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カベルネ・フランを名人芸で醸す、YANNICK AMIRAULT ヤニック・アミロ – PART 1
今日は、日本の酒販店グループESPOAが輸入しているロワールのYANNICK AMIRAULT ヤニック・アミロを紹介しよう。 ついでにESPOAグループの活動も同時にご紹介したい。 ESPOAグループでは、毎月13日の日に日本全国のESPOA店, 関連レストランで同じ蔵元のワインを一斉に乾杯しながら飲む、というワイン飲んべ祭りを全国で開催している。 2月はロワールのカベルネ・フランの名手 ヤニック・アミロでした。 カベルネ・フランの名手と云えばロワールに3人存在している。 ソミュール・シャンピニのクロ・ルジャールのナディ・フコ シノンのフィリップ・アリエ そして、このヤニック・アミロである。 90年台からこの3人はミスター・カベルネとして名を覇している。 お互い同士よく付き合っている仲である。 当時は、3人で共同でシャトー・マルゴーの使用樽を購入していた時代があった。 ある時、クロ・ルジャールの蔵に私が訪問した時、この3人がトラックから樽を下ろしていた。 その樽、どうしたの?と聞くと、 『3人でシャトー・マルゴーに引き取りに行ってきたところだ。』と云っていた。 この3人、お互いに良きライバルとして付き合っていたのである。 マルゴーの良質の樽はロワールのカベルネに相性が良いから共同で購入していたのである。 この3人の中で、最も控えめな性格なのが、このヤニック・アミロである。 フィリップ・アリエも控えめだけど、シノンというアペラッションが手助けとなり、今は世界中に有名となっている。 クロ・ルジャールは、あの髭とマリオのような、ミティークな人柄とワイン質で世界のクロ・ルジャールとなっている。 このヤニック・アミロは、畑仕事以外は殆ど興味ない人だ。ジャーナリストが来ても、とっとと畑にいってしまう人。 有名度からすると、2人に距離を置かれた形になっている。 しかし、知る人ぞ知る存在となっている。 カベルネ・フランのファンなら誰でも知っている存在だ。 特に、有名無名にこだわらない本当に美味しい料理を出すレストランには、必ずこのヤニック・アミロが置いてある。 食事とテーブルで合わせるには、どのカベルネ・フランよりも合わせやすいスタイルなのである。 ヤニックのワインは、ワインだけ飲んで判断するジャーナリストには理解しにくいスタイルである。 テーブルの上で飲まれるところにヤニックのスタイルは真骨頂がある。 ヤニックに、趣味は何ですか? と聞いたことがある。 『畑仕事!』 間髪をいれず答えたのが印象的だった。 畑仕事の鬼といえば、エスポアには南ローヌ地方 EAN DAVIDジャン・ダヴィッド がいる。 土壌の人だ!その ジャン・ダヴィッド と比較的しても甲乙をつけがたいレベルの土壌の人である。 葡萄を観察をする時のヤニックの目は違う。 僅かな変化を絶対に見逃さない。 小さな状態の変化から、すべてを悟ってしまう能力を持っている。 いや、その道に、深く深くのめり込んだ人しか分からない感覚的な技である。 これを、理解するのとしないのと、最終的に出来上がる葡萄の品質は天と地ほど違ってくる。 俺の葡萄を見てくれ。自信タップリのヤニック 収穫の時期に、醸造所に行ったことがある。 こんなにも完璧な葡萄ばかりの収穫を私はあまり見たことがない 何をおいても、ワインは原料葡萄の状態が最も重要なのは間違いない。 そこにすべてを賭けているのが、ヤニックだ。 余りにも地味でジャーナリストの目には止まりにくい。 ミスター、カベルネ・フランと呼ばれるにふさわしい人柄である。 数年まえより気候変化・病気に繊細なバラを葡萄園の端に育てている。(ボルドー人もやっている。) 葡萄木より繊細なバラを観察することで、葡萄への対応を素早く対応できる。 勿論、半分は遊び心からのバラ栽培。 […]