22
Août

ラフォ−レヌ−ヴォ−2008年 – Laforest Nouveau

ヴェレゾン(色付き)の金メダルはラフォ−レ・ヌ−ヴォの畑 なんて美しいんだろう!!感動!! ジャン・マ−ク・ラフォレのヌヴォ−用の畑はブイイの山の北側に位置するケンシエ村にある。 やはりブイィ山の近辺は特殊なミクロ・クロマが存在している。2008年のボジョレの畑状況は、何処も雹の被害にあったり、ベト病にやられている。しかし、ここだけは特別だ。 伊藤  『今の段階で葡萄の状態はどうだい?』 ラフォレ  『完璧だ!ベト病も少なく、色付きも順調だよ。一緒に畑に行こう!自分の目で確かめたらいい。』 ルノ−のトラックに乗って出発だ。 毎年、ヌ−ヴォ−用はラフォ−レ家の畑で最も早く熟すケンシエ村の畑を使っている。 ブイィの山とケンシエ村の間に位置している。ブイィの山がすぐ近くに感じる。 ラフォレ  『どうだい!素晴らしい葡萄の色だろう!』 ニッコリ笑顔のラフォレ。

21
Août

ラパリュ・ヌ−ヴォ−2008年 – Lapalu Nouveau

ラパリュ・ヌ−ヴォ−2008年-青い空と広がる葡萄園 コ−ト・ド・ブイィの山の南側に位置する畑 昨夜はリヨンの街に泊まった。 今朝は雲もあるが青空が多い良い天気だ。朝8時にリヨンから高速道路A6に乗り北に30キロほど走ったヴィルフランシュ・シュ−ル・ソ−ヌの北出口で降りて県道43号線をBEAUJEU方面に10分ほど行ったところにラパリュがあるST-ETIENNE-LA-VARENNE村がある。ブイイの山の南側に位置している。ボジョレ・ヴィラ−ジ地区の畑ではこのブイイの丘の周辺が最も早く葡萄が熟すと云われている。 ジャンクロ−ド  『毎年ここの畑が最も早く熟す。今年もヴェレ−ゾン(色づき)が最も早く始まっている。』 伊藤  『本当だ。モルゴンの方はまだこんなに色づいていなかった。』 ジャンクロ−ド  『それでも、去年より1週間から10日ほどヴェレ−ゾンが遅れている。だから今年の醸造はあまり時間がない。色んな事を想定して醸造シュミレ−ションを模索している。』 伊藤  『どんなことを考えているんだい?』   ジャンクロ−ド  『今年は“ピエド・キュ−ヴ”をやろうと思っている。つまり収穫の3日前に少量の葡萄を収穫して自生酵母を活発化して準備しておくつもりだ。特に日本向けは飛行機便まで決まっているので遅れるわけにはいかない。かといって人口酵母を加えるつもりはない。あくまでも自生酵母のみで発酵をやるつもりだ。』 家族の夢と希望が詰った新築したばかりの醸造所

20
Août

パカレ・ヌ-ヴォ−2008年夏の陣 – Pacalet Nouveau

8月中旬、アメリカから帰ってきたばかりのパカレとボジョレを訪問。2008年ヌ−ヴォ-の畑の状況確認と選別の為だ。毎年、モルゴン近辺のボジョレ・ヴィラ−ジ地区の畑で造っている。セルシエ村の畑が中心になっている。 朝、パリから7:30のTGVに乗って9:00時にはマコン駅に到着。1時間半でついてしまう。駅でレンタカ−を借りた。今日から3日間はボジョレに滞在して2008年ヌ−ヴォの途中状況を確認するためだ。初日は、フィリップ・パカレと一日をゆっくり過ごした。 今年のモルゴン、フル−リ近辺は雹の被害にあったところが多い。標高が高いところがやられていた。 そして、葡萄の色づきが遅れている。例年ならこの時期はほぼ黒い色の葡萄房が見られる頃なのにまだほんのり薄いピンク色と青い葡萄が殆どだ。収穫が遅れそうな感じだ。 伊藤  『8月の今の段階ではどうか?』 フィリップ  『まだ、今の段階では何ともいえない。ただヴェレ−ゾン(色づき)が遅れているのが現状だね』 伊藤  『7月は結構暑い日があったけど、8月に入って比較的に涼しい日が続いている、その影響はどうだろう?』 フィリップ  『まだこれからの天候の方が大切だ。それと、ピノ・ノワ−ルとガメ品種はそれほど太陽を必要としていないんだ。かえって、このくらい穏やかな太陽の方がガメらしいガメが出来上がるんだ。だから今年は期待できると思うよ。』 伊藤  『5月と8月に雹が降ったけどその影響は?』  フィリップ  『今年は選別の年だね。葡萄園の選別と収穫時の選果が大事な作業となる。これからの天候に期待だね。』

