偉大なるブルゴーニュに超自然派若手が誕生!その名はヤン・ドリュ。HAUTES COTES DE NUITS オート・コート・ド・ニュイ地区に属している。ブルゴーニュで待ちに待った若きチャレンジャーだ。プリューレ・ロックで栽培を担当、自分の畑を持ち10年が初リリースだ。
ヤン・ドリューはブルゴーニュのまだ発見されていない名土壌発掘への挑戦に燃えている。他の地域では彼のような若きチャレンジャーを時々見かける。ヤン『ブルゴーニュの土壌は今評価されている区画以外にもまだ誰も挑戦してない土壌が埋まっている。その開発実践が私の人生だ。』と語る。
ロックで栽培を担当しているだけあって、自然栽培理論にはうるさい。古き先達の話を聞き、実践の中で自分が確認したこと融合させて独自の理論を持っている。9月中旬、皆が収穫を終えた時期にまだ収穫を始めていないヤンの畑。丁度この時期に熟成するように栽培している。
ヤンにとっては9月後半に収穫するように最初から自然調整が利いている。なんと剪定を開始したのが4月という遅さ。上に伸びるつるの先端を切る作業(rognierロニエ)を最後までやらない、など先輩達が知ってるけどリスクが伴うのでやってない事をヤンは実践しているだけ。
ヤンの葡萄を食べてみると決して超完熟していない。酸も残っている。マチュリテー・フェノリックと呼ばれるポリフェノールの熟度は高い。まさに真っ黒に色づいているピノノワールだ。酸が残っているということは糖度も強すぎることなくミネラル感もあるのだろう。
ヤン・ドリューのお爺さんは葡萄栽培、ワイン醸造をやっていた。お爺さんの影響を多く受けて育った。お爺さんがやっていたことは正に自然派ワイン造りだった。ヤンのワインに賭ける情熱を評価して村の年輩者から『俺の葡萄園でワインを造ってくれ』と頼まれている。村一番の樹齢古く、ミクロクリマと土壌条件がよい畑だ。ヤンの情熱が村の年輩者に通じたのだろう。
ヤンの初リリース10年が樽の中でまだ熟成している。シャルドネ、アリゴテ・ムスカッテという2種類の白ワイン、ミネラリーで真っ直ぐなワインだ。、最初の赤はまだやや硬かったが、ヴィリエール・ラ・ファイエ村の畑のピノ・ノワールは抜群に潮っぽくミネラルと昆布だしのような旨味。
ヤンのヴィリエール・ラ・ファイエ村のピノ・ノワールは驚くべき美味しさだ。ミネラル中心の果実味、エレガントでグイグイいける心地よい軽めのワイン。そして古木VVは2樽しかないけどニュイ・サンジョルジュを思わせる構成のしっかりしたザ・ブルゴーニュタイプのテロワールワインがある。
ブルゴーニュの大型新人ヤンは多くの自然派の作り手に愛されている。ロックでパカレのあと醸造を担当していたニコラ・テスタやブルイのジャンクロード・ラパリュ、マコンのジュリアン・ギヨなどと深く付き合っている。久々に出現したバガンデーの大型新人を応援したい。