8
Nov

23年CAMBONカンボン醸造に若きエネルギーの新風アレキサンドルが中心に!

自然派の源水である故マルセル・ラピエールが再生させた由緒あるCH-CAMBONシャトー・カンボン醸造が大進化中! あのマルセルが幼馴染のシャモナールとマリーと共に名門シャトー・カンボンを再生させた。 数年前よりシャモナールとマリーは次世代のカンボンを引き継いでくれる若い力をさがしていた。 素晴らしい若きアレキサンドルAlexandreが手を挙げた。 昨年よりカンボンにて、引継ぎ作業を実行していた。 今年、2023年よりこのアレキサンドルが本格的に中心になって収穫、醸造が行われている。 もちろん、マリーもシャモナールも付きっ切りで指導と援助をおしまない。 マルセルが再生させた名門カンボン醸造を次世代に引き継ぐ作業が行われている。 昨年より、アレキサンドルは醸造上に若きアイデアを生かしてワインを進化させている。 2023年の収穫は進化したエネルギーを感じさせるものだった。 今年はボジョレには4回も雹が襲い、40度を超す猛暑が襲った。 でも、アレキサンドルはラッキーな人だ。 カンボンの畑は完璧に守られていた。生産量も満足のいく葡萄が収穫できた。 今年の収穫中の猛暑も凄まじかった。 ボジョレでは収穫中に2人の収穫人が暑さのために亡くなった。 アレキサンドルは収穫人を保護するため、収穫は午前中だけ行い、午後は収穫人を休ませた。 この決断が収穫人のアレキサンドルへの信頼を確かなものへとしたのだ。 収穫の雰囲気が明かるくなり、皆がイキイキと笑顔で収穫する、素晴らしい空気が生成された。 収穫がいい雰囲気と適正な規律の中で行われるのは、大変重要なことなのでる。 収穫がストレスだらけの雰囲気の中で行われたら、収穫人は必要な選果作業もいい加減になってしまうだろう。 一年間の畑仕事で育った健全な葡萄だけが発酵槽に入る厳格さが欠けてしまう。 いい加減な収穫作業からは、絶対に美味しいワインはできない。テロワールの力を発揮できない。 収穫とは、葡萄たちがこれから、我々人間のために、エネルギーを与えてくれる飲み物に変身する門出なのである。 和やかでかつ規律のある雰囲気で収穫された方が、健全な葡萄が収穫されやすく、美味しいワインになるに決まっている。 収穫中の中休みは、収穫人にとって超重要! スクワットのような動作を数百回も重ねながら収穫するから、足腰の疲れも限界に達する。 休み中の軽食や水補給も重要。 アレキサンドルは、昨年、アレキサンドルの案で造った泡、微発砲ワインを収穫人にふるまった。皆大喜びだった。 葡萄ジュースのように爽やかで、汗をかいた時などは最高だ。   今年のCAMBON NOUVEAUカンボン・ヌーヴォーは? アレクサンドルはマルセル・ラピエールが造り上げた飛びっきり美味しい自然なボジョレ・ヌーヴォのスタイルを忠実に再現させている。 カンボンの畑の中でも、最も果実味と酸が残る区画を選んで、今年の猛暑の中で、何と12度をやや下回る軽快で葡萄ジュースのようなスタイルを完成させた。 まさにマルセル・ヌーヴォーと云ってもいい典型的なスタイルに仕上がった。 自然派ワイン・ボジョレ・ヌーヴォの原点である。 歓喜と規律をもって収穫された葡萄達が、我々を喜ばせるために、ワインに変身してくれた! 造った本人、アレキサンドルも思わず笑顔になってしまうヌーヴォーが完成!!

8
Nov

フランスの収穫文化の神髄を貫くラフォーレ・ファミリーのワイン造り

ラフォーレ醸造では、ワイン造りにおいて、収穫は最も重要な要素ととらえている。 ワイン造りは一人ではできないもの。 栽培から収穫、醸造と、どの時期も色んな人が携わって出来上がるもの。 ヨーロッパは狩猟民族のDNAが流れている。だから基本的に徹底した個人主義の思想が中心になっている。 しかし、ワイン造りだけは、典型的な農耕民族の文化でないとできない。 個人主義と集団主義の接点というか調和がワインを造り上げている。 ラフォ-―レ醸造では、約30名の収穫人が毎年フランス中からやって来る。 年齢、男女、経験も程よくバランスがとられている、 20代から70代までばらけている。ここでの収穫経験者も30%は毎年確保している。中には60年間もここでの収穫に参加しているメンバーもいる。 そして、最も大切なのは、男女の割合も半々になっていることも大切だとのこと。 このバランスは偶然にはできない。 マルティーヌが中心になって半年前から、収穫人の選択に取り掛かっている。 (直前になって収穫人を集めているとは、訳が違う。一事が万事!この計画性、キメの細かさがワイン造りには大切) ここの収穫期のこの雰囲気、楽しさ、ビシっとした規律、その中に流れるフランス的なソフトな気心の交流、絶妙なチームワーク、皆でいいワインを造ろう、というスピリッツがいきわたっている。 フランスの国技スポーツであるラグビーのチームワークが、ここラフォレ醸造の収穫には感じられる。 働く時は厳しく規律をもって働き、食事の前は蔵の一角にあるバーでアペリティフをやりながら収穫人同士の交流、会話を楽しむ。そして、皆で昼食、夕食のひと時を過ごす、これがまさに典型的な収穫文化なのである。 しかも、老若男女がバランスよく交じっていて、いわゆる大家族での生活が2週間続くのである。 こんな絵に描いたような伝統収穫をやる醸造元が、かなり減ってきているのが現実なのである。 美味しいワインを造るには、このチームワークの精神が最も大切なことの一つである。 この収穫の準備、人集め、食事調理、収穫人の生活に必要なコト(洗濯)モノ(寝具)、などの調達、管理部門を支えているのは、いつも元気な皆のお母さんマルティーニだ。 2週間の朝、昼、夕食、しかも前菜、メ―イン、デザート、フロマージとフルコースが出てくる。 膨大な仕事である。 ベスト・チームワークで造るラフォレのワインはただ美味しいだけではない。 言葉では表せない最も重要な暖かいエネルギーが詰まっている。 ラフォレ・ヌーヴォ2023は凄い! 40度という猛暑の日が続いた夏、西日が当たる葡萄の水分は極端に少なくなっていた。 でも乾燥していたお陰で病気や腐敗は殆どなかった。 今年は葡萄房の量が多かったので、厳しく選果しながらいい葡萄のみを収穫しすることが可能だった。 最も早く熟す平均樹齢30歳の区画の葡萄をヌーヴォー用に採用。 あまり濃縮過ぎないようにマセラッションは5日間と短めにした。 暑かったので、酸が欠けるのではと心配していたけど、キッチリ酸ものっているいるので安心した。 ラフォーレ・ヌーヴォーは、Brouilleブルイの畑からで、いつも力強さのあるスタイルのヌーヴォーを造っている。 今年は、1982年の世紀のヌーヴォと云われたレベルに負けないスタイルではないかと思う。 ラフォーレ・ファミリーのエネルギーが凝縮したヌーヴォーを楽しんでください。!!  

