28
Sep

ボジョレーの収穫は今が真っ最中 Marcel LAPIERRE マルセル・ラピエール

2012年こそ自然派ワインの『違いが明確』になる年 100年に一度の収穫量が少ない年 2012年は100年に一度と云ってもよい難しい年になった。 89歳のお爺さんが云っていた。 『こんなに葡萄が少ない葡萄園を見るのは初めてだ!』 ビオ栽培、ノンビオ栽培関係なく厳しい栽培の年だった。 どこも収穫量が極端に少ない。例年の30%~50%の収穫量となった。 1-2月の寒波マイナス18度を記録した。 2-発芽後の春先にも-5度の寒波でやられた。(量が少ない最大の原因) 3-開花時の悪天候による結実不良、 4-その上に5月から8月までの雨曇りによる湿気からくる病気の大発生、 5-その間に、数度にわたる雷をともなった雹の被害。 6-8月後半の3日間の極度な猛暑による葡萄が焦げる被害。 12年は天がボジョレに与えたハードルは実に高いものだった。そんな受難な年だからこそ自然派醸造家達はエネルギーとパッションを集中して畑仕事に費やした労力は普段の年の10倍。 2012年こそ自然派ワインの『違いが明確』になる年はないだろう。彼らは決して諦めない。 MARCEL LAPIERREマルセル・ラピエール家のVENDANGE収穫 困難な年だからこそ、このエネルギー! ワインは、天、地、人のサンフォニーだ! 地は動かない46億年の地球の変遷を経て現在の畑の土壌がある。 モルゴンには元火山地帯だったころ生成された花崗岩が主体になっている。 花崗岩はワインにミネラルとエネルギーを与えてくれる。 天は毎年動く。今年は厳しい天候だった。葡萄栽培には、それぞれの葡萄成長の重要な時期がある。今年はすべての重要な時期に天は厳しい状況を与えてきた。 それでも、宇宙のエネルギーを受けて葡萄が今年も育った。でも少量の葡萄だった。 人は天が与える条件をすべて享けいれて栽培作業をするしかない。 時として不条理な、あまりにも厳しい状況もすべて、100%を享けいれる。 文句や愚痴を言っても何も解決しない。時として天は09年のように最高の条件を 与えてくれる。でも今年は、ボジョレ、特に北ボジョレの農民に何かを伝えようとしているかのように過酷な条件を与え続けた年だった。 人の笑顔にはエネルギーがある! 普通ならとても、笑っていられるような状況ではない。でもここラピエール家では 笑顔ですべてを吹き飛ばすエネルギーで溢れている。 ラピエール家の収穫には、毎年やって来る若者が60%ほどいる。 お互いが良く知っている。2~3週間は昼夜を共にする合宿生活を経験している。 まるで遠い家族のような存在の関係だ。 この中には、セミプロのような音楽家が何人かいる。体力的にはかなりハードな仕事を終えた夜は、夕食のあとの食堂が時にはフェスティバル会場に変身する。 収穫の畑でも常に笑顔が絶えない明るい雰囲気が漂っている。 冗談を言って笑わせる人、歌を唄って盛り上げてくれる人、芸人が多く実に明るい笑顔が溢れている。この笑顔にはエネルギーがある。このエネルギーがワインの中に入っていくは疑いのないことだ。実に大切なことだ。 12年は選別が超重要な年 ラピエール家の収穫は究極の厳しい選別収穫を実現 マチュは“選定粒摘み”を決意 12年は葡萄木に存在する葡萄の数が少ない上に、状態の悪いものも多く混じっている。美味しいワインを造るには健全な葡萄のみを発酵槽に入れることが条件。 当然、良い葡萄のみを選別すること。しかし、今年の場合は葡萄の数が僅かな事が問題である。マチュは“選定粒摘み”を決意した。 葡萄房の悪い部分の粒を切り落とす作業を収穫人に徹底させた。 普通の収穫の4倍のスピードが遅くなる作業を決意したのである。 採算より品質を重視! 品質の為に採算を顧みない決意だ。さすがマルセル・ラピエールの長男だ。 何と収穫人全員が一つ一つの葡萄を丁寧に傷んだ粒を切り落とす作業を実施。 気の遠くなる作業だ。その上、収穫人に白と黒の籠を準備して白に完ぺきな葡萄を入れて 黒にやや傷んだ葡萄でも悪い部分を切り落とした葡萄を入れることを指示。 マチュは醸造家として人智を尽くして対応 2012年、天からの厳しい条件を与えられたマチュは、 迷わず、自分の出来うる最高の手段を選んだ。 当然なことながら、2012年産のマルセル・ラピエール ワインは極小のビンテージとなる。世界中のファンから 取り合いになるだろう。 […]

26
Oct

パカレ・ラピエール家の2011年ヌーヴォー・アッサンブラージュ

マルセルが生存中から続く ボジョレー・ヌーヴォーのアッサンブラージュ 兼 情報交換 フィリップ・パカレ、クリストフ・パカレ、マリー・ラピエール、マチュ・ラピエールその他多くの関係者が集まってヌーヴォーや今年のワインを持ち寄ってテースティング。2011年ヌーヴォーのアッサンブラージの比率を決定する大切な機会となる。 マルセルが居ない今、両家の男で年長さんはフィリップ・パカレとなった。 マルセルが生存中も一家が集まって一緒にアッサブラージをやりながら色んなことを話し合う日を設けたものだった。この時期に2回行われた。1回目はプレスが終わってアルコール発酵が終わった段階、2回目はすべての熟成も終わって瓶詰直前のアッサンブラージの時期だ。 2009年10月 パカレ、マルセル、マチュ 2011年ヌーヴォーを決定する最終段階のテースティング

18
Oct

自然派ワインの源流 LAPIERRE ラピエール家2011年収穫

ラピエール家全員が一致団結の収穫 今年はマルセルがいなくなって初めてのラピエール家の収穫だ。今年も元気な若者達の収穫人が集まりました。半分以上の人たちが去年も来た人達。32人で約3週間は朝昼晩、寝食を共にする合宿生活が続いた。パワー全開。  今年はラピエール家の家族全員で臨む収穫となった。末っ子のアンヌも最初から最後まで収穫に参加だ。大学を今年卒業した。お母さんのマリーと一緒に葡萄園で収穫人と共に行動している。マリーは明るい性格のアンヌに、自分の担当の“収穫管理”の仕事を伝授しようとしている。美人で人気者のアンヌ(左) 自信を持って収穫をはじめたマチュ・ラピエール 収穫開始―葡萄の状態観察―戦略決定―戦略見直し 開花のムラからきている葡萄の熟度の差が同じ畑区画でも見られた。しかしヴイエイユ・ヴィーニュ(古木)やモルゴンの優良畑の葡萄熟度はベストの状態だった。マチュは収穫人を50名に増やして最初に古木や優良畑を一挙に収穫することを決意した。酸が欠けてくるのを避けるためだった。古木の収穫した葡萄をチェックすると酸は大丈夫だった。開花のムラからくる熟してない葡萄も見られた。2回に分けて収穫をすることを決意した。1回目は熟した葡萄のみ収穫、数日後に2回目の収穫を実行した。経費は余分にかかったけど開花のムラをより有効に生かすことができた。ブラボー!マチュ! ほぼ完ぺきに熟した葡萄 収穫も中盤となりもう迷いはない!次々と葡萄が運び込まれてくる。    収穫する人は籠を持ちながら、採った葡萄は籠にいれて進む。 時々、カミーユは登って発酵状況を観察する。 厳しい収穫・醸造の仕事の後は楽しい団欒の夕食がある。 半分ぐらいは毎年来ている。もう20年もずっと来ているベテランもいる。 今夜はカナダから毎年参加の女性ソムリエのイザベルが誕生日だ。 イザベルは去年も来ていた。 もう皆の家族の一員だ。 皆から祝ってもらって大喜びだ。 LAPIERRE家の収穫にはミュージシャンも参加している。食事の後は生演奏で踊りを楽しむ。特にサンバの本場ブラジルから毎年参加しているメンバーがいる。誰かがギターを弾き出せば、即興でそれぞれのミュージシャンが合わせて演奏会になる ほぼ毎晩、お祭り騒ぎだ。乗ると朝4時ごろまでやっている。翌朝、7時にはもう収穫の仕事が始まる。若いから皆タフだ。収穫にはこの元気と喜びが何より大切だ。最近フランスでは、この合宿のような伝統のスタイルの収穫風景が失われつつある。残念なことだ。

