マチュとカミーユの代になって8年が過ぎようとしている。
次々と栽培、醸造上のPrecision精確さが増している。
この二人が醸す最近の液体の繊細さ、上品さには素晴らしいものがある。

マルセルから引継いだ部分をより精確に実行している。
マチュの自然(天候)の読み、それに対応するための思索、対応、決断、実行力には驚くばかりだ。
そして、妹のカミーユの醸造センスは素晴らしい。
Cuvée Camilleにみる繊細度は、マルセルの時代には見られなかった。
マルセル・ラピエール,ワインをこよなく愛してきた私にとっては、彼らの進化に心より拍手を送りたい。

ミレジム2017は色々あった年だった。
特に、モルゴン村を襲った2度に渡る雹による打撃は、ラピエール家では初めてだった。
収穫量が例年の半分という状況になった。

その代わり、量が減った葡萄の品質は、素晴らしい状態となった。
雹は自然な青刈りとなった、と云う感じ。
濃縮感、乾燥からきている残酸、最終段階に降った雨で水分を吸収して、稀にみる最良のバランスとなっている。

2017のLapierreラピエールは、本当に楽しみだ。
自然による青刈りで、ガメ品種がここまで少量の収穫になった時の“バランス”を楽しんでもらいたい。