2
Nov

“プランタン”が世界で最も美味しく飲める店 ルペール・ド・カルトッシュ

Paris 3区の貴重な店!伝統のフレンチが食べられる店、Repaire de Cartoucheルペール・ド・カルトッシュにやって来た。 突然、ザ・フレンチの技から生まれる料理が、無性に食べたくなった。 そんなことを思いながら地下鉄に乗っていて、車両がその店がある駅に止まった瞬間に、“ここだ”とひらめいてホームに飛び降りてしまった。 時々、こんな感じになる時がある。 私が、ここに来たら、黙ってこのボトルが開けられて出てくる。 ダール・エ・リボDARD ET RIBOのC’est le Printempsセ・ル・プランタン“春だ!”というワインだ! 22年産はあまり飲む機会がなかったのでちょうどよかった。 昼というのに、ロドルフ・シェフの料理を、こよなく愛している人達が入れ替わりでどんどんやって来る。 1990年台初期にスイスの三ツ星で料理を担当していた本物中の本物、筋金入りのフレンチ料理だ。 今や、フランスといえども、創作料理的なものが多く、“これぞフレンチ”という店が少なくなってしまった だから、ここは貴重な存在の店となっている。 今日のメニュは珍しいものがあった。 今フランス料理店でスープが飲める店が極端に少ない。 そして、ロドルフがメニューのメーンに魚がでるのは珍しく、鯛があった。 この二つを注文。 ロドルフは料理と料理の合間に、時々テーブルの近くに来て、会話を楽しんでくれる。 ここのファンは、皆このひと時を楽しみにやってくる。 美味しい料理と、根っから明るいロドルフとの会話で元気が出てくる特別な店だ。 それにしても、ダール・エ・リボの“プランタン”22は美味しかった。 日本にもまだ在庫があるのだろうか? 見つけたら、是非、飲んでみてください! お勧めです! 瓶詰めされたオニオン・スープがあったので買って、外に出た。 ホントに、満たされた感じで元気になる店だ。 ありがとう、Merci 、自然に言葉が出てしまう。 最後に、何故、ここで飲むとダール・エ・リボのワインが世界一美味しいか? 自分の店の看板にDard et Riboと書いてしまうほど、ここのワインを愛しているからです。

