24
Sep

ラングドック地方の巨人 CH-PUECH HAUTペッシュ・オー

ラングドック地方の巨人 CH-PUECH HAUTペッシュ・オーが進化する! シャト-・ペッシュ・オー CH-PUECH HAUT 自分の夢を確実に進めていくジェラ-ル・ブリュ ミネルヴォワの農家出身のMR BRUブリュ氏は現在62歳。子供の頃からワイン造りの夢を持っていた。夢を実現させる為に全く別の分野で成功を収め、その資金のすべて醸造元を設立させるために投資してきた。そのペッシュ・オーが今大きな進化を遂げようとしている。 2007年よりビオ機関に登録 ペッシュ・オーの葡萄園の畑はすべてジェラ-ルが35年前からコツコツ植えて育ててきた葡萄だ。樹齢も30年を越し、深みのあるミネラルたっぷりの葡萄が育つようになった。ビオ機関にも登録した。 エノログもグルナッシュ品種醸造の天才フィリップ・カンビを依頼。 ジェラ-ル・ブリュ 濃厚さの中の“絶対的旨み”を追求してきた! 世間では2000年代に入って、濃縮からエレガント・フレッシュさをワインに追求してきた。南仏の一流醸造家も皆同じ方向に向かった。しかし、ジェラ-ル・ブリュは違った。濃縮されたワインの中でしか見出されないエレガントさ、繊細さが存在することを追及し続けてきた。一時は世界的醸造家ミッシェル・ロ-ランに依頼したり、全く逆のあのフィリップ・パカレにも2年間試作を依頼して造った。 ジェラ- と パカレ 濃縮されたワインの中でしか見出だされない“絶対的な旨み”完成!! 自然な醸造には欠かせないトロンコニック型木製発酵漕 頑固なまでに世間の潮流に反して狙い続けたジェラ-ルの夢が完成した。 何て!美味しいんだろう! 濃厚でありながら繊細、ワインを表現する すべての褒め言葉がこのワインの中には 詰っている! ジェラ-ルの信念の勝利だ。 偶然には生まれない味わいだ! 自然な栽培を35年も続けてきた。 畑には微生物が元気に生息している。 何と!ここの自然酵母はワインをアルコ-ル20度を越すまで発酵したことがある。微生物が元気な証拠だ。 シャト-ヌフ・ド・パップと同じ土壌 ガレ・ルーレと呼ばれる第四紀地質の丸い石ころが畑にゴロゴロ転がっている。中には頭の大きさほどの石もある。 その下には粘土石灰質土壌の層があり、さらにその下には太古の昔、海底だったころの硬い石灰質岩盤の層がある。ジェラ-ル自身が植えた葡萄木の根っ子は既にその岩盤まで達している。数千万年前のミネラルのエネルギ-と旨みを根っ子が吸い上げてくれている。 2010年の収穫を待つ葡萄達 葡萄と人が和するドラマ 天と地が毎年こんなに素晴らしい葡萄を贈り届けてくれる。毎年、違った性質を持った葡萄達だ!  どのように醸造するのが最もその年代らしい葡萄の長所を引き出してやれるか? システム的に醸造したのでは、その年の長所は出てこない。  ジェラ-ルの葉巻を吸う数がこの時期は増えてしまう。いつ?どんなふうに? 収穫のタイミングは? 醸しのタイミングは?夜、寝ていても、アイデアが浮かんで飛び起きてしまうほどだ。 ラングドックの巨人ジェラ-ル・ブリュ Chateau Puech Haut のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: BMO 株式会社 TEL : 03-5459-4243 FAX:03-5459-4248 MAIL: wine@bmo-wine.com http://www.bmo-wine.com

