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自然派ワインと料理界の巨匠達の合体イベント « オムニヴォ−ル »
料理界の頂点イベント 港の街ルアーヴルにて2月12日と13日の二日間、自然派ワインの精鋭グル−プ “ディーヴ・ブテイユ”と料理界の巨匠達のデモンストレーションが見られる“フード・フェステヴァル”とが合体した。料理界からはコルディアン・バージのテリー・マックス氏、レ・クライェールのディディエ・エレナ氏、スペインからエルブリのフェラン・アドゥリア氏、メゾン・ピックのアンヌ・ソフィ・ピック女史、そしてサヴォワのマーク・ヴェイラ氏など26人のグラン・シェフのデモンストレ−ションが実施された。 一流シェフによるデモンストレーション 左が EL BULLI 右が Marc VEYRAT そして自然派ワインの精鋭100社、ディーヴブテイユ軍団の大試飲会 そして、自然派ワイン界の精鋭醸造元100社が結集して大試飲会が2日間同時開催された。約3500人の訪問者があり実に盛大だった。グラン・レストランへの自然派ワインの展開が期待される。 本物料理に本物ワインがマリアージされる日がすぐ其処まで来ている。 自然派ワインのメンバーも創成期を支えた醸造元から中堅、若手までが一同に集まった意義ある集いであった。 マルセル・ラ・ピエール氏は風邪を引いて代わりに息子のマチュ・ラ・ピエールと奥さんのマリーが出席、マーク・アンジェリ、マルセル・リッショー、フィリップ・パカレ、ジャック・セロス、ジャンピエール・ロビノ、ピエ−ル・ブルトン、マゼ−ルのジェラール・ウストリックなど大御所、 左から:マリー・ラピエ−ル、マルセル・リッショ、フィリップ・パカレ、ジャンピエール・ロビノ夫妻 中堅どころのプイイ・フィッセのフィリップ・ヴァレット、コルビエ−ルのマキシム・マニョン、ミネルヴォワのジャン・バティスト・セナほか、そして多くの新人・自然派が出展していた。 左から:フィリップ・ヴァレット夫妻、マキシム・マニョンとフィアンセ、ジャンバティスト・セナ 新人の中ではルタン・ド・スリーズのアクセル・プリッファー、サンセ−ル初の自然派セバスチャン・リフォー、ジャン・クルストフ・ガルニエ、エドワード・ラフットなっどが新人ながら素晴らしいワインを造り上げるなど新しい息吹が多々あり、自然派が着実に力強く発展しているのが感じられた。 左から:アクセル・プリッファー、セバスチャン・リッフォー、 ジャン・クリストフ・ガルニエ、エドワード・ラフィット 我々パッション・デュ・ヴァンのメンバ−も気合をいれて、朝10時から18時までノンストップで試飲を続けた2日間だった。勿論、舌と歯は真っ黒と化した。歯磨きをしても3日間は落ちないほどだった。100社すべてのワインを何とか試飲できた。 この試飲会で、もっとも確認したのは、自然派ワインの品質が明らかに向上してきたこと。そして味わいの幅も広がっていることである。品質に関しては、還元臭について、決して欠陥ではないが、良く批判の対象になることがある香りでる。一時期、自然派ワインの代名詞的になっていた香りがこの還元臭だ。ここにきて改善されているのが感じられた。しかし、還元臭を消すために不必要なテクニックを使うようにならない事を願う。そして揮発酸臭である。これは皆無と言っていいほど改善されていた。 皆気を付けているのだろう。極小のSO2しか使用しない造りをしてきた先輩達の経験と苦労が生きているのが確認できた事項だ。SO2の使用を抑えながら揮発酸の発生を防ぐ苦労は、我々の想像を遥かに超える大変な格闘と失敗が積み重なられた結果である。単にSO2を入れれば簡単に防げるところを、敢えて入れずに戦った先輩達に拍手を送りたい。そして、そのやり方を若手に公開した人間的広さも賞賛したい。それにしても、醸造中は神経衰弱になるほど気配りをしなければならないことには変りはない。大変な仕事なのだ。拍手そして感謝。 このお陰で、我々はピュアーな果実味とピュアーなミネラル感を楽しむ事ができるのである。