19
Août

ブラブリエ−ル・ヌ−ヴォ−2008夏便り−Braveliéres Nouveau

ブラブリエ−ルの樹齢100年のガメ−畑、8月13日撮影  今年はテロワ−ルの年になる。 2008年は、葡萄の色づきが遅れている。2007年に比べても1週間は遅れている。ヴェレ−ゾンと呼ばれている色づき、(葡萄の皮が色づくこと)が始まってから45日間程で収穫が始まる。2008年は収穫が9月中旬から9月25日頃になると予想されている。 ヌ−ヴォ−は出荷日が既に決まっている為に遅れることが許されない。アルコ−ル発酵やマロ発酵が順調に速やかに進むことが大切な年になりそうだ! 特に自然派は補糖もしないし、人工酵母も添加しないので順調に進んでくれることを祈るばかりだ。 2008年は夏の太陽が現在のところ例年より少ない。つまりテロワ−ルが表現しやすい年になりそうだ。 太陽が強い年は、葡萄が良く熟して果実味が主体のワインとなり、テロワ−ルをマスクしてしまうことが多い。2003年、2005年がそうだった。今年は果実味よりテロワ−ルが勝るワインになりそうだ。醸造元の畑と腕の違いが明確になる年になりそうだ。  今年のブラブリエ−ル・ヌ−ヴォ−は樹齢100年の葡萄を使用

11
Août

フィリップ・カリーユ Philippe Carrille のちょっとした私生活!

ボルドーから少し離れた地区、サン・テミリオンに到着した私達は、フィリップの自宅でひとやすみ・・・とても可愛らしい家、 美しい庭、そしてなんと言ってもこの¨ボルドーらしい¨ぶどう畑。ボルドーの畑は、まっすぐ四角く、綺麗に区切られているのが特徴だそうです。 出迎えてくれたのは、いつもハイテンションなフィリップさん。初対面にも関わらず、少し変な日本語でとにかく喋りかけてくる謎な人。でも本当は単に面白くて、ウケを狙っているだけなんです・・・ 『筋肉モリモ〜リ!』など言いながら、腕を膨らませガッツ・ポーズ! 醸造所へ行って、『Atypique 2006 – 2007』の試飲。お味の方は・・・熟成されたブドウの風味がビッシリと詰まっていて、爽やかさもあるのでとても美味しい!ここではしっかりと説明をしていたフィリップ。 『私はまだ実験中です。自然派ワインをもっともっと広めていきたいのです!けれども皆と同じ形ではなく、自分の方法でね。』 ワインは壁に並べられた樽の中で熟成されます。このシステムのお陰で、樽を自由に回すことができるのです。とても便利で、樽を左右に動かすだけで、バトナージュとウイヤージュが完了してしまうのです! カメラを向けるとすぐにポーズを取る、少しナルシスト?!なフィリップ。 パパには負けてられないぞ〜!と愛娘のアリスちゃんもビシっとポーズを決めてくれました! アリスちゃんの弟も登場!樽の上にまたがったり、ふたを取ろうとしたり、ちょっぴりいたずらっ子だけど、甘えん坊なピエールくん。背景のプピーユの看板も様になっています! プピーユのワインの問い合わせ先はこちら: クロスロード TEL : 03-3352-0911 FAX : 03-3352-0910 モトックス TEL :06-6725-4925 FAX :06-6725-4923 日本でPoupilleのワインが飲める店はこちら:オザミワールド オザミ・デ・ヴァン-Aux Amis des Vins オザミ・トーキョー−Aux Amis Tokyo ブラッスリー・オザミーBrasserie Aux Amis

5
Août

『ラパリュ・ヌーヴォー』 Lapalu Nouveau 今年も楽しみ!

「ジャン・クロード・ラパリュ」 ガメを知り尽くし、最高のボージョレを造る男だ。 彼のブドウ畑から最新情報が入った! さっそく現地情報をお伝えしよう。 今年も美味しいヌーヴォーを造ってくれそうだ! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 2008年度は、5月の天候は良く、開花は6月8日から10日。 その後の天候は、フランス全体と同じく不順で雨が多く、ベト病の被害がでている。 と言っても、他と比べると被害は微少で、ぶどうは健全な状態である。 やはり、これは自然栽培により、多様な植物をぶどう畑に共生しており、その植物が、水分を吸収し、 ぶどうを健全な状態にてしてくれることと、風通しの良い、ラパリュの畑の強みであろう。 畑にたたずむジャン・クロ−ド  畑を耕している様子 ブドウ樹の間に、けしの花が咲いている。 これらの草々が、余分な水分を吸収してくれる ジャン・クロード自身は、「今からの天候が全てを決める」という。 2007年の悪天候のなか、類まれなる高品質のヌーヴォーを造ったラパリュだけに今年も期待できる。 また、本年度からは、新しく造った醸造所にてのワイン造りとなり、設備も充実、作業スペースも ゆとりがあり、収穫したぶどうを、冷蔵庫にて冷やしてからマセラシオン・カルボニックを行うなどの、 一層の果実味、凝縮度を持ったワインを造ること間違いなし。 新設した醸造所 昨年までは借り物の醸造所で醸造をしていたが、 今年から自分で造った新しい醸造所で醸造を始める。 自分のやりたいワイン造りが存分に出来るだろう! 新醸造所、初ヌーヴォーが楽しみだ!! 奥さんのブリジットとジャン・クロード

24
Juil

LAPALU

Le millésime 2007 nous aura fait trembler jusqu’au vendanges, un printemps et un été chaotique alternant les périodes de soleil, de pluie, de fraîcheur et d’orages une année difficile à négocier. Heureusement le beau temps de septembre ainsi que notre rigueur à la cueillette nous laissent des vins ronds, droits et purs, avec un grand […]

