1855年にボルドー・グラン・クリュ・クラッセが制定されました。
この写真に写っている葡萄の木たちは、それと同時期に植えられたものばかりです。
すごいことだと思いませんか?
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私はこの葡萄園に立った時、体が震えるほど感動しました。
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ワインを勉強した方は、皆記憶に残っていると思いますが、1800年代中盤から後半にかけて、ヨーロッパにある葡萄の木がほぼ全滅した時期があります。
それは、あの根っこをダメにしてしまうフィロキセラという害虫が原因だったのです。
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それ以降アメリカの葡萄の木を台木にして、フランスの葡萄の木を接木し現在に至っているのです。
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これだけまとまった面積の純フランス産の葡萄の木が生き残っている葡萄園は他には存在しません。
奇跡的にフィロキセラが活動できない何かが、このテロワールにはあるのでしょう。
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もう感動、感動です。
思わず葡萄の木たちに触りながら話かけてしまいました。
「やあ、本当によく頑張っていますね! ありがとう!」
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しかもここは金融資本的ワイン・ビジネスの世界のオー・メドック。そのど真ん中で生き残っているとはすごいことです。
この畑の周りには、シャトー・マルゴーをはじめ、ボルドー・グランクリュ・クラッセの畑がずらりと並んでいます。
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2009年にこの畑を初めて見た瞬間、ワインの醸造元を設立することを決意した二人の女性がいます。
CLOSERIES DES MOUSSISクローズリー・デ・ムシー醸造のLaurence et Pascale ローランスとパスカルさんです。

尊敬すべき素晴らしい二人です。
14年間この奇跡的な葡萄園をビオ栽培で育て、馬を使い丹念に丹念に畑の世話をしています。
1ha当たり、たったの10hlしか収穫できません(ボルドー・グラン・クリュの30%以下)。

品種構成については、150年前のフランスでは混植だらけだったのです。
そのためこの葡萄園には11種類の葡萄品種が植えられています(専門家が調査をし、各品種を調べたそうです)。

とても採算の合うような仕事ではありませんが、凄まじいPASSIONと使命感をもってワイン造りをしています。

もちろん、自然な造り方です。
手で収穫して、除梗して、破砕はしません。健全な葡萄粒だけを発酵槽へ入れて、この葡萄園で育った自生酵母のみで発酵しています。醸し期間は3週間ほどですが、アンフージョンのようなやさしい抽出のやり方で醸造しています。
瓶詰めまでSO2は添加しません。 必要があればごく少量だけ、瓶詰め時に使用します。
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☆BARAGANE バラガンヌ
奇跡のテロワールのワイン!
グラン・クリュ・クラッセ制定とほぼ同時期に植えられたフランス産原木の葡萄の木。しかも当時はまだ現在のような醸造テクニックが存在していなかった時代、すべて自然派ワインだった時代。
だから本当のメドックの原点ワインとは、こんな感じではなかっただろうか!?

この二人にこれからも頑張ってもらいたい気持ちでいっぱいです。

最近になって、フィロキセラがこの畑でも見られるようになってきたようです。
ちょっと危険な状況になってきました。
メドックの原点であり、フランスの原点。なんとか頑張ってほしいものです。
CLOSERIES DES MOUSSISクローズリー・デ・ムシー醸造!
Laurence et Pascale ローランスとパスカルを応援しましょう!