26
Oct

銀座オザミの小松シェフ・ソムリエとシャブリのTHOMAS PICOを訪問

銀座オザミで最高に“心地よいサーヴィス”をこなし、多くのファンを持っている小松さんが熱望した訪問先の一つがブルゴーニュ・シャブリのトーマ・ピコでした。 PARISシャルルドゴール空港から一挙のブルゴーニュ・シャブリへ直行した。 ここシャブリは、近年、天候不順で収穫量が極度に少ないミレジムが続いていた。 今年2023年は、猛暑もありながらも、結果的に稀にみる高品質で収穫量も満足のいく嬉しいミレジムとなった。 そんなこともありで、最高の笑顔で迎えてくれたトーマ・ピコだった。 OENO CONNEXION社は、トーマがお父さんからドメーヌの一部を引き継いだ2003年の初ビンテージから付き合っている。 トーマが20年間にやってきたシャブリでの奮闘はMAGNIFIQUEマニフィック・素晴らしい!としか言いようのないものでした。 そんなトーマの20年間の奮闘と現在までの地道な活動の一部を小松さんに語りだした。 トーマはドメーヌを引き継いだ当初から、ここシャブリの現実を目の当たりにみて危機を抱いていた。 シャブリという産地は、フランス中のワイン産地の中でも、“シャブリ”という名前だけで黙っていても売れる産地であること。逆をいえば、何も努力しなくても売れてしまう産地といえる。 つまり、ここには、お金儲けだけを目的にブルゴーニュの大手有名なネゴシアン(ワイン商)が参入していて、畑には除草剤、化学肥料など化学物質が大量に使われていて、しかもグランクリュの畑さえも、微生物が皆無で砂漠のような無機質なものに近くなっていて、本来の“シャブリ”と云われるスーッと伸びてくるミネラルが感じられないワインが殆どという現実になっていた。 トーマが2003年より、やってきたことは、ここの本来の“シャブリ”のあのミネラル感を取りもどして、更により進化させて“深味”のある、まだ他の誰もがやっていないシャブリ・テロワールの真価を表現することに的を絞って努力してきたのだった。。 オザミの小松さんは、トーマの奮闘してきた過程ながら、彼が造るシャブリに、他にはない特別な魅力を感じとっていた。 その訳を知りたくて、今回の訪問となった。 トーマは、ここシャブリの特殊なテロワールからブルゴーニュのどこにも比較できない偉大なシャルドネが表現できると確信していた。 2003 年に、お父さんから引き継ぐと同時にトーマはドメーヌ、PATTES LOUP パット・ルを設立した。 最初は、ほんの一部の畑だけを引き継いで、完璧なまでのビオ栽培を開始した。 完璧主義者のトーマは少しづつお父さんの畑を引き継いで、畑をコツコツと着実に整備していった。 20年間の時を経て、今では16ヘクタールの畑になっている。 勿論、すべて人的作業による完璧なビオ栽培を実施している。 トーマは知っている。シャブリの現実は、グランクリュの畑でも機械を使った栽培、収穫がなされていることを嘆いている。 トーマは、すべて人的な畑作業員を実現したかった。 16ヘクタールとうい面積には、贅沢ともいえる12人の畑作業員を確保して、丹念にビオ栽培を実施している。 この規模で12人の作業員とは、かなりの投資ともいえる。 そして、収穫もトーマにとっては超大切なこと。 葡萄の熟度の最高のバランスと時に、一挙に収穫したいトーマは、何と60人もの収穫人を一挙に投入して最良の熟度で収穫することを心がけている。 そんなトーマの話を聞きながら小松さんは、自分がトーマのシャブリに感じてきたことを納得していた。 また、収穫した葡萄をゆっくりとプレスしたあとは、プレスジュースを発酵槽に入れる作業も、ジュースに圧力がかかると繊細さが欠ける危険性もあるので、ポンプを一切使わないように醸造所を改良して重力で発酵槽に入れるようにした。 そして、白ワインの醸造には、特に醸造所のクリーンな清潔さが重要と考えているので、醸造所内はいつもピカピカなクリーンな状態を維持している。 アルコール発酵はクリーンなステンレス・タンクや卵型のコンクリート槽を使用している。 熟成に関しては、1級畑の場合は600mlのドミ・ミュイと呼ばれる中型樽やフードルと呼ばれている大型樽でゆっくり熟成させることにしている。最低でも2年熟成、試飲結果次第では3年熟成しているものもある。 . トーマは、ここシャブリのテロワールであるキメリッジャン系石灰質土壌のワインの本質が表にでるのは,最低でも2年の熟成が必要と考えている。 トーマにとって、これは実に大切なことである。 資金繰りの状況で、なかなか実現できなかったことだけど、20年の歳月を経てやっと2年、3年と熟成させることが可能となった。自分が試飲して今だ、と思う時に瓶詰めして、飲み頃となった時に出荷できるようになった。 小松さんは、最近のトーマのワインの進化、その美味しさの理由が解明されて、納得としたと同時に敬意を持った。 こんな訳で、今、世に出ているトーマ・ピコのシャブリは、キメリッジャン石灰質の独特の本来のミネラルが表現されているのである。 それでもトーマの悩みは、あまりにも多くのいい加減な造りのシャブリが世に氾濫しているので、世界中からシャブリと聞いただけで拒否される時代が到来するのではと危惧している。 本物シャブリのテロワールを飲んでみたいと思ったら、まずPattes Loup パット・ルー醸造のトーマ・ピコのCHABLISをまず飲んでみてください! これが本物シャブリです。 銀座オザミには、この辺の事情をすべて体感して、このトーマ・ピコの本物シャブリをリストに載せている小松さんがいる。 このトーマ・ピコのシャブリを、日本で最高に美味しくい飲ませてくれるのは、銀座オザミ店の小松さんです。 BY ITO, ENZO

22
Août

ボジョレ自然派の源流を継ぐクリストフ・パカレ23年は豊かな実り?

クリストフ・パカレ訪問。 今年のボジョレーは豊作となりそうだ。 今までにクリストフも見た事の無いほどのぶどうが実をつけている。現状病気の脅威もほとんどない。 収穫は9/4頃からの予定。 この後の好天を祈るだけだが、2023年は収穫量、品質ともに素晴らしいミレジムになりそうだ。 ご期待ください!

16
Août

マレ地区で大人気のビストロ、Parcelles/パーセルへ

コロナ禍真っただ中にオープンしたマレ地区にあるこのビストロは、あっという間に人気店に! バカンスシーズンの始めの7月某日、直前にキャンセルが出たとこのことで、奇跡的に当日の予約で行くことができました。 パリらしいタイル張りの床に落ち着いたゴールドの天井。クラシックさとモダンさが織り交ざっています。心地のよいサービスと空間はいつ来ても変わりません。 お料理はもちろんのこと、なんといっても素晴らしいワインのセレクション。食べ物のメニューより分厚いワインメニューに、ワインファンもきっと満足できるでしょう。   オンラインでも予約ができるので(日本語サイトあり!)、日本から出張や旅行で来る際ぜひ訪れてみてください。ちなみに8月21日のディナーまでバカンス中なのでご注意を!  

