12
Jan

2024年PARISにてNATUREエネルギーをださないと! 新年会

世界中で年頭から遺憾な出来事が起きている。 厳粛に受け止めながらも、元気なところから、ポジティフなエネルギーをださないと! CLUV PASSION DU VINクラブ・パッション・デュ・ヴァンPARISオフィスに仲間が集まった。 名シェフのMASAさんが美味しい肉を担いでやって来てくれた。 . 珍しい人、会いたかった人、共に働く人、レストラン、ワイン屋の人などパリ在住でワインを愛する人達がほぼ偶然発生的に15名ほどの人達が集まった。 . 皆、自分の力で周りの人達に喜びを創造しようとする人達ばかりだ。 皆の共通点は、美味しいワインが大好きなこと。 . いやー、よく飲みました。 15名でマグナムを含む25本を開けた。 結構なヴィンテージワインを勢いであけました。 昨今の世界で最も危惧すべき出来事は“戦争”である。 ホントに残念なことである。人間が動物以下の生き物に成り下がっている。 長い人間の歴史で築いてきた“文化”は、一体、どこへいったのだろうか? . あまりワインを飲まない人種の人達が、昨今の世の動きをリードして問題が起きている。 . ワインは協調、共感、共生、つまり、“和”の精神がないと造る方も、飲む方も成り立たない世界である。 大勢の人達が寄り集まって、助け合わないと成り立たないの農耕作物である。 特に自然なワイン造りをやる人達は,この精神でワインを造り、多くの人達と“共感”しながら、エネルギー撒いている。 戦争を続けて大儲けをしている連中がいる。次はアジアを狙っているようである。 冗談じゃない! いい加減にしろ! この世には、真っ当な生活を一生懸命、時には命もかけながら、生活している人達が一杯存在している。 . 人種の違い、宗教の違い、イデオロギーの違いで、人殺し戦争をしていい理由などどこにもない。 チョット他より優勢になると、人間の攻撃本能に火がついてしまう。動物以下の人間になってしまう。 . それを、止められるには、本当の意味の“文化”しかない。 攻撃本能は政治だけでは止められない。 . “共生”“和”の文化の象徴であるワインを、もっともっと広めたい!! より強力なエネルギーで戦っていくしかない。 . 年始めは、普段あまり会えない人とも一緒に、語り合うテーブルにつける絶好の機会である。 共生・文化の象徴である自然なワイン達をやりながら、いろんなことに思いをめぐらした。 この勢いで、今年も頑張りたい!!

11
Août

畑に多様な植物と動物、昆虫、微生物が共生するエコシステム Suman/シュマン

スロヴェニア生産者訪問。そこには自然を敬い、自然と共生する生産者達がいた。 たかがワイン造り、ただのビオ、ビオディナミ栽培ではなく、ぶどう栽培を通じて自然界と繋がり、その自然が与えてくれる恩恵を我々に分け与えてくれる生産者達の想いは深い。   シュマンのぶどう畑は多様な果実の樹に囲まれ、羊、鶏が放たれ、蜜蜂が飛び回る。ぶどう畑にも多様な植物が存在し、ぶどう畑の中ですべてが循環するエコシステムを作りあげている。 すべては土壌にあるという。アルファベットが欠けていると表現できないように、土壌にもアルファベットのようにすべての要素がそろわないと、その土壌を100%表現することはできないという。 ビオディナミは一回の人生では理解できないほど深いものだとも話す。 病害や害虫に対しても、直接対処を一切せずに、ぶどうの耐性を上げ、自然の摂理の中で健全なぶどうを採れるように対処する。 蜜蜂の重要性も語る。蜜蜂の存在により、受粉だけでなく、蜜蜂の持つ毒がぶどうを病害から守る「自然の抗生物質」となり、養蜂箱のロイヤルゼリーやプロポリスなどもぶどう畑に噴霧することでぶどうの耐性をさらに高くする。 調合剤に関しても、多様な自然界の物質を使用し、古いカーヴのパワースポットに保管してあり、電磁波を避けるため携帯などの持ち込みは禁止。ここまで深くビオディナミ栽培に取り組んでいる生産者は今まで見たことない。その志は高く計り知れない。 シュマンといえば、マセラシオンをしたいわゆるオレンジワインだが、それは流行りでもなんでもなく、ぶどうの持っているすべてのもの、ぶどうが土壌から吸収したすべてのものを抽出する時間がマセレーションの時間。 シュマンのワインの中には、この場所の太陽、水、風、土の小宇宙が入っている。