13
Oct

ボジョレのR・コンティJEAN-CLAUD LAPALUジャン・クロード・ラパリュ 2011年収穫

 ボジョレでここまで繊細に葡萄・醸造の世話をしているところを私は知らない。すべての段階で細部に渡って気配りをTOPの状態で作業している。一つ一つの作業を見ただけでも“ウーン”と唸ってしまう。理にかなっている。それだけでも尊敬の念を持ってしまう。 年齢的にも一通りの経験を積んだ。暑い年も、大雨が続いた年も、雹でやられて一年の仕事が全滅した年も経験した。  人格的にも非常にバランスのとれた人物である。ジャンクロードが、文句や批判を云っているのを聞いたことがない。 サッパリしたスポーツマンタイプのいい男だ。  若い頃、パリの消防士として特殊部隊に所属していた時に、体を極限まで鍛えたらしい。『その時の筋肉がいまでも葡萄つくりに役立っているよ。』とジャンクロード。  Jean Claude LAPALUの葡萄は毎年どこよりも早く熟す。ブイイ山の南東に位置して特殊なミクロクリマがある。 いつも自然派では最も早く収穫するのに最も濃縮感のあるワインに仕上がるのもジャンクロードの特徴だ。  今年も自然派では最速8月26日に収穫を始めた。既に十分熟している、これ以上待つ必要はない、と判断。腐った葡萄は皆無だった。素晴らしく健全な葡萄を収穫できた。 風光明媚な絶景を見ながらの収穫   今日はコート・ド・ブルイ地区のブルイ山の斜面にある風光明媚な畑。左奥ニレニエ地区の丘、真ん中から右にフルーリ、モルゴンの葡萄園の丘が見渡せる。ここは100歳の古木多くある。生産量が極端に少ない。  ジャンクロード・ラパリュは自分自ら葡萄園に入り収穫をやる。一緒にやらないと大切なことを見落とすからだ。 区画ごとに葡萄の状態が微妙に違う。それらをチェックしておく必要もある。  また収穫時の温度なども実際に葡萄園にいないと判断できないことが沢山ある。自然な造りはSO2(殺菌・酸化防止剤)を添加しないので収穫時の温度は大切だ。  収穫人が疲れてくると、熟していない葡萄を入れてまったり、葉っぱが入ったり仕事が雑になりがちになる。 要注意だ。 ジャンクロードは時々考え込んでいるときがある。一年間育ててきた結果がすべてこの日の収穫で決まってしまう。  最後のこの瞬間を間違えると一年間の仕事がすべて台無しになってしまうからだ。    ジャンクロード・ラパリュのワインはガメ品種とは思えない繊細さ、上品さ、フィネスを備えている。作業の一つ一つの心遣いの積み重ねがそのフィネスを生み出す。その一つに葡萄運搬用のケースだ。底が薄いので葡萄が潰れることが絶対にない。ここまで細心にやっているところは少ない。  この小単位での運搬作業だけでも2、3人必要になる。人件費をかけても実行。目に見えない大切な真実。 この元気・陽気なエネルギーがワインの中に! 収穫時の“喜び”は超重要ポイント!

7
Oct

究極の超自然派 PHILIPPE JAMBON フィリップ・ジャンボン 2011年収穫

栽培も、醸造も、自然を極める! 自然派仲間の中でも“そこまでやるか?”と云われるほど極を行っている自然派の造り手だ。 畑に草を生やしてより良い葡萄を栽培する為に20%分の葡萄木を抜いてしまったり、自分の思うような味わいになるまで樽熟成を5年も7年も続けたり、醸造学の先生達が見たら腰を抜かしてしまうような事をやりきっているフィリップ・ジャンボンだ。 自分の理想に真っ直ぐ進むジャンボンだ。 彼の思いに濁りが全くない。お金、名声など彼にはとっては屁のような存在。 09、10の2年間は全く収穫が無かった。不運にも雹で壊滅的打撃を受けた。2年間の収入がゼロである。普通の神経なら気が狂いそうになる。でもジャンボンは動かない。自分の理想は絶対に曲げない。収穫が無かった畑を今年も黙って畑作業を続けてきた。 今日は収穫の真最中、夕方に訪問。3年ぶりの収穫だ。やはりジャンボンも人の子、笑顔がでる。収穫した葡萄の糖度を図っていた。今年の葡萄はどうですか?『ジュースがこんなに色が濃いのは初めてだよ。マチュリテー・フェノリック(ポリフェノールの熟度)が高いのだろう。』 『今年は葡萄の量も品質もかなり高いよ。』こんなに嬉しそうなフィリップを見るのは久々だ。こんなに嬉しそうなフィリップを見ていると、こちらのほうまで嬉しくなってきた。ジュースを一緒に試飲した。ドロップキャンディ―のような果実味と爽やかさが口中に広がった。旨い! ジャンボンの畑は葡萄、雑草、昆虫たちの住む小宇宙 PHILIPPE JAMBONの畑は葡萄、雑草、微生物、昆虫たちの住む小宇宙だ!まるで草と葡萄が会話を楽しんでいるようだ。微生物、ミミズが葡萄木の成長を助ける土壌を活性化してくれる。葡萄木が日陰で陽だまりを作り微生物達を助ける。小宇宙の自然相互援助システムがある。 ジャンボンの葡萄園は不思議なエネルギーが充満している。イルージョンの畑では収穫を待つシャルドネを最後までセッセと宇宙の光を集めて光合成をフル回転させながら葡萄にエネルギーを与え続ける葉っぱ達がいる。一年最後の仕事に力を振り絞って働いている。 この畑にいると、本当に宇宙から草、微生物まですべてが繋がっていてその多様なものが寄り集まって1房の葡萄を作っていることを実感する。 ジャンボンの畑には野生のサラダが一杯とれる。タネを蒔いていないのにバラエティーに富んだ草、花、サラダが生きている。訪問する度に食事用のサラダをフィリップの子供達と葡萄園に採りに行く。美人の奥さんカトリーヌがドレッシッグと美味しい料理を作って待っている。 フィリップ・ジャンボンは毎年子供と家族全員で収穫をやる日を設けている。フィリップの理想の中に家族も含まれている。自然派の極の人にありがちな奇人変人では決してないところがフィリップの凄いところだと思う。これには勿論カトリーヌの理解が絶大だ!『家には子供が4人いるようなものよ。』とニコっと笑う、明るいカトリーヌがいる。 フィリップ・ジャンボンは典型的なマルセル・ラピエールの薫陶をえた自然派醸造家だ。グランプアンチエール(除梗なしの房丸ごと)発酵槽の中に入れる。勿論自生酵母のみで発酵。だから葡萄の健全度は超重要、ケースは絶対葡萄が潰れない底の浅いもの使用。勿論、SO2(殺菌・酸化防止剤)完全無添加、自生酵母のみ。 PHILIPPE JAMBOMのところには熱狂的ファンが遠方かやってくる。今日も自然派ワインを広めた一人クリストフ・ピケボワッソンのお兄さんピエールがロワールからやって来た。ワインを直買いに来たのだ。予約したはずのワインがなくなる原因はこのような人が多いからだ。 友が来るとブラインド飲み会をやらずにはいられないのがフィリップだ。ボトルを袋に詰めて次々と出してきた。3本ほど開けたところで、フィリップのお爺さんとお婆さんが収穫状況を見にやってきた。これで完璧に飲み会になってしまった。まだ仕事がいっぱい残っているのに。 2年間収穫のないフィリップを先輩達が心配している。フィリップも尊敬しているゴネさんがフィリップに提案した。ゴネさんはもう結構高年齢だ。何十年も最初からビオ栽培だ。ゴネさん『俺は疲れたから君が俺の畑でとれた葡萄で造ってくれないか?』 ル・トランシュがもうじき出る。 7年間も熟成したバタイユが今年末までには出てきそうだ。自分が納得する品質になるまでは絶対に出荷しない。2005年だ。濃厚な色、グルナッシュを思わせるほどスパイシー、ミネラルの旨味、プイサン力強い。フィリップ『30年は自信もって熟成できるよ』7年の歳月かかった。

20
Mai

Christophe Pacaletも驚く! 今年の収穫は8月に!?