11
Août

自然の声を聴き、信頼し、溶け込む男 Franz Strohmeier/フランツ・シュトロマイヤー

自然の声を聞き、自然を信頼し、自然に溶け込む男、オーストリアのフランツ・シュトロマイヤーの物腰はとても柔らかい。 フランツのぶどう栽培は自然との会話から始まる。 冬の間にぶどう畑に入り、今までのぶどうの生育を振返り、そしてこれからの生育をイメージする。それはぶどう木とのコミニケーションであり、お互いのポジティブな波動を共鳴させる。 ぶどうが健全な波動を出していれば、そこの中で働く人間の波動も、出来上がるワインの波動も良くなる。もちろん飲み手にも良い波動を与えてくれる。 人間の驕り、怒り、恐れ、とまどいなどの悪い波動もぶどうに影響を与える。いつでも自分自身が常にポジティブな波動を出さなくていけない。     彼の話はまるで禅の説教を聞いているような感覚になる。もちろん、そんなフランツの造り出すワインは謙虚で優しく、身体にも精神にも溶け込んでいく液体となる。ワインの奥深さを改めて感じさせてくれた訪問となった。

11
Août

畑に多様な植物と動物、昆虫、微生物が共生するエコシステム Suman/シュマン

スロヴェニア生産者訪問。そこには自然を敬い、自然と共生する生産者達がいた。 たかがワイン造り、ただのビオ、ビオディナミ栽培ではなく、ぶどう栽培を通じて自然界と繋がり、その自然が与えてくれる恩恵を我々に分け与えてくれる生産者達の想いは深い。   シュマンのぶどう畑は多様な果実の樹に囲まれ、羊、鶏が放たれ、蜜蜂が飛び回る。ぶどう畑にも多様な植物が存在し、ぶどう畑の中ですべてが循環するエコシステムを作りあげている。 すべては土壌にあるという。アルファベットが欠けていると表現できないように、土壌にもアルファベットのようにすべての要素がそろわないと、その土壌を100%表現することはできないという。 ビオディナミは一回の人生では理解できないほど深いものだとも話す。 病害や害虫に対しても、直接対処を一切せずに、ぶどうの耐性を上げ、自然の摂理の中で健全なぶどうを採れるように対処する。 蜜蜂の重要性も語る。蜜蜂の存在により、受粉だけでなく、蜜蜂の持つ毒がぶどうを病害から守る「自然の抗生物質」となり、養蜂箱のロイヤルゼリーやプロポリスなどもぶどう畑に噴霧することでぶどうの耐性をさらに高くする。 調合剤に関しても、多様な自然界の物質を使用し、古いカーヴのパワースポットに保管してあり、電磁波を避けるため携帯などの持ち込みは禁止。ここまで深くビオディナミ栽培に取り組んでいる生産者は今まで見たことない。その志は高く計り知れない。 シュマンといえば、マセラシオンをしたいわゆるオレンジワインだが、それは流行りでもなんでもなく、ぶどうの持っているすべてのもの、ぶどうが土壌から吸収したすべてのものを抽出する時間がマセレーションの時間。 シュマンのワインの中には、この場所の太陽、水、風、土の小宇宙が入っている。

20
Juil

久しぶりのCoinstot vinoコワンスト・ヴィノ!

やっぱりここは心地よい! こんなに適度のスペースがあってゆったりと飲めるところは少ない。 パリにはパッション溢れるビストロが多いけど、チョット狭くて、真夏にはチョット暑苦しくなる。 . 今夜は、CPV銀座オフィスの竹下君が来仏中で、オーストリア、スロベニア、イタリー、フランスの蔵を歴訪してパリに戻ってきたところ、パリ・スタッフと食事会にCoinstovinotコワンスト・ヴィノへやって来た。 . 相変わらず、ワインセレクションがいい! 7本ほど飲んだけど、今夜の感動ワインはこのワインだ。 左から、ラングロールの新タヴェルJardin d’Orfeuilジャルダン・ドルフイユ。 これはすごい! の一言! ラングロール一家の渾身の一本。(現在、日本に向う船の中) EricエリックとThibautチボー、Jolisジョリスの3人の積み重ねた技・エネルギーを上品に繊細に表現されている。 そして、L’AngloreラングロールのEricエリックの親友Jean-Francoisジャン・フランソワのFoullards Rouges フラール・ルージュのGlaneursグラヌールを開けた。 ラングロールを飲んだら、これを飲まない訳にはいかない。 もうルシオンのレジェンド・ワインと云っててもいい風格を備えている。 ウーン、パリでこんな風に飲めるとは、なんと幸せなことだ。 そして、南ローヌのFerme Saint-Martinフェルム・サン・マルタンのTerres Jaunsテール・ジョンヌをあけた。 これまた、若き醸造家のThomasトーマが醸す飛びっ切りのワインに酔いしれた。 この蔵のワインは、濃い目のワインが多いけど、このテール・ジョンヌはセミMcで軽いマセラッションで繊細なスタイル。 ブラヴォー!トーマ。 レジェンド級ワインのあとに飲んでも、素晴らしいトーマの優しい個性が素晴らしかった。 この3本は、ホントに美味しかった。 心地よい場所で、心地よい料理と、ワイン好きのメンバーと飲むひと時は最高だ。

12
Mai

フランス産の原木カベルネ・ソーヴィニヨン、フラン、メルローなど貴重な葡萄木を守る戦い

150歳以上を経過している葡萄木達を生存させる為に、ローランスとパスカルは一つ一つの葡萄木とまるで会話をしながら、それぞれの弱っている部分の対応を駆使している。 マルコタージという手法で葡萄木の横に子供のような存在の葡萄木を再生させている箇所が多い。 枝を一旦地中に潜らせて、その潜った枝がもう一つの別の葡萄木のように芽が出てきて葡萄が育つ方法。 世の中には、効率や利益だけを追う生き方をしない人達がずっと存在していて、世に大切なものを守るような生き方をする人達がいるものです。 これを考えただけでも感動してしまう。 とは云っても、醸造元の経営は大切。 ローランスとパスカルは4,5ヘクタールほど、オー・メドック、マルゴーとブライユにビオの畑を栽培・管理していて、いくつかのキュヴェを造っている。 Gisele ジーゼル  ソーヴィニョンとセミヨンで醸したボルドー・ブランも爽やかでとびっきり美味しい Virevolte ヴィールヴォルト ブライユ地区で栽培したメルロー100%、アルコール度数11%と、軽快で果実味が心地よい。 LUQUET リュケット  カベルネソーヴィニヨン100%のオー・メドック アルコール度数が11.5度とカベルネソーヴィニヨンでエレガントさを表現。

