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Mai

CHAMPAGNE DE SOUSA*シャンパーニュ・ド・スーザ - AVIZE村

5月20日 のBLANC DE BLANC の丘、AVIZE。 最近10日間の温暖な気候で一気に枝葉が伸びている。 区画名LES GESTIS DE SOUSAの区画LES GESTISレ・ジェスティスの畑はOGERとAVIZEの堺にある畑だ。樹齢60歳の古木を0.40ヘクタール所有している。 4月の霜で40%の被害にあった。まだ時期が早いのである程度カバーできる。この畑からはBRUT RESERVEが仕込まれる。 畑で飲むシャンパンは最高だ! 日本にも2回来たことがある。本当に仲の良い夫婦だ。小学校からの同級生だった幼馴染だ。 『人生で一番大切なものは何ですか』の質問に間髪を入れず、 エリックは『『ミッシェルだ』奥さんの名前を挙げた。 ミッシェルも『エリックよ』』とニコッと笑った。

14
Mai

DUPONT FAHN-RAYMOND 訪問

〜5月13日 MEURSAULT DUPONT FAHN RAY MOND訪問〜 2006年が初リリ−スのデュポン・ファン・レイモン若手ブルゴ−ニュの期待のホ−プだ。既に、クロス・ロ−ド経由で日本に紹介されている。驚愕のレヴェルの高さに人気高騰。 今日は2007産を試飲すべく訪問。 2007年は既に樽から出して樹脂のタンクに移動されていた。 RM『あまり長く樽熟をしない方が良い、果実とミネラルが真直ぐに表現される。』 確りした自分の造りたいスタイルをイメ−ジしている。実に大切なことだ。 醸造所はまだ完成していない。1年前より建設中である。 RM『何とか、夏までは完成させたい。』 樽から出したばかりなので、樽もまだ立てて置きっぱなしになっていた。 RM『ムッシュ・ITO、先週ワインを樽からタンクに移動したばかりだよ。 まだアルコ−ル発酵も続いているし、中にはマロ発酵も終わっていないものもある。この段階でのテ−スティングはチョット難しい』 ITO『でも07年のポテンシャルを知りたいんだ。それなら判断できるだろ 。』 RM『OK, じゃ、はじめよう』 レ−モンはピペットを取り出して樹脂タンクに登りワインを取り出した。

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Mai

フィリップ・パカレ「クエスチョン34???」

1.パカレさんの選別基準(葡萄供給者、葡萄の品質)? 葡萄は次の基準によって購入しています : 樹齢45年以上の葡萄 ピノ・ノワールとシャルドネに関しては、素性の良いものを選別。(クローンなどではなく、マサル式選別によって植樹されたもの) 化学物質などが使用されていない葡萄畑であること。 私達考える自然栽培方法(有機栽培)に賛同、理解してくれると。 2.醸造において一番気をつけていること? 全てが重要でありますが、毎年変わるヴィンテージを正確に表現するために、そのヴィンテージに対応した醸造を行うことが大切です。 3.地球温暖化の影響? 気候:1988年以降収穫日は温暖化の影響で年々早摘みとなっています。例えば、20年前は10月が収穫時期だったのが、今では10月に収穫が行われることはありません。又2003年から更に温暖化が加速、一段と収穫日が早まっています。2007年の収穫などは8月に行われてもおかしくはなかったでしょう。 葡萄の木:重要な問題です。例えば、ピノ・ノワールはそのテロワールを十分表現する為には冷涼な気候が必要です。ですから、この温暖化の影響で、私達の知っているピノ・ノワールの特徴が変化していく可能性があります。 土壌の中の生命:とても暑い春の終わりから夏は土壌を肥沃にする。ただし気温が暑すぎると、ぶどうを育て、ワインを発酵させる、自然酵母や微生物が脱水症状になってしまい、土壌の生命が弱ってしまうので、土壌を耕すことはしない。(ぶどう畑の草を取り除かない)