今年のフランスの春は・・・暑い暑い! 3月下旬から最高な気候が続き、4月は『100年ぶりの暑さ』とも言われました! そして5月・・少々風が冷たくなったりもしましたが、平均的には温かい! 現在の問題は、取り合えず水が無い・・・ 自由地下水の程度は、もうすでに7月と同じ状態・・・ そんな中、ブドウ木はどんどんと生長し、剪定が終わったと思ったら休む暇も無く畑の耕し、株の間の鋤き起こし、摘芽・・・ 生産者は皆畑作業に追われる毎日です! ロワール地方の、リュノッテの畑。鋤き起こし(デカバイヨナージュ)が終わった直後の畑。 フサフサです!土壌が生きている証拠です! これが、リュノッテの隣の人の畑です。 ここでは、除草剤や殺虫剤を撒き散らしています。 土壌は硬く、緑も無く・・・ 畑が泣いているようで、何か寂しい雰囲気です。 ということで、温かい気候のおかげで、ブドウ木はグングンと伸びています! 今の時点で、もう花が咲き始めています! 通常は、6月当りに花が出始めるので、今年は15日も成長が早いのです! 開花が始まってから90日から100日後に収穫がスタートします。 ですので今年はもしかしたら8月の中旬にはブドウが出来るかもしれません! 『13年もワインを造っているが、こんなに早くブドウを収穫するのは初めてかも!最近は、9月から10月に収穫を行う事が基準になっているけれども、昔はもっと早かったんだよ。1850年には、8月の上旬に収穫をしていたんだよ!』 と説明をしてくれるクリストッフ。 そんな彼の畑の写真では、しっかりと花がもう見当ります。 今年のブドウのクアリティーはどう?と聞いたところ: 『今の所キレイだよ! 問題と言えば・・・水が少々足りないくらいかな。 今の時期に雨がちょっと降ってくれれば完璧なんだ。 そうすれば、ブドウもより生長しやすくなる。 普段は、樹液が水をブドウに送ってくれるんだ。でも 水が足りないと、樹液は根っこの方に水を送ってしまう。そうすると実が成長しなく、収穫量が少なくなってしまう。 後は雹が降らないことを祈るだけだね。』 拡大するとこんな感じです。 今年はじゃあ美味しいブドウが出来るんだ!と聞いたところ: 『ちょっと前、開花期が始まったときに、雨が降ったんだ。 ちょうどこの時期に雨が降ると、ブドウは{miassé*ミアッセ}状態になるんだ。どう意味かと言うと、様々な大きさなブドウが生るって事なんだ。イコール、綺麗なブドウが出来るって事!』じゃあ良かった良かった~! もうこんなに葉っぱも付き、元気一杯なクリストッフのブドウ! 今年は収穫時期も早いため、ボジョレ・ヌーボーもゆっくりと時間を掛けて造れる!とちょっと安心気味なクリストッフ。 しかし、ワイン生産者は、ブドウが樽に入っていない限り落ち着けません。 樽にブドウが入り、発酵が上手く行くまでは油断出来ません。 8月まで、気候が見方になってくれるよう祈るしかないです! 美味しいワインを造ってくれている皆様! 2011年も勝手ながら期待しています! Christophe Pacalet のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: BMO 株式会社 TEL : 03-5459-4243 FAX:03-5459-4248 MAIL: wine@bmo-wine.com http://www.bmo-wine.com

4
Mai

ボジョレー地方でBeaujoloise*ボジョロワーズの試飲会!

今日は、久しぶりのボジョレー地区へと出張です! 今回はクリストッフ・パカレ氏がボジョレーの仲間と主催する、ボジョレーワインのフェアーです! 『ボジョレーチック』な2010年ビンテージがズラリ! Christophe Pacalet*クリストッフ・パカレ曰く、『2010年はフルーティーで飲みやすく、まさにボジョレーピッタリの年だよ!』 天気も良いし、ボジョレーのブドウ木にはもうすでに小さな芽が沢山! 今年の4月は通常より温かく、ブドウ木の成長も15日間早まっています。 そんな楽しい試飲会の写真を是非どうぞ! Cyril Alonso*シリル・アロンゾ / PUR*ピュール とても優しくて真面目なシリル。 彼のワインは、どれを飲んでもとてもピュアでエレガント! Montagne Hard*モンターニュ・ハード08 石灰質のテロワール+フルーティーな味わい+まろやか感 Côte de Py*コート・ド・ピ10 花崗岩のテロワール+ミネラル感+スパイス感 Amène*アーメン09 赤い粘土質のテロワール+フレッシュ感+長い後味 特にスミレやボタン、アニスの香りが印象的! Très Vieilles Vignes*トレ・ヴィエイユ・ヴィーニュ10 1904年に植えたブドウ木+ミネラルと酸の最高なバランス+ボリューム感+上品さ =シリルが大好きな一本! Arnaud Combier*アルノー・コンビエ 彼のワインは、毎回言いますがミネラル感と透明感が強い! Marie, Mathieu et Camille Lapierre*マリー、マチュ、カミーユ・ラピエール いつも大きな笑顔で出迎えてくれるマリー、そして真面目でシャイなマチュとカミーユ。この温かいファミリィーが生み出すワインからは、綺麗な色合いと華やかな香りが! 2010年はフルーツをそのまま齧っているようなジューシーさ!手作りパテと召し上がれ! Raisins Gaulois*レザン・ゴロワ10 フルーツ+サッパリ感=雅にちょっぴり大人向けのブドウジュース! Château Cambon*シャトーカンボン ロゼ10=ミネラル感タップリでサッパリした飲みやすさ 赤10=エレガントでイチゴの香り! Le Cambon*ル・カンボン フードル(大樽)での醸造=スパイシーでパワフル! Morgon (N) *モルゴン (N)10 SO2はゼロ!!のこのワイン=上品+なめらか+フレッシュ+ピュアなフルーツ! Nicolas […]