10
Jan

新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 いよいよ2022年がはじまりました。 皆様にとって素晴らしい年になることをお祈り致します。 Je vous souhaite une excellente année et toutes sortes de joies dans tous les domaines. 元旦、今年一年の最初の日です。 また、新たな気持ちで、新たな人生をはじめられる絶好の機会でもあります。 ここ2年間、コロナのお蔭で私達の生活が大きく変化しています。 ホントにコロナのお蔭で、世界の物事の流れの源流が観えてきました。 コロナも含めて、中東問題、中国、ロシアの近隣国への攻勢など、世界中に混乱、対立、抗争が、まるで用意されていた如くに、一つが落ち着くと必ず他で勃発してきます。 混乱、対立、抗争の繰り返しの中で一定の方向に世を流そうとする存在がありそうなことも多くの人が気付き始めています。 しかし、この流れでは、決して秩序は保てないし、地球自体が長くは続かないことも多くの人達が気付いています。 混乱、対立するものを“融合”して、新たなものを創造していく流れが必要なことも多くの心ある人達が気付いています。 そうです、対立から“抗争”ではなく“融合”して秩序を造りだす道です。 まさに、ワイン造り手達が、自然からの“恵み”も“過酷な仕打ち”もすべて受け容れながらも新たな秩序を造りだして、見事な葡萄を育てて、トビッキリ美味しいワインを造っている生活様式そのものです。 葡萄木に邪魔になる“草”“昆虫・微生物”などを除草剤や殺虫剤で殺して秩序を保とうとするのでなく、“草”や“昆虫・微生物”と融合して共に生きて葡萄園、土壌をイキイキさせて、素晴らしい葡萄を育てている姿、生き方そのものです。 一方、我々を一定の方向に流そうとしている存在に、真っ向から対立“抗争”していく生き方にも、無理・疑問を感じています。 私は武道をやっています。 武の世界にこんな言葉があります。 “肉を切らせて骨を切る” “戦わずして勝つ” すべてを拒否して、自分の生活を狭めて、窮屈にしていく必要はありません。 流れの中に身を置きながらも、多少の傷を負いながらも、人生を謳歌しながら、相手が何も出来なくなってしまう状況を造ることが可能です。 “超エゴ”と“マネー”第一主義の世界観・生き方の“理”だけでは、動かない人達が沢山います。 そんな人達が多くなれば、葡萄園がイキイキしてくるのと同じように、世がよりイキイキしてきます。 流れが変化してきます。 我々を一定の方向に流そうとしている存在の“理”が作動しなくなってくる状態を造ることです。 これも“融合”の一つです。 これは、まさに私達日本人が昔から生活している基本哲学“和”の世界のことです。 これからの世界に必要な流れは、悪も善もすべてを融合していく“和”の生き方そのものです。 人生では“超エゴ”と“マネー”第一主義の世界観・生き方より、重要で大切なことが沢山あります。 そんなヒントをコロナ君が教えてくれました。 世の流れを変えましょう! “対立”ではなく、融合です。 今年も皆さんと共に歩んでいきたいと思います。 自然と融合しながら、継続可能な実生活をして、我々に飛っきり美味しいワインを造り続けてくれる醸造家達の、融合エネルギー満載のワインを皆さんに送り続けます。 … また、こんな活動に賛同して、私達のワインを広めてくれる同志の皆さんに深く感謝すると同時に、今年もより深くお付き合いをしていただければ幸いです。 また、“和”の象徴的な存在であるワインを飲んでいただいている皆さん、今年もよろしくお願いします。 伊藤 Ps:元日、霧の湖を走って幻想的な初日の出に出会いしました。 […]

28
Jan

フランスワインの過去・現在・未来

変化には法則のようなものがある。一つの分野でも全体的にものごとをとらえていくと観えてくる。 ある法則が繰り返すことがある。同じことが繰り返しても、過去のものと全く同じではない。 奥行き、深さが違っている。 過去、未来を観ながら今を生きる。 ――――――――――― 1960 大量販売の大型スーパー、ハイパーの出現 1963-carrefeur 1号店、LECLERRE 65 スーパー、69ハイパー1号店 低価格ワインの飲酒量の拡大、農作業の経費削減の為の除草剤使用の拡大 . 1970 ハイパー、スーパーの乱立時代、大量販売用ワインの需要が急増。農協、大手ワイン商活況。 大量生産の必要性、それに伴い化学肥料・殺虫剤・化学農薬の多用。土壌弱体化からくる葡萄木の弱体化  . 1980  弱体化した葡萄からでも、そこそこ飲めるワインを造る技術の需要が高まる。 オノローグ(醸造コンサルタント)事務所の急増。オノローグ(醸造士)主導の農作業・醸造方法に移行 果汁濃縮技術、人工酵母、諸々の化学物質を足してのワイン醸造技術の定着。ワインのスタンダード化。 世界的ワインブームに乗ってグランクリュ(特級畑・蔵)など超高級ブランドの形成期でもあった。              ★自然派の第一世代の発生(マルセル・ラピエール 82, )超テクニックワインに反する自然なワインへの回帰。 . 1990    濃縮ワイン至上時代  スーパー、ハイパーでグランクリュ(特級ワイン)が安売りの超目玉商材 世界的ワインブームにてグランクリュ価格の高騰化。ワイン愛好家のグランクリュ離れ、 ポスト・グランクリュの需要拡。ミッシェル・ロランなどカリスマ・オノローグの活躍。 ワイン評論家(パーカー・ポイント等)による新スター(シンデレラ・ワイン)誕生期(93-98 バランドロー)。 徐々にワイン消費量の衰退―ワイン農協・ワイン商の経営不振が出現 農協から離れて独立する小型優良醸造家の急増(後に自然派ワインになる醸造家も多く含まれていた) ★マルセル・ラピエールを中心にVIN NATURE組織が形成 ― 各地に自然派ワイン醸造家が誕生 味覚的には樽香ありの濃縮したワインがもてはやされた時代。 . 2000    濃縮からフィネス(上品さ)へ ヨーロッパ統合による影響―農協ワインの不振・農協の倒産・合併が急増 超ブランドの特級グランクリュは輸出に活路(ロシア・中国などワイン新興国) 地球温暖化現象の表面化による自然回帰への指向が強まる。 ★自然派ワイン醸造家の急増― 自然派醸造元の組織化の確立(ディーヴ・ブテイユ) ★ポスト・グランクリュの醸造家や美味しいワインを造ろうとする醸造家が自然な形で自然派に転身。 醸造テクニックを駆使したスタンダード化ワインと自然派ワインの2極化 味覚的には、濃縮したワインから卒業してフィネス上品さが評価の対象になった時代。 . 2010    フィネスからビュバビリテ(飲みやすさ)薄旨系 自然派ワイン・ビストロの急増と繁栄 ミッシュラン星付きレストラン、世界ランキング・レストラン(NOMAなど)の自然派ワインの導入 マルセル・ラペエール亡き後ディーヴ・ブテーイユ、ヴァン・デ・メザミ自然組織などがリーダーシップ。 マルセルを知らない新人類の登場。自然派組織の細分化現象―地方別組織・スタイル別組織など急増 世界の成金人口むけ超有名グランクリュマーケットは快調と混乱を繰り返す。 味覚的に薄旨系、ジュースのように体に入っていくビュバビリテ(飲みやすさ)が最も評価された時代。 . 2020   薄いとか濃いを超えた透明感ある深味を備えたワイン 20年のコロナ到来による衝撃的な価値観の変化 地球環境の変化と世論の変化に対応せざるをえない状況が表面化。 […]

1
Août

トレサビリテーを訪ねる熱心な日本販売店の人達

コロナ後の流通業ではそれぞれのトレサビリティが非常に重要になってくる。 あまりにもいい加減なことが世にはびこっている現在。 ものを買う時の判断は、その商品の健全性はますます重要なポイントになってきている。 消費者との本当の意味での信頼性を築くことが必要不可欠なことになってきた。 BMO社の山田さん主催の良質な食品を販売するSTCグループの皆さんがワイナリーツアーにやって来る。 流通業界の経営者の皆さん、幹部の皆さんがやって来る。 ここCH-AGUILLOUXシャトー・エグイユにも毎年やってくる。 造り手が自分のワインに関わる人達に喜んでほしい、との思いだけでワインを造っている心意気に感動する。 葡萄園を歩き、醸造所を見て、一緒にテーブルを囲み造り手ファミリと触れ合い、心と心が繋がっていく。 インターネット販売とは逆の流れだけど、人と人の心が通い合うということがますます重要になってきている。 ワインは人と人を繋げていくエネルギーを兼ね備えている。 ワインで世が和していきますよ!