9
Mai

150歳を超えるフィロキセラを乗り越えた葡萄の木がオ-・メドックMARGAUXの隣村に存在

1855年にボルドー・グラン・クリュ・クラッセが制定されました。 この写真に写っている葡萄の木たちは、それと同時期に植えられたものばかりです。 すごいことだと思いませんか? . 私はこの葡萄園に立った時、体が震えるほど感動しました。 . ワインを勉強した方は、皆記憶に残っていると思いますが、1800年代中盤から後半にかけて、ヨーロッパにある葡萄の木がほぼ全滅した時期があります。 それは、あの根っこをダメにしてしまうフィロキセラという害虫が原因だったのです。 . それ以降アメリカの葡萄の木を台木にして、フランスの葡萄の木を接木し現在に至っているのです。 . これだけまとまった面積の純フランス産の葡萄の木が生き残っている葡萄園は他には存在しません。 奇跡的にフィロキセラが活動できない何かが、このテロワールにはあるのでしょう。 . もう感動、感動です。 思わず葡萄の木たちに触りながら話かけてしまいました。 「やあ、本当によく頑張っていますね! ありがとう!」 . しかもここは金融資本的ワイン・ビジネスの世界のオー・メドック。そのど真ん中で生き残っているとはすごいことです。 この畑の周りには、シャトー・マルゴーをはじめ、ボルドー・グランクリュ・クラッセの畑がずらりと並んでいます。 . 2009年にこの畑を初めて見た瞬間、ワインの醸造元を設立することを決意した二人の女性がいます。 CLOSERIES DES MOUSSISクローズリー・デ・ムシー醸造のLaurence et Pascale ローランスとパスカルさんです。 尊敬すべき素晴らしい二人です。 14年間この奇跡的な葡萄園をビオ栽培で育て、馬を使い丹念に丹念に畑の世話をしています。 1ha当たり、たったの10hlしか収穫できません(ボルドー・グラン・クリュの30%以下)。 品種構成については、150年前のフランスでは混植だらけだったのです。 そのためこの葡萄園には11種類の葡萄品種が植えられています(専門家が調査をし、各品種を調べたそうです)。 とても採算の合うような仕事ではありませんが、凄まじいPASSIONと使命感をもってワイン造りをしています。 もちろん、自然な造り方です。 手で収穫して、除梗して、破砕はしません。健全な葡萄粒だけを発酵槽へ入れて、この葡萄園で育った自生酵母のみで発酵しています。醸し期間は3週間ほどですが、アンフージョンのようなやさしい抽出のやり方で醸造しています。 瓶詰めまでSO2は添加しません。 必要があればごく少量だけ、瓶詰め時に使用します。 . ☆BARAGANE バラガンヌ 奇跡のテロワールのワイン! グラン・クリュ・クラッセ制定とほぼ同時期に植えられたフランス産原木の葡萄の木。しかも当時はまだ現在のような醸造テクニックが存在していなかった時代、すべて自然派ワインだった時代。 だから本当のメドックの原点ワインとは、こんな感じではなかっただろうか!? この二人にこれからも頑張ってもらいたい気持ちでいっぱいです。 最近になって、フィロキセラがこの畑でも見られるようになってきたようです。 ちょっと危険な状況になってきました。 メドックの原点であり、フランスの原点。なんとか頑張ってほしいものです。 CLOSERIES DES MOUSSISクローズリー・デ・ムシー醸造! Laurence et Pascale […]