24
Déc

2010年クリスマス直前のPHILIPPE PACALETの一日

フランスのよくある習慣 フランス企業や組織では、クリスマスの直前のこの時期に夕食会を催す。この一年間一緒に働いてきた従業員やその家族と大切なお客さんを招いてテーブルを囲んで“この一年間の労”を話し合いながら楽しむ会である。日本風に云えば“忘年会”なようなものです。 12月21日、フィリップ・パカレ醸造所でも、家族とそれに近い人達が集まってテーブルを囲んだ。 ワインは人が造る! 私も参加してパカレ一家と親睦を深めました。 ワインを本当に理解する為には、そこに働く人達と接する事は大切なことなのです。PHILIPPE PACALETワインの、あの独特な美味しさの中には、彼らの気持ち、感情、心、が反映されているからです。几帳面な人、大雑把な人、明るい人、色んなタイプの人がそれぞれの役割を演じ、発揮してくれて2010年のワインが出来上がっています。決してフィップ・パカレ一人でできるものではありません。だからフィリップは一緒に働く人達を本当に大切にしている。 しかし、最も重要であるのはトップであるフィリップの人間としての資質であることには間違いない。今、フィリップは4児の父、長男と長女は思春期を迎えている。下の双子の男子の二人はまだ小学生であり周りを走り周っている。 フランスでは男である主人も子育てには多くの場面で積極的に参加している。だからフィリップも忙しいワイン造りの合間に、子供の送り迎えもやっているし、子供のパリ観光にも時々やってくる。父親としての役をフルに演じている時期でもある。そんな段階にあるフィリップの心情がワインにも少なからず影響を与えているのは間違いない。 今日はロック時代からずっとパカレを慕ってついてきているメンバーもいた。収穫時期とか大事な作業がある時は必ず応援にやってくる人達です。 今日は奥さんのモニカが気合一番のブラジル料理を作ってくれた。ブラジル人のモニカさんが現地から持参したアリコ・ノワールを使っての特別な料理でした。 FAEIGOADAというカーニバルの時にサンバ踊りを踊る前に家族皆で食べる料理だとのことでした。美味しかったです。 アペリティと生ガキに ドメーヌ・ロマノのエルベ・スオが98年に パカレの指導のもとに醸造したアルデッシュの白(ルーサンヌ・マルサンヌ)とパカレのシャブリを合わせた。抜群の相性でした。 ロック時代のクロ・ゴワイヨット90まだ元気で力強かったです。 ボーヌのプルミエ・クリュ・レ・シュアシュ2006年、太陽を感じました。グルナッシュのようなスパイシーさを備えていました。 モルゴンのジャン・フォワラールも美味しかったです。他多数。 進化を続けるフィリップ・パカレ ここ数年のパカレワインは益々心を揺さぶられるワインになってきている! プリューレ・ロックを卒業して、醸造所を立ち上げて10年が経った。当初はヤドカリのように数か所の場所を借りて醸造、熟成をやっていた。5年前にボーヌの街に独自の醸造所を買い取って、ワイン造りにどっしり腰を据えてできるようになった。この時期からフィリップのワインはグンを抜いて数段レベルアップしてきているのを感じる。 人の10倍、脳が動いているフィリップ 物理学者的な研究心が強いフィリップにとって仕事場のアトリエが落ち着いただけで、醸造所のシェやカーヴが毎年の実験室になっている。毎年、天候条件の違う葡萄が醸造所に入ってくる。その葡萄の持ってるポテンシャルを優しく、その年らしいピノ風味を醸し出すには?そしてロック時代より蓄積してきたブルゴーニュのそれぞれのテロワール・土壌を引き出すための一つ一つの作業の精密度が一段とレベルアップしているのを感じる。 ワイン造りの大切な発見を次々と見出している。 ピノ果実味とミネラル感の絶妙なバランスを狙う! 天才パカレのワインは大進化の真っ最中である。 ブルゴ-ニュワインの新しくて古い味覚、つまり1930年から1950年台のブルゴ-ニュでみられたレトロな“ピノ風味とミネラル感(土壌)”の絶妙なバランスがパカレのお陰で復活しつつある。 微生物科学者ジュル・ショ-ヴェ博士の元で書生として数年間勉強したフィリップ・パカレは、ジュル・ショ-ヴェ先生の影響を多く受けている。その後、物理学を学んだフィリップにとって、微生物の働きの神秘と自分の施す作業の精度がもたらす 味覚中のピノ果実味とミネラル感の間連にホントに細かいレベルで多くのことを発見してる。ここ数年のパカレブルゴーニュの精度は磨きがかかっている。 年代とテロワールについて パカレは時々ジュル ・ショーヴェ博士の話をする。 パカレ 『ジュル・ショーヴェ先生はよく云っていたんだ、“醸造家はみんな1945年のようなワインを造りたい!と云う、それは間違いだよ。”と私によく云っていました。』 『だから、その延長で今では、世間の醸造家は果汁を濃縮させたりする作業をしてしまってテロワール(ミネラル感)を失ってしまうんだ。最悪はオスモ(濃縮機)を使ってしまうことだよ。』とパカレは云う。 『濃縮すれば45年のようになると勘違いしている。特に、ピノはそんな単純なものではないんだ!本当にもっと繊細なものなんだ。』 『例えば、最近の年代で云えば、 “2008年はGRAND BOURGOGNE”グラン・ブルゴーニュ” “2009年はGRAND MILLESIME”グラン・ミレジム”と云える。 08の方がブルゴーニュらしいテロワールが表現されているんだ。09年は天気が良くて葡萄も完璧に熟した。濃縮感もあって素晴らしく美味しい。 でも天候の良さがテロワールを隠してしまっているんだ。勿論、時間が経っていけばミネラルが出てくるけど。ブルゴーニュらしいミネラルが出ているのは08なんだ!』 パカレの2008年は、ホントに昔の繊細なピノ・ノワールの復活と云ってよい 素晴らしいグラン・ブルゴーニュのスタイルだと思います。 瓶詰はすべて手詰です。 本日は09年の一部を瓶詰していました。 ここでは、一本一本すべて手で詰めています。そして手作業でコルクを栓しています。 機械は使いません。 素晴らしい一日でした。感謝! PHILIPPE PACALETのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: 野村ユニソン株式会社 TEL : […]

29
Nov

秋のプイィ・フィッセ、ソリュトル

今はもう秋・誰もいない葡萄園・ソリュトル村、 プイィ・フィッセ村 11月の初旬、ボジョレに行った帰りにマコンからTGVにて パリまで移動する予定だ。マコンからパリまで1時間半という早さだ。醸造元での試飲が長引いて、予定のTGVに乗り遅れてしまった。マコンTGVの駅から10分でここプイィ・フィッセまで来れる。黄葉を見にやって来た。 実に美しい!ほんの1か月半前は収穫で賑わっていた葡萄園が今は人影も見えない静寂の世界が広がっている。 プイィ・フイッセ村 シャルドネの木々が今年の仕事を終えて休息のひと時を過ごしている。 樹液を根に戻し大地に囲まれて、来年の為に鋭気を 養う。

