しい!! 
いざ、バラタンへ!

Info

Le Baratin

Adresse : 3 rue Jouye Rouve, 75020 Paris, France
TEL : +33 1 43 49 39 70
Facebook : https://www.facebook.com/pages/Le-Baratin/118462868221588