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Avr

BEAUJOLOISE 自然派ワイン試飲会

自然派ワインの世界では歴史的に意義のある第一回目 4月21日 に DEGUSTATION BEAUJOLOISEボジョロワーズという名で自然派ワイン試飲会がボジョレの地、シャトー・カンボンで開催された。これは歴史的な出来事の第一歩となるであろう。 自然派の発祥の地ともいえるボジョレがまた新たなる時代に向けた新しい方向性が若手達によって築かれようとしている。 自然派ワインの起こりはここボジョレから始まった。 晴天なら芝生の庭でゆったりとやる予定だったのが. 前日に曇空の予報が出て急遽テントを張った。 自然派ワインの起点は故アラン・シャペルから 自然派ワインの起こりはここボジョレから始まった。 その起点となったのは、リヨンの偉大なる料理人故アラン・シャペル氏なのである。シャペル氏はある時、偉大なる生物・物理学者でもあり醸造研究家でもあるジル・ショーヴェ氏に巡り合う。物事の本質を見抜く抜群の能力をもっていたシャペル氏は、ジル・ショヴェの話を聞き、彼の造ったワインを飲んで感動した。それと同時にジル・ショーヴェ氏の持っているものを残さなければいけない、と感じた。 そこで、シャペル氏はまだ若かったマルセル・ラピエールを呼び出して 『マルセル、お前は同じ村に住んでいるジル・ショーヴェ氏を知っているか?』 『知りません』 『ジル・ジョーヴェはフランスの宝だ!彼はもうお年を召されている。彼のワインに対する考え方をフランスに残さなければならない。お前は時間の許すかぎりショーベ氏の処に行って彼のやっていること、考えていることを吸収してきなさい。』 この会話が切っ掛けとなって現在の自然派の流れが動き出したのである。 この流れの話は別の機会に詳しく書くことにする。 マルセル・ラ・ピエールはこのアラン・シャペルの言葉を忠実に実行している。 ジル・ショーヴェのワインを再現して、その発展の為にフランス中の若手醸造家たちに大きな影響を与えている。毎年7月14日のフランス革命記念日にフランス中の醸造元をフリー招待して昼夜を共にして語り合うという会を開催している。このアラン・シャペル〜マルセル・ラ・ピエールの影響を受けた醸造家達が現在の自然派ワインを築き、支えている。 ボジョロワーズを主催した次世代を担う3人 そして、今回のこの“DEGUSTATION BEAUJOLOISE”試飲会は、次世代を担うボジョレ若手3人によって主催された事に大きな意義がある。 この3人が動き回って、この素晴らしい試飲会が実行された。 ラピエールの甥でありフィリップ・パカレの従兄弟でもあるクリストフ・パカレ 心やさしいクリストフ 提唱者であり、人生経験豊富なシリル・アロンゾ マルセル・ラ・ピエールの息子、マチュ・ラ・ピエール 自然派のサラブレット、マチュ この会には深い意味がある。この自然派ボジョレの醸造元は毎年ヌーヴォの時期は戦々恐々とした状況が続いている。INAOより AOC BEAUJOLAIS NOUVEAUを落される嫌がらせが今だに続いているのである。 若手3人はボジョレの地元の人たちにも自分達のやっている事やワインの健全性を分かってもらおうという意図と、そして、自然派試飲会には多くの支持者やファンがいることも理解してもらおうとの意図があったのである。 入場者の数は記録された人数だけでも550名が集まった。フランス中のレストラン、ソムリエ、ワイン専門店、そして外国のバイヤーなど多方面の人達が結集していた。 クリストフ 『地元の人達を入れると700人ぐらいは集まっただろう。』 パリのVERRE VOLEE 経営者であり自然派ワインの大ファンでもあるシリル参上。                   パリの自然派ワインビストロのオーナーシェフであり、自然派初期よりの応援者ルドルフも参上。 出展者 BEAUJOLAIS 19社、MACON 8社、BOURGOGNE 4社の計31社が出展。 ボジョレからはマルセル・ラピエールを筆頭にジャン・フォワラール、ジョールジュ・デコンブ、イヴォン・メトラ、ジャンクロード・ラパリュ、マックス・ブルトン、ジャン・ポール・ブラン、フィリップ・ジャンボンなど自然派を支えているメンバーが勢ぞろい、そしてまだ無名の若手を含めて19醸造家、 ブルゴーニュからはロマネコンチの両オーナーが個別に持するオベール・ド・ヴィレーヌ社、プリューレ・ロック、の2社が参加したことは大きな意義がある。そしてドミニック・ドュラン、フィリップ・パカレなどブルゴーニュを代表する醸造家が参加、マコネ地区からは自然派を支えるヴァレット家、フィリップ・ヴァレトを筆頭にジェラルド・ヴァレット、そして若手のジュリアン・ギヨ、アルノ・コンビエ、など8者、で総勢31者の醸造家、 そしてブルゴーニュでウイスキーを造っているミッシェル・クーブル、美味しいソセージ、イベリコ・ハムなどを現地から買い取って行商するレーモン・ル・コックなども参加していた。 これ以外にも、南ローヌ自然派の旗手マルセル・リショなどフランス中からこの動きを応援する醸造元が 駆けつけていた。 こんな人達もいました。                    リヨンでフレンチレストランを経営する石田さん    4次元カラフ・オヴァリュスの作成者MICHELさん     […]

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Fév

自然派とは食べて飲んで歌う生活を楽しむことなり…の真髄を覗く!