8
Nov

TERRE DOREE-ジャンポ-ル ブランヌ-ヴォ-2010

南ボジョレの孤高の自然派・ジャンポール・ブラン ハーモニー・ド・テロワール、 ドメーヌ・テール・ドレー 大都市リヨンに最も近い南ボジョレの村、シャルネ村に位置している。 ボジョレの自然派の殆んどはモルゴン、フルーリを中心に北ボジョレに多くいる。南ボジョレとしては、ジャンポ-ル・ブランしかいない。孤軍奮闘している。土壌的にも全く異なっている。北ボジョレでは花崗岩が主体、ここでは石灰質土壌である。しかも土も岩盤も黄金色に近い黄色である。 ここでジャンポールはガメイ種、シャルドネ、ピノ・ノワールを栽培している。醸造方法も南ボジョレのようなグラップ・アンティエール(除梗なし)のセミ・マセラシオン・カルボニックをやらない。 ジャンポール『ここの石灰質土壌ではグラップ・アンティエールは合わないんだ。だからすべて除梗しているんだ。ブルゴーニュ・トラディションの醸造方法をとっているんだ。』 確かにジャンポールのガメイの風味は北のそれとは全く違う。南だけど標高が高い為に、よりフレッシュさを残しタンニンのスタイルも確立したバランスになっている。 黄金色の土壌 醸造所のドメーヌの名はテール・ドレー、直訳すると黄金色の土壌。この村の建物はこの土地の岩盤を切り取って造ったもの。だから村の建物全体が黄金色に輝いている。 ジャンポールのワインは他のボジョレとは全く違うスタイルを持っている。この黄色の石灰質土壌からのミネラルがブルゴーニュを思わせる風味も備えている。 ここのシャルドネやピノ・ノワールには熱狂的ファンがいる。そして価格的にも手頃で値ごろ感がある。 ←醸造所   試飲用サロン→ ハーモニー・ド・テロワール、ジャンポール・ブラン・ヌーヴォー2010年 今年も元気一杯なジタン家族が集まりました。毎年同じ家族一同がこの収穫の為に来ています。もうベテランの人も何人かいるのでジャンポールも安心して任す事ができます。 2010年の葡萄は酸を中心に果実味が周りを包んでいる感じになるだろう。 この南ボジョレでも冷夏の為に、収穫が例年より遅れて行なわれました。収穫日の9月最終週は天気に恵まれて、非常に良いコンディションの中で実施されました。葡萄も待ったお陰でよく熟していました。それでも、2010年はフレッシュな酸が中心になります。補糖をしてない為、アルコ-ル度も低めでグイグイいけるヌ-ヴォ-らしい典型的なスタイルになるでしょう。 モザイク的頭脳を持ち、あらゆる種類のワインを造っているスーパー醸造家 お父さんの代からビオ栽培をやっている。だから葡萄の樹は本当に元気が良い。収穫された葡萄自身に活力がある。土壌には微生物が活き活きしている。畑に住む自生酵母も元気がある。だから、当然自生酵母のみで醗酵させている。当然、SO2も収穫時には添加しない。 そこの土壌独特の風味を醸してくれるのは自生酵母だから、大切にしている。今ジャンポールは北ボジョレにも畑を持っている。モルゴン、ブルイィ、北ローヌにも畑を持っている。コート・ロティのワインも造っている。ジャンポールの好奇心はやまない。 ワインもロゼ微発泡ワイン(ガメイ種)、メトッド・シャンプノワ(シャルドネ)、貴腐ワイン(シャルドネ)、ヴァンダンジュ・タルディヴ(シャルドネ)色んな土壌から収穫した葡萄を色んな方法で醸造してしまう。 まるで料理人が色んな素材を使って調理してしまうように。 赤、白、ロゼ、発泡酒、デザートワインまで、あらゆる種類のワインを一人で造ってしまうスーパー醸造家である。 何よりもこんな「ふかふかな」畑で育った葡萄を使って、 ジャンポ-ルが料理したワインは実に美味しい。そして価格も安いから嬉しい。 除梗した造りで醸したユニークなボジョレ・ヌーヴォーを 試してみてください。グイグイいってしまいますよ。 Harmonie des Terroirs のワインについてのお問い合わせは、こちらまで! 野村ユニソン株式会社 TEL : 03-3538-7854 FAX : 03-3538-7855 MAIL : wine@nomura-g.co.jp http://www.nomura-g.co.jp Jean Paul Brun のワインについてのお問い合わせは、こちらまで! 株式会社ウェスト・エンド・ジャパン TEL : 04-2628-2597

5
Nov

シリル アロンゾのピュア-ヌ-ヴォ-

天才的アイデアの頭脳を持つアロンゾのピュア・ヌーヴォー 2010も次々と新しいヒラメキで行動を展開する異才 今までは自社葡萄園を持たず、醸造所もそれぞれの醸造元の一角を借りて、色んなアペラシオンのワインを次々と生み出しているアロンゾです。そんなアロンゾが出荷する2010年ピュア・ヌーヴォーはその名のように実にピュアに仕上がりました。比較的、薄めのヌーヴォーが多い2010年の中でも、しっかりした構成を持っているスタイルに仕上がりました。ご期待ください。 シリル・アロンゾのほとばしるヒラメキがいっぱい詰ったヌーヴォーです。ヒラメキが必要な方是非ピュア・ヌーヴォーをお試しください。 葡萄栽培が難しかった2010年でした。しかしアロンゾが選んだ葡萄はきっちり熟成して、健全な状態で収穫されました。 2009年ほどではないけど、そこそこの濃縮度を備えています。 ヴィルフランシュの街に自然派ワイン小売店“P・U・R”を開店 ボジョレー地区で最も大きな街といえばヴィルフランシュの街である。その街にワイン小売店を昨年開店した。シリル・アロンゾは若い時、スイスの有名ワイン専門店で働いていたことがある。一般消費者と直接に触れて、近いところにいる事の重要さを良く知っている。自分達や自然派の仲間が造るワインを販売しながら、愛好家達の生の声を常に聞いていたかったのです。 自分のアイデアでネ-ミング、デザインしたワインをお客が接した時のリアクションを確かめたかったのです。 例えば、フランスのシャンソン歌手のエディット・ピアフが歌った、“ラ・ヴィ・アン・ロ-ズ”をシャレで“ラ・ヴィ・アン・ルージュ”とネーミングしたボジョレーワインを出荷し大人気でした。 いよいよ、2010年はヴィルフランシュの街に醸造所を設置しました。 今年はまだ試作段階の醸造しかしていませんが、その試作が実に素晴らしかった。ほんの僅かな量しか造っていない為今年は、まだ日本出荷は出来ませんでした。来年はご期待ください! 何と来年から、フランス初の自然派ワイン学校を設立いたします。 アイデアが次々と湧いてきてしまう、アロンゾのピュア・ヌーヴォーを是非お試しください! Cyril Alonso のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: ディオニー株式会社 TEL : 03-5778-0170 FAX : 03-5778-0278 www.diony.com

4
Nov

黄金のモルゴン・ワイン街道を行く

10月30日 モルゴン村を越えて山に向かって県道18号線を登る。Col du Tugesコル・ドュ・トゥージュ方面 に走った。この時期はこの黄金の山に向かってドライブをする。なんて美しいんだろう! マニフィックな景色だ!車を止めて何時間でもボーとしたい。 やはり、ボジョレー全体を見守る冷厳なるブルイィ山を中心にシャッタ-を切ってしまう。 エネルギ-溢れる山だ。 北ボジョレーの守護山だ。 どこから撮っても決まってしまう。 本当に幸せな気分になってしまう。 この時期ボジョレー・ヌーヴォーの試飲の為、毎年モルゴンに数日間滞在する。試飲の合間に気分転換にやって来る。 この美しい紅葉のモルゴン畑を是非 日本の皆さんと分かち合いたかった ヌーヴォーが10倍美味しくなる!? 2010年のヌーヴォーを飲みながらこの景色を思い出してください。何かを語りかけて来る筈です。10倍美味しくなるかも。 モルゴンの富士山・コ-ト・ド・ピ モルゴンの皆が愛してやまないコート・ド・ピ 何故か、私はモルゴン村が大好きだ。毎月一回ぐらいのペース で来てしまう。友も多いし、皆サンパティック(気持ちの良い)な人達だ。 定宿のアトリエに泊まれば、誰かしら知っている醸造家が飲みに来ている。いつも飲みすぎてしまう。