12
Mar

売る人と造る人が心を通わせることは大切 !!

Echanger un coeur profondément entre les vignrons et les Cavistes , C’est trés important !! 造り手も売り手も色んな状況の中で人生を送っている。 お互いに色んな問題を抱えながらも、美味しいワインを造ること、美味しいワインを売ることにPASSIONを捧げている。    «喜び»を多くの人達と分かち合う為に、すべてを賭けている。       単なるビジネスではない。 ワインを通して世に 楽しい空気を流し続けている。 本物のワインは偉大な天と地のエネルギーのメッセージが詰まっている。 ワインは人と自然の接点であり、人と人をも結びつける強力な力をもっている。 よりそのエネルギーを強化するには、造り手と売り手が心を通わせることが大切。 効果が倍増してくる。      Marc PESNOTとESPOAグループとはもう25年来の付き合いである。 お互いに厳しい時代を過ぎて、今まで来ている。     Marcは10年ぶりの来日。でも目と目が合っただけでお互いが分かってしまう。 お互いに感謝の気持ちが湧いてくる。    彼らはもうファミリー!      

11
Mar

諏訪でも自然派ワインが飲めるバー、Cruiseクルーズ

北原さんが、2001年より上諏訪でやっているバー » Cruise ». 自然派ワインをインポートする野村ユニソン社の本社がここ諏訪湖の街にある。 その影響があって、ここ温泉の街、上諏訪でも自然派ワインが飲めるのが嬉しい。 野村ユニソン社の竹澤さんが東京から諏訪に来る度に通っていたバーだった。 来る度に自然派ワインを持ち込んで北原さんと飲んでいる内に、北原さんも自然派ワインのファンに。    今夜はMarc Pesnotさんと3人でやって来た。 こんなワイン達がありました。 フィリップ・ジャンボンのアレ・レ・ヴェール Allez les Verres!!!     明日、日本にやって来るラングドック地方のEscarpoletteエスカルポレット醸造の Ivo Ferreiraイヴォ・フェレラのワインもありました。   あさ、イヴォIvoファンの皆さん!!来週、Julieと一緒に、日本にやって来ますよ

1
Avr

自然派ワインの中には共生の思想・哲学がある

Pensée et Philosophie de vivre ensemble dans le vin nature. 自分だけよければ良いという、超エゴの思想では、自然派ワインは造れないし、売れていかない。 造り手は、草、微生物、土壌、地中深くの鉱物、太陽、月、宇宙、造り手仲間と共生しなければ自然派ワインは造れない。 売り手も、インポーター、卸業者、同業者、お客さん、と共生を考えた方が自然派ワインは売れていく。 すべてが繋がると、自分が楽しい、友達も楽しい、周りも楽しい、皆が楽しい、地球が楽しくなる。 3月13日は多くの人が、ワインで繋がったマジックな小宇宙空間だった。 自然派ワインを飲むことで多くの もの、こと、人と繋がっていきます。

10
Jan

偉大なエネルギー‼2017年,地中海に今年の太陽が!

2017年、地中海に昇る輝く太陽。 世界中の多くの人の、夢と希望を叶える為に。 この光のエネルギーを葡萄木が光合成でワインの素を造ってくれる。 太陽は人を選ばない。 すべての人に、すべての葡萄木に光を降り注ぐ。 エネルギーを十分使いきれるか否かは?受け手の人の考え方次第。 ワインは造る“人”の生き方次第で天と地ほど差が出てくる。 だからワインは、面白い。 良い悪いは別にして、最も贅沢なワインとは? 価格が法外に高いワインでもない。 特級格付け、有名なワインでもない。 この太陽の光エネルギーを真っ直ぐにうけて、濁りなく液体に 転写されたピュアーな飲み物。 幸いにも、すべての人が同じ考えではない。 今年も、やりがいのある仕事が待っている。