3
Juil

ASAMI – 初めての訪問 – ジョルジュ・デコンブさん-ボジョレ編

この土地は目に見えないパワーで満ち溢れています。 360°の景色、綺麗な空気、気持ちいい風、雅にこの場所は自然そのものって感じです。 丘が重なり合って出来た風景、バックグラウンドには大きな森、 伝わるかどうか分かりませんけれど本当に心から癒される場所です。 ここで醸造しているのは愛称『ヌーヌ』と呼ばれているジョルジュ・デコンブさんです。 見た目ちょっと怖い!と思ったけれど、笑うとメチャ優しい顔になるジョルジュさん。丸い体系、特に大きなお腹はクマちゃんに似ています・・・! 最近自分のドメーヌを購入して醸造し始めた二十歳の長男、バイク好きな次男、可愛い娘さん、そして綺麗で若い奥さんに囲まれ、とても賑やかで幸せそうな家族です。 愛娘、マノンちゃん登場! とてもキュート&人懐っこい笑顔で日本人男性は皆メロメロ! 撮影の為にポーズも決めてくれてチョー可愛い!! 即行仲良くなり、今度学校の発表会で日本に付いて芸をするとか。彼女は『着物を着て芸者風にするの !』と小股で歩き、傘をクルクル回し、完璧芸者の真似してくれました。 ジョルジュさんの畑は本当に最高な場所に在ります。 標高400メートルの丘の上、こんな綺麗な場所はもうマジで感動します。本当に皆さんにも是非行って貰いたいです。 子供もこんな場所で育ったらグレようがないくらい素直に育ちそうです。 そしてマノンちゃんに誘われて卵を拾いました!て言うか初めて鶏小屋の中に入りました・・自分の庭に鶏がいる事自体凄い!そしてそこで生んだ卵を食べる何て凄すぎ!まさに自然派です! 都会では見ない初めての光景でちょっと興奮気味だった私・・・! けれども鶏が卵を守っていて、なかなか動こうとしません。マノンちゃんと一生懸命鶏を突っついたり、小屋をドンドンと叩いたりしてみたんですが、動く気配全く無し・・・ しまいには卵が一個割れてしまい、マノンちゃんは『パパに怒られる』と少し半泣き。でも夜食に使う卵なので、取らずにはいられない!やっぱりこういう時は頼れるパパ登場!鶏の首を掴み投げ(鶏も全然対抗無し)、合計10個の卵が取れました! そしてお決まりのアペリティフ・タ〜イム!ここでは赤ワインと相性抜群の生ハム、バーベキューで焼いたチョー・ジューシーな自家製ソーセージ&チョリゾ(ちょっとピリっとしたソーセージ)、チーズ・・・ ワインも次から次へと開き、最後にはジョルジュさんの初ヴィンテージ、88年のBrouilly まで出てきました!色も凄いし味なんてもう・・・最高! ジョルジュさんも一緒に飲んで食べて笑って酔っ払って楽しい時間を過ごしました!

2
Juil

ASAMI – 初めての訪問 – ブルゴーニュ編

今日はまたまた熱い醸造家の元へやってきました。ギー・ビュシエールさんです。もう60歳以上のおじいちゃんだけど若くて元気!25年間かまぼことインゲン豆の工場で働いたあげく、生まれ育った場所へ戻り、40歳からワイン醸造を始めたそうです。 さあ、自慢のブドウ畑へいざ出発!ここは道も無ければここ以外に他のブドウ畑も無い場所です。回りは森かトウモロコシの畑のみ。 ギーさんは、この村、ヴァル・ド・ソーヌで伝説の最後の醸造家なのです。ここでもやはり土壌はフワフワ。『土は生きているのだ !!』と何回も言い繰り返すギーさん・・・ これが樹齢100年のアリゴテ・ヴィエイユ・ヴィーニュ。 長く生きている分、やはり他に比べ幹も太いです! ズッシリしている感じが印象的です。 そしてギーさんの醸造所へ。ここで見たのは本人自慢のアランビック(蒸留器)です。1947年から使われている古〜い道具です。蒸留酒を造るには免許がいるのですが、今はもう誰もこの資格を貰えないのでとても貴重らしいです。 そして瓶詰めされたワインの保存室へ。大量の瓶がギッシリと並べられており、つい« ウワーオ » と言ってしまいそうな場所です。 待ちに待ったお食事タイムです!ギーさんのお奥さんが作ってくれたサラダやメロン、庭で取れたラズベリーなど、暑い季節には嬉しいフレッシュな食事を用意してくれました!皆ギーさんのお話を聞きながら、食べ物にワインにへと夢中になっています・・・  そしてどんどん古いヴィンテージワインが出てきます。醸造家達は気前がいいのか、それとも本当に飲むのが好きなのか、いつもバンバンとワインを出してくれます。でも古いだけあって味は抜群!!ボトルも雰囲気出ています・・・! ここで出して下さったのが、84年のワイン・・・私が生まれた年のヴィンテージです!初めて自分と同じ年のワインを飲み、感動しちゃいました!ギーさんのお父さんが造った大切なワイン、本当に美味しかったです!ご馳走様でした!そして本当に有難うございました! (Pèreとは 父という意味)