3
Nov

日本初登場!ダミアン・コクレ・ヌ-ヴォ-2010年

ダミアンのお父さんはモルゴンの人気者デコンブだ。 お父さんの元で修行を積みながらの独立だ。3年前よりモルゴンの最高の畑コ-ト・ド・ピに2ヘクタ-ルを買った。そして今年はモルゴン村の古木ばかりが植わっている畑を3ヘクタ-ルを買い足した。 昨年より独自の醸造元ドメ-ヌ・ル・コクレを立ち上げて初リリ-スした。初年度からカナダに熱狂的ファンを造り、ニュ-ヨ-クにも出荷した。 ボジョレ・ヌ-ヴォ-は今年が始めてだ。 世界で初出荷が日本向けという初物である。 実際には、醸造所も収穫人もまだお父さんと共同でやっている。しかし、確実に自然派が進化しているのを感じる。 若きアイデア、新しい発想がダミアンには一杯ある。ダミアンはオートバイが大好きだ。オートバイ仲間の友人が一杯いる。その一人が北米に住んでいて、ダミアンのワインをプロモ-トしている。そんな訳で一番の顧客はアメリカから始まった。この辺も新潮流を感じる。 モルゴンの新しいスタ-・濃縮感にフレッシュさを加味! 醸造機具はすべてお父さんと共有で使わせてもらっている。 コンクリ-ト漕でアルコ-ル醗酵、垂直式の圧搾器を使用。 ガメ種のマセラッション・カルボを絞るには、この古式圧搾器が最も適している。優しい果実味を絞りだしてくれる。 濃縮感が好きなのはデコンブ譲り。 でもフレッシュ感も好きだ。 ダミアンが最も気を付けているのは収穫時の選別である。 美味しいワインを造る基本中の基本は醗酵漕に入れる葡萄が熟していて健全であること。これはお父さんに教わった最も重要なポイントである。自生酵母で醸造すること、雑菌を殺す為のSO2(二酸化硫黄)は添加しない。自生酵母も死んでしまったり、弱まってしまうからである。だから雑菌が繁殖する最も多い原因である。痛んだり、腐った葡萄が醗酵漕に入らないように徹底的に注意をすることが大切なのでる。 家族を大切に、父を尊敬し、その上に新しいものを築こうとしている ダミアンは醸造家として今、修行中である。葡萄栽培の過酷なまでの自然からメッセ-ジを何度も貰った。特に、今年は7月にモルゴンの古木が全滅するほどの雹の被害を受けた。強烈な自然界からのメッセ-ジだった。醸造家になる事はそんなに甘いものではないよ! でも、その時のお父さんの“一言も愚痴を言わない”立派な態度にも感銘を受けたに違いない。 顔つきにも厳しさが出てきた。きっと将来の自然派を背負っていけるような醸造家に育ってくれると思う。 皆で応援したい。 ダミアン自慢の畑・コト・ド・ピも今は黄葉の真っ盛りだ。 子供の頃から可愛がってくれていた近所の農夫が引退時にダミアンのために畑を譲ってくれた。 良き指導者、良き畑を手に入れて将来、楽しみな若き醸造家がまた増えた。 ダミアンの初リリ-ス・ヌ-ヴォ-を是非楽しんでください。 Damien Coquelet のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: トーホー・フード・サービス Tel: 092-611-2547

1
Nov

フィリップ・パカレ・ヌ-ヴォ-2010年

2010年パカレ・ヌ-ヴォ-をアッサンブラ-ジュ 10月29日パカレ・ヌ-ヴォ-のアッサンブラ-ジュを行った。ラピエ-ル醸造所の一角を借りて造っている。毎年、マルセル・ラピエ-ルと共にやっている作業である。今年はマチュ・ラピエ-ルと共に行った。私も毎年参加している。マルセルがいないのがチョット淋しい。涼しかった夏の影響で収穫が遅く、その上、アルコ-ル醗酵がゆっくりだったのでアッサンブラ-ジュの時期も遅れてしまっている。来週早々に瓶詰めをしなければならない。時間との競争になってきた。今年のヌ-ヴォ-は造る方にとっても時間に追われてやっと滑り込みセーフという感じだった。 特に自然派ヌーヴォ-は自生酵母を使って醗酵する為、アルコール醗酵のスピ-ドがゆっくりになりがちであり、強制してアルコール醗酵を早める事はしない。しかし、出荷日や飛行機便は既に決まっている。今年は本当に限界に近い。醗酵漕から出してプレスした後、幾つかの大樽で別々に醸造、熟成をしていたワインが5種類ぐらいに分かれている。それらをまず試飲して、今年の風味を最も表現できるタイプに6種類のワインのブレンド比率を決定するためだ。 2010年パカレ ヌ-ヴォ-はエレガントなフル-ティ-ワイン まず、それぞれのワインの特徴を把握することに集中、その次に今年のスタイルの典型を模索する。そして其々のワインの配合比率を幾つかのパタ-ンでサンプルを造ってみる。 それを試飲して今年出来うる最高のバランスを探る。そして、またサンプルを作って、試して見る。これを何回か繰り返して、最終的に配合比率を決定する。 パカレ『今年のスタイルは89年のバランス感覚に似ている。アルコ-ルから来る力強さはないけど色んなものが詰まっている。色だけ見ると薄いように判断してしまう人がいるかも知れないけど決して単純に薄いワインではない。エレガントなスタイルが今年のバランスだと思う。爽やかなフル-ティ-さが心地良いワインだ。 最終決定比率のサンプルを作るマチュ・ラピエ-ル。マチュにとってもパカレとのアッサンブラ-ジュは勉強になる。マチュも今はラピエ-ル家の責任者となったばかりだ。従兄弟の天才フィリップ・パカレとの貴重な時間である。最後に皆で最終決定した2010年ヌーヴォ-を試飲。アルコ-ル度数が12度前後と低く、エレガントでグイグイいってしまう。 アッサンブラ-ジュ終了後はカ-ヴの樽に入ったばかりのモルゴンを試飲 マチュはフィリップ・パカレに今年のモルゴンを飲んで欲しかったに違いない。 そうこうしている中にマチュのフィアンセのミュリエルもやってきた。 来月に子供が生まれる。パカレの奥さんのモニカ、研修生のアキノリ君も混じってアペリティフがわりの飲み会になった。 マルセル・ラピエ-ルが生前の時もこのカ-ヴに入って永遠と飲み会をやったものでした。 ついつい思い出してしまう。 誰となく『乾杯!マルセル!』 の合唱となった。この光景を見てマルセルも喜んでいるに違いない 皆様!エレガント・フル-ティーな パカレ・ヌ-ヴォ-を楽しんでください! Philippe Pacaletのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: 野村ユニソン株式会社 TEL : 03-3538-7854 FAX : 03-3538-7855 MAIL : wine@nomura-g.co.jp http://www.nomura-g.co.jp