2月15日 金曜日 午前中はシャスラのフィリップ・ジャンボンを訪問。さすがに寒い、マイナス2度の中、まずは畑を見に。すっかり霜が降りた畑で、説明をしながらフィリップがおもむろに取り出したのは、なぜか袋…。そして、畝に生えている野生のマッシュとクレソンを摘み始め、時々ムシャムシャ…「食べる?」と差し出されたマッシュの味と香りの濃いこと…。普段スーパーで買ってるレタスやサラダは一体何なんだろうと思ってしまうほど。 「しっかりとらないとお昼のサラダはなしだよ」そりゃ、大変、がんばって摘まなきゃ。とはいっても、どれが雑草でどれがマッシュなのか見分けが付かない。何のかんのといっているうちに、袋はいっぱいに、ひと安心。 「ぶどうもマッシュもこの土壌から水を吸い上げることで、土地や環境からのエネルギーとハートと思い出を持って育っていくんだ。だからおいしいし、パワーがある」なるほど。 樽からのティスティングの後は外でサンプル用に瓶詰めしたワインを試飲。この寒いのに外!!「カーヴの中より、太陽の下の方がいいよね」確かに太陽は出てるけど、気温はほぼ0度。畑からトータル3時間はさすがに厳しくて、鼻もきかなくなってきたみたい。 そうこうしながらなんとか終えて、ようやくお昼。野生のサラダのおいしいこと! これだけでもここに住みたくなっちゃうねー。その上マダム・ジャンボンのカトリーヌはレストランで料理を手伝うほどの腕前。優しい味のパイと自家製ヨーグルトにチョコレートタルトにフルーツ、ヴィンテージもののフィリップのワインと合わせて…。最後はフィリップのぶどうで作ったマールでしめて、幸せな完璧ランチは終了したのでした。 食後はオートルートで一路エルミタージュへ。4時過ぎにルネジャン・リボの待つダール・エ・リボに到着。試飲の前にまずは「お疲れ様」のアペリティフに日本未輸入のBLANC DIVERSで乾杯。これまで冬は寒くて大変だったカーヴの作業場になんと、パラプリュイ・ショファンなる暖房器具が入っていて、これにはびっくり! ビッグニュース?! さて、いよいよ樽からの試飲。まずはクローズ・エルミタージュの白2007年。畑違い、樽違いと続き、サンジョセフへ。ルネジャンいわく、レ・シャンは日本女性のようにエレガントで慎み深く、ピトルーはフランス人女性みたいに強くてパワフルなんだと僕はレ・シャンが大好きだけどね」ふーむ、意味深発言…。 まだ、リリースはしていないエルミタージュ・ブランは初めて!「まだ若い畑なので瓶詰めはどうかな。カーヴ・オジェは瓶詰めしてほしいっていってるけど」素敵においしいと思うけど、私は。 赤は樽違いを順に試飲。ひゃんなことから話はルネジャンがもうすぐ髭を短くするという話に。「髭は1年に2回、髪は1年に1回切るだけなんだ」やっぱりナチュラルだわん。 夜の食事の約束をして、いったんホテルへ。自然派ルネジャンは自転車で颯爽と?帰っていったのでした…。 ディナーはタン・エルミタージュの町の「マンジュ・ヴァン」へ。日本人女性とフランス人男性の若いカップルが経営するお店で、シェフは奥さん。ルネジャンとほぼ同じ生まれの赤ちゃんがいるということもあって、仲良しのお店。 エルヴェ・スオー夫妻も合流、アペリティフを飲みながら待っていると、ルネジャンとマダム・ヒデコ、もうすぐ6ヶ月のアンジュマリーが到着。まあ、かわいいこと!  食べたくなっちゃうとひとしきり話が盛り上がり、ダール・エ・リボの秘蔵のトントンやらフンフ—ンやらが空くころには絶頂。 ルネジャンが「おしりかじり虫ぃぃ」と歌えば、我らがムッシュ・イトウも意味深な替え歌で返し、なにやら不思議な真夜中のレストラン。あー、ホテルが向かいで良かった!

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Fév

ボーヌの一日はテイスティングも食事もスーパーリッチに過ぎていく…

2月14日 木曜日 本日は生産者訪問。まずは、午前中にボーヌの町にあるフィリップ・パカレのカーヴへ。今や世界的スターのフィリップなのに、普段は気さくで楽しいムッシュ。ところがいざワインのティスティングとなると、プロの顔にがらりと変身。樽からの試飲は、シャブリから始まってポマールまで、2007年から2006年へとフルスピードで30アイテムを駆け抜けます。いつ飲んでもフィリップのワインはそれぞれの土壌の個性がしっかり出ていて、きれいで、大感動…。おまけに2007年はフィリップにとって彼のワイン人生で1988年、1998年に次ぐ素晴らしい年とあって、まだ樽の中というのに早くもその頭角を現していることにまたまた感動…。 そうこうするうちにあっという間に午後。フィリップと彼の長男14歳のレノとボーヌの町の「グルマンダン」へ。もちろん、ブレスの鶏もおいしかったけど、ワインのラインナップ、パカレ→ラ・ターシュ2001→オー・ブリオン1986でノックアウト! いやあ、うまかったあ! 午後はボーヌ・ロマネのジャンイヴ・ビゾを訪ねるというのに、こんなにお腹いっぱいじゃあ…。そこで名案、フィリップと彼の畑を歩いて腹ごなし&剪定や耕作などこの時期の畑の状態を見学、そのままフィリップと一緒にジャン・イヴのところを訪問することに。 一見哲学者風のジャンイヴは実はシャイ。真剣な表情で10アイテムの試飲は粛々と進行…と思いきや、珍しいツーショットのジャンイヴとフィリップは作柄やら醸造の話にひとしきり花が咲いて…。あっという間に7時。時間が超高速で過ぎていく…。 さてさて夜。パリから合流した我らがボスのムッシュ・イトウとフィリップの待つボーヌの町の新名所、超シックでエレガントなレストラン「BISTRO DE L‘HOTEL」へ。ここは今や生産者はもちろん、ありとあらゆるリッチな町の有名人が毎晩集う社交場の感。これまでボーヌにはなかった洗練された料理と空間で、「素晴らしいワインと文化のあるボーヌにぴったり」とフィリップも絶賛! 目にも口にも超美しい料理の数々…、たっぷりのトリュフはそちらこちらにアレンジされているし、中でも牡蠣を一個ずつ全て別の風味にした一皿は絶品。 旨さと感動で倒れる寸前になりながらも、そこはやっぱりワインとの「マリアージュ」でしょ。だって、パカレは当然として1978年のラスカーズやら1959年のラヤスやらとくれば、おめめキラキラも当然。あーあ、今夜もまた夢のよう…といいつつ、MAXまでワインにはまってしまった…。 すでに12時はとっくに過ぎてる!

