鏡Kagamiさんと初めてあったは東京・銀座オゼミ・デ・ヴァンのヴァン・ピックール(Vin Picoeur)
だった。
もう20年ほど前のことだった。私の大好きなビストロで飲んでいると、誠実そうな青年がやって来た。
『伊藤さんですか? 実は私はフランスでワインを造りたいと思っているです。』鏡さん
目が真剣だった。
『エッ、チョットまって、もう少し深く考えた方がいいんじゃない。』私
『はい、考えて、もう会社を辞めてしまいました。』鏡さん
あまりにも真剣さに驚いた私。
それから、しばらくしてフランスにやって来た。
アルザスのBruno Shchuellerシュレールのところで10年修業。
シュレール醸造の栽培をお父さんのGerardジェラールと一緒にシュレールの畑を磨きあげてきた。
畑仕事の最高の仕事師ジェラールさんに学んだことは凄い経験になったと思う。
そして、ジュラ地方にやってきて真剣勝負が始まった。
一遍の詩となるようなジュラ地方のミクロクリマとの戦いが8年間続いている。
地球温暖化の影響が最も顕著に出ているミクロクリマを持つジュラ地方。
その中でも、ジュラ南部に位置する特殊な微気象をしなえている。
特別に繊細なワインができる土壌でもある。
あのGanevatガヌヴァ醸造が隣村にある。
トビッキリ美味しいワインができる特別な土壌を備えている。
しかし、生産量がここ8年に渡って少ない。
8年前より顕著になってきた異常な気候変動の影響が出ている。
でも、ジェラルドに学んだ栽培技術を駆使しながどんな天候が来ても微動だにしない栽培の“技”を
磨いている。
まさに、真剣勝負と云っていい戦いをやっている。磨きをかけている。
多くの人がKennjiroの仕事を見守っている。応援している。
奥さんとの二人三脚が何倍もの力となって畑を見事に造りあげている。
最近のミレジムの鏡さんのワインのミネラル感は凄いものがある。
フランス中の醸造家からKenjiroの名前で愛されている。
今回の鏡さんとの久々の再会で心身を削りながらの戦いで造ったミレジムに心から感動しました。
私も心から応援しています。頑張ってください。
銀座で初めて逢った時の顔が何回も浮かんできた訪問となりました。