28
Oct

濃縮感NO1のデコンブ・ヌ-ヴォ- 2010年

人智尽くして天命を待つ! 2010年はデコンブにとって難しい年だった。 7月、樹齢100年を越す曾お爺さんが植えた古木のあるモルゴンの畑に雹が襲った。約2ヘクタ-ルがほぼ全滅状態だった。天候を相手に仕事をする者の宿命だ。熊のような風貌のデコンブは微動だにせず、ニッコリ笑って『ほぼ全滅だよ』と笑い飛ばした。人間の大きさを見た。『我々は天の与えてくれた条件の中で最善を尽くすだけだよ。』モクモクと畑作業に全力をつくしている姿を見るとグット心に打たれるものがある。幸いにもヌ-ヴォ-用の畑は大丈夫だった。 今年も、自然派ヌーヴォーでは群を抜いた濃縮感を醸す。 デコンブ曰く 『今年も葡萄が良く熟した、 そりゃ昨年の09年に比べればチョット落ちるけど05年に似ていると思うよ。俺は良く他の果実を観察している、参考になるからね。今年はリンゴが良く熟している。葡萄も同じだと思う。でも今年のリンゴは腐りやすかった。気をつけなければと思っているんだ。今年も良く濃縮している理由の一つがミルランデ-ル化している葡萄が多いからだ。(写真あり)小粒の実が多く、ジュースの量に対して皮の面積が多いから、皮のタンニンが熟していればワインに濃縮感がでるんだ。』 家庭的な雰囲気の2週間の葡萄狩り合宿生活 ボジョレの伝統文化を守る 収穫後は醸造所で延々とアペリティフを楽しむ  醸造所の敷地内に食堂とその2階に宿舎があり、そこに20から30名ぐらいは泊まれるようになっている。そこで2週間の大所帯の家族生活が続く。フランスの他の地方では消滅してしまった収穫期の文化習慣である。マセラッション・カルボニック方式での醸造には、葡萄を丸ごと刈る人手しかできないからである。他の地方では、自動葡萄狩機械が活躍している。収穫に人間が要らなくなってしまった。 実に残念なことです。人の力は大きい。 デコンブ・ファミリ-のパワ-全開 甘えるマノン↓↑ いつも仲良いデコンブ夫婦    ヌヌン   ケビン   ジスレン   ダミアン 家族それぞれが各自の役割をこなして進んでいく。奥さんの20名分の食事を2週間も作り続けるシェフとしての役割に拍手を送りたい。 自然派ワイン中、最も濃いヌ-ヴォ-を醸すデコンブは偶然ではない! ワインには造り手の性格、志、感情などが反映されている。デコンブの体格、性格、強い意思は、自然に彼のワインに反映している。ただ濃いだけではなく“優しさ”も同居している。強い性格の中に優しさを備えている正に彼の愛すべき人柄そのままである。 二つの大切な事を実行しています。 1-長いマセラッション 普通は一週間から10日前後でプレスにかけてしまう。ここでは15日から17日間のマセラッションを実行する。単に長くすれば濃いワインが出来るかというとそうではない。皆、ヌ-ヴォ-用に使う葡萄木は若い木やあまり土壌がよくない畑のものを使ったり、フレッシュな果実味を狙う為、あまり熟してない葡萄を使用することが多い。しかしデコンブはヌ-ヴォ-といえども妥協しない。長期マセラッションに耐えうるポリフェノ-ル熟度を備えた葡萄を使用するからである。 2-垂直式プレスで一日かけてゆっくり絞る デコンブではコンクリ-ト槽を使っている。グラップアンティエ-ル(葡萄房丸ごと)を入れてセミ・マセラッション・カルボを行っている。勿論、自然酵母のみ、酸化防止剤(SO2)は添加しない。まだ、アルコール発酵が中途の状態、つまり糖度が残っている段階で、垂直式プレスにかける。 ガメ品種のセミ・マセ・カルボを絞るにはこの伝統式プレスが最も柔らかく調整できるからです。 プレスにかける前の葡萄房は葡萄の原型をそのまま残して、葡萄の粒の中で発酵していたことがよくわかる。粒の皮を破ると、果肉は赤く染まっている。(発酵前の果肉は乳白色透明)絞った果汁は糖度が残っているので、別のコンクリ-ト槽に移してアルコ-ル発酵を続け、マロ発酵もそのまま自然に同時に行われる。マロも強制することもなく自然に任せる。健全な葡萄しか発酵槽に入っていないので妙なバクテリアが繁殖することもない。 普通の場合、アル発酵とマロ発酵が同時に行われると大変危険なことなのです。 しかも雑菌を押さえるSO2を添加してない状態の中では大きなリスクを背負ってワイン造りをしているのです。簡単に自然派ワインといっているけど、本当に多くのリスクを人の力と労力で乗り越える努力をしている事実は、まだあまり多くの人に知られていない。こんな事を乗り越えて、我々に美味しい自然派ワイン・ヌ-ヴォ-を提供してくれる醸造家に心より感謝したい。 デコンブとマルセルの思い出 2008年の夏の出来事  – マルセルはデコンブに絶大な信頼を寄せていた。 2年前の夏、私はデコンブ醸造元で一杯やっていた 。 私、ヌヌ-ン(デコンブのあだ名)は昼食を食べ終わって午後2時頃だった。 突然、扉が開いて、マルセル・ラピエ-ルが入ってきた。その後は、夜の何時に出たか記憶がない。何本飲んだかも覚えていない。マルセルは酔っ払うと、シャンソンを歌ったり、詩の朗読を語りだす。この日はもう3人でボロボロに酔っ払いました。マルセルは酔っ払って、本当に楽しそうでした。マルセルがデコンブに抱いてる信頼感は絶大なものでした。友人というより家族に近い同志という感じでした。思い出しただけで涙が出てきてしまいます。 デコンブは敷地内に個人バ-を備えている。そこに入ったら最後ベロベロに酔っ払うまで出て来れません。 この愛すべきデコンブ(ヌヌ-ン)のヌーヴォ-を楽しんでください。 アデュ!マルセル! Georges Descombesのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: 豊通食料株式会社 TEL : 03-5288-3854 FAX : 03-5288-9248 http://www.vin-de-t.com デコンブ・ヌーヴォーが購入できるお店 : マルシェ・ド・ヴァン銀座  東京都中央区銀座8-2-11 TEL:03-3573-5535 http://www.marchedevinsginza.com/shop/

27
Oct

ラパリュ・ヌーヴォ-2010年

ラパリュの畑はボ-ジョレの中でも最も早く熟す。 今年もヌーヴォ-用は北ボ-ジョレの自然派の中では最も早く収穫を終えた。9月14日には収穫を開始した。他の醸造元より1週間も早い。しかも、どの蔵元より糖度ものってポリフェノ-ルの熟している。特別なミクロ・クリマ(微気象)備えている立地である。 ボジョレで最も高い山“BROUILLY ブルイ”を北西の方向に見える立地の畑である。北からの寒い風をブルイ山が遮断してくれる。北西から来る雲も方向を変えてしまう。いつも太陽に恵まれて、暖かい好条件を備えている大変ラッキ-な立地である。 ブルイは太古の昔、火山だった山である。エネルギ-をボジョレ全体 に流してる特別な山である。ラパリュの醸造所はそのブルイを見上げる南東に位置しているから、そのエネルギ-を最も近くで受けているのだろ。今年も9月中旬にはポリフェノ-ルも糖度も十分熟していたのでジャンクロ-ド・ラパリュは収穫を決断した。 2010年ラパリュ・ヌーヴォ-はエレガントな年になる! 今年は栽培が難しい年だった。 ラパリュの葡萄がこんなに健全に収穫完了したのは偶然ではない。ジャンクロ-ドは語る。 『今年は栽培が難しかった。乾燥していたかと思うと、突然、嵐のような雷がきたり、曇りが続いて太陽が出たり隠れたり、天候が読みにくかった。栽培方法の対処には普通の年の3倍は考えて行った。でも8月の中旬からは天候が落ち着いてきたので良かった。特に収穫期間は最高な天気のもとで出来たのが良かった。それでも、今年はエレガントな年になる。』 ラパリュの葡萄がこんなに熟して、ワインが繊細なのは偶然ではない! ラパリュの特殊な栽培 ラパリュでは北ロ-ヌのエルミタ-ジなどで行われ ているゴブレ方式を実施している。枝が伸びてくる5月 ごろに杭を葡萄木の傍に立てて、伸びてくる枝をその杭 の上の方で縛りつける方法をとっている。ボジョレでは ラパリュだけである。 特殊なカジェット(箱)使用 収穫葡萄の運搬に使うカジェット(箱)はロマネ・コンチ並みの底の薄いものを使っている。葡萄が重みでキズつく可能性はゼロである。ボジョレではここだけである。 ラパリュの特殊な栽培 ジャンクロ-ド・ラパリュは常に改良と新たな未知への挑戦を続ける。 2010年の最大の改良はプレス機である。今までは空圧式を使用していた。今年から100年前の垂直式プレスを手に入れた。さらにフィネスをもたらしてくれるだろう。そして新たな挑戦として昨年よりアランフォのカメの中で醸造する試作をしている。さらに土壌のピュア-な風味がワインに醸しだされるとのことでした。(アランフォはヌーヴォ-用ではない) 2010年ヌ-ヴォ-を利く、フィネス・エレガント・ヌ-ヴォ-だ! ジャンクロ-ド 『今年は濃縮感は狙っていない。ヌ-ヴォ-と言えどもフィネスとエレガントさを表現できたらと思っている。アルコ-ル発酵が本当にゆっくり進んだお陰で、エレガントさが最初からある。最初からイチゴやキャンデーのような心地よい香りがあった。プレスを替えて、一日中をかけてゆっくりプレスしたので本当にフィネスさを備えるようになったんだ。』 Jean Claude Lapalu のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: 大園 Tl : 03-5565-5884 Fx : 03-5565-5886