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Fév

シャブリに彗星のごとく現れた大型新人はシャイでキュートな26歳!

2月13日 水曜日  昨日は3時までDIVE での試飲に励んだ後、一路シャブリへと移動。本日はシャブリの新進の自然派生産者トーマ・ピコを訪問です。26歳のトーマはドミニク・ドゥランのもとで2年間の研修の後、2004年から父のドメーヌで働き始め、2006年に自分自身の初ヴィンテージをリリースした注目の新星!   朝9時。シャブリの朝はマイナス4度。生産者にとってはこの時期の寒さはぶどうにとって最高のシュチュエーションとあってニコニコのトーマ。世界的に有名ですでに販売力のあるシャブリで、何倍もの労力をかけて畑を改革、ビオやビオディナミを始めるのは大変なこと。でも、トーマは純粋に「よりピュアでおいしいワインを造りたいだけ」のために頑張りたいのだとか。今のところ、彼の畑は0.4haの1級モンマンと1.7haのシャブリだけ。ごく少量だけど、その味は半端じゃなくおいしい! 溢れるような果実味と土地の特徴のミネラル、きれいな酸がしっかり調和してお見事! その上イケメン! 彼は間違いなく二重丸のルーキーといえる…! そーいえば、ティスティングの時出してくれたグジェール、美味しかったなあ。やっぱり、ルーキーはセンス良いのだ、ねっ。

26
Fév

カスティヨンの暴れん坊プピーユ参上!

<フィリップ・カリーユとは> この男、日本では特に有名である。 1990年に彗星のごとく現れ、専門家によるブラインド・コンテストでシャトー・ぺトリュスと最後まで選考に残り、一躍、グラン・ヴァンだけでない、プティ・シャトーブームの先駆けとなった。 最近では、週間モーニング「神の雫」にも取り上げられ、その勢いは留まることを知らない。 彼は、18歳でボルドーを離れ、南アフリカで3年ギリシャで8年ワイン造りを行っている。 その他にも、アメリカ、チリ、ドイツ、オーストリア、世界各地を訪問してワイン造りを経験している。 その当時の彼のことを自分で「フライング・ワインメーカー」と呼んでいる。 まさに。 現在、フィリップ・カリーユ氏は今年41歳になる、6歳の娘アリス、2歳の男の子ピエールと奥さんの4人家族。だいぶ人間も身体も丸くなってきた。 彼のワインが日本に紹介されて15年以上、もう20回は日本に来ているだろうか、私自身もフィリップとの付き合いは10年近くなる。彼の性格を一言で言うと、とにかく無茶苦茶。超負けず嫌い。 ボルドーの星付きのレストランで、周りの人間が冗談でさすがのお前もこのテーブルの上には立てないだろうと言ったら、すぐに立った、しかも靴のままで。。。 また、この15年間の間に、彼との一気飲み勝負で潰された人間もかなり存在する思う。 そんな彼に付いたあだ名は「ナポレオン」、まさに傍若無人なその振る舞いから来ていることは 間違いない。 <フィリップの考える自然なワイン造り>  さて、その彼が、今回、輸入元の株式会社MOTTOXのオーガナイズのもと、東京、名古屋、京都、神戸と走り廻った。プピーユのぶどう畑は、昔から極力自然な栽培を行ってきたが、2004年より全ての区画にて有機栽培をスタート、2006年ヴィンテージからは、有機栽培の認証も取得する。 有機栽培を始めた理由は、哲学的やイデオロギー的な理由ではなく、環境問題。 自然なぶどう畑、土壌、すべての環境を汚すことなく次の世代に渡したいと考えてとのことである。 自分に子供、家族、守るべきものが出来て、この環境の大切さを実感したのである。  そこで、土壌を汚染する、農薬、化学物質の使用を一切やめたのである。また、川など水源を 汚さぬよう、ワインの醸造や、洗浄に使用した排水は全て、浄水設備でろ過してから川に流している。  また、剪定のぶどうの枝を燃やした熱を循環させ、シャトー全体を暖める設備を造り、年間13トンのCo2の排出量を減らすシステムにも設備投資している。また、有機栽培で認められているボルドー液などの散布も極力抑えるように、各ぶどう畑の区画に、センサーを設置し、ぶどうの状態(気温、湿度)などが一瞬にして、パソコンで見れるようにし、ぶどうの状態をいつでも監視できるようにし、病気などの問題が起きた場合、初期の段階で対処できるようにしている。そして、ソーラー・システムも設置の予定。 この男は、なんでもやりだすととことん突き詰めていく。遊びも、仕事も、なんでも中途半端ということができなのであろう。  このような考えのフィリップが造り出した、スペシャルキュべが、プピーユ・アティピック。 更に、醸造において酸化防止剤の使用ゼロ、ビン詰め前も無添加のワインである。樹齢70年以上 メルロー100%で、新樽100%使用、その味わいはというと、まさにピュアな果実味の凝縮! 樽のニュアンスは、きれいにワインに溶け込み、エレガントかつ、しっかりとした骨格を持つワインに 仕上がっている。まさに、ボルドー、フランスという枠も超えた、他に比べ用のないスペシャルキュべである。シャトー・オーゾンヌのオーナーが、このプピーユ・アティピックの大ファン、このワインには、ファンタジーがあると絶賛している。 <フィリップの更なる挑戦> 現在、ボルドーのワインは、一部のグラン・ヴァンを除き、かなり厳しい状況にある。 ここしばらくの画一的な個性のないシステマテッィクなワイン造りが原因であろう。 そんななか、「自然」というキーワードが未来を切り開くと考え、同じ、コート・ド・カスティヨンの 生産者にこの有機栽培を勧めている。この地区には、3500haのぶどう畑があり、約300の蔵元がある、 それらを全て有機栽培にし、フランスで初めて、いや世界で初めて、唯一の有機栽培のアペラシオンを 育てようというのだ。まだまだ時間は、かかるであろうが、この男ならやりそうだ。 <プピーユ旨さの秘密は樽にあり???>   彼はワイン造りにおいて、樽の木の原産地を毎年のぶどうの出来によって変えている。樽にぶどうを合わせるのではなく、ぶどうに樽を合わせるのである。  年のぶどうの出来により、リムーザン、トロンソー、アリエ、ヌベールなどの樫の木から造られた 樽を選ぶ。それぞれの産地のより、木の持つタンニンの量も違うわけである。  そして、最大の彼の秘密というか秘密兵器「オクソライン」。 これは、写真を見ていただくほうが、分かり易いと思うが、彼の熟成庫では、樽をスチールの丸い枠にいれて、縦に保存する。 このスチールは、くるくる廻るもので、これを手でグルグル定期的に回すことによって,樽のなかのジュースと澱がよく混ざり合い、ぶどうの皮からくる旨みが抽出できるわけだ。  通常は、樽のふたを開けて、器具を入れて攪拌するのだが、そうすると、酸化が進むし、バクテリアなどの混入のリスクもあるため、酸化防止剤の使用が必要となるわけである。  この「オクソライン」を使用することにより、酸化の心配なく澱の旨みを抽出できるのである。 この樽の使い方が、プピーユにおいては樽100%熟成(新樽80%)させても、樽臭くなく、また、ぶどうの果実のピュアな凝縮を感じる秘密である。 <日本食大好き>  フィリップは日本食大好き。普通のフランス人なら口にできない、蛸の刺身をお替りし、納豆も食べられるとのことである。 こちらが「何食べる?」と聞くと「日本食」という返事が速攻で返ってくる。帰国前の夜は、山本益博さんご家族と、「てんぷらみかわ」で美味しいてんぷらを堪能して帰った。 この1週間、フィリップとともにいて精も根も尽きたような気もしたが、いなくなるとなったで急に静かになってしまい、なんだかぽかっと空間に穴が開いたような気がした。  フィリップ・カリーユ、不思議な魅力の持ち主である。時として繊細で、時として冷静で、多くの部分でクレイジーである。とにかく存在感は人一倍である。  まだまだ進化する男である。