18
Juin

ドミニク・ドゥラン、飽くなきナチュラルワイン造りの追求

自然派ワイン界切ってのひょうきん物、ドミニク・ドゥラン。 彼のドメーヌを訪問するのはとても楽しい。 生産者の間でももちろん人気者だが、彼を慕って彼のドメーヌを訪問する人たちもたくさんいる。 あいにくこの日は雨だったので、カーヴで説明を聞きながら試飲をした。彼の畑がモンラッシェのすぐ近くとは聞いていたが、今日は図解してくれたのでよく理解できた。→下の写真 もともと“モンラッシェ”とは、「小さい山」という意味だそうで、彼の素晴らしいワイン、サン・トーバン1級“アン・ルミイ”はこのモンラッシェ(小さい山)」の頂上にある。すぐ下には“シヴァリエ・モンラッシェ”、そして高名な“ル・モンラッシェ”、シャサーニュ・モンラッシェ1級、シャサーニュ・モンラッシェと続く。なるほどこのように図解して説明してもらうとよく分る。彼の“アン・ルミイ”がこんなにも上品でエレガントな訳は、この立地に由来するのだろう!納得。 試飲しながらドミニクが面白いことを教えてくれた。“メルキュレイ”を樽から試飲したとき、ピペットから注がれたワインの表面には白いものがたくさんプカプカと浮いていた。何かと思ったら、これはSO2を使用しない自然な醸造をすると出てくるフロール(ヴァン・ジョーヌを樽熟するときに生じるものと同じ)だそうだ。えっ、大丈夫なの?とびっくりしたが、このフロールがワインを酸化や変質から守ってくれるのだという。逆に、SO2を添加するとこのフロールは消えてなくなってしまうのだという。一応私もボルドー大学で醸造学を学んだ身なのでちょっと信じられない気がしたが、なるほどそんなこともあるのか、とドミニクのナチュラルワイン造りの経験の深さに敬服した。 ドミニクは、ドメーヌ・ド・シャトー・ド・ピュリニー・モンラッシェの醸造長を務めるなど、いわゆる普通のブルゴーニュのネゴシアンや複数のドメーヌでワイン造りをしていたが、自然なワイン造りをする使命感に駆られ、20年前に自身のドメーヌを設立した。設立当初はSO2をまだ使用していたこともあり、SO2の影響で従兄弟が病気に掛かってしまった。それを期にドミニクはSO2を使用しないワイン造りをするようになった。以来彼はずっとSO2を使用しないワイン醸造(瓶詰め時には僅かに添加する)を一貫して行っているが、自然なワイン醸造は奥深く、探究を常に続けている。また、いつも新しい試みを行っており、今日も珍しいものを飲ませてくれた。それは、サン・トーバン“アン・ルミイ”2004の遅摘みぶどう(パッスリエ)から造ったワインだ。アルコール度数10.5度で残糖が60gもある。しかし、飲んでみると残糖がそんなに沢山あるとは思えないバランスが取れた味わいだ。何でこのようなワインを造ったかというと、ドミニクは遊びで造ってるんだ、といったようなことを言うが、実はSO2を使用しない自然なワイン造りを常に追及しているのだ!他にもSO2を使用しない貴腐ワインを造ったり、酵母も砂糖も添加しない発泡酒を造ったり、また今度は、ポートワインのような赤の甘口を造るといっていた。本当に彼の探究心はとどまるところを知らない。彼は言っていた。「我々が自然なワイン醸造を始めたのはたかだか20年くらい前のこと。自然なワイン醸造についてまだまだ知らないことは沢山ある。」だから彼はいつも新しい実験をしているのだ。 試飲をしていると、今日ドゥランで仕事を手伝っていた若者たちが合流した。聞くと、1人はニュージーランドでワイン造りをしていて明日パリ経由でニュージーランドに発つ前に、是非ドミクニに会いたいということで、1日ここで仕事をしていたとのこと。もう1人は料理人で、ドミニクがバン・ナチュールを揃えたレストランをオープンする計画があり、もしかしたら彼がその店を手伝ってくれるかもしれない、と言っていた。こういう若手がドミニクの基でヴァン・ナチュールを覚えて、将来のワイン界を担ってくれるのだろう。改めて、ドミニクの偉大さに感服した! お問合せ先:オリゾン事務局 TEL. 03(5565)5884