4
Mai

ボルドー右岸の“Cassini”カッシーニにて 日曜の昼を共に

飛び切り美味しいナチュール・ワイン。CASSINIカッシーニを造るアルノー・イザベル・カッシニー夫妻。 この二人には、まるで映画のシナリオのような特別な愛の歴史がある。 この二人は、幼馴染でもありお互いに初恋の相手だった。とくに青春時代に熱い熱い恋愛の仲だった。 でも、若い時によくあるちょっとしたすれ違いにより、それぞれの人生を歩むことになった。 そして、数十年後、二人は田舎街の小さなリブルヌ駅で奇跡的な再会をした。 イザベルは、全く違う街に住んでいて、この日だけ所要があってリボルヌの街にきて帰る為にリボルヌ駅にいた。 アルノーも所要があって偶然にもリブルヌ駅に寄っただけだった。 その時、二人とも、それぞれの伴侶と別れてフリーだった。 こんな再会が、二人の心の中に、若き頃の熱い感情がよみがえるのは当然だった。 赤い糸が動き出して、二人とも運命のようなものを心の奥で感じたのに違いない。 それ以来、二人はもう離れることができない仲になっていた。 そして、その二人が若い頃に住んでいたリボルヌの街、そして再会したこの駅の近所に居を構えて、二人でワインを造ることを決意した。 そんな愛情あふれる二人が造ったがナチュール・ワインが “Cassini”! さて、私達は日曜市場から買い物をして奥さんのイザベルが待つアルノー宅に戻る。 買ってきた食材を、キッチンで皆で飲みながら皆で調理した。結局、それがテースティングも兼ねていた。 私は、カキを開けるのが得意なので担当した。 カキには、CHARBONNAYシャルボネを合わせた。アルノーが数年前より北フランスのリールの街の近郊にある元炭鉱の山に植えたシャルドネ、ソーヴィニョンで造ったワインだ。温暖化の中、数人の友人達と始めた北フランス・プロジェクトのワインだった。 大西洋のカキとの相性はまあまあだった。北フランスなので酸もあってフレッシュ感もあり、飲みやすかった。 折角なので、アルノーの近況の葡萄園状況やボルドーワインの全般のことなど、レクチャーをした。 あとは楽しい食事会になった。 あまりにも楽しくて、食べ物のプレーの写真を撮るのを忘れてしまいました。 市場で仕入れたアスパラと、イザベルが湯がいてくれた半熟卵と赤ワインのマリアージがとても美味しかった。 これには、LA BELLE HISTOIREラ・ベル・イストワールをあけた。 メルローを、自生酵母でSO2を使わずに、やさしいカモシ方法で、果実味が全面にあって柔らかく飲みやすいスタイルのワインだった。 アルノーは自転車で葡萄園まで行って、庭の世話をするように丹念に畑仕事をして葡萄を育てている。 小さな小さな葡萄園を、ホントにまるで庭士のような仕事をしている。そして、育った葡萄を、自生酵母で、SO2を使用せずに愛情たっぷりで醸したワインがカッシニーだ。 右岸ですのでメルローが主体となっています。 あまり濃縮させることなく、果実味を中心にして、ビュバビリテー(飲みやすさ)を重要視した造りをしている。 BORDEAUX ボルドー とST-EMILLIONサンテミリオンの二種類のキューヴェがある。 どちらも、アルノーの人柄がそのままワインになったように、やさしいスタイルである。 今日は、若手スタッフのVICTORヴィクトールと二人でお世話になりました。 あまりにも、ホワッと暖かい空気が流れていて、居心地よくてあっという間に時間が過ぎてしまった。 楽しかった日曜日、ありがとう Merci Isabelle et Arnauld ! このやさしいボルドー・ナチュールは、日本ではESPOAグループが輸入している。 (日本での問い合わせはESPOAエスポア社へ) 美味しいよ!!

4
Mai

Cassiniのアルノーとボルドー右岸のLibourneリブルヌの街の日曜市場へ

ボルドー右岸には、サンテミリオン、ポムロルの銘醸産地がある。歴史的にそれらのワインを世界に流す切っ掛けとなった役割を演じたドルドーニュ河の港があった街だ。 今でも、右岸ボルドーの有数のワインネゴアン(ワイン商)の本社がある街でもある。 この街には、宇宙学者のCassiniカッシニー家の子孫であるアルノー・カッシニーが、居を構えてとびっきり美味しいワインを自然な手法で造っている。 日曜日にも関わらず、訪問を受け入れてくれたアルノーと、日曜市場へ出かけた。フランスでは、いたるところで日曜市場が開かれている。日曜市場は、フランスの深い日常文化の一つ。 日曜は、市場に家族や友と出かけて、素材を仕入れて家に持ちかえってゆっくりと昼食を皆で楽しむ。市場に行けば知り合いや、行きつけの店でアペリティフをやりながら、あることないこと話して時を楽しむ。これって、フランス日常文化の深いところ。 当然、陽気なアルノーには、毎日曜日に逢う知り合いが多く、至るところでとめられてアペロになる。買い物がなかなか進まない。 市場に隣接しているワイン屋・ビストロはアルノーの知り合いが居て危険なところ。もうワインを何本もあけてアルノーを待っていた。 市場から新鮮なカキをあけて、ツマミにしていた。 アルノーは醸造所をもっていないので、友人の蔵の一部を借りてワイン造りをしている。その友人と一緒にアペロをしながら、今後のワイン造りの話をしていて、面白い話になった。彼も、今年から自然な造りに挑戦するとのことになった。楽しみだ。 もう一人、若手のフレドにあった。今は地ビールを造って、この市場で試飲販売していた人だ。フレドもアルノーのワインのファンでもあり、近年中に自然派ワインを造ると豪語していた。ボルドーもホントに変化の時期に来ているな、と感じる。 アルノーと歩いていると実に楽しい。Libourne リブルヌの街の日曜市場を満喫した。

1
Mai

モトックス社のスタッフがPOUPILLEへ

プピーユを日本へ輸入してもう何年もたっているけど、毎年、醸造現場を訪問して情報収集するモトックス社。 ネットでも、メールでも豊富な情報が入手できるけど、やっぱり現場に来ないとホントに大切なことは見えてこない。 畑の微妙な変化、近年の天候事情によって明らかに葡萄木の状態が違ったり、フィリップの考え方の進化で栽培方法も微妙に変化している。実際に来て自分の目でみて、質問して確認する作業は超大切。 この中には、もう10回以上訪問しているメンバーもいる。 蔵元の家族と触れ合って、子供達の成長によってフィリップの思考も、生き方も微妙に変化していく。 醸造所もまた新設した部分もあり、発酵槽も新しくなった、樽塾の場所も変化したり、垂直式圧搾機も新たに増やしている。 フィリップは常により良い品質を追求しながら、ベストを狙って進化している。 このレベルからの進化は、小さなコトの積み重ねが、少しずつフィネス、上品さへの進化に繋がっていく。 こんな小さな積み重ねの一つ一つは、実際に現場にこないと気付かないことが多い。 特に、フィリップは熟成のやり方、期間の長さを大切にしている。特に樽の使い方は天性のセンスがある。 こんな微妙は変化に気づき、即、質問攻めするモトックスメンバーの熱心さは凄いものがある。 フィリップもメンバーの熱心さに、感謝、感動していた。 ☆ボルドーのワインは、テーブルでその威力がわかる。CHEZ POUPILLEにて☆ ボルドーワインは大人のワイン。 造りたてのワインを飲んで、スイスイと体に入っていくスタイルではない。 濃縮感の中にある旨味がジワリとでてくるには、熟成が必要になる。