15
Fév

フィリップ・パカレ訪問記

2007年産ワインの利き酒 野村ユニソン社の竹沢氏と土曜日午後のTGVにてパリを出て、ディジョン経由にて17時にボーヌの駅に着いた。駅までパカレ氏が迎えにきてくれた。 駅から徒歩で3分のところにパカレ氏の醸造所がある。2年前にここに引っ越してきた。それまでは、醸造をニュイ・サンジョルジュのネゴシアンに間借りして、樽熟成をボーヌの山の麓にある洞窟に間借りをしていた。その2か所を行ったり来たりで、無用な時間を費やして大変な作業をしていた。  ここに越してきてからは、醸造も熟成もすべて一か所にてできる。  彼にとっては長年の夢が叶って、ますますワイン造りに集中できるようになった。  元ネゴシアンの建物をそのまま買い取った。地下に理想的な樽熟成所があり1階       に醸造所がある。  2階は事務所と従業員の宿舎になっている。  パカレ『先週は2006年産の瓶詰作業をやっていたんだ。今年の樽熟成は自然な清澄作用が上手くいったよ、オリがワインの中に自然によく溶け込んでいた。捨てるオリの量が少なくて済んだよ。例年は1樽につき5kgのオリを捨てるけど今年は3kgですんだ。(自然派の熟成はオリ引き作業をやらないので、熟成最終段階でもオリが残ることが多い) 2007年産ワインの方はマロも終わってやっと落ち着いてきたところだよ、試飲するには良い時期になった。早速試飲を開始しよう。』 ピペットと呼ばれるガラス製の器具(樽からワインを吸い上げる器具)もって地下に降りた。 いつもより熟成中の樽の数が少ないのに驚いた。  パカレ『2007はトリアージ“選別”の年だった。(良い健全な葡萄のみを収穫すること、つまり少しでも痛んでいた葡萄を切り捨ててしまうこと)だらか収穫量が少ないいんだ。』 トリア−ジの年の収穫に筆者も手伝ったことがあるが、収穫が終わった葡萄園を振り返ると、切り捨てた葡萄の房が多くて、まるで絨毯のようで土が見えないほどであった。 ここまで徹底して健全な葡萄だけを発酵槽にいれるからSO2を入れないで醸造ができるのだ、と感激したことがある。 当然のこと生産量が極端に少なくなる。だからと言って価格を急激に上げられないので経営上厳しい年となる。それでも品質を重視する造りを優先するところに、自然派ワイン造りの“人物”を最重要にあげる理由の一つである。 この醸造元の“選択”の精神力に触れるたびに、私は感動してしまう。自然派ワイン造りは、日本に居ては想像も出来ないほどのリスクを冒して挑戦しているのである。    さて、2007年産をアペラションの樽ごとに試飲を始めた。今日は赤のみの試飲だ。 シャンボ−ル・ミュ−ジニから始まってシャルム・シャンベルタンまで12種類を一機に樽から直接試飲した。マロラクティック発酵が終わって冬に入りやっと普通の試飲ができるようになって初めての試飲だ。 パカレ『3週間前はまだ試飲できる状態ではなかったよ、やっと落ち着いてきた。』 2007年は、予想していたよりもグット男性的な仕上がりとなっていて驚いた。  パカレ『ピノノワ−ルは実際のところそんなに太陽を必要としていないんだ。2007年の7月、 8月の天候は酷いもんだった。でも8月の後半から太陽に恵まれたんだ。ピノを熟すにはそれで 充分なんだ。ジャーナリストが天候の一面だけをみて、色々評価を出してしまうのは困ったもんだ。 ピノは緩やかな温度でゆっくり熟して、後半に太陽が出てくれれば本当にピノらしい風味に出来上がるんだ。』 ここでチョット時間をとって。   パカレ『2007年は皆さんにチョット新キュ−ヴェがあるんだ』   伊藤 『新商品て何ですか』   パカレ『単純なAOCブルゴ−ニュ・ル−ジュだよ』   『え!』竹沢氏も声を失うほど驚いた。 最後にブルゴ−ニュ・ル−ジュを樽から試飲した。 