ドミニック・ドランにとっては、ワイン造りは畑がすべて。
30年弱のビオディナミ農法で葡萄木達は屈強な体と深く地中に伸びた根っ子を持っている。
そんな屈強な葡萄木が育てた“葡萄”はそんじょそこら“葡萄”とは訳が違う。

根本的なエネルギーを持った“葡萄”は醸造所で妙なテクニックを必要としない。
収穫した葡萄を冷やすこともしない。
(自然派の人達がよくやる発酵槽に入れる前に葡萄を冷やす作業)

天と地のエネルギーの含有量がタップリ葡萄に詰まっている。
バクテリアに対しての抵抗力、葡萄自身の治癒能力が違う。

  

発酵槽の下に入る葡萄は除梗して、やや潰す。その上に除梗しない葡萄房を丸ごと入れる。
更にその上に除梗した葡萄を入れることもある。

下部の除梗・破砕したジュースが即発酵開始するので、二酸化炭素CO2を注入する必要もない。
勿論、SO2酸化防止剤などは入れる必要が全くない。全くの自然、無添加、発酵槽に入れるのは
葡萄のみ。

除梗も古木や上級Cuveなどは手で葡萄粒を茎からとる作業をしている。
(写真):丸い枠がついた網の上に葡萄をおいて葡萄を転がすと粒だけが下に落ちていく。
(手作業の除梗網)

酵母はそれぞれの畑に住んでいた自然な自生酵母のみで発酵。醸造・熟成中のSO2の添加はなし。

  

★ピジャージ★

発酵に葡萄をいれた初期の頃のピジャージは、葡萄を潰してジュース出させてアルコール発酵を促進させてくれます。

何千年も前から行われているピジャージという葡萄を足で潰す作業です。
日本の一般消費者の方がこれを見ると。

『口に入れるものを、なんと不清潔な、と思われるでしょう。』

これからアルコール発酵、そして樽熟成が行われます。
この長い熟成中に不純物やバクテリアも含めてオリと共に熟成樽の底に沈められていきます。
最終的、底に沈めらたオリを取り除いて、クリアで美味しい安全なワインに仕上ていきます。
このまま瓶詰する訳ではありません。