14
Juin

DOM. GIBOULOT訪問

ドメーヌ・エマニュエル・ジブロ訪問 ブルゴーニュで最も早くから自然なワイン造りを始めたジブロ。彼とは昨年の11月に東京で開催されたニコラ・ジョリーが主催するビオディナミ生産者グループの試飲会“ルネッサンス・デ・ザペラシオン”のために来日したとき以来だ。朝9時半にボーヌの町のすぐ外にあるドメーヌに到着すると、笑顔で迎えてくれた。早速、地下のカーヴに入り彼の話を聞く。 10haの畑を所有し、その内の5haはコート・ド・ボーヌのシャルドネ、赤はコート・ド・ニュイに2.3ha所有する。そのほかに、リュリイ、ボーヌとブルゴーニュに畑がある。 意外と知られていないのが、コート・ド・ボーヌというアペラシオンだ。オート・コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュと混同しがちだが、実はまったく別のアペラシオンなのだ。オート・コート・ド・ボーヌ・ヴィラージュはオート・コート・ド・ボーヌに広がる約20の村の2000ha程のブドウ畑のワインをブレンドして造れるアペラシオンで、大概ネゴシアンがこの地域からブドウを買い集めて安価なワインを生産している。それに対して、コート・ド・ボーヌはボーヌのコミューン内のアペラシオンで、地理的にボーヌ・プルミエクリュのすぐ上に位置する僅か50haの畑から造られるワインだ。従って、コート・ド・ボーヌのアペラシオンは、かなり限定された素性の明らかな上級ワインを生み出す地域と言える。 ドメーヌの設立は1970年、エマニュエルのお父さんがワイン造りを始めた。当初よりお父さんはビオによる自然なブドウ栽培を行っており、エマニュエルは自然とその重要性を身に付け、当然のように自然なワイン造りをするようになった。彼がドメーヌを受け継いだ1985年よりビオで、1996年からはビオディナミでワインを造っている。 彼の行うワイン造りはどんな方法かと尋ねると、その答えは明快。いいブドウさえ出来れば、あとはシンプルに醸造するだけという。何も加えずただ野生酵母の働きに任せるだけだ。 彼は約10種類ものワインを造っているが、その味わいは共通している。白はどこまでも透き通った酸が特徴だ。コート・ド・ボーヌの3種の白を試飲する。始めのキュべ“グランド・シャトレーヌ”は、白い花の香りが印象的。ミネラルと爽やかさな酸がキュッと引き締めてくれて野菜を使った前菜に是非合わせたい。次は“ピエール・ブランシュ”、こちらは蜂蜜の香り、厚みもある。ミネラル感はやや少なくなる。これは石灰の細かくなった砂が多い土壌に由来するそうだ。そしてトップキュヴェの“コンヴ・デヴ”。う〜ん、これは凄い!グランド・シャトレーヌに感じた花のような香り、ピエール・ブランシュの熟したニュアンスを足して上品さを増した、複雑でありうまく調和の取れた味わいだ。これは別格。実は“コンヴ・デヴ”の区画はピエール・ブランシュの中にある小区画なのだが、昔ここに小川が流れており、その影響でこの畑はとても自然治癒力が強いブドウが力強く育つことが出来るという。これこそジブロを象徴するワインだ! お問い合わせ:オリゾン事務局 TEL. 03(5565)5884

9
Juin

DOM. SABLE 訪問

ドメーヌ・サーブルは従来、最高のとも言ってもよい自然派生産者であるフィリップ・パカレがコンサルティングをしており、ワイン造りもパカレが担当していた。ところが2006年からはパカレのコンサル契約を終了し、独自でワイン造りをするようになった。それを知ったとき、実はというと“大丈夫かな”と少々心配になった。というのも、マダム・サーブルに以前お会いしたとき陽気でいい人だと思ったが、反面、ボーヌの街の中心地にブティックを作るなどして商売人だなと感じたからだ。 ところが今回の訪問で、それは取り越し苦労だということが分った。 現在、ワイン造りを担当しているのは、マダム・サーブルの娘のファニー・サーブルさん。何とまだ若干23歳だ!学校を卒業してから2001〜2005年の5年間、パカレにぴったりくっついて、このドメーヌでナチュラルなワイン造りを栽培から瓶詰めまでみっちり仕込まれた。 畑の見学からカーヴでの試飲まで、ファニーに案内してもらったが、スラリと背が高く、浮付いたところのないしっかりした語り口からは、23歳とはとても思えないしっかりとした個性を感じる。 同行した日本酒の蔵人の方の「ひとりでワイン造りをしていて不安はないのか?」との問いにも、きっぱり「ない!」とのこと。パカレと一緒にやってきたワイン造りの経験が、自信に繋がっているようだ。また、2004年に発酵がうまく進まず1樽だめにしたことも、大きな経験になったという。 一通り試飲をしたが、どれもパカレのワインにとても似ていると同時に、各アペラシオンの個性がよく表れている素晴らしい品質だ! ドメーヌ・サーブルに対する心配は、これで一切晴れた! しかし恵まれているのは素晴らしいアペラシオンの畑をこれだけ多種持っていることだ。列挙すると、ボーヌ・ブラン、ボーヌ1級“シュアシュー”、ムルソー“スー・ラ・ベル”、ムルソー1級“レ・シャルム”、サヴィニー・レ・ボーヌ、ポマール、ポマール1級“レ・シャポニエール”、アロース・コルトンなど。

22
Mai

CHAMPAGNE DE SOUSA*シャンパーニュ・ド・スーザ - AVIZE村

5月20日 のBLANC DE BLANC の丘、AVIZE。 最近10日間の温暖な気候で一気に枝葉が伸びている。 区画名LES GESTIS DE SOUSAの区画LES GESTISレ・ジェスティスの畑はOGERとAVIZEの堺にある畑だ。樹齢60歳の古木を0.40ヘクタール所有している。 4月の霜で40%の被害にあった。まだ時期が早いのである程度カバーできる。この畑からはBRUT RESERVEが仕込まれる。 畑で飲むシャンパンは最高だ! 日本にも2回来たことがある。本当に仲の良い夫婦だ。小学校からの同級生だった幼馴染だ。 『人生で一番大切なものは何ですか』の質問に間髪を入れず、 エリックは『『ミッシェルだ』奥さんの名前を挙げた。 ミッシェルも『エリックよ』』とニコッと笑った。

