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元祖自然派ラピエール家2014歓喜の収穫が完了
完璧な葡萄のみを発酵槽に!大成功! VIN NATURE ヴァン・ナチュル自然ワインの宗家といってもよいラピエール家の収穫が無事に終えた。9月4日に始めて9月25日に終えた。収穫人67人で22日間かかった。 67人を5グループに分けて別々の区画を収穫した。ベテラン組、超プロ集団組、ノーマル組3組,計5チームに分けた。 超プロ集団は10人で30人分のスピードで進んでいく。ベテラン組は選別作業が必要で難しい区画を担当した。 残りは例年の如くのノーマルな4つのグループとなった。これはマチュのアイデアだった。 これには理由がある。 マチュの秘策で災難を無事クリアー 今年は雹が3度、モルゴン村を襲った。ラピエール家の葡萄も逃れことはできなかった。その後にSUZUKIと呼ばれている虫も発生した。この虫は葡萄の皮に穴をあけて、そこから腐敗が始まっていく。 収穫直前の8月後半に入っ て、マチュは葡萄園を観察しながらこの被害に気付いた。区画によっては、あまり待てない状況だった。 やや早めの9月4日に収穫を開始した。モルゴンの畑から始めた。腐敗から守る為だ。超プロ集団とベテラン組のスピードが必要だった。これが成功した。 幸いにも、14年は葡萄房の数は多めの方だった。選別作業(いい葡萄と悪い葡萄を区別したり、一つの葡萄房でも悪い分部だけを切り落とす作業)をかなり厳しくやっても、ある程度の収穫量を確保できた。問題は収穫に時間がかかることだった。22日間という時間がかかったけど結果的に本当に健全な葡萄だけを選んで発酵槽に入れることができた。災難を完璧にクリアーできた。 2014年のラピエール家の事実上の醸造長は長女のカミーユだ! 総監督にマチュ、収穫管理長にマリー マルセルが世を去って4年が過ぎた。自然派ワイン宗家として家族一丸となって前に進んでいる。長男のマチュが醸造責任者になってからの方が繊細さや上品さなどは一段とレベルアップしたと世界のファンよりの評価を得ている。 そのマチュも今年は醸造だけに打ち込む時間が取れなかった。 67人の収穫人の移動と時間プログラムの組み立てと管理も同時に担当しなければならなかった。 毎日、収穫が終わった夕刻に醸造元内にあるテーブルでは、その日の進み具合と次の日のプログラムの組み立ての作戦会議をやった。一年間の仕事の総決算の収穫を無事終わらせる為にファミリー、ベテランが一つになって事に当たっている。 今年の大きな変化と戦力となったのが長女カミーユの成長だ。 カミーユはソムリエの資格もとってロンドンやフランス国内のレストランで修業した。その後2年間ブルゴーニュのワイン学校で勉強。ワイン造りはマルセル生存中から一緒に経験してきた。 マルセル亡き後、マチュと二人で醸造を経験してきた。マチュも カミーユのテースティング能力と醸造センスには正直驚いていた。 マチュも今年のような特殊事情の機会にカミーユにやらせようと 決断。カミーユも責任をもってやってみたかった。 勿論、後ろにマチュの監督・援助があるのは当たり前だ。 そして、次女のアンヌがいる。根っからの明るい天然娘である。 そこに居るだけで周りが明るくなる雰囲気を持った女性だ。 時には収穫を、時には醸造を手伝って周りを盛り上げた。 マルセルが愛したコート・ド・ピィの丘を背に収穫するラピエール軍団 収穫は朝7時に始まって10時に休憩が入る。 醸造所に近い時は、醸造チームもやって来て一緒にカスクルット(間食)を食べる。 結構、朝から働いていると、お腹が空くので 皆チーズにパンにワイン。デザートにチョコレートそしてコーヒーもある。 全体を観ながら、収穫プログラムを組み立てているマチュも進み具合をチェックにやって来る。それによってプログラム修正を を考える。思うように収穫ピードが進んでいないようだ。 マチュは、恐らくあまり寝てないのだろ。2週間目ぐらいで顔が少しむくんできたような気がする。 中腰で葡萄を切って、立ち上がって移動する。スクワット運動で足腰がグロッキーになる。 ラピエール家の収穫は常にプラス・エネルギーと笑顔、そして厳格さ! 厳格な選別作業、葡萄の悪い分部を切り落とすことを徹底している。 葡萄房をとってから 悪い部分(傷んでいたり、腐りかけている部分)を切り落とす作業。 だから時間がかかる。 偶然に、繊細で美味しいワインはできない。 ここまで徹底して実行している例を、私は見たことがない。 何百社という醸造所の収穫を見てきたけど、ここまでの厳格さは存在しない。多分、世界一だと思う。さすがラピエール家だ。 葡萄園に設置された運搬用のケースに運び込まれてくる収穫葡萄を更に、ここでもベテランが監視の目を光らせて厳しく 選別している。 この選別作業は、マルセル生存時より厳しくなっている。ホントにワインが繊細に美味しくなっていると評価、その理由の一つはこの選別作業にある。 収穫・醸造・写真 […]