27
Oct

クリストフ・パカレ・ヌーヴォー2010年

日本上陸2年目のクリストフ・パカレ今年も元気いっぱいに収穫を終えました。 今年は波乱万丈の気候でした。6月と7月にボジョレを襲った雹が、昨年のヌーヴォー用に確保していた畑を直撃しました。50%減の収穫となり、急遽、友人のニコラ・テスタールに相談したところ、不足分の葡萄を譲ってくれるとの快諾をえた。 そんな時でも微動だもせず悠々と解決してしまうクリストフ・パワーは凄い。 今年も笑顔が絶えない収穫風景となりました 収穫は地元の屈強の若者を集めて笑顔が絶えない収穫風景となりました。クリストフのヌーヴォーが美味しのは彼らの笑顔が入っているからでもある。涼しい夏と雹で量が減った分、量が少なくユックリとポリフェノールが熟した為、程々に濃縮されて、上品なタンニンを備えた葡萄がとれました。 風光明美な景色の中で育った葡萄 クリストフの畑では本当に健全な葡萄が多かった。 今自然派ワインの造りで大切な事の2項 収穫された葡萄はキズが付かないようにプラスティックの箱に入れて醸造所まで運ばれる。自然酵母で発酵する自然派ワインの造りには大変重要な作業なのです。何故なら、自然酵母を守る為に酸化防止剤のSO2を発酵槽に添加しないから、この段階でキズが多いとそこから雑菌が繁殖してしまうからです。もう一つ重要なのは、収穫時の葡萄の温度です。温度が高いとやはり雑菌が繁殖する可能性が高くなります。だから普通の場合、収穫した葡萄は冷蔵庫にいれて冷却してから発酵槽にいれる。 しかし、今年は収穫時の温度が10から15度と低かったので冷却する必要はありませんでした。 葡萄園から醸造所まで運搬をする重要な作業を担当してくれたにはクリストフのお父さんでした。 葡萄園から収穫された葡萄が醸造所へ到着 - 繊細な柔らかなワインの秘密 今年は気温が低く、収穫された葡萄を冷やさずそのまま醗酵樽の中へ入れることができました。ここでもうひとつ大切なことがあります。醗酵樽へ入れる時にできればポンプを使わないことです。普通ならポンプで醗酵樽まで入れてしまう。 ポンプを使うと葡萄に圧力がかかってキズがついたり、繊細度が無くなってしまう。 クリストフのワインが柔らかく優しい秘訣 その一つは、ポンプを使わず、葡萄をベルトコンベア-で醗酵樽の入口まで上げて、重力で落としながら醗酵樽に入れていることです。 完璧な葡萄しか発酵槽の中に入っていないからです。云うは安し、実際には困難な仕事。 つい先ほどまで、風光明媚な葡萄園に居た葡萄がワインに変身すべく、そのままの姿で醗酵樽に入った。実に健全な葡萄ばかりである。自然派ワイン造りの基本中の基本です。本にも書いてない基本的な作業です。 クリストフのワインのあの繊細な柔らかい旨みは偶然には造れない。 Christophe Pacaletのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: BMO 株式会社 TEL : 03-5459-4243 FAX:03-5459-4248 MAIL: wine@bmo-wine.com http://www.bmo-wine.com

20
Oct

2010年 マルセル・ラピエ-ル・ヌーヴォ-編 

2010年マルセル・ラピエ-ル・ヌ-ヴォ-収穫 今年も元気いっぱいの雰囲気の中、素晴らしい葡萄を収穫できました。 マルセルが病気の中、奥さんのマリ-、長女のカミ-ユが大活躍!勿論、全体をス-パ-ヴィ-ズしているのは長男のマチュだ。 葡萄園での陣頭指揮がマリ-だ。そして、側面から援助を細かくするのは繊細な感性をもつカミ-ユだ。 収穫時のこの喜びと歓喜が実に大切だ。特にヌ-ヴォ-は一年に一回のワイン祭りに出されるワインだからだ。世界中の人達が、マルセル・ラピエ-ルヌ-ヴォ-を待っている。この収穫人達と共に、良い雰囲気の中、果実味と酸の素晴らしいバランスを備えた葡萄が収穫された。 2010年の収穫はトゥリア-ジ(選別)の年だった 収穫人はカゴを2つ持って、 1-完璧な葡萄と 2-やや痛んだ葡萄を分けて収穫して別々のカゴに入れる作業をした。 やや痛んだ葡萄でも傷んだ部分を切り取る作業をしながら、一つ一つの葡萄を見極めながらすすんだ。だから時間は普通の3倍はかかった。最初の一週間は25人で収穫していたけど、2週間目からは50人に増やして、 週間目は100人を動員して3週間で収穫を無事終えた。 さらに3トリア-ジュの効果抜群で素晴らしい年になりそうだ。 こんなに厳格にやったのは2008年以来だった。   悪い部分を切取っている⇒ さらに葡萄園の端に集積した運搬用カジェット(箱)の場所でも2人の選別要員を置いて徹底した。ここまで徹底した選別を私は見たことがない。 自然派ワインを造ることの難しさがここにある。 単なるビオワインを造るには、ここまでの作業は必要ない。 自然酵母を使って発酵させるた為にはSO2の使用を控えなければならない。 何故なら、普通の醸造元は多少腐った葡萄を発酵槽に入れても、SO2を大量に添加して腐った箇所から雑菌が繁殖することを防ぐことが出来る。 しかし、自然派の造りは、発酵槽にSO2を添加すると、一年間の厳しい農作業で育ててきた自然酵母が死んでしまうためSO2は添加しない。 だから、腐っていない、痛んでいない健全な葡萄のみを発酵槽に入れる必要があるのです。単なるビオ・ワインを造っている醸造所はここまでの作業をやらない。 自然派ワインを造るということは、こんなに手間暇、お金のかかることをやらなければならないのです。この辺の事はラベルにも本にも書いてありません。目に見えないところで苦労している大きな違いと真実です。 醸造所に運搬された健全な葡萄⇒ 2010年収穫スナップ写真集 AM9月中旬を過ぎたこの時期の収穫は、朝は8度から10度前後と結構寒いのが普通。早朝の7時に集合して皆で朝食カフェを飲んで7時半には葡萄園に立っている。まだ、チョット暗い感じ。 朝は、露もあり皆、カッパを着てマフラ-をして収穫を開始する。 PM 午後から太陽さえ出れば25度ぐらいまで気温が上がる。Tシャツ姿での収穫となる。 マルセル・ラピエ-ル醸造元には畑仕事のプロ集団がいる。普通の人の3倍の仕事量をこなす超プロ。 厳しい収穫仕事のあとの夕食と団欒のひと時で疲れを吹っ飛ばす! 3週間の合宿生活。 ブラジル人、リトアニア人、ブルガリア人、アメリカ人、チリ人、日本人と勿論フランス人、世界中から自然派ワインが大好きな若者が集まってくる。 そして、その中にはプロ級のミュ-ジシャンが何人もいる。夕食後はロックあり、サンバ、ボサノバ、吹奏楽器グル-プと歌やダンスで盛り上がる。 毎年、参加するメンバ-もいる。 それは毎夜が楽しい一期一会だ。 この収穫人の喜びが、この調べが 醸造所で発酵している自然酵母も 聞いている。 この“喜び”がリズムと共にワインの中に入っているに違いない。 そして、翌朝は皆元気に7時に朝食、7時半には収穫を開始していた。 良く遊び、 良く働く、 夢の3週間 2010年の醸造はマチュ・ラピエール マルセルと完璧に5年間、マルセルが今世紀最高と云った2009年、そしてマルセルが人生最も難しい年だった、と云った2008年、中庸な2007年、中の上の2005年と諸々の対応処置をマルセルと実践してきたマチュには、既に、親譲りの柔軟な醸造感覚を身につけている。実に勉強熱心で几帳面な性格だ。今年の完璧な選別収穫を選んだのはマチュだ。 お陰で完璧な葡萄しか発酵槽に入っていない。 マセラッションは10~11日でプレスにかけた。 繊細な果汁を絞ることが出来た。 セミ・マセラッション・カルボニックを終えて、プレス前の発酵槽から 取り出した葡萄。 ⇒ まだ、残糖は残っている段階でプレスにかけた。 マチュは繊細さを狙っている。 今年はいたずらに濃さを狙うべきではないと判断した。 これから、さらにアルコ-ル発酵が続く。 素晴らしい繊細なワインに仕上がるだろう。