14
Mai

DUPONT FAHN-RAYMOND 訪問

〜5月13日 MEURSAULT DUPONT FAHN RAY MOND訪問〜 2006年が初リリ−スのデュポン・ファン・レイモン若手ブルゴ−ニュの期待のホ−プだ。既に、クロス・ロ−ド経由で日本に紹介されている。驚愕のレヴェルの高さに人気高騰。 今日は2007産を試飲すべく訪問。 2007年は既に樽から出して樹脂のタンクに移動されていた。 RM『あまり長く樽熟をしない方が良い、果実とミネラルが真直ぐに表現される。』 確りした自分の造りたいスタイルをイメ−ジしている。実に大切なことだ。 醸造所はまだ完成していない。1年前より建設中である。 RM『何とか、夏までは完成させたい。』 樽から出したばかりなので、樽もまだ立てて置きっぱなしになっていた。 RM『ムッシュ・ITO、先週ワインを樽からタンクに移動したばかりだよ。 まだアルコ−ル発酵も続いているし、中にはマロ発酵も終わっていないものもある。この段階でのテ−スティングはチョット難しい』 ITO『でも07年のポテンシャルを知りたいんだ。それなら判断できるだろ 。』 RM『OK, じゃ、はじめよう』 レ−モンはピペットを取り出して樹脂タンクに登りワインを取り出した。

7
Mai

フィリップ・パカレ「クエスチョン34???」

1.パカレさんの選別基準(葡萄供給者、葡萄の品質)? 葡萄は次の基準によって購入しています : 樹齢45年以上の葡萄 ピノ・ノワールとシャルドネに関しては、素性の良いものを選別。(クローンなどではなく、マサル式選別によって植樹されたもの) 化学物質などが使用されていない葡萄畑であること。 私達考える自然栽培方法(有機栽培)に賛同、理解してくれると。 2.醸造において一番気をつけていること? 全てが重要でありますが、毎年変わるヴィンテージを正確に表現するために、そのヴィンテージに対応した醸造を行うことが大切です。 3.地球温暖化の影響? 気候:1988年以降収穫日は温暖化の影響で年々早摘みとなっています。例えば、20年前は10月が収穫時期だったのが、今では10月に収穫が行われることはありません。又2003年から更に温暖化が加速、一段と収穫日が早まっています。2007年の収穫などは8月に行われてもおかしくはなかったでしょう。 葡萄の木:重要な問題です。例えば、ピノ・ノワールはそのテロワールを十分表現する為には冷涼な気候が必要です。ですから、この温暖化の影響で、私達の知っているピノ・ノワールの特徴が変化していく可能性があります。 土壌の中の生命:とても暑い春の終わりから夏は土壌を肥沃にする。ただし気温が暑すぎると、ぶどうを育て、ワインを発酵させる、自然酵母や微生物が脱水症状になってしまい、土壌の生命が弱ってしまうので、土壌を耕すことはしない。(ぶどう畑の草を取り除かない)

