Salon de vin “Indigenes” ワイン見本市アンディジェンヌ Part-7

ルシオン地方のワインの歴史を根本的に進化する切っ掛けを創ったのはこの人に間違いない。
Jean-Francois NICQジャンフ・ランソワ・ニックだ。
今でこそ、自然派ワインが多く存在する有数の地方になっているルシオン地方だが、2002年以前は皆無だった。
南ローヌの農協CAVE ESTEZARGUEカーヴ・エステザルグで醸造長をやっていたジャン・フランソワが2002年にこの地にやって来てルシオンの歴史が変わった。

当時、このルシオンでは、濃厚でアルコールが強いワインしか存在しなかった。
殆どの蔵がまだVIN DOUX NATUREL酒精強化ワインを中心に造っていた。
濃厚さ、アルコールの高さ、甘さ、すべてが時代遅れになって、売れずに八方塞がりのルシオン地方だった。

2000年初期から世の中の人達が求める味覚が大きく変化した。
料理の世界でも同じだった。
濃厚なスタイルから繊細さ、フィネス(上品さ)へと一般レベルで本格的に変化していた。
当然のごとくワインに求められる方向性も変化して来た時期だった。

そこにジャン・フランソワ・ニックがこのルシオンに登場。
灼熱の太陽を栽培でコントロールして、自然派の特徴であるセミMC(マセラッション・カルボニック醸造)を駆使して、色もアルコールも軽めで、繊細で、上品な果実味豊かなワインをここルシオンで造りあげた人物だ。

彼の成功を見て多くの若者達がここルシオンにやって来て、ジャン・フランソワ・ニックの教えを受けることになった。

ジャン・フランソワ・ニック学校と言っても過言ではなかった。
こうしてルシオン地方が自然派ワインの一大産地となった。