~LAPALU - ラパリュがヌーヴォー・収穫完了!~

8月27日 快晴の日 ラパリュは自然派のトップを切って収穫を開始、極左、ラパリュと収穫チーム

~ボジョレ地区で最も早熟のブイイ山の南に畑~

今年は6月初旬より13mmしか雨が降っていない。世紀の年と云われた猛暑2003年の乾燥度を超える勢いだ。幸いにも冬に降った雨のお陰で地下の深いところには若干のストック水がある。
最終段階の葡萄が熟すのに水は大切な存在だ。
ラパリュは長年の自然栽培のお陰で根っこが地中深く入りこんでいる。しかも葡萄の樹齢が最も若くても60歳を超えている。
この程度の乾燥ではビクともしない。
順調に光合成がすすんで、糖度もアントシアン色素もバランスよく熟した。

ラパリュ
『2003年の同じ時期にアントシアン・色素1500だった。今年はもう1600までいっている。つまり03年以上だ。』

『これ以上待っても得るものはない。だから収穫を決意した。』

ジャンクロード・ラパリュの畑は、なだらかな丘の頂上にあり、朝から夕方まで一日中太陽が当たっている。しかも、ブイイ山のお陰で温暖な微気象がここには存在している。ボジョレ中で毎年、もっとも早くこの畑が熟す。
だから、ヌーヴォー向けにはいつもここの畑が使われる。

~葡萄の健全度は完璧だ!今年は選別作業は必要ない。完璧な状態だ!~


ワインは収穫が終わるまでわからない。
とよく云われる。こんな健全で完璧な葡萄がとれたのは2005年以来だ。
毎年湿気で腐った葡萄をよく選別する必要がある。今年は殆どない。猛暑の影響で少し焼け気味の葡萄がある程度だ。
こんな完璧な葡萄はしばらく見たことがない。特に07.08はベト病でやられた葡萄が多く 選別が大変な年だった。
他のボジョレ地区では約1週間後に収穫が始まる。その間に何が起きるかわからない。
ラパリュは最高の葡萄を収穫完了した。

~ボジョレ・ヌーヴォの原点はここだ!~

ジャンクロード・ラパリュは語る。
『もともとボジョレ・ヌーヴォの原点はこのブイイ山の南側のこの地区が元祖なんだ。最も早く葡萄が熟す早熟のこの地区が原点なんだよ。ボジョレ中で最も早くワインが仕上がるのがこの地区だからだ。
今でもよく覚えているよ、お爺ちゃんができたてのワインの樽を馬車に乗せて、ヴィル・フランシュの町や、リヨンの町のビストロに届けていたんだ。』

『その頃は解禁日なども決まっていなかったので、早くワインが仕上がったもの勝ちだったんだ。最も早く葡萄が熟す地の利は決定的に有利だったんだ。他の地区では仕上がるのが遅いので勝負にならなかったのだ。』

毎年、他の地区より収穫が1週間から10日ほど収穫が早い。
納得だ。

~2009年ボジョレ・ヌーヴォー収穫情報・ラパリュNO2~

~自然派の収穫はいったいどんな風に?~ 

体育会系合宿所のような感じ
ドメーヌ・ラパリュの収穫をとうして、自然派の収穫がどんな風に行われるのかをリーポートしたい。
ラパリュは、今年22人の収穫人を集めた。半分ぐらいは前年も収穫したメンバーだ。ブルターニュ人、リヨンの学生、北フランスの若者などフランス中から集まってきた。約2週間ほど続く。毎年おばさんの家を借りて収穫人のための宿舎として提供している。朝、昼の食事はラパリュの奥さんが22人分用意する。奥さんにとって、この2週間は大変な作業だ。

  

自然な造りの為に初日の指導が重要

自然派は醸造中にSO2を添加しないので健全な葡萄のみを収穫籠に入れなければならない。

腐った葡萄が入ってしまうと雑菌が入ってワインがダメになってしまう。だから、収穫初日の指導が非常に大切な仕事となる。発酵中SO2を使用すれば殺菌されるのでこんな苦労をする必要はない。

でも、SO2を大量に使用すれば自然酵母も死んでしまう。自然酵母が土壌の本物風味を醸してくれる。だからジャンクロードは2倍の労力がかかるけど完璧な葡萄のみを収穫するように収穫人に指導する。本物の土壌風味のためだ。

収穫人は丸い籠を持ってひと房ひと房を壊さないように籠の中に入れる。

22人中、20人が収穫する役割、2人は収穫された葡萄をカジェットと呼ばれる底の薄いケースに葡萄を詰めてトラックまで運ぶ役割、ポルトゥールとよばれる仕事だ。


葡萄をいかに潰さないで完璧な状態で醸造元まで運ぶか?が非常に大切な作業となる。

ポルトゥールは経験者のベテランが担当する。全体の流れや
スピードをみての判断が必要だ。

収穫の仕事は体力的に実に厳しい仕事だ!スクワット運動を一日に500回以上はやる!

この姿勢から次の葡萄木までは立って移動しなければならない。

つまりスクワット運動の連続となる。

一日の後半になると疲れがたまってくる。

皆で歌ったり、ふざけたりして勇気付けないとやってられない。

これでチームの雰囲気が一挙に明るくなって打ち解ける。仕事はきついけど、楽しい2週間の合宿生活は
良い思い出になる。この収穫で知り合って結婚するカップルが
多いのである。

葡萄を切るのはセカトゥールと呼ばれる特殊なハサミだ。

慣れないと自分の指を切ってしまう。


さすがに、午後は腰が痛くて寸暇の休み時間は横になりたい。

初日が最もきつい。

3日目からは体が慣れてくる。

私も若い頃経験があるけど初日で逃げ出したくなるほどだった。

葡萄園から葡萄園までの移動は集団トラックだ。

朝、7時30~12時まで、14時から18時まで収穫は続く。

Tシャツに染みた汗を絞る。

一日の仕事が終わってトラックで宿舎まで帰る時は体は疲れているけど、

最高の気分だ。

自然の中での仕事は、何故か充実感がある。

帰りのトラックは歌を合唱だ!


ラパリュ醸造所
醸造所では朝10時ごろまでは気温が14度ぐらいだった。
朝収穫した葡萄はそのままグラップ・アンティエール(房ごと)発酵繅に入れられる。

午後、気温が30度まであがった。

午後、収穫した葡萄は冷蔵部屋(13度)に入れて一晩冷やしてから、翌日発酵繅に入れる。

自然派のSO2無添加のワイン造りには大切な作業だ。

温度が高いまま発酵すれば一挙に雑菌が増殖してダメになってしまう。

一晩冷蔵室で 冷やす。 

彼らの喜びがワインに入っている。大切な事だ!

今年のラパリュヌーヴォーは見逃せない!!

太古の昔、火山帯だった、ボジョレ地区の土壌。

~天と地と人が葡萄を育ててくれる。~

自然栽培された葡萄木の根がローズ色の花崗岩のエネルギーをワインの中に注入してくれる。
太陽や遠い宇宙の星の光を受け止めて、宇宙の光子エネルギーを光合成することで萄房や糖に変えてしまう健全な葉。
邪念のないジャンクロード・ラパリュが自然に天と地の送りものを、醸造でボジョレ・ヌヴォーに変えてくれる。

ラパリュ・ヌーヴォーはエネルギーが詰まっている。

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