28
Avr

BEAUJOLOISE 自然派ワイン試飲会

自然派ワインの世界では歴史的に意義のある第一回目 4月21日 に DEGUSTATION BEAUJOLOISEボジョロワーズという名で自然派ワイン試飲会がボジョレの地、シャトー・カンボンで開催された。これは歴史的な出来事の第一歩となるであろう。 自然派の発祥の地ともいえるボジョレがまた新たなる時代に向けた新しい方向性が若手達によって築かれようとしている。 自然派ワインの起こりはここボジョレから始まった。 晴天なら芝生の庭でゆったりとやる予定だったのが. 前日に曇空の予報が出て急遽テントを張った。 自然派ワインの起点は故アラン・シャペルから 自然派ワインの起こりはここボジョレから始まった。 その起点となったのは、リヨンの偉大なる料理人故アラン・シャペル氏なのである。シャペル氏はある時、偉大なる生物・物理学者でもあり醸造研究家でもあるジル・ショーヴェ氏に巡り合う。物事の本質を見抜く抜群の能力をもっていたシャペル氏は、ジル・ショヴェの話を聞き、彼の造ったワインを飲んで感動した。それと同時にジル・ショーヴェ氏の持っているものを残さなければいけない、と感じた。 そこで、シャペル氏はまだ若かったマルセル・ラピエールを呼び出して 『マルセル、お前は同じ村に住んでいるジル・ショーヴェ氏を知っているか?』 『知りません』 『ジル・ジョーヴェはフランスの宝だ!彼はもうお年を召されている。彼のワインに対する考え方をフランスに残さなければならない。お前は時間の許すかぎりショーベ氏の処に行って彼のやっていること、考えていることを吸収してきなさい。』 この会話が切っ掛けとなって現在の自然派の流れが動き出したのである。 この流れの話は別の機会に詳しく書くことにする。 マルセル・ラ・ピエールはこのアラン・シャペルの言葉を忠実に実行している。 ジル・ショーヴェのワインを再現して、その発展の為にフランス中の若手醸造家たちに大きな影響を与えている。毎年7月14日のフランス革命記念日にフランス中の醸造元をフリー招待して昼夜を共にして語り合うという会を開催している。このアラン・シャペル〜マルセル・ラ・ピエールの影響を受けた醸造家達が現在の自然派ワインを築き、支えている。 ボジョロワーズを主催した次世代を担う3人 そして、今回のこの“DEGUSTATION BEAUJOLOISE”試飲会は、次世代を担うボジョレ若手3人によって主催された事に大きな意義がある。 この3人が動き回って、この素晴らしい試飲会が実行された。 ラピエールの甥でありフィリップ・パカレの従兄弟でもあるクリストフ・パカレ 心やさしいクリストフ 提唱者であり、人生経験豊富なシリル・アロンゾ マルセル・ラ・ピエールの息子、マチュ・ラ・ピエール 自然派のサラブレット、マチュ この会には深い意味がある。この自然派ボジョレの醸造元は毎年ヌーヴォの時期は戦々恐々とした状況が続いている。INAOより AOC BEAUJOLAIS NOUVEAUを落される嫌がらせが今だに続いているのである。 若手3人はボジョレの地元の人たちにも自分達のやっている事やワインの健全性を分かってもらおうという意図と、そして、自然派試飲会には多くの支持者やファンがいることも理解してもらおうとの意図があったのである。 入場者の数は記録された人数だけでも550名が集まった。フランス中のレストラン、ソムリエ、ワイン専門店、そして外国のバイヤーなど多方面の人達が結集していた。 クリストフ 『地元の人達を入れると700人ぐらいは集まっただろう。』 パリのVERRE VOLEE 経営者であり自然派ワインの大ファンでもあるシリル参上。                   パリの自然派ワインビストロのオーナーシェフであり、自然派初期よりの応援者ルドルフも参上。 出展者 BEAUJOLAIS 19社、MACON 8社、BOURGOGNE 4社の計31社が出展。 ボジョレからはマルセル・ラピエールを筆頭にジャン・フォワラール、ジョールジュ・デコンブ、イヴォン・メトラ、ジャンクロード・ラパリュ、マックス・ブルトン、ジャン・ポール・ブラン、フィリップ・ジャンボンなど自然派を支えているメンバーが勢ぞろい、そしてまだ無名の若手を含めて19醸造家、 ブルゴーニュからはロマネコンチの両オーナーが個別に持するオベール・ド・ヴィレーヌ社、プリューレ・ロック、の2社が参加したことは大きな意義がある。そしてドミニック・ドュラン、フィリップ・パカレなどブルゴーニュを代表する醸造家が参加、マコネ地区からは自然派を支えるヴァレット家、フィリップ・ヴァレトを筆頭にジェラルド・ヴァレット、そして若手のジュリアン・ギヨ、アルノ・コンビエ、など8者、で総勢31者の醸造家、 そしてブルゴーニュでウイスキーを造っているミッシェル・クーブル、美味しいソセージ、イベリコ・ハムなどを現地から買い取って行商するレーモン・ル・コックなども参加していた。 これ以外にも、南ローヌ自然派の旗手マルセル・リショなどフランス中からこの動きを応援する醸造元が 駆けつけていた。 こんな人達もいました。                    リヨンでフレンチレストランを経営する石田さん    4次元カラフ・オヴァリュスの作成者MICHELさん     […]

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Fév

自然派とは食べて飲んで歌う生活を楽しむことなり…の真髄を覗く!

