BY-KISHO

朝9時ジェローム・ギシャールの訪問開始。
まずは、畑の訪問からです!
今年2018年は5月初旬から約50日間、異常な湿気と蒸し暑さが訪れた。ほぼ毎晩、短時間で約40ミリも雨が降ったらしい。そのため今まで経験したことのないべト病の大量発生に遭い苦しめられる。またところどころ、雹の被害もある。 現在はまだどれだけの被害になるかは図れませんが、葡萄の量も多いのでそこまで心配していないとジェロームは言う。

畑の訪問
第一畑
Uchizyウシジーの畑。1Ha。

 

新キュヴェ・プロメッスの畑です。
樹齢30-40年のマコンのガメイ。南西向き。
石灰質土壌。鉄分が多く含まれ、酸化してピンクになる活発な石灰質土壌。周りには他の畑は無く孤立状態なので、農薬のコンタミの恐れはない。風景も素晴らしい。北風の通しがよく、彼の畑の中でもべト病が少ない方。
2年前に借り始めた畑で、即有機栽培に移る。その前は数年間ほとんどオーナーから放置状態だったので農薬の使用も少なかく土壌もそれなり回復しているという。
ここの石灰は、酸化によって分解しやすい土壌で、すぐ砂状に風化するらしい。そのため葡萄の木に石灰は吸収されやすく、ミネラル感と塩味の凝縮した葡萄が生る。白ワインを造るには素晴らしいテロワールですが、あえてここには赤葡萄を栽培しているので面白い畑だという。この辺では珍しいパターンです。
2017年の収穫量は25Hl/Ha。とてもいい年でした。
この畑の西側に、0.3Haの小さな土地を借りている。来年にはマコンの自然派ワイン生産者Julien Guillotのピノ・ノアールをセレクション・マサルで植える予定。将来ピノ・ノアールの泡を造るとか??
この畑少々雹害もあったが、全体的にとてもきれいな葡萄で生き生きしています。

第二畑
Bouchatの畑です!シャルドネ1Ha.

ここも周りに他の畑は無い。隣の農薬の影響もない最高な環境。
粘土石灰質土壌。粘土の中に風化した石灰の砂が混じっている。
昔ここは砂を収穫していた場所、Sabliereでもあったらしい。
・畑の西側、下の25列が1980年に植えられたシャルドネ。ペットナットを造る葡萄です。
・その隣も同じ樹齢のシャルドネで、ダイレクトプレスのキュヴェ・ブシャになる。
・さらに畑の一番高い場所、東側の列は1935年に植えられたシャルドネ。香りと複雑味を凝縮するこの葡萄からはいい年だけスキンコンタクトのブシャ・マセラションができる。

  

ここは7月10日に雹が少々降り、べト病にも弱い畑。
また開花のタイミング暑すぎたため花粉がやられ花振るいも発生してしまったらしい。そのため葡萄の房には生らなかった実も多く隙間だらけだが、その分風通しもよくなり成長した実はエネルギーとミネラルが凝縮したものになるとジェロームは言う。とてもポジティブ!
問題はべト病の方だと。対べト病の調剤は銅の粉末です。銅の粉末は他の微生物も殺してまい土によくないので、ほとんど使わないようにしてるジェロームですが、そんな彼でも今年は何度も使わざる得ないほどのべト病の勢いらしい。
しかし可能な限り撒く量を少なくしたいので、そのためには銅を使用するタイミングを厳しく選ばないといけない。満月に胞子が芽吹くので、満月の二日前に撒くのががベストらしい。
色々と困難もありましたが、葡萄の量をまだ比較的例年より多いため今のところ大丈夫という!
さて、ここで庄本さん、まさかの剪定をやることに。
この時期になると、ジェロームははみ出た葉っぱと枝の先を全部手動で切り落としていきます。
それは葡萄の木に、枝の成長に使うエネルギーを葡萄を成熟するエネルギーに移し変えてほしいからだ。

ひと汗かいたあと、Rapillere2017、2カ月のマセラションの試飲です。まだボトリングされて長くなく少々荒れてましたが、時間が経ってゆくとともに開いてきました。

第三畑
Perrieresの畑です!