1
Sep

マルセル・ラピエールのCH-CAMBON シャトー・カンボン情報

マルセル・ラピエールのCH-CAMBON シャトー・カンボン情報 マリー・ラピエールとマルセル・ラピエール(シャトー・カンボンにて) ラピエール・ファミリーは1995年にシャトー・カンボンを購入した。ボジョレ地区において別格の歴史と由緒あるカンボン一族が築いたシャトーを手に入れることができた。カンボン氏の名はフランス中に“カンボン通り”という道があるくらい有名で尊敬を得ていた人物だった。1900年代の初頭、フランスと英国の国際関係で画期的な活躍をした人物だった。そのカンボン・ファミリーがずっと管理していたシャトーと畑をマルセルが95年に購入する栄誉を得た。 畑、醸造所を少しずつ整備して15年の歳月が過ぎた。 名誉あるカンボンの名にふさわしいワインを造るべく自然栽培・自然醸造を実施してきた。畑は14ヘクタールあり、粘土質土壌である。今はマリーさんが担当している。 カンボンの名にふさわしいワインが実現。 日本のインポーター、テラ・ヴェールの片岡社長の訪問 テラ・ヴェール社がシャトー・カンボンの輸入代理店に決定 片岡社長からテラ・ヴェールの経営理念の説明を聞くマルセル ラピエール。ファイン・ワインへの輸入販売へとシフトしていく方針を説明。 両者の接点が見出され、2010年8月よりテラ・ヴェールが シャトー・カンボンの輸入代理店になることが決定。 行動派の片岡社長は、打診があったその週にカンボン訪問を決意し、即マルセル・ラピエールと面会に臨んだ。 本物ワイン伝播にかける情熱と行動にマルセルも喜んで合意。 乾杯はマルセルの友人シャンパン“ドラピエのブリュットナチュール”で! マルセルが片岡社長に自分の今日までの変遷を語る! ドラピエ・ブリュット・ナチュールを飲みながら団欒 マルセル『お父さんから醸造所を引き継いだのは1973年23歳の時でした。それまではワイン学校でワイン造りを勉強していました。当然、学校で勉強した通りに除草剤を撒いて、化学肥料を使用し、補糖やSO2の大量添加も実施しました。そして人工酵母を使用する当時の最先端のワイン造りをも開始しました。それまで私のお父さんは自然な栽培、醸造を普通にやっていました。学校を出てディプロマを取ったばかりの私は、お父さんのやってきたことを全て最新の方法に切り替えました。その事について、私のお父さんは一言も口出しをせず見守っていました。3年程経過して自分の畑の変化に疑問を持ち始めた、畑が固くなっていくのを目の当たりにした。そして、自分の造ったワインが飲めなくなってしまった。それを期にお父さんがやっていた自然な栽培、自然な醸造に少しずつ戻していった。そして1978、79年に大樽一つ分を自然な醸造を試作した。 そして80年は大樽二つ分の自然醸造をやった。これが大評判になった。村のお年寄りに“昔のボジョレ・ワインみたいだね!”と云われて嬉しかった。そして、当時、有名だった画家が私のワインを気に入ってくれて、ジュル・ショーヴェ先生を紹介してくれました。それから、9年間はジュル・ショーヴェ先生について自然なワイン造りを科学的手法によって造る方法を学びました。 そして、ジュル・ショーヴェ先生の友人だったリヨンの偉大なる料理人アラン・シャペル氏にも紹介してもらいました。ジュル・ショーヴェ先生はアラン・シャペルが新人のころから色々相談していた。アラン・シャペルも絶大な信頼を先生に寄せていた。何か新作の料理ができると必ず先生を呼んで最初に食べてもらって意見を聞いていたのです。それ以来アラン・シャペルさんは私の処によく寄ってくれるようになって色々指導してもらいました。私のワインをレストランで使ってくれていました。