Marcel nous a quitte !

世界中の多くの人々に勇気、ひたむきさ、シンプルさ、真っ直ぐさ、自然であることの大切さ、生きることの喜びを与え続けてきたマルセル・ラピエ-ルが我々に別れを告げた。最後の最後まで葡萄園に立ち続けた人生にピリオドを打った。60年間という濃縮したあまりにも早い人生だった。一ヶ月前までは元気に畑に出ていたマルセルだった。2010年の収穫が終わるのを待って、その2日後、10月10日にモルゴンを去った。

『マルセルには多くのことを教えてもらいました。人間としての厚み、深み、生き方、人に接する時の暖かさ、勿論、ワインについても多くのことを学びました。今思うと、彼の人生そのものがワインの要素になっている。ワインを通して人が集まり、その人生を楽しみ、人生に温かみを与えてくれる。まさにマルセルの人物そのものではないか。』

2010年8月18日撮影

この笑顔のシワに刻まれた深みが人物としての厚みを感じ、瞳の奥に暖かみが。

誰にこんな笑顔ができるのだろう!

多くを語らないマルセルは、常に行動で語っていた。
多くの悩める若き醸造家を真っ直ぐな方向に導き、その方向を自らの行動とワインで行くべき道を示してくれた。

我々のような外人ワイン関係者にも隔たりなくワインのあるべき姿の真実とプュア-さを教えてくれた。

ありがとう!マルセル!言葉では言い尽くせない感謝で一杯!
GRAND MERCI! MARCEL !

今世でのお役目、お疲れさまでした。
安らかに、おやすみください。

伊藤  PARIS