25
Oct

ナチュラルワインと素敵な出会い

私は昔から飲むことが大好きです! 特にフランスに幼いことから住んでいたこともあり、ワインは大好きでした。 しかし学生時代は飲むだけのワインというか、飲めればいいと思っていて、2ユーロで購入できる 『ロゼ・ド・ピシェ』 (どこにでも売っている安いロゼワイン)をガブガブと飲んでいました。 友達と家で集まり、安上がりのワインを飲んでいると、私の父が部屋に入り、『ワインを飲むのならば、ちゃんとしたワインを飲め!』と手渡されたワインが、『シャブリ』でした。 生産者など全然忘れてしまいましたが、20歳の私たちは、このワインの価値が不思議と分かり、飲んだこともないのですが、『シャブリ』と見ただけでウオオオオという高級なものだとは分かっていました。普段飲んでいたものとは全然違う濃厚さ、ミネラル感などを味わい、何も分かっていないのに私たちはそこからちょっとワインに対しての感覚が変わったと思います。 そんな経験から3年が経ち、私はエノ・コネクションのドン、皆様が知っている伊藤さんに出会うのです。 彼に会って初めて飲まされたワインが、『Prieuré Roch』。 今でも覚えているのが、何か違うという感覚。飲みなれていた濃厚な赤ワインに比べると、とてもジューシーでなめらかで、優しいという味わい。イチゴ?ブドウ?なに?!と考えているうちに飲み干してしまった事も・・・(笑) でも不思議と素直に体が取り入れたというか、スーッと通っていく液体に不思議な力?何か惹きつけられた思いがあります。そっからドップリと自然派ワインにハマった自分がいると思います。 ビオ、ナチュラル・・・・様々なジャンルの『ワイン』がある今の世の中、具体的に違いは何?!と思っている人はたくさんいると思います。 簡単に言うと、ビオワインは、畑では殺虫剤や化学肥料など使用しない。環境を尊重しながらのブドウ栽培を行う。 しかし醸造の段階では、化学物質を加えて液体の修正をすることが可能。                    ナチュラルワインは、畑では殺虫剤や化学肥料など使用しない。 環境を尊重しながらのブドウ栽培を行う。 醸造の段階でも、ブドウの力を信じて手を加えない。 まさにテロワールを大いに感じられるのが、このナチュラルワインだと思います。 私はパリで、この2つのジャンルを扱ったワインバーで働いたことがあります。 やはり、本場のフランスでも、ナチュラルワインは変な味がする。ガスがある。いつものワインと違う!というお客さんはいました。 しかし!!! そんな人たちでも、必ず合ったナチュラルワインがあるのです。 では、ナチュラルワインの魅力って何?!って疑問ですよね。 私は三つの魅力で好きになりました。 一つ!! ナチュラルワインは日によって変化するし、気候にも左右されますし、人間のように機嫌のいい日もあれば、ちょっとご機嫌斜めの日があるのです。 シャイなワインもあれば、すぐに誘ってくるワインもある。 ちょっとお嬢様っぽいワインもあれば、とてもフレンドリーなワインもある。 ガスがあれば、ビンを振ってガスを抜く。 還元していたら、カラフに入れてちょっと待つ。 時間が経つにつれ、段々心を開いてくれる。 色々工夫すると、最後には、心打たれる美味しさを私達にみせてくれるのです。 そういう人間臭いところが、ナチュラルワインの楽しい所です。 二つ!! ナチュラルワインはズルが出来ないので、その年の気候や特徴、その使用されたブドウのテロワール、そして造った人の愛情が自然と伝わってくるのです。私も不思議と思いますが、本当に造っている人の温かみや繊細さが籠っているのです。 そして三つ!! なんて言っても、次の朝に残らないのが魅力! どんなに飲んでも、チャンポンしても、残りにくい!(もちろん、お水もちゃんと飲んで下さいね!)あんなに飲んだのに不思議!と思っても、確かにブドウしか入っていないので、頭ガンガンなんて無いんです! こうやって皆ナチュラルワインにハマっていくのです! 何故か最初にハマる品種は皆 ガメイのぶどうです。 軽めで、ジューシーでスーット体に水のように入っていく感覚が特徴的で、皆そこにハマっていきます! 私の旦那も、ナチュラルワインとは程遠いボルドーのテクニカルワインしか飲んでいなかったのですが、私の影響で最近ではボジョレーが大好きになっています! そして近頃ではカリニャンやサンソーにハマっています(笑) 最近は、濃厚なタイプでも、スーット体にはいっていくナチュラル・ワインも出てきました。色んなタイプのものがありますが、のど越しが気持ちよく入りやすく、すこし飲み過ぎても翌日大丈夫なのがナチュラル・ワインの魅力です。 みなさんも騙されたと思って是非お試しください!

12
Oct

ナチュラルワイン専用アプリ Raisin

ナチュラルワイン専用アプリ Raisin!(レザン、フランス語で葡萄の意) もうダウンロードされましたか? 世界のどこでも、美味しいナチュラルワインを飲めるお店を検索できたり、ナチュラルワイン好きな仲間とつながれる楽しいアプリです。 oeno connexionは、日本でのナチュラルワインを紹介するオフィシャルパートナーとして情報提供をしています。 皆さんも是非ダウンロードして、私たちとつながってください!

11
Oct

今、何故、自然派なのか

フランスワインの現状 フランスワインは華やかな部分と地味な部分と2極分化している。 華やかなグランクリュを中心にした部分は、フランスワイン全体から見ればほんの一部分でしかない。 フランスの葡萄栽培農家の70%は農協に属している。 フランスワイン業界全体を語る時、この農協の影響力と現況を無視して、華やかなグランクリュだけを語っても全体が見えてこない。 農協系農家 70% 醸造設備を持っていない農家。 収穫した葡萄を農協に持ち込んで、葡萄重量に対しての対価(価格/kg)を受け取る。 独立系農家 30% 自分で醸造設備を持っている小中規模の葡萄栽培農家、醸造元。 グランクリュもこの中に属していて、この中でもほんの数%を占めるに過ぎない存在である。 このフランスワインの全体像を認識した上で、これからの話を進めていきたい。 全体のほんの数%にしか属さないグランクリュ、超有名ワインは常に顧客がついている。 ロシア、中国のニューリッチ、マフィア的お金持ちなど、世界中のリッチを顧客にした華やかな特級、一級グラン・クリュ・クラッセの世界は常に顧客がいる。 農協が倒産する時代 それに反して、フランスワイン業界の70%を占める農協が今、経営上、瀕死状態である。 農協ワインが売れなくて困っているのである。既に倒産した農協が多くある。 倒産しなくても、決して良好な経営状態ではない。 栽培農家が収穫した葡萄を農協に持ち込んでも、農家に対価を払える経営状況ではないのである。 つまり70%の葡萄栽培農家が、大変苦しい生活状況にあるのが現状である。 若き後継者が面白い・・農協から独立・・ 本来のフランスワインの風味復活の必要性 栽培農家の若き後継者の悩みは、農協にこのまま属していても、将来に希望を見出せないことである。 多くの若き醸造元が農協から独立して単独醸造元として活躍することを夢見ている。 勿論、既に多くの農家が独立している。 ここで問題なのは、独立しても、農協が造っているワインと同じようなワインを造っても売れないと云うことである。 何の特徴もないワインは売れない。 ただ美味しいだけでも売れない。 価格が安いだけでも売れない。 この現実が彼らを待っている。 美味しいワインは世界中に沢山あり、しかも人件費の高いフランス産でなくてもよい。 フランスでなくては造れない味わいが必要である。と云うよりもそれぞれの土壌に根ざした特徴ある風味のワイン。 しかも文句なく美味しく、価格もリーズナブルなワイン。こんなワインが必要なのである。(これが自然派ワインの条件の根幹部分) この一見当たり前のような条件を備えたワインが、いつの間にかフランスから消えてしまっていた事実が問題なのである。 1935年に誕生したAOCの理念の原点に戻ればよいのである。 今のワイン造りが如何にこの原産地呼称の理念にそぐわない栽培方法や醸造方法をやってしまっているかが重要な問題なのである。 フランスワインの原点に戻って、再構築する必要がある。 ワインのスタンダ-ド化は、どのように発生して、現在に至ったのか? 何故? いつ頃から?どんな風に?AOC(その地方、地区、村)や土壌の特徴がないワインが増えていってしまったのか? 除草剤の使用 それは1960年代に使用されはじめた除草剤に起因する。 農業国フランスの農業近代化には必要不可欠な存在でもあった除草剤なのである。 農作業で最も人件費が掛かるのは草とりの為の耕す作業である。 人的手作業でやると1ヶ月掛かる仕事が、この除草剤を撒くと3日で終わってしまう便利なものなのである。 瞬く間にフランス中に広まったのは云うまでもない。 除草剤の多用を数年続けた畑に起きた現象は、耕すことがない為に土が固まってしまって、まるでコンクリートのように硬い表面の畑になってしまった。 酸素が地中内に入ることもなく、その上、除草剤の毒性の為に微生物やミミズが畑から姿を消してしまった。 畑に有機物がなくなり、土壌としての機能がなくなってしまった。 葡萄木が育たない,葡萄果実が熟さないという状況になってしまった。 化学肥料の使用 そこで登場したのが、化学肥料である。 化学肥料を多用すると、土壌の表面に栄養素がある為に根っ子が地中深く伸びていかない。 根が地表近くに滞留してしまう。 […]