ピノ独特の果実味が豊かで、程ほどのボリュ−ム感で軽やかさがあって何と素晴らしいグイグイ飲めてしまうパカレ・ピノだ。 ご期待ください。  夜は、ボ−ヌで自然派ワインを飲める美味しいレストラン『トントン,tontons』で 共に夕食を楽しんだ。 そこで、パカレ氏が持参したワインをブラインドで楽しんだ。 2001産、瓶詰め時に樽の底にオリの部分だけを集めて個人消費用に瓶詰めしておいたものだ。 竹沢氏『エッシェゾでは』 パカレそう思いますか?私も近いと思います。』 トントンのおやじ『ほんとだ!』 美味しい料理に美味しいワインで幸せなひと時を過ごした素晴らしい夜だった。 3人で4本を飲んだ。      コルトン・シャルルマ−ニュを4次元カラフで楽しむ 翌朝は、一番の電車でパリへ帰った 美味しい自然派ワインが飲める店 LE COMTOIR DES TONTONS ル・コントワ−ル・デ・トントン PEPITAさん & Richardさん 住所 22.Fbg […]

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Fév

2007年のボジョレー・ヌーボー収穫開始!

ドメーヌ・ラパリュ ボジョレー・ヌーボー収穫開始 去年「神の雫」に登場して、その美味しさと、ボジョレーの多様性を大勢の人々に広げてくれた「ドメーヌ・ラパリュ」が、8月29日、待ちに待ったぶどうの収穫を始めました。 そこで今年のぶどうの作柄についてレポートします。 ●晴天の中、いよいよ収穫スタート! 予想を上回る品質に期待! フランスは スカッーと晴れ渡った晴天 になりました。 いつもなら夏の終わりを告げる夕立がやってくる8月末のこの時期になって、やっとみんなが待ち焦がれていた青空がやってきました。 8月29日の穫開始日というのは、平年に比べ約2週間早くなります。 「収穫直前は、ぶどうの熟度の上がり方が特に大きいため、当初の予想よりギュッと果実味が強くなって、品質が上がることは間違いありません。」 ●収穫までの様子 8月19日(日)の午後、ラパリュでは2週間ぶりに畑に出て全区画の生育状態を細かくチェックしました。 「その時点では、8月中旬までの涼しさと雨がちだった天気のせいで、 『凝縮感というよりガメイ特有のフルーティーな香り』 を想像していました。 でもこの期待以上の晴天なら、去年のような凝縮感に近づくかもしれません。」 とジャン=クロード・ラパリュ氏。 なぜ2週間放っていたかと言うと・・・ 「ぶどうが色付き始めると、そこから先は自然にゆだねるしかありません。4月から8月上旬まで精一杯のことをしてきたのです。いま心配しても取り越し苦労。」とのこと。 全力投球って感じです。思いっきり働いたんですね。気持がさっぱりしていて、結果が楽しみな感じが強く伝わってきました。 ●今年の収穫スタッフはパワフル! 7月10日ごろ、この地区の西に面したぶどう畑に起きた雹害で、若干ぶどうが傷みました。 痛んだぶどうが混ざると味を損ないます。 そこで 選果作業を徹底 するようにと、平年より5人多く収穫スタッフを雇っています。 東側の区画は健全ですし、ぐずついた天気でもカビが発生しなかったのが何よりも幸いです。 「ドラマティック! こんな良い天気になって、今はどんなヌーヴォーになるか判断できません。傷んだ果実を丹念に取り除けば、ポテンシャルはかなりある。」 「醸造最初の2、3日間様子をみれば、どんな年になるか見えてくるでしょう。」 「収穫が早くなりそうだったから、夏休みを取らずに頑張った甲斐があった。ホッとするね。うれしいです。」:lol: 素晴らしいで出足となった2007年ヌーヴォー。 8月25日の週末以降、劇的に変わった晴天は、今週いっぱいは続く予報です。 ヌーヴォーの後の収穫にもグーッと期待が高まります。 この記事は2007-8-30にNishiさんによって投稿されたものです。