87年には私のワインを使ったカーナール・オ・モルゴンがメニューに入り、大人気でした。収穫の時は、“ジュルネ・ド・ヴァンダンジュ”収穫時期の一日をアラン・シャペルと過ごす日に充てて収穫の喜びを共に分かちあいました。』 マルセルがジュル・ショーヴェ博士やアラン・シャペルより学んだこと 『料理もワインも美味しさ・旨味の根源は素材そのものであること』 料理の世界でソースやスープの旨味 化学調味料で付けた旨味と素材の肉や野菜から抽出した旨味の違いは明白です。 ワインの旨味 よく耕して生きた畑で育つ健全な葡萄の樹の根っ子が地中深くから吸い上げたミネラルの旨味は格別です。 除草剤や殺虫剤、化学肥料で微生物が死に絶えた土壌で育つ葡萄の樹はミネラルを吸い上げる力がなく醸造上で人間が補糖したり、補酸したり人工酵母を使ったり、人工的テクニックを使わなければワインの旨味が出ません。人工的に加味した旨味、と土壌の旨味が区別できないプロの料理人やソムリエが多く存在するのは残念なことです。化学調味料の味噌汁と鰹だしの味噌汁の旨味の違いは日本人なら大半の人は理解できるはずです。 ワインの旨味も全く同じことです。 本物のワインの美味しさを求めて、ヴァン・ナチュールを! 本物の美味しさを造るには、安易な方法では得られないことは、料理人の世界では当たり前のことです。 ワインの世界も同じで、栽培上安易に仕事を楽にするために除草剤や化学肥料をまいたりすると、本物の旨味は得られなくなってしまいます。 マルセルはそんな本物の旨味を追求するワインをVIN NATUREヴァン・ナチュールと命名しました。 1960年代以前のワインはすべてヴァン・ナチュールです。1885年の格付け当時のボルドー・グラン・クリュも全てヴァン・ナチュールです。何故なら除草剤も化学肥料も人工酵母もまだ存在していなかった時代だったからです。葡萄の樹の根っ子が土壌の深いところから吸い上げたミネラルの旨味だったのです。自然派ワインを安易に批判する一部の料理人の方々には、表面上の美味しさだけでなく、もう少し深く洞察して頂ければと願っています。根本は料理もワインも同じことです。 2010年マルセル・ラピエール・ヌーヴォーの伝統のラベルが復活 シャトー・カンボンの畑で造るマルセル・ラピエール・ヌーヴォーは テラ・ヴェール社より2010年は、左記の伝統ラベルが復活します。 片岡社長は長い間、親しまれていたラベルの復活の選択をしました。 27月から8月末までの葡萄の色づきの変遷 2010年の夏は日本と違って比較的涼しい夏となっています。 毎年、収穫までに色んな事が起きます。今年も色んなことが起きました。 6月6日には大雨が降り、標高が高い斜面にある葡萄園は畑の土が流れて大変でした。 7月10日にはボジョレ北部に強烈な雷と嵐のような雹に襲われた。標高の高い北部の一部では多大の被害に遭いました。過酷にも80%も被害を被った醸造元もありました。 その後、ある程度の乾燥が続き、雹に当たった葡萄の実の傷口が乾燥したお陰で病原菌が大発生するのを避けられました。その後も中庸の太陽でゆっくり色づきが進み、順調に熟度が上がってきています。 ガメイ品種は強烈な太陽光線よりも中庸な太陽でゆっくり熟した方がフェノリックの熟成が綺麗に進みます。 8月後半に入って朝夕の寒暖差が大きくなり、ポリフェノールの最終熟成段階には理想的になってきました。 去年の強烈な太陽を思わせるパワフルな2009年ミレジムと違って、繊細な柔らかいガメイ品種らしいワインになりそうです。 幸いにもマルセル・ラピエールの畑は最小の被害を受けただけで順調に熟度が進んでいます。 繊細な果実味のバランスのよいヌーヴォーになりそうです。

