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QUILLES DE JOIE-PART3-SCARLATA
興味深いワインが沢山あったキーユ・ド・ジョワ試飲会で、若手でお勧めの造り手を紹介していきたい。 ★SCARLATA スカルラタ醸造(ラングドック地方) ワイン造りに情熱を燃やすギエム。お父さんが所有していたスヴィニャルグ村の畑で2012年からワインを造りだした。 幸いにもスヴィニャルグ村には、多くの自然派ワインを造る先輩がいた。しかも、皆すごく協力的な人ばかりだった。 もちろん、栽培はビオ。醸造も自然な造り、自生酵母で発酵、つまり葡萄以外は入れない。 最後に必要な場合は僅かにSO2を使用する場合がある。 ギエムが造りたいワインは、自分自身が飲みたいスタイル。 つまり飲み心地よく体にスムーズに入っていくスタイル。薄旨なスタイル、やや濃厚さがあっても飲みやすいスタイル。 ★CARRE DU LOUPカレ・ド・ルー 果実味が豊かで軽めでスーっと体に入っていくスタイル。 それもそのはず、今、南仏のピノ・ノワールと云われて超人気になっているサンソー品種が80%で、グルナッシュ40%。 まず、グルナッシュ品種を破砕して発酵槽の底に入れて、その上にサンソーの除梗なしの葡萄房丸ごとを発酵槽に入れて、混醸発酵するセミ・マセラッション・カルボニック醸造方法。 これによって、軽やかなフルーティーさとピノに似たパッファンを持っているサンソーの良さを十二分に発揮させている。 サンソーだけでは、果実味と酒質(ワイン質)がもの足りないのでグルナッシュを上手に使っている。 もちろん、自生酵母のみ使用、葡萄以外は一切使用していない。熟成もオリをそのまま残して、オリの旨味を十分にワインに溶かす熟成方法をとっている。 軽快なワインなのに、エキス分がたっぷりでグラスに涙がゆっくり流れてくる。 追究心の強いギエム。若くてまだ経験も少ないのに先輩達のワインを飲んで、よく研究している。 ★EPISODEエピソド 砂利混じりの粘土石灰質土壌の畑に植わっている樹齢60歳のカリニャン品種が90%。同じ区画の40歳のグルナッシュが10%を使用、除梗して発酵槽に入れてトラディション醸造で混醸したワイン。 今、多くの愛好家、醸造家が除梗なしのセミ・マセラッション・カルボニック醸造方法(MC発酵)を、批判する人が増えている。 何故? 『MC発酵では、ワインが軽すぎて、すべて同じ風味になってしまう。』と云って批判する人が増えている。 ギエムは、除梗しても、同じように飲みやすいワインができること、に挑戦したかった。 やや濃縮感があるけど、スーっと体に入っていくスタイルを造ってみたかった。 粘土石灰質の土壌からくる旨味がたっぷりの美味しいワインが完成、その上に軽やかさ透明感が備わっている。 農作業は馬を使っている本格派、醸造器具ではMC発酵の葡萄を絞るにはやっぱり垂直式のプレス機にこだわる。 スヴィニャルグ村の畑からは、PIC ST LOUPピック・サン・ルの岩山が遠くに見れて美しい。 北から涼しい風が吹いているので、葡萄が熟すのが遅く、酸が常に残る微気象を備えている。 ギエムが造るワインは、常に飲みやすく、日本の家庭で食べるシンプルで優しい和食には、ピッタリのスタイルのワイン達ばかりだ。 (SCARLATAスカルラタ醸造のワインの日本での輸入はADOREアドレ社です)