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Fév

PIERRE OVERNOY & EMMANUEL HOUILLON

静かな山あいの『熱く賑やかなワイン会』 生産地 :ジュラ・サヴォア地方 生産者名:ピエール・オヴェルノワ&エマニュエル・ユイヨン 栽培面積:5.5ha 設  立:1968年 輸入元 :野村ユニソン株式会社 CPV5分類:自然派 フィリップ・パカレが日本に来た時に「最高のもてなしを受けた」と喜んだワイン、「ピエール・オヴェルノワ」のヴァン・ジョーヌ。 いつだったか、ワイナリー達と盛り上がった時の締めくくりがやっぱりこのヴァン・ジョーヌだった。 そのワインを口に運んだ時だけは、みんな無言。瞑想の世界にいざなってくれたような静けさを感じた。 8月16日、この『特別なワイン』を造る生産者「ピエール・オヴェルノワ&エマニュエル・ユイヨン」達に会いにジュラ地方に行ってきました。 (写真はアルボワを臨む景色と、色付き始めたプルサール) ジュラ地方とは、ブルゴーニュワインの中心地ボーヌから、車で東へ約1時間のところにある「アルボワ」という街を中心にしたワイン産地。 この地方独特のワインは、シェリー作りと同じ酵母の働きによってできる「ヴァン・ジョーヌ」。6年以上木樽で熟成させる“面倒な”ワインのため、生産量が少ない。 中でもピエールのヴァン・ジョーヌは、パリのワインショップでさえ入手することが困難な『極めてレア』なワインで、ご存じない方がいるのも当然かも。 蔵に訪問してもそれを開けてくれるとは決まっていない。以前訪問した時に、ピエールから「ワインの熟成状態、そして気候(冬がやはりいいらしい)、その日の気圧などによって、ワインが『開けていいよ』」と言う日があるのだと聞いた。 (もったいぶって飲ましてくれないのかも、という見方もあるだろう。でも彼に会えばそうでないことが分かる。そんな波動を感じる素晴らしい人だ) さー、蔵に到着。 そしたらなぜかバラタンのパトロン、フィリップ・ピノトーがいるではないか。それにボジョレーの自然派5人に挙げられるジャン・フォアイヤールも。どちらも奥さんを伴っている。フィリップ・ピノトー達は夏のヴァカンスでニースに行く途中に立ち寄ったとのこと。 いやー、賑やかな試飲になりそうな予感・・・ (写真左;左からフォアイヤール氏、ピエール氏、バラタンのカナレさん) (写真右;最左がバラタンのフィリップ・ピノトー氏、最右がエマニュエル氏) 彼らよりも遅れて飲み始めた私達に赤ワインのグラスが。 ブラインドで試飲が始まった。 透明なエッジの淡いレンガ色。グラスの底に澱がくっきりと固体化していくつもゆれている。そのコントラストからするとビン熟が長い証拠。 香りは、ピュアで豊かな果実味が残っている。白コショウの優しくスパイシーな、新鮮なキノコの魅力的なブーケが馥郁と香る。この微妙な風味が立ち上るのは、蔵で静かに眠っていたボトルだからこそ。 しばらく香りだけをかいで楽しむ。 「なんだと思う?」とピエール。 分かりっこないが、感じたことを何とかまとめて、 「うーん、飲んだことが無い古いヴィンテージ。甘い果実香が残っているから、90年代前半の上等な作柄かな。」 それは「プルサール1990年」だった。 17年の熟成を経たワイン。バランスの良さと繊細さから、プルサールのポテンシャルの高さを体験。 優れたコンディションで熟成すれば、うっとりするワインになることを示す感動の一本だった。 その後「シャルドネの2006年、2003年」など何本か飲んでいくうちに、雰囲気が段々と賑やかになっていく。 そして「サヴァニャン2000年」がブラスに注がれた時のこと。 エクセレント、マニフィック!!!  これがサヴァニャンの良さだ! バラタンのフィリップ・ピノトーが興奮! 人間って、心の底にある本気の部分に触れた時って力が入るんですね。 パリで人気No.1のワインビストロ、「バラタン」のフィリップ・ピノトーが『サヴァニャン2000』を飲んで一気に盛り上がった。 「サヴァニャンの素晴らしさが発揮された最高のワイン」というのだ。 「マニフィック、マニフィック」 普段、店では品のあるシャツを着こなしたニヒルなヒゲおやじなのに、興奮して力がこもったところを始めてみた。 あの様子なら、きっと近いうちに店に入荷するんだろうな・・・ このワインは、約6年半、木樽で補液しながら熟成させ、今年6月にビン詰めしたという。 生アーモンドやナッツのニュアンス。筋肉質で濃厚、ギューと密度もあるから、特有の酸味がまったりと溶け込んでいる。 なるほど、これが飲み頃というやつか。とても興味深いボトルだった。 私がアルボワにある名店「ジャン・ポール・ジュネ」の一品、「ブレス鶏とモリーユのヴァン・ジョーヌソース」とこの「サヴァニャン2000」がピッタリだというと、 バラタンの奥さん、カレナが唇に親指と人差し指を付けてピョコンと開く “絶品” のポーズをしてくれた。 そんな折、白い料理人の服を着た人が一人、大小の袋を下げてやってきた。茶色い袋はアルボアの有名チョコレート、イルシンガーでは? 襟のところがトリコロール、フランス国旗みたいなデザイン??? もしかして、、、 そう、1996年にMOFを取得したエドワー・イルシンガー本人だった。 (MOF=フランス政府が料理や製菓などの伝統的技術を要する分野で与える最高の賞、最優秀技術者賞のこと。) […]

