BEAUJOLAIS –ボジョレ
この山の若き頃、太古の昔は激しく活動した活火山だった。
今はすっかり落ち着いて、なだらかな丘になっている。
この丘の中に秘めている昔の鉱物群が我々に美味しい液体を毎年プレゼントしてくれる。
Côte de Py コート・ド・ピィ、何故、美味しい?
ミネラル、鉱物、つまり土壌がモルゴンの一般的な土壌構成と違う。
3億年前の花崗岩を中心に、4億年前の黒灰色系硫化鉄ヴォルカニット・グリーズやノワールが混ぜっている。
激しく活動したエネルギーがミネラルに内蔵されている。
その土壌構成に合った微生物が生息している。
その微生物群の一部が自生酵母群であり、他のモルゴンのものとは同じではない。
自生酵母達がこの土地独特の風味を液体に転写してくれる。他とは違うのは当たり前!
太陽の当たり方も、風の流れも、平地のモルゴン区画とは全く違う。
360度に斜面を持ている。
突き詰めると実に面白いテロワールである。
ここには、
Lapierre ラピエール家
Jean Foillard ジャン・フォワヤール
Petit Max プティ・マックス
Damien Coquelet ダミアン・コクレ
など、モルゴンを代表する醸造家が畑を所有している。
どの方角からモルゴン村に入ってきてもこのコート・ド・ピィの丘が見える。
その都度、モルゴンに来たな、と実感する。
何故か、私はモルゴン村が好きだ。
ボジョレに滞在する時は、いつもこの村に住み着く。
私のモルゴン村への愛着は、深いところでマルセル・ラピエールと重なっている部分がある。
この村に来る度に、この丘が“お帰り”と云っているように感じる。
マルセルはコート・ド・ピィの中腹に永眠している。