ここの葡萄園はお祖父さんの時代に始めた。当時は、ボジョレでは皆兼業農家だった。
家畜、酪農、チーズ造り、色んなものを栽培していた時代だった。ヌヌーンは農業学校で葡萄栽培・ワイン醸造を学んだ。

その後、お兄さんと一緒に瓶詰業者の会社を設立して一緒に働いていた。
つまり、大型トラックの上に、瓶詰機械を設置して醸造元を移動しながら瓶詰をする専門会社をやっていた。
ある時、マルセル・ラピエールの蔵に瓶詰をしに行った。
マルセルのワインを飲んで驚いた。こんなワインがあるんだ。今まで飲んだことがないスタイルだった。
あまりにもの美味しさに感動したデコンブは、こんなワインを自分で造ってみたいと思った。

マルセルに教わりながら初リリースをしたのが1988年だった。
かれこれ30年の歳月がたっている。
マルセルはヌヌーンのことが好きで、よくデコンブ醸造に来ていた。
独り立ちしたデコンブを常に応援・指導していたのである。
私もマルセルとよくデコンブの自家製ビストロにきてベロベロに酔っ払うまでのんだものだ。

時代は流れて、今はもう次世代の世界が始まっている。息子達も独立した醸造元を立ち上げて頑張っている。
長男のDamien Coqquelet ダミアン・コクレ、次男のKevinケビンも独立して世界中にファンを持っている。
今、ボジョレで最も勢いのあるファミリーの一つがこのコンブ一家である。