22
Août

Club Passion du Vin が提唱する自然派ワイン分類方法

A ブドウ栽培はビオ、ビオディナミ栽培をして創意工夫・努力しているが、美味しいワインを造ろうという意志が見当たらない。自然な栽培をすることで満足しているタイプ。収穫量を多くとってしまったり、醸造途中で補糖したり、香り付人工酵母を使用したり、酸化防止剤を必要以上に使用したりするタイプ。ビオワインの見本市へ行くと、不味いワインが沢山あるのに驚く。 CPVとしては、ビオ・ワインである事がイコール自然派ワインではないことを強調しておきたく、このカテゴリーは自然派から外したが、ブドウの潜在能力は概して高いので実に勿体ない。 最近、ビオを名乗ると売れやすいので、ビオに転換する醸造元が増えているのだが、このタイプが急増しているのは残念なところ。 ただ、地球環境を考える時、少しでも多くの畑がビオになることは喜ばしいことである。理由の如何を問わずリスクの多いビオ栽培をする決断と努力に対しては強く評価したい。でも、ワインは美味しく造ってほしい。 B 栽培上は除草剤、殺虫剤、化学肥料などを使用しているにも関わらず、 醸造では自然派を名乗って酸化防止剤の使用を控えたりするものの、栽培される土壌が弱っているために酵母菌も居なくなるので発酵もされず、結局はテクニックに頼らざるを得なくなってしまう偽自然派になってしまいます。 土台や柱がいい加減な耐震性のない建物と同じで、最近はAと同じくこのタイプも急増しています。 最近の大手有名どころのワイナリーが日本でセミナーをやると、ほとんどのところが自分は自然派であるかのように云うのには驚きである。 すべては畑を見れば一目瞭然である。CPVの推薦する醸造元は必ず我々が実際に畑をみて醸造所もみて現場をみて判断している。 C 栽培上も除草剤、殺虫剤、化学肥料、なんでもござれ、土壌に微生物など皆無の状態。こんな状態の畑からとれたブドウはエネルギーがないので、いろんな醸造テクニックを駆使して化粧する必要がある。ブドウジュースを濃縮したり、酸を足したり、補糖したり、人工酵母を使用したり、テクニックで化粧されたワイン。栽培も醸造も工業的な画一化されたワイン。ただ自然派という観点から外れれば、常に(毎年)同じ味、収穫量は確保出来るという点を評価する人たちもいる。 D 栽培はビオ、ビオディナミ、または公式機関に登録してなくても自然な栽培をしていること。、最重要なことは土壌が生きているということ。 公式ビオ機関の公認を受けている否かは重要なことではない。公認は一つの目安にはなるけど自然派の条件には入らない。 CPVの認める自然派は我々が自分の目で畑を確かめたものに限る。これらカテゴリーはそれにあたる。 ワインは畑で造られると云っても過言ではないほど、CPVでは栽培、農作業を重要視している。健全な土壌に育ったブドウの木は、根が真っすぐ地中深く伸びて土壌のミネラルが詰まった健全なブドウが収穫される。そのように健全なブドウを原料として醸造すると、人工酵母を添加しなくても、酸化防止剤の使用を極力控えても、素晴らしいワインが出来る。 醸造元がよく云う、『私は美味しいワインを造ることが目標であり、その為には美味しい健全な葡萄が必要であり、その為には土壌を生かすビオ的な栽培が必要であった。勿論、一本の木からとれる収穫量を少なくして濃縮した葡萄をつくり、醸造上も極力ワインに圧力がかかるようなポンプなども使用せず,土壌から得た純粋な葡萄の旨味を最大限に表現したワイン』 これが自然派ワインである。 このCPVが提唱する自然派ワイン(D)をタイプによって分類すると、以下のようになる。 e: 超自然派 f点の孤高の超自然派を頂点にeは自然派中の自然派。ピュアな葡萄の果実味が全面にでて、土壌からくるミネラルでしっかり支えられているタイプ。 (フィリップ・パカレやマルセル・ラピエール、マルセル・リショ、ダール・エ・リボなど) 栽培も醸造も自然度が満点に近いもの。 d-e : 独創派 その造り手の個性が全面にでている個性的なワイン、この人間しかこんなワインができないという強烈な特徴、独特な風味をもったワイン。 (ゴビーとか、ポール・ルイ・ウジェーンヌ、レグリエール、マーク・ペノのようなワイン) 自然度はかなり高い方。 c-d : 風土派 造り手の個性はそれほどワインに出ておらず、そこの土壌や風土、人などが調和がとれてワインに表現されているもの。 果実味が強く、ミネラル感も濃縮度も中庸で比較的気軽にスイスイ飲めるタイプ。 (エステザルグのワインとかラトゥール・ボワゼなど) b-d : 正統派 栽培や醸造も自然であり、熟成の仕方が樽を使用して比較的、樽香がワインに残るタイプのワイン。自然派ファンの中には樽を必要以上に嫌う人がいる。しかし栽培も醸造も自然にやっていれば立派な自然派だ。樽風味は好みの問題である。ボルドーの自然派に多いタイプ。 (シャトー・ド・プイ、シャトー・メレ、シャトーラガレット、シャトージョンキエール、プピーユのアティピックなど) a-b: バランス派 栽培も醸造も極力自然にやって、なお価格が比較的安くて、カリテ・プリ(価格と品質)のバランスがよいもの。 自然度はやや低くなるが、立派な自然派ワインとCPVでは考える。 最重要項目である畑は立派に土壌が生きている。安くて安全で美味しいワインという点で、非常にバランスが良い。 グレーゾーン・ワイン 数学の世界と違って、ここから先は自然派ではないと、白黒はっきりできない部分、ぎりぎり自然派に入らないが、まあ許せる範囲というか車のハンドルの“遊び”の部分のようなもの。中には自然派に入れても良いものもある。生身の“人間”と千変変化する“自然”が織りなすワインの世界は、数学の世界のようにはわりきれない部分がある。 グレーゾーンA 栽培は頑張ってるが、醸造はちょっぴり手を抜いているタイプ。 または、自然のいたずらでやむおえずテクニック的なことをしなければならない場合など、 例えば、一年間、完璧な自然栽培をしたにも関わらず、収穫直前に雹と大雨が降って、葡萄が傷んだ場合雑菌が繁殖する危険があるので、収穫後SO2を入れざるをえない時もある。 我々人間が何か悪いものを食べて、食中毒になった時、薬を飲まざるをえないようなもの。 (特に栽培自然度が高いものは、そこそこいい物もあるゾーン。) […]

