〜東を“シガシ”としか発音できず、曲がったことが“デー嫌い”な正真正銘の江戸っ子だ!〜


思ったことは絶対にやらずにはいられね−性格だ。
頑張っていたかな-と思うとホっと気が抜けるところも江戸っ子らしい。でもやっぱりやらずにはいられね−がんばり屋。
こんな性格をお客さんは百も承知で合わせてくれている。

自分の好きなワインしか売ることができない、不器用さ。当然、商売上手ではない。好きなワインをとことん仕入れてしまう。店に置く場所がなく困っていると、お客さんの方が心配して買いにきてくれる。お客さんとはツ−カ−だ!
長く付き合っているお客さんは、彼女の性格を分かっているので問題ないが、初めてのお客さんは最初戸惑ってしまうことがあると想像する。
でも、最終的には彼女の大ファンになってしまう人が多い。
私もその大ファンの一人だ。江戸のワイン販売を語るとき、彼女をはずしては語れない時代がきっと来るだろう。なくてはならない人物だ。

店の名前はよろずや、彼女の名前はゆきこ。

10年ほど前から毎年フランスまで買い付けに来る、10年来の付き合いだ。好きなワインしか絶対に買わない。彼女の買う買わないの尺度は、醸造元の“人間”だ。人間が好きになるとトコトン仕入れてしまう。ドメ−ヌ・セネシャリエ−ルのマ−ク・ペノのワインが大好きだ。

〜あのマ−ク・ペノのセナシャリエ−ル救済の起点となったゆき子さんの行動力!〜


彼女は、ワイン造りに没頭しワインのことしか考えない純粋一途なマ−ク・ペノが大好きだ。だから、マ−ク・ペノが昨年倒産した時、彼女は黙ってはいられなかった。お客さんと共同でドメ−ヌを買い取る算段を企てた。ゆき子さんからフランスまで電話が入った。
『数千万円までなら何とかします。マーク・ペノを救済してください!!』
何回も何回も執拗に電話がきた。お客さんを巻き込んでの救済だ! 私はこの電話で決意した。
マ−ク・ペノのワインの偉大さとゆき子さんの一途な行動力に驚いた。一杯のワインが遠い日本のお客さんをここまで動かすパワ−があることに驚愕した。知り合いの弁護士に連絡したら、数々の困難な壁があった。自分独りの力ではどうにもならなかった。
そこで野村ユニソン社に応援を依頼した。本格的に動き出すと、困難と思われたことが奇跡的にスム−ズに進んでいった。正直私は驚いた。なんらかの力が後ろから後押ししてくれたとしか思えなかった。でも、ふとゆき子さんの顔が浮かんだ。彼女のあのパワ−とペノさんの一途さがきっと動かしたのだ。
結果、マーク・ペノのドメ−ヌ救済は野村ユニソン社の協力のもとに成功した。あのゆき子さんからの電話がなかったら、なかったことだ。彼女には目に見えない力がある。

〜10年間毎年フランスまで買い付けに来る江戸っ子、ゆき子〜


          大好きなドメ−ヌ・ドピアックのシルバン・ファダ夫妻とゆき子さん
  
『毎年来て醸造元の顔を見ないと力が入らないのよ!』と唸る。
醸造元の方もゆき子の顔を完璧に覚えていて、彼女がくると親戚が来たごとくに迎えてくれる。造る現場と売る現場の人間が信頼で結ばれるエネルギ−は図りしれないものがある。
ゆき子さんが『このワイン美味しいよ!』と言う言葉には醸造元のエネルギ−も乗っている。彼女はあまり細かい説明はしない、むしろ苦手な方だ。勢いで売るタイプだ。                         
醸造元達は彼女の行動力に驚いている。何故なら、パリのワイン屋でもなかなか訪問する人は少ないのに、日本という地球の裏側から日本のワイン屋が来てしまうから驚くのは当たり前だ。

  ドメ−ヌ.ヴィエユ・ジュリエンヌのドーマンさん        ラングドックのシャト−・ランガラン

〜もっと驚くのは、自分のお客さん10数名引き連れてフランスまで来てしまう〜

ド−ピアックのファダさんが命がけで開拓したコカリエ−ルの畑にて

『私は自分が感激したことと同じ感動をお客さんにも体験してほしかったのよ!』

彼女の言葉で実際にワイナリ−巡りツア−に来てしまうお客さんも凄いと思う。


ランガランの庭園にて

このツア−はパリは通過するだけで見学はしない。
いきなりフランスの片田舎に連れて行かれる。
フランスが初めてきた人もいきなりラングドック地方、ロ-ヌ地方
と田舎だけ見て帰ってしまう。でも大喜びで帰っていく。
ゆき子さんのフランスの親戚に逢えたからだろう。

〜自然派ワインを最高の料理と飲めるレストラン『バラタン』にて〜

たまにはパリに寄ることもある。その時は迷わずバラタンだ!

奥さんのラケルともサ−ビスのピノッシュともすぐに打ち解けてしまうゆき子。江戸っ子パワ−は凄い!!

〜よろずや・ゆき子ののボジョレ・ヌ−ヴォ−2008年〜

ゆき子ファンはドンドン増えていく。

よろずやの店の一階は本当にただの普通の酒屋風だ!

期待して来店した人はそれだけ見て、なんだ、と帰ってしまう人も多い。
ワインは地下で販売している。この店に来たら是非、天然江戸っ子のゆき子と話してほしい。右腕のよし子も素晴らしい人だ!

この地下では毎週、テ−スティン会やワイン教室のようなものが開催されている。
今夜はフランスツア−に参加した友達が大勢来ていた。懐かしい顔ぶれだ。
鶯谷の近所の人達ばかりと思いきや、横浜とか国分寺だとか結構遠くのお客さんも多かったのに驚いた。圧倒的に女性が多い楽しい雰囲気だ!


2004年産のヌ−ヴォ−と比較試飲
                                
ヌ−ヴォ−は早く飲まなければならないとよく言われるけど、しっかり造られて活きているヌ-ヴォ-は全く問題ない。まるで熟成したピノ・ノワ−ルのようだった。今夜も佳き人達と佳きワインで楽しいひと時を過ごせました。
有難う!江戸っ子 ゆき子さん                               

ゆき子さんも店とワインを中心にお客さんとの信頼関係のもとに、下町ワイン文化を築いている。
単なる小売店の範疇を越えた生き方をしている。大変だけど遣り甲斐のある佳い仕事をしているね!
ここでも本物ワインで幸せを広げている。燃やせ!PASSION !燃えろ!PASSION !!

〜自2次会はワインが飲める一杯飲み屋にくりだした〜


いかにも下町の鶯谷の一杯飲み屋だ。
私はこう云うところでワインを飲むのが夢だった。
以前にもこのホ−ムページで紹介したことがある店だ。
カウンタ−しかない一杯飲み屋だ。


パリ帰りの美人ママさんの手料理だ

ここではサン・シニアンのドメ−ヌ・ムリニエの美味しくて価格もお手ごろの原人ワインを飲んだ。何故、原人だ?
この畑には恐竜の卵の化石とか原始時代の化石がゴロゴロ落ちているからだ。是非、セ・キ−で飲んでください。今夜も超満員でした。

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