10
Mai

カタルーニャ最古の自然な造りを継承 Lionel Gauby       リオネル・ゴビー -Indigènes試飲会 -No6

Vin Nature なんて言葉がない時代から自然な造りをやっていたジェラール・ゴビー。 その長男 Lionel リオネル。 お父さんの先見性は凄い。既に90年台の中盤からの濃縮競争をやめて繊細さ、フィネスを狙う造りを模索していた。     リオネルはドメーヌでお父さんから多くの事を学んだ。 小さい頃から特別なワインの香りに馴染んできたリオネルのテースティング能力は凄いものがある。 その感性を生かして、試してみたい醸造方法があった。自分のアイデアで独自のワインを造ってみたかった。 13年に Eau de Souche オー・ドゥ・スッシュ社を設立した。 流石、ゴビ家の長男、リオネルの繊細な感性が活かされた素晴らしいワイン達が醸されている。 私はリオネルが小学生の時代から知っている。 今でも、時々ゴビー家ではテーブルを共にしている。    リオネルは心やさしい性格、芯はお父さん譲りの頑固とした強さを持っている。 そして、心にいつも遊び心も持っている。 ワインもその性格どおり、やさしいタンニン、酸も含んだ果実味、でも南の太陽をいい方向に生かしたボリューム感も確りと備えている。極少量の特別 Cuvée ブディ・ヴィルも日本向けに確保できました。お楽しみに!!      リヨネルはカタルーニュ・フランスで独特の光を放つ存在になりつつある。 勿論、ゴビー本家のワインも素晴らしい。これはあえて言うまでもないこと。

24
Fév

Le Vin de Mes Amis ヴァン・ド・メザミ試飲会 (Montpellier) NO1

Par Takeshita Masaki 本日も地中海沿岸は快晴! まさに試飲会日和! 本日はシャルロット・セナが中心になってルレ・エ・シャトーのDomaine de Verchantで開催の Le vin de mes amisへ! 昨日は950名、今日は650名のプロフェッショナルが集まる、近隣で開催の自然派サロンの中でも最大規模のサロン。 多くの自然派巨匠が参加していますが、毎年毎年の栽培、醸造の進化による、ワインの味わいの進化に驚かされる。 ぶどうの樹齢と共に、気候の変化と共に、世の中の流れと共に、いろいろな状況に対応しながら、更に高品質なワインを造りだしている。 ワイン造りに答えは無い。 いつまでも答えを追い求めながら日々の努力を積み重ねるものだ。 そして結果はついてくる。 ル・ヴァン・ド・メザミの生産者達、その1 ● オリヴィエ・コーエンは今回もお父さんと共に、楽しそうにワインの説明をしている。 いろいろな生産者からアイデアをもらい、自由な発想でワイン造りを行うオリヴィエ。 彼の底抜けの明るさがワインに出ている。 ● ガランスの白も赤も、南仏を思わせない、綺麗な透明感溢れる酸のキリッと効いたワイン。 石灰岩からくるミネラル感、塩気が旨味を出している。     ● マチュー・ラピエール、今年は2回の雹害があったが、それをものともせず、 2017年!素晴らしい出来! すでに出来上がったレザン・ゴロワはまさにグレナデンシロップ。うま〜い。 モルゴンは、まさにイチゴジャム。     ● 昨年のヌーヴォー解禁時に来日のクリストフ・パカレはまさにテロワール職人。 クリュの違いを明確に表現。 2017年のボジョレー・ブランはエキゾティックな熟度。ジュリエナはジューシーで既に素晴らしい状態。      ● フロントンのいつも陽気なシャトー・プレザンスのマルク・ペナベールのスタンドには、いつも凄い人だかり。 ソーヴィニョン・ブランはフレッシュ、シャナンは軽やかな洋梨。 ネグレットをメインにした赤のキュヴェも、昔のようなタンニンギシギシの造りでは無く、エレガント! 今や27歳になった長男の名前のキュヴェ、ティボーは絶品。      ● リオネル・ゴビーの造るワインは父親ジェラールの造るテロワール感の強い、天て地でいうと地の強いワインから天の力の強いワインに進化している。またお互いのキャラクターの違い、人によってワインは変わる。面白い。     続く。。。 筆:竹下

9
Mai

土着のカタルーニァ人Gerard GAUBYジェラール・ゴビー

Salon de vin “Indigenes” ワイン見本市アンディジェンヌ Part-8 ワイン産地でその地の歴史を変えるのは、いつも他の地方からやってきた異邦人だ。 葡萄栽培、ワイン造りの伝統は、長く深い歴史の上に成り立っている。 この伝統を変えることができるのは、よほどの頭の柔軟な人で、繊細な感性を持っていないとできない事だ。 ジェラール・ゴビーは仏系カタルーニァ人であるルシヨン地方の土着の人。 まさにアンディジェンヌ。 ジェラールは物凄い勉強家で、歴史の流れのことをよく知っている。 ある時、日本の話しになり、武士の徳川時代から平和的変革した明治維新のことを詳しく知っていたのでビックリしたことがあった。 特に、時代の流れには敏感な感性をもっている。 フランスの全醸造家が濃いワイン造りを目指していた90年代。 このゴビーも濃厚なワインを造っていた。 しかし、敏感で鋭い感覚を持っていたジェラールは既に97年ごろから繊細なワインのスタイルに移行し始めていた。 彼のMONTADAモンタダも90年代中盤までは超濃厚なスタイルだった。 栽培方法、醸造方法もラディカルに変えていった。 伝統に埋もれている人達にとっては、このゴビーの変化に驚いた人達が多かった。 そのモンタダも、今では、色も薄めで繊細な上品なスタイルになっている。 カタロニア地方土着の人間で、自ら変化できたのは、このゴビーのみだ。素晴らしい感覚の持ち主。 結果的に、今の自然派の最先端のスタイルと限りなく近づいてきている。 全く違う方向から、“よりよく”を目指して突き詰めてきた人達が接近してきた。

9
Mai

奇跡的事実!ルシオン地方のワイン歴史を変えた醸造家二人が同じサロンに参加!

Salon de vin “Indigenes” ワイン見本市アンディジェンヌ Part-6 ★時代の変化を感じさせる事実★ Jean-Francois NICQジャン・フランソワ・ニックとGerard GAUBYジェラール・ゴビーが同じ屋根の下で試飲会に参加するなんてことは事情通の人達にとっては考えらえない事実。 ここでは細かな説明は避けるとして、水と油ほど違う二人。 変な意味は全くないけど、あらゆる意味で本当に接点が全くなかった二人。 生き方も考え方もすべてが違う二人。 それが今回、この二人が同じ試飲会に参加しているのを見て、時代が変わりつつあるな、と感じた。 と何かを感じたのは、私だけではないだろう。 自然派という概念が必要ではない時代が来ているのを感じる。 その方が、多くの醸造家を結びつけることができるのではないだろうか。 違う角度から美味しいワインを造ることに専念してきた人達が、結果的に同じような方向に接近してきているのを感じる。 私にとっては、同じ会場でこの二人のワインを移動しながら比較試飲できるという素晴らしい機会ができて最高だった。 いろいろ考えさせられる出逢いだった。