13
Jan

2016年の世界動向と自然派ワイン

世界は大きく動いている。大略的に見れば世がより佳くなるために、人類が乗り越えなければならない課題が浮彫になって来たといえる。愚連隊のような連中が国まで造って平然と世界中の国を相手に戦争を仕掛け、人殺しを当たり前の如くにやっているイスラム国が存在している。 地球温暖化現象がいよいよ表面化して異常気象や環境変化による災害が具体的、日常的になってきた。この年末年始の暖かい気温はフランスではフランス気象台始まって以来の暖かい気温が  記録された。春に咲くべき花が12月に既に開花となった。南仏の春に咲くミモザが12月に満開だった。北極ではこの時期は-50度が普通の気温、しかし今年は+2度という異常な気温となっている。 この2点、1イスラム国の蛮行、2地球温暖化現象の深刻化が、人類のあらゆる方面の活動に、具体的に大きな影響を与えている。単に新聞上のニュースとしてではなく、人々の日常の生活にも、大きく影響を及ぼしている。 15年11月のフランスでの銃撃・爆弾テロは世界中を震撼させた。実行犯はフランス人である。もともとはイスラム教とは無縁だった若者達がある日突然にイスラム国に行って変身しての行動だった。 フランス中にイスラム国の戦闘員が数千人も生活している。彼らの殆どはフランス国内の落ちこぼれた若者達である。彼らは仕事もなく将来の希望が全く見えない状態から脱出をかけて過激イスラム国に入信していった。 自分の価値を認めてくれる集団いや国がある。今、お先真っ暗な状態とは全く違う。自分の存在価値を活かせる場がある。 でたらめな偽イスラム教論理を造って、世界中の人達をできるだけ多く殺戮 することが神に報いること、という出鱈目な理論だ。自分の命を捨てて、可能な限りの殺戮をすることが、人間として立派で価値のあること、という理論を組み立てて入信した若者を徹底的に洗脳している。こんな信じられない狂った集団が国まで造ってしまった。 こんな集団をここまで世界が何も行動せずに放置しておいた、という事実自体が、今までの世界倫理からも考えられない事実現象である。 イスラム国のテロ実行犯の殆どは、イスラムとは関係のない外国人集団なのである。世界中の若者、特にヨーロッパには社会からはみ出された若者が多い。貧富の差の拡大も広がっている。若者達にとって夢を抱けない社会は問題である。特にフランスはいい意味でも悪い意味でも大人の世界の国だ。若者が前面に出れる場が少ない。社会システムにやや問題がある。彼らの溢れんばかりのエネルギーを良い方向に善用できる道があるはずだ。 社会システムが造り出したエントロピー 資本主義社会で勝ち組、負け組の発生、その格差の拡大。自分の会社のみが儲かるシステムで勝ち続けなければならない宿命を持った資本主義社会システム。その限界が生む出した社会の歪が、偏った宗教と結びついてとんでもない国を造ってしまったのである。国、会社、個人の行き過ぎたエゴが生み出したエントロピーと云ってよい。これらの事件は多くの世界中の人達に、色んな事を考えさせる大きな切っ掛けとなっている。この事件は単にテロによる殺戮行為ばかりを非難することより、社会システムの在り方をかんがえさせられた。人々に生き方の変化を迫る事件として捉えることもできる。 第2の地球温暖化現象 昨年末に、テロで緊迫した状態のパリで、世界から195か国が集まり環境対策会議COP21が開催された。 厳戒態勢にあった危険なパリに、なんと147か国の首相、大統領など各国のトップ政治家が集結した。 アメリカのオバマ大統領、ロシアのプーチン、中国の李首相、ドイツのメルケル首相、日本の阿部首相など世界を動かしているトップ政治家がほぼ全員が集まったのは凄いことである。 この事実だけでも、今までにない環境問題の重要性を世界中が認知していることを示している。 この国際会議中、アフリカ、アジアの小国で環境破戒されている現状が次々と発表された。大国の利益追求の企業活動が地球の裏側の小国の国民が多大の環境破壊の被害を受けている現状が明らかになった。  この問題も今までの社会システムが造りだしたエントロピーと云ってよい。 つまり自分の国、自分の会社だけの利益を確保するために行ってきた企業活動が環境 破壊、公害、温暖化、地球破壊に繋がってきたのである。 つまり行き過ぎたエゴの結果と云ってよい。この年末年始に北極の気温がプラス2度という異常な高温となった。普通ならばマイナス50度のところである。 どんな理由、説明の如何を問わず、我々の生き方を変えなければならない現実 が目の前に突き付けられている。                                       この2つの問題は、どんな職種の人、どんな国の人にとっても共通の課題を浮き彫りにしてくれたのである。我々全人類に投げかけられた課題を越えなければ、明日の地球がないということを明確に示してくれた。 人間の生き方の変化が不可欠な時代の到来 我々地球に住む人間一人一人が生き方を変えなければ明日がないという危機感は誰でも認識できるところまできた。貧乏人だろうが、お金持ちだろうが、どんな宗教を信仰していようが、どんなイデオロギーを持とうが、すべての人にとって地球は一つしかないのである。 この意識は、日常生活のあらゆる場面、行動に影響を与えている。 当然の如く、近年の消費者心理の中に“自然”というイメージが大きく影響を与えている。人々がものを買ったり、消費する時には、商品のトレサビリテーを吟味する層が急増している。これは世界的な傾向である。 若手自然派醸造家の急増と自然派ワインの品質向上 我々はワインの世界で生きている。このワインの世界も大きく変化している。まるで氷河が解けるようにビオに転換する醸造家が増えている。 特に世代交代をする若い世代は、ごく自然な形でビオ栽培を導入している。 若い世代ほど自然に関しては敏感である。 今、フランスでは農薬によって病気になった農家の話題がマスコミでも報道されている。 また、除草剤や農薬による水質や農地公害の話題を頻繁にマスコミが取り上げるようになった。 醸造元一旦栽培をビオ、自然な栽培にすると、次は醸造も自然な造りに転換する醸造家が急増している。 あえて、一昔前のように自然派と名乗らない醸造家が増えている。 これは素晴らしいことだと思う。 自然派ワインが浸透して一般化しつつあるのを感じる。消費者の方も何の抵抗もなく自然派ワインを楽しむようになってきた。 自然派ワイン専門のワインバーでも、今は敢えて自然派ワインとは謳わないバーやビストロが増えて いる。その裏には、自然派ワインの品質が格段に安定してきたことが大きな 理由とメリットとなっている。 一昔前の自然派ワインのように、還元した異常に臭いワインや酸化したワインが減少している現状がある。普通の美味しいワインとして気軽に安心して提供できる状況になってきている。 昨今の自然派ワインの品質向上が著しい。そして、高品質の自然派ワインを造る若手醸造家が次々と誕生している。最近の若手は初リリースから本当に美味しい。 初期の自然派醸造家達が多くの失敗を重ねながら試行錯誤で20年の歳月を費やして築きあげた手法があり、それを惜しみなく自然派2世代に伝授した。2世代目の天才的な稀有の才能を持った少数の醸造家達が更に磨きをかけた“技”を確立。そして、最近はその磨きのかかった“技”を最初から熟知して、それを普通の如くに使いこなす3世代目と云ってよい若手が出現してきた。 ここ最近の若手醸造家のセンスが光っている。古参自然派が達しえなかったレヴェルに若手が飛び越えて驚くような高品質のワイン造りあげている。 3世代目の時代が到来しているのを感じる。 初代自然派 マルセル・ラピエール、ピエール・オヴェルノワ、 ダール・エ・リボ、オリヴィエ・クザンなど、 2世代目として  ブルノ・シュレール、フラール・ルージュ、ラングロール、 フィリップ・パカレ、ラパリュなど傑出した才能の持ち主 3世代目として  マチュ・ラピエール、レミー・デュフェート 、 デビュベルタン、バティスト・クザンなど多くの若手誕生中 自然派ワインの愛好家が世界中に拡大 急増する自然派ワインを支える消費者、レストラン、小売店が世界中に増えている。  […]