2月15日 金曜日 午前中はシャスラのフィリップ・ジャンボンを訪問。さすがに寒い、マイナス2度の中、まずは畑を見に。すっかり霜が降りた畑で、説明をしながらフィリップがおもむろに取り出したのは、なぜか袋…。そして、畝に生えている野生のマッシュとクレソンを摘み始め、時々ムシャムシャ…「食べる?」と差し出されたマッシュの味と香りの濃いこと…。普段スーパーで買ってるレタスやサラダは一体何なんだろうと思ってしまうほど。 「しっかりとらないとお昼のサラダはなしだよ」そりゃ、大変、がんばって摘まなきゃ。とはいっても、どれが雑草でどれがマッシュなのか見分けが付かない。何のかんのといっているうちに、袋はいっぱいに、ひと安心。 「ぶどうもマッシュもこの土壌から水を吸い上げることで、土地や環境からのエネルギーとハートと思い出を持って育っていくんだ。だからおいしいし、パワーがある」なるほど。 樽からのティスティングの後は外でサンプル用に瓶詰めしたワインを試飲。この寒いのに外!!「カーヴの中より、太陽の下の方がいいよね」確かに太陽は出てるけど、気温はほぼ0度。畑からトータル3時間はさすがに厳しくて、鼻もきかなくなってきたみたい。 そうこうしながらなんとか終えて、ようやくお昼。野生のサラダのおいしいこと! これだけでもここに住みたくなっちゃうねー。その上マダム・ジャンボンのカトリーヌはレストランで料理を手伝うほどの腕前。優しい味のパイと自家製ヨーグルトにチョコレートタルトにフルーツ、ヴィンテージもののフィリップのワインと合わせて…。最後はフィリップのぶどうで作ったマールでしめて、幸せな完璧ランチは終了したのでした。 食後はオートルートで一路エルミタージュへ。4時過ぎにルネジャン・リボの待つダール・エ・リボに到着。試飲の前にまずは「お疲れ様」のアペリティフに日本未輸入のBLANC DIVERSで乾杯。これまで冬は寒くて大変だったカーヴの作業場になんと、パラプリュイ・ショファンなる暖房器具が入っていて、これにはびっくり! ビッグニュース?! さて、いよいよ樽からの試飲。まずはクローズ・エルミタージュの白2007年。畑違い、樽違いと続き、サンジョセフへ。ルネジャンいわく、レ・シャンは日本女性のようにエレガントで慎み深く、ピトルーはフランス人女性みたいに強くてパワフルなんだと僕はレ・シャンが大好きだけどね」ふーむ、意味深発言…。 まだ、リリースはしていないエルミタージュ・ブランは初めて!「まだ若い畑なので瓶詰めはどうかな。カーヴ・オジェは瓶詰めしてほしいっていってるけど」素敵においしいと思うけど、私は。 赤は樽違いを順に試飲。ひゃんなことから話はルネジャンがもうすぐ髭を短くするという話に。「髭は1年に2回、髪は1年に1回切るだけなんだ」やっぱりナチュラルだわん。 夜の食事の約束をして、いったんホテルへ。自然派ルネジャンは自転車で颯爽と?帰っていったのでした…。 ディナーはタン・エルミタージュの町の「マンジュ・ヴァン」へ。日本人女性とフランス人男性の若いカップルが経営するお店で、シェフは奥さん。ルネジャンとほぼ同じ生まれの赤ちゃんがいるということもあって、仲良しのお店。 エルヴェ・スオー夫妻も合流、アペリティフを飲みながら待っていると、ルネジャンとマダム・ヒデコ、もうすぐ6ヶ月のアンジュマリーが到着。まあ、かわいいこと!  食べたくなっちゃうとひとしきり話が盛り上がり、ダール・エ・リボの秘蔵のトントンやらフンフ—ンやらが空くころには絶頂。 ルネジャンが「おしりかじり虫ぃぃ」と歌えば、我らがムッシュ・イトウも意味深な替え歌で返し、なにやら不思議な真夜中のレストラン。あー、ホテルが向かいで良かった!

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Fév

ボーヌの一日はテイスティングも食事もスーパーリッチに過ぎていく…

2月14日 木曜日 本日は生産者訪問。まずは、午前中にボーヌの町にあるフィリップ・パカレのカーヴへ。今や世界的スターのフィリップなのに、普段は気さくで楽しいムッシュ。ところがいざワインのティスティングとなると、プロの顔にがらりと変身。樽からの試飲は、シャブリから始まってポマールまで、2007年から2006年へとフルスピードで30アイテムを駆け抜けます。いつ飲んでもフィリップのワインはそれぞれの土壌の個性がしっかり出ていて、きれいで、大感動…。おまけに2007年はフィリップにとって彼のワイン人生で1988年、1998年に次ぐ素晴らしい年とあって、まだ樽の中というのに早くもその頭角を現していることにまたまた感動…。 そうこうするうちにあっという間に午後。フィリップと彼の長男14歳のレノとボーヌの町の「グルマンダン」へ。もちろん、ブレスの鶏もおいしかったけど、ワインのラインナップ、パカレ→ラ・ターシュ2001→オー・ブリオン1986でノックアウト! いやあ、うまかったあ! 午後はボーヌ・ロマネのジャンイヴ・ビゾを訪ねるというのに、こんなにお腹いっぱいじゃあ…。そこで名案、フィリップと彼の畑を歩いて腹ごなし&剪定や耕作などこの時期の畑の状態を見学、そのままフィリップと一緒にジャン・イヴのところを訪問することに。 一見哲学者風のジャンイヴは実はシャイ。真剣な表情で10アイテムの試飲は粛々と進行…と思いきや、珍しいツーショットのジャンイヴとフィリップは作柄やら醸造の話にひとしきり花が咲いて…。あっという間に7時。時間が超高速で過ぎていく…。 さてさて夜。パリから合流した我らがボスのムッシュ・イトウとフィリップの待つボーヌの町の新名所、超シックでエレガントなレストラン「BISTRO DE L‘HOTEL」へ。ここは今や生産者はもちろん、ありとあらゆるリッチな町の有名人が毎晩集う社交場の感。これまでボーヌにはなかった洗練された料理と空間で、「素晴らしいワインと文化のあるボーヌにぴったり」とフィリップも絶賛! 目にも口にも超美しい料理の数々…、たっぷりのトリュフはそちらこちらにアレンジされているし、中でも牡蠣を一個ずつ全て別の風味にした一皿は絶品。 旨さと感動で倒れる寸前になりながらも、そこはやっぱりワインとの「マリアージュ」でしょ。だって、パカレは当然として1978年のラスカーズやら1959年のラヤスやらとくれば、おめめキラキラも当然。あーあ、今夜もまた夢のよう…といいつつ、MAXまでワインにはまってしまった…。 すでに12時はとっくに過ぎてる!