1
Mai

30年来の付き合いPoupille Atypiqueプピーユ・アティピックを醸すフィリップ

知り合ったのは、フィリップが20歳の時だった。 子供の心を持ちながら、自分の決めたことに突き進むPassionは今も変わらない。 30年前からワインを造らせたら、自分を転写したようなワインを造る。 ボルドーでSO2ゼロのワインを誰よりもはやく造った男だ。 “Atypique アティピック” ボルドースタイルのワインを理解するには、時間と文化が必要。 最近の若いワイン愛好家の皆さんは、造りたてで直ぐスイスイ入っていくワインを求めている人が多い。 ボルドーワインには、チョット時間的なものと、テーブルで飲まれる食との融合を考慮する“ゆとり”のようなものがあると評価しやすくなる。 Atypique アティピック、この濃縮感の奥にある透明なテロワールを感じさせてくれる美味しさに、感動させられる。。 これがボルドーのワインなのだ。ウーン、やっぱりボルドーだ! 特に、このAtypique アティピックはSO2ゼロゼロで醸造されている。 常に完璧を求めるフィップは、細心の注意力でこのワインを醸している。 ホントに完璧な葡萄を収穫した年しか造っていない。 何故?  自然な造りだからと云って、“欠点”のあるワインを絶対に許さないからである。 Atypique アティピック、なんて美味しいんだろう。 ボルドーでワインを始めた私の根底には、やっぱりこのボルドーが流れている。 フィリップは、カスティヨンでも早くビオ栽培に転換して、カスティヨンのエリアをすべてBIOにするために運動している。 プピーユの葡萄木は、サンテミリヨンから続いている同様な石灰質土壌の地中深くに根が入り込んでいる。 微生物がイキイキしている土壌は素晴らしい。 やっぱり、美味しいワインは、畑、土壌が命です。 ボルドーの本物ナチュール“Poupille Atypique プピーユ・アティピック”美味しいですよ! まだ、日本にも在庫が僅かにあるようです。 (Poupilleのワイン、日本での問い合わせはモトックス社です。)

21
Oct

平日から大盛況! パリのバー、カフェ・ドゥ・コワン

Café du coin, 9 Rue Camille Desmoulins, 75011 Paris パリの11区にあるナチュラルワインが飲めるCafé du coin。パリの中でとくにナチュラルワインが盛り上がっている11区の端にあります。 お店は通りの一番端(coin/コワン)に位置しているので、カフェ・ドゥ・コワン。また、アヒルの鳴き声をフランス語では「coin-coin」ということから、お店のアイコンはアヒルになっています。 行ったのは週の真ん中である水曜日にもかかわらず、店内は満席! いつも地元の人たちで大賑わいです。テラス席も楽しめるので、寒くなる前のこの時期にはぴったり。 店名にカフェとありますが、ここには選び抜かれた豊富なナチュラルワインリストがあります。もちろん小腹を満たしてくれる料理も! シンプルなフレンチスタイルの料理は、季節によって変わるので、いつ行っても旬の食材が楽しめます。誰もが必ず頼むお店の看板メニューであるPizzette(ピゼット)と呼ばれる小さなピザもおすすめ。 – L. D’ANGE 19 (2019) Alexandre Bain 樹齢50年のソーヴィニヨン・ブラン。透明感がありとても上品。大樽で24ヶ月熟成による豊かなアロマは、フローラルさと熟したりんごや桃のような香りと、ハーブのニュアンスを感じられる複雑なアロマ。後味も口のなかに長く広がる。キリッとした酸味と程よい塩味のあるミネラル感のある、とても美しいワイン。 – SM (2021) Partida Creus こちらはスペインのカタルーニャのワイン。平均樹齢70年の三種類のスモイをブレンド。シナモンや胡椒のスパイス感に、赤い果実のフレッシュな酸味が口に広がる。 – Syrah (2021) La Ferme des 7 lunes シラー100%のローヌ地方のワイン。月(lune)の作用を醸造に活用していることが、ドメーヌの名前に由来しています。 ガーネットの色にぴったりなブラックベリーやカシスのような果実味に、胡椒やミントのようなスパイス感も。タンニンも柔らかく、すっきりとした余韻。軽やかな酸味と繊細な味わいのフレッシュなワイン – Franquette! (2021) Mylène Bru ミレーヌ・ブリュは、地中海に面する15区画のとても小さなドメーヌ。シラー100%のこのワインは、ジューシーでフルーティなアロマのある、繊細さを持つワイン。果実味とタンニンがとても美しいバランス。 – Originel (2019) Julien Courtois 最後はクロード・クルトワの息子であるジュリアンのワイン。ロワールにある4.5haの畑からとても美しいワインを造り出す。この美しいラベルは彼の妻が描いたもの。 ドライでミネラル感溢れる。古樽で一年半寝かせているこのワインは、りんごやはちみつのニュアンス、そこにキリッとした酸味が効いている。 Oeno Connexion […]

6
Oct

ワインセレクションがTOPな人気ビストロ、パーセルを再訪問!