11
Oct

マルセル・ラピエール 追悼

マルセル・ラピエールが亡くなって、もう5年の歳月が過ぎた。自然派のパップが昇天しても、自然派ワインは大きく成長を続けている。フランス最大のワイン雑誌、ラ・レヴュ・ド・ヴァン・フランスがマルセル追悼記念の記事を掲載した。 自然派にとってあまりにも偉大な存在だったマルセルがいなくなってから、自然派の中心、土台、柱が無くなった感がある。その代わりに、各地方に小粒のリーダーが多くできている。自然派の勢いは益々盛んで、増えている。マルセルが示した道は偉大だ。 偉大なるマルセルの命日が10月11日である。世界中の自然派ワインファンが、まるでマルセルの復活祭のように、マルセルに敬意を祝して自然派ワインを飲む日だ。勿論、マルセル・ラピエールを持っている人はCUVE MARCELを飲むだろう。 歴史にもしはありえない。しかし、もしマルセルの存在が無かったら自然派ワインが今のように発達しなかっただろう。より遅く、違う形になっていただろう。今、我々がこうして自然派ワインを楽しめるのはマルセルによるところ大きい。有難う、MERCI MARCEL ! Marcel LAPIERREは日本が大好きだった。マルセルと富士山に行ったことがある。雄大な日本の象徴である富士山をみて大変喜んでいたことを思い出す。マルセルは自然派ワインの世界の富士山だった。雄大で、深く、多くの人に安らぎと勇気を与えてくれた。乾杯!!マルセル!