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ドメーヌ・プリウレ・ロック Dom Prieure’ Roch

体中の血が騒いだ不思議な畑『ゴワイヨット』 今回はブルゴーニュのぶどう畑の写真をお送りします。それもトップ中のトップ、ドメーヌ・プリウレ・ロックが単独所有する「クロ・ゴワイヨット」です。 《最初の写真の中央部分にある、並木の下の囲いがあるところ》 4月14日撮影。今の時期は1日に5−7cmくらい伸びます。 『プリウレ・ロックは、アンリ・ルロワ氏の孫、アンリ・フレデリック・ロック氏が1988年に創立した蔵です。 彼がまだワインの世界に入っていなかったある日、ヴォーヌ・ロマネ村の中心にあるぶどう園に足を踏み入れた瞬間、「体中の血が騒ぎ始めて、何か熱い思いが込み上げてきて、『これだ!!』と感じた」という。この畑こそ、尊敬する祖父が所有していた“CLOS GOILLOTTE(クロ・ゴワイヨット)”であった。 ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの共同所有者だった母親のポリーヌ・ルロワさんもこの話を聞いて、「独自のドメーヌを設立する」という彼の夢に賛成してくれた。』 という、ロック氏をワインへ引き込んだ不思議で特別な畑なのです。 そしておまけの写真は、DRCロマネ・コンティの畑の発芽の様子です。 この記事は2007-4-20にNishiさんによって投稿されたものです。

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今年のボジョレーは?

ボジョレー・ヌーボー用のぶどうは収穫も終わり、マセラシオンが始まったばかりです。 今年の夏、7月は105年ぶりの猛暑となり非常に暑く、2003年の再来か?このまま続くかなと期待していたら8月は涼しくなり、少し雨も降りました。また局部的に雹が降り、この影響でカビが発生した蔵元もかなりありましたが、9月に入ってから晴天の日が戻って日差しがたっぷり降り注いでくれたお陰で、ボジョレー全体的にぶどうは順調に成熟して糖と酸のバランスが見事に取れています。全般的に皮もしっかりと厚いので、鮮やかな色付きのワインになるでしょう。 局部的に雹にやられた畑は、カビが大発生していることもあり、収穫時に選別作業を厳しくやった醸造元とそうでない醸造元の差が大きくでる年となるでしょう。 作り手の腕の見せ所の年となるでしょう。 タイプとしては一般的に軽やかなボジョレ−になりそうです。 ポリシ−のしっかりした醸造元のヌ−ヴォ−はとても期待出来る年ですよ! さてパリ発クラブ・パッション・デュ・ヴァンがお勧めする自然派ヌーボーの中で、本日、紹介したいのは、かの有名なパカレと、ブラヴリエールの二つです。 −フィリップ・パカレ− 9月の雨が原因で少しカビが出ましたが、収穫時に時間をかけて良いぶどうだけを厳選しました。カビでやられた葡萄を切り落として、健全な葡萄のみを仕込みました。 収穫が終わった畑は、切り落とされた葡萄の絨毯のごとくになっていました。 ガメイのエレガントな風味が生きています。 やさしい酸とパカレ独特の果実味のバランスがとれたグイグイ飲めるジュ−シ−なヌ−ボ−になりそうです。 酸っぱいヌーボーの味が普通だと思っておられる日本の皆さん、これ飲んでぶったまげて下さい。 −ブラヴリエール− この畑ではカビは発生しませんでした。理由は冬の短い剪定を今まで以上に短くしたことが奏功したのです。品質を求める熱い姿勢が天候の悪影響を見事にカバーしたといえます。 クロッシュと呼ばれている鐘の形をした標高300メ−トルの畑に栽培されている60歳の古木には一本の木に4〜5房の葡萄しかとれず、素晴らしい葡萄が収穫されました。 雹と湿気によるカビの大発生のボ−ジョレ地区の中で、今年のこのブラヴリエ−ルの作柄は飛び抜けて素晴らしいものになるでしょう。 では今回はこの辺で失礼します。 by Kimitake