ブシャの畑から200mほどしか移動していないのにもかかわらず、土壌が全然違います。

ここも粘土石灰質ですが、粘土の割合が比較的多く、深い土壌です。
畑に入って右側はモンブレッドの畑です。樹齢50年、0.45Ha。
左の畑からはPerrieres Vieillesができます。樹齢90年、0.15Ha。
Perriere畑の奥はなぜか窪んでおり、湿気もたまりやすいそうです。

追加情報その1
なんとジェロームの畑は隣と違い、ある種のバクテリアFlavescence doréeに寄る病気が一切発生しないらしいです。
このバクテリアはフランス、ヨーロッパ、北アメリカ各地で発生しておりワイン生産にとても広い範囲で大きな被害を及ぼしています。そのバクテリアの感染を広めるのが小さなセミのような虫、ヨコバイです。
Flavescence doréeを処分する抗生物質は存在しないので、そのヨコバイを退治する殺虫剤を撒くことをブルゴーニュなどのワイン生産地では生産者に義務付けられています。その義務を果たさない生産者は厳しく罰則されることになっています。
しかしジェロームはその殺虫剤を一切使用していません。もちろん内緒です。それでもなぜ薬を撒いている隣の畑にはFlavescence doréeが現れ、ジェロームの畑は一切感染されないのでしょうか。
それは彼の畑の生き生きとした生物多様性のお陰ではないかと彼は言う。
ジェロームの畑は多種の微生物、虫、小動物、動物そして植物が共存してバランスを取り合っている生態製です。そのため、ヨコバイにはクモなど小動物など色々な宿敵がおり、大量発生しず、バクテリアの感染と病気も押さえられるのではないかと。
それに加えて農薬に頼っていない有機栽培の畑の木は免疫力が強いこともあるでしょう。

追加情報その2
ジェロームは来年、家の裏にスイスから持ってくるハイブリッド品種を240本ほど植える予定。
黒葡萄はピノタン、レオン・ミヨ、白葡萄はギヴェルコなどその他色々。そこには、葡萄畑だけではなく、生物多様性をさらに強化するためリンゴやナシなど葡萄以外の木も混植する予定。そして羊も放し飼えにするらしい。
遊びと実験を兼ねて、ワインを造りたいとのこと。
このハイブリッド品種のキュヴェは« Bioman »ビオマンと名付ける。

試飲

いよいよ試飲に入ります!
 

下記試飲した順番に記号しました。
・MontBled 2017  現在フードル熟成。まだ残糖あり。
・Perrières Vieilles 2017 マセラションなしだが、 一週間かけてゆっくり木製垂直プレスで圧搾。現在500L古樽で熟成中。まだ残糖あり。
・Perrières Vieilles 2016 樽熟成中。マセラションなしだが、 一週間かけてゆっくり木製垂直プレスで圧搾。
・Perrières Vieilles 2015 マセラションなしだが、 一週間かけてゆっくりプレス。ジェロームにとってもいだいな年。複雑味、ミネラル、旨み成分そして酸のバランスが絶妙。残り一樽! 
・Chevrot 2015 ネゴスワイン。酸化熟成で揮発酸も効いています。
・Bouchat 2015 二つの樽を試飲。現在揮発酸もセメダイン臭もようやくまろやかになってきあた感想。旨み成分抜群。ワインに厚みも。
・Bouchat2014 樽熟成中。素晴らしい酸と複雑味。
・Montbled 2012 樽熟成中 。
・Bouchat 2011  一樽予約!マグナム60本、残り通常の瓶でボトリング。
・Rapillère 2017 10カ月間のスキンコンタクト・マセラション。さらに2カ月間マセラション。レジーヌタンク。
120本予約済み。

      

・Petnat Il a un grain 2017 全房で12時間の醸し、そしてプレス。60%ピエールボアヤの葡萄。40%Uchizyの葡萄。糖20g/Lでボトリングしてアルコール発酵を便内で終える。残糖2g/Lあり。まるでイチゴジュース!
・Petnat Il a un grain 2015 。赤いべリーと複雑味豊かだが、やはりまだデゴルジュマンの際には中身が沢山出てしまう。

注意・キュヴェCreuse Noireはもう造りません。このキュヴェはNoire Creuse de Noire とJus de Chaussetteのブレンドですが、両キュヴェの生産量が少なすぎるため造るのを断念。

コルクは一切薬剤を使用していないものを使用。水でゆすがれて、ビーワックスで用意されたもの。

 

ジェローム曰く、
「醸造中てこずるあるワインにこそ、物語がある。時間を置いて、ワインが自らその物語を打ち明かすまでゆっくり待てばいいのだ。そしてそれぞれの樽に個性と歴史があり、決して同じキュヴェでも違うワインができるのが面白いよ!」
この日も、庭でおいしいお食事をしながら試飲を終えました !