8
Jan

2014年 自然派ワインの展望

自然派ワインがいよいよワイン界の主流になる! 昨年、夏に自然派ワインのトップを走るフィリップ・パカレの事をLE MONDE ル・モンド紙(フランスで最も権威ある新聞)が掲載した。 « L’HOMME QUI VEUT SAUVER LA VIGNOBLE FRANCAIS » « フランスのブドウ園を救う男 » というタイトルで何と一紙面・全ページを使って取り上げた。 世界の政治経済を語る権威と信頼のあるル・モンド紙がである。パカレ氏について1ページを割いたのである。 何故、無名のフィリップ・パカレなのか? フィリップ・パカレはワイン造りにおける葡萄木の概念を今までと全く違う発想と捉え方でもっている。彼の葡萄木に対する考え方は、今、普通に行われているワイン造りを根幹から覆すのではないだろうか?と投げかけているのである。ひょっとしたらワイン造りの最も重要なことであり、多くのことを変えられるのではないだろうか? ル・モンド紙が今のフランス葡萄園や葡萄木の現状・実態についてのパカレ氏の持論をここに紹介している。ここで何故?フィリップ・パカレなのか?何故、シャトー・ムートン・ロッチルドやペトリュスやロマネ・コンティでもなく、 フィリップ・パカレなのか? 非常に大切なところである。今の現実に起きている葡萄園の状況を変えるのは全く違ったアプローチが必要だと判断したからなのだろう。今の一般的な企業経営システムを取り入れている葡萄園経営では何も変わらないだろう。 多くの有名ブランドワイナリーは企業として利益至上主義に化し過ぎた姿になってしまっている。 利益を上げることは決して悪いことではない。むしろ健全といってよい。しかし利益至上主義が過ぎるとワイン造りには問題が出てくる。 第一にワイン造りは地球の一部である畑を使うということ。 企業化し過ぎた体質のワイナリーにとって、畑は利益を作り出す工場である。経費削減と効率化を追及した結果が、農薬や化学物質の多用を招き、地球の一部である葡萄園を痛めてしまう状況を造り上げてしまった。 第二にワインはまず人間の体内に入るものであること。 企業経営として、外面的な美味しさを毎年安定して造り続けなければならないことが至上命令となる。天候不順な年も絶対に失敗は許されない。栽培上も必要とあれば許される範囲で最大限に化学農薬を使うことを辞さない体質。そして栽培上の欠点を補う為に、ワイン醸造中に葡萄以外の化学物質を添加して味覚を整えてしまう体質も含んでいる。 勿論、農薬も添加物もワイン法で許されている範囲内ではあるが、本来やらなくても済む自然破壊に繋がっている。また人体への悪影響も出てきている現状がある。たかが一企業の利益追求の為に地球の自然や人間に悪影響を与えるようなことは避けた方が良いに決まっている。これはワインの世界に限らずすべての分野で云えることである。本来のあるべき健全な姿に戻すように指摘すべきことである。 しかし、ワイン業界のオピニョン・リーダー達にはその自助清浄能力はない。 何故なら、業界紙も業界人もどちらかといえば、業界の利益追求企業と何等かのかたちで繋がっているからである。 今回、ワイン造りの葡萄園・葡萄木について一般高級紙の権威であるLE MONDEル・モンドが取り上げたことに大きな意義がある。 LE MONDEル・モンド紙は自然派ワインの象徴とも云えるフィリップ・パカレを取り上げて、教養ある一般人にワイン造りの原点である葡萄の根幹の内容について記事にしたことは非常に貴重なことである。この根幹な部分から自然派ワインのすべての理論が構築されているからである。そして、何よりLE MONDE ル・モンド紙の一流記者達が自然派ワインを認知しているということが凄いことである。ワイン専門記者、ソムリエなどのワイン業界のプロももっと現実をしっかり見つめてほしいものである。有名好きのアメリカでは、このル・モンドの記事を大々的に取り上げて既にフィリップ・パカレがヒートしている。 2014年も自然派ワインの躍進傾向が続くだろう! 昨年13年を境に次元の違う世界に突入した自然派ワインの世界。この一年の自然派ワインの広がりは凄まじいものがあった。益々自然派ワインの醸造元が増え続けている。世界中に自然派ワインのファンが増え続けている。 今まで自然派を支えてきたのは外国だった。しかし、近年特に13年はフランス国内での浸透が着実に進展した。 自然派ワインという区切りが無くなるほど一般ワインの中に溶け込んできた。一般の人達が単に美味しいワインとして評価し、日常的に自然派ワインを楽しんでいるといった状況になりつつある。 この自然派ワインの躍進の傾向は2014年も更に拍車がかかっていくことになるだろう。 この傾向の理由の一つに、自然派醸造家達が各地方で実施している自然派ワイン見本市、祭典の影響が大きい。小規模の見本市を数えればほぼ毎月のごとく、フランスのどこかで行われている。 この祭典は業界人向けのみでなく、地元の一般消費者の人達も対象になっており、多くの一般人が自然派の美味しさに目覚めたと、云うことになる。プロの世界でも、ワイン屋で自然派を一本も品揃えしていないところは,殆どないと云ってよい。また、ソムリエの世界でももう自然派ワインを無視して通り過ぎることができなくなった。自分達よりお客さんの方が現実のワイン事情に詳しいことが多くなってきた。現場の近くに住む一般人は、どちらが本物で、何故美味しいか、がわかりやすい。 この自然派ワイン躍進の原動力になったフランス各地に点在する地方組織の草の根啓蒙活動は本当に素晴らしかった。 それぞれの地方の醸造家間の人間的繋がりも実にまとまっている。 それではこの機にフランス各地で開催されている自然派ワインの祭典、試飲会、見本市のいくつかをレポートしよう。 FESTIVAL VIN NATURE フェスティバル・ヴァン・ナチュール ラングドック、ルシオン地方 夏一番の初夏、6月に行われる。毎年、主催者が選出され、その醸造家の近所で行われる。ラングドック、ルシオン地方の自然派醸造家30社程が集まってくる。朝から晩までテースティングと昼食を共にしながら、音楽バンドも入って一緒に踊ったり、語り合いながらひと時を自然派ワインとともに楽しむスタイルの祭だ。南フランス地元の自然派ワイン愛好家が家族や友人たちと一日中楽しむフェスティバルだ。 この南フランスの自然派ワイングループを積極的にまとめているのはこの人、ル・トン・ド・スリーズLE TEMPS DE CERISE醸造のアクセル・プリファーだ。 途轍もなく美味しい南仏自然派ワインを醸すアクセルは、穏やかな性格と柔らかな人当たりの人物。人が彼の元に集まってくる。南仏自然派の中心的人物の一人だ。 13年は、レーモン・ルコック氏が幹事となって南仏で最も美しい村の一つ、ロック・ブランで行われた。 レーモンは地元醸造家・ジャン・ジャックと組んで美味しい南仏自然派ワインLOU CARIGNANル・カリニャンを造っている。 […]