3区の大通りから離れた小道に佇む人気のモダンビストロ、パーセルは火曜日の夜から満席。ここは美味しい料理はもちろんのこと、なんといってもワインのリストが素晴らしい。ついたびたび足を運んでしまう、私たちのお気に入りの場所のひとつだ。 パリの古い味のある建築とは対照的に、シンプルで洗練されたインテリア。それに加え経営者であるカップルの温かでチャーミングなサービス。さらには、レストランの向かいには小さなカーヴ兼エピスリーも経営していて、ワインや商品へのこだわりは徹底している。 豊富なワインリストのために、つい選ぶのに時間がかかってしまう。 最初のチョイスは、すっきりと飲めるシュナン。Julien Delrieuジュリアン・デルリュのPont Bourceau 2021ポン・ブルソにした。ロワールのレーヨン側の左岸に位置する斜面上の畑は、シスト土壌。凛としていて、フレッシュな味わいが印象深い。 一皿目のEntréeは全員魚介類をチョイス。 アサリの蒸し煮にハーブオイルで香味付けされたもの、それと鯛のタルタルのレモンソース添え。 これに合わせたのは、Jean Maxジャン・マックスのLe Lièvre Blanc 2020ル・リエヴル・ブラン。 ボジョレーの若手生産者マキシムは29歳という若さにもかかわらず、彼のワインは飛ぶように売れ、現在どこも品薄だ。 彼は醸造学を学んだのち、チリのロベルト・エンリケス氏の下で経験を積む。フランスに戻り、イヴォン・メトラス氏の収穫を手伝い、マコン村の有名なブレット・ブラザーズや、マディランのシャトー・モンテュスなどで多種多様な醸造法を学ぶ。 100%シャルドネ、アロマティックで複雑でありながらもスッキリしているこのワインは、粘土石灰質のミネラル感に加え木樽熟成の深みもある。海の幸とのハーモニーは完璧。 メインには思わずため息がでてしまうほどおいしいピノ・ノワールをふたつセレクト。 ひとつ目は、ブルゴーニュ地方、コート・ド・ニュイ、Berthaut-Gerbetベルト・ジェルベのVosne Romanee Premier Cru、 Les Petits Monts 2019レ・ピティ・モン。 繊細でシルクのような口当たり、赤果実感にふわっとバニラが香るエレガントなワイン。 ふたつ目は、歴史のあるPrièure Rochプリリューレ・ロック醸造、、Ladoixラドア村のLe Cloud 2017ル・クル。純粋なピノ・ノワールの味わいに、赤果実とスパイス感、土っぽいアーシーなニュアンスもある。タンニンは柔らかく、非常にバランスのとれたワインだ。 メインの料理は、豚肉とフォアグラが包まれた贅沢なロールキャベツ、ズズキのバターソース・ほうれん草ピューレ添えなどを選んだ。 メインの料理たちはどれも角が立っていなく、繊細さがワインと良い調和で、それぞれの良さを引き出してくれるようなものだった。 料理の締めくくりは、デザート。フレッシュなイチジクケーキと濃厚なチョコレートタルトには、シャンパンが合う。Ruppert-Leroy、ルペール・ルロワのFosse Grelyフォス・グルリで締めた。 楽しい夜の終わりにふさわしく、程よい酸味と果実感、ミネラルがパーフェクトなバランス。 Pinot Noir 50%、Chardonnay 50%。 素晴らしいセレクション、居心地のいい空間と人々、このようなambiance(雰囲気)で食べる料理とワインは、贅沢で最高な時間だった!

4
Oct

パッサージュの中にある隠れ家ビストロ、コアンスト・ヴィーノ

雨の多い秋のパリ、そんな日は本格的なワインが飲める「コアンスト・ヴィーノ」へ。 パリで最も古いパッサージュであるパッサージュ・デ・パノラマにあるこのワインバーは、特に週末には暖かくにぎやかな雰囲気で大繁盛している。 若くて活気溢れるスタッフと定番でボリュームのあるフランス料理にマッチする素晴らしい自然派ワインのセレクションを揃えている。パッサージュの中にあるので、雨の夜でも広々としたテラスでワインを楽しむことができる。 ミカエル・ブージュ/Mikaël Bouges トゥーレーヌ地方の生産者の彼は、5年間働いた両親のドメーヌの畑を継がないことを決意。2000年にフランス中部のファヴロル・シュル・シェールに移り住み、少しずつこの地域の区画を買っていった。現在8.5haの畑で有機栽培をしている。醸造は土着酵母を使い、できるだけ手を加えないようにしている。 ラ・パント・ド・シャヴィニー 2020年(La pente de Chavigny 2020) 樹齢25年のソーヴィニヨンをタンクで醸造したこのワインは、アペリティフにぴったり。石灰岩に砂利を含んだテロワールから造られたワインは、ストレートで食欲をそそる味。 レ・フラール・ルージュ/Les Foulards rouges ジャン・フランソワ・ニックはルーション地方で偉大な生産者の一人。1989年から2001年にかけて、エステザルグの生産者のもとでデビューした後、彼はコリウール近くのモンテスキュー・デ・ザルベールにドメーヌを創設。現在では15haまで拡大し、すべてオーガニックで栽培。醸造は自然な方法で行われ、投入物はなく、畑仕事は微生物の命を尊重している。彼のワインは新鮮さと純粋さの見本と言える。 フリーダ2021(Frida 2021) 樹齢100年のカリニャンとグルナッシュは、このワインに繊細さと力強いアロマを与えている。寝かせたほうがいいワインだが、若いうちは手頃な価格なので、思わず1本開けてしまった! L’Anglore/ラングロール エリック・ピュフェルリングのドメーヌは息子のティボーも加わっており、紹介するまでもないだろう。自然派ワインの先駆者であるエリックは、何よりも自然を愛し、この地域の生物多様性の保護と発展を願っている。農園では機械は使われず、原則手作業。環境に対する敬意と、彼の畑の土壌の力強さが、刺激的でとても複雑で、驚くほどピュアなワインを生み出している。 –タベル2019年(Tavel 2019) タヴェル・ロゼは今まで味わったことのない本物の味わい!グルナッシュ、クレレット、サンソー、カリニャンのブレンドは豊かな風味で、さまざまなアロマのニュアンスが長く感じられるワイン。このワインはまだまだ若いので、10年後くらいにまた試飲できることがいまから楽しみだ。