31
Août

アルザスの修道僧 ドメーヌ・アンドレ・オステルタグ*Domaine André Ostertag

<ドメ―ヌの歴史> オステルタグ家は、ライン河に沿ったアルザス地方で長い歴史を持つ一族で、ドメ―ヌは、1966年に設立。 現在は、2代目André Ostertag – アンドレ・オステルタグ氏が経営しています。ドメ―ヌ名にもなっている、苗字オステルタグは、昔の言葉で「パックの日(復活祭)」を意味し、復活祭にちなんだ羊が家紋であり、ドメ―ヌのロゴにもなっています。 <アルザス地方> アルザス地方のぶどう畑は、220キロに渡り、ヴォージュ山脈にそって南北に広がっています。昔は、この地域は、ドイツの黒い森までつながる、一つの大きな山だったのですが、それが長い年月を経て、陥没、侵食して、そこにライン河が流れるようになり、この複雑で多様性のある地形と土壌を造り出したのです。 アルザスには、7つのぶどう品種、そして、この複雑な地形、土壌があり、そこで辛口から甘口まで多様性に富んだワイン造りをしているのです。 <オステルタッグのカーヴとぶどう栽培> オステルタッグのカーヴは、ストラスブルグの南の村、エピフィグに所在し、現在所有のぶどう畑面積は、14ha。 全部で5つの村(Epfig,Nothalten,Itterswiller,Ribeauville,Albe)の100の小さな区画で構成されています。 栽培品種は、シルヴァネール15%、ピノ・グリ20%、ピノ・ノワール5%、リースリング30%、ゲヴェルツトラミネール18%、ミュスカ2%、ピノ・ブラン10%。ぶどうの樹齢は最高77年と非常に古く、地中深く入り込んだ根が土中のミネラル分を吸収します。1996年より部分的に、そして1998年より全区画で、ビオディナミ農法を実践し、テロワールの特徴を最大限発揮するようにしています。 <2代目当主 アンドレ・オステルタッグ> 2010年現在51歳。緻密で自然なワイン造りを行うアルティザン(職人)でありながら、創造的な要素も取れ入れる、アーティスト(芸術家)でもある。前世は日本人では無かったのかと思わせるほど、立ち振る舞い、食の好み、考え方が日本人的であり、見た目「禅僧」のようでもある。 ビオディナミの本質を日々突き詰め、ぶどう畑、カーヴ、そして造る人間のエネルギーまでもが、ワインに繋がっていくという。アンドレの趣味は詩。20世紀前半のフランス詩人「ポール・エリュアール」の作品が好きだそうだ。芸術家の奥さんの絵と合わせた詩集なども発刊している。奥さんは、ぶどうの樹をモチーフにした絵を描き、アンドレは、その絵に詩を寄せている。 <3つのカテゴリー> オステルタッグはワインを3つのカテゴリーに分けています。 「Vin de Fruit(果実のワイン)」 ぶどうの果実味が前面にでたワイン。通常に収穫し、6~9カ月熟成。 若いうち、5年以内に飲むワイン。 ボトルの色、ラベルの色調は、植物をイメージした緑色。 ラベルには、ぶどう品種名がメインで記載される。 「Vin de Pierre(石のワイン)」 テロワールの味わいが強いワイン。その区画の深い底にある岩盤質の特徴が前面に出ているワイン。 収穫は遅め、11~18カ月熟成。熟成ワイン(10年~20年)。 熟成度の応じて、その場その場で楽しめる。 ワインのボトルは、暗い色で、ラベルはクリスティーヌ夫人の描いたぶどうの株をイメージしたもの。 テロワ―ルの名前を大きく表示、ぶどう品種名は小さく表示。 「Vin de Temps(時のワイン)」 ヴァンダンジュ・タルディヴとセレクション・グラン・ノーブル。 これは、収穫までの時間(Temps)もかかるが、その年の気候(Temps)にも左右される。 年によっては、粒ごとの手摘み収穫もある。9~12カ月の熟成。長期熟成(20年~50年)。 高い糖度によって、長期間(Temps)の熟成ができる。 ワインの色合いと熟成状態が分かるように透明瓶にビン詰め。 ○Vieille Vigne Sylvaner 2009 平均樹齢50年。(33年~75年)粘土石灰質土壌。 アルザス料理にも使用される、日常楽しむテーブルワイン。  青リンゴのような酸味、マスカットのような果実味など、ミネラル感もあり、バランスの良いワイン。2009年はトロピカルなニュアンスも。 ○Pinot Blanc Barrique 2009(バレルティスティング) 樽発酵、樽熟成。(新樽5%)味わいはリッチで、やさしい丸みのある味わい。 くるみや、はしばみのようなナッツ香も感じられる。 ○Pinot Gris Barrique 2007 平均樹齢35年。樽発酵、樽熟成(新樽20%) しっかりとした凝縮度と酸を併せ持つ。 2007年は、ゆっくりと熟度が上がったため、アルコールの強さも感じられるが、全体のバランスが取れている。スズキなどの白身の魚、ヒラメのムニエルなどに相性が良い。 ○Pinot […]

17
Août

クリストフ・パカレ 2010年ボジョレ・ヌ-ヴォ-便り

息子8歳ジュル・パカレとクリストフ・パカレ 今日は将来の自然派を担う重要な醸造家になるかも知れない息子ジュル君を伴って畑にやってきた。 ジュル君は今夏休み、お父さんの後について葡萄園で遊ぶのが大好きだ。幼い頃、クリストフも叔父のマルセル・ラピエ-ルに連れられて、フィリップ・パカレと一緒に葡萄園で遊んだものだった。 昨年、日本初上陸したクリストフ・パカレ・ヌ-ヴォーは、大好評だった。 自然派の伝道師マルセル・ラピエ-ルを叔父に持ち、天才フィリップ・パカレを従兄弟に持つ自然派ファミリーの一角を担うクリストフだ。 若い頃、世界を飛び廻って料理の世界で働いていた自由人だ。マルセルやフィリップとは違った感性を持っている。クリストフのワインには自由な柔らかいエネルギ-が漂っている。すいすい喉を通り過ぎてしまう。実に心地よいワインだ。樹齢が70から100歳の古木がある丘の斜面にある。 ランティーニエ村を一望に出来る実に風光明媚な景色の畑だ。今日はランティーニ村の上に綺麗な虹がかかっている。まるで日本の皆さんに挨拶しているようだ。 日本の友達との約束-美味しいヌ-ヴォ-へのさらなる挑戦 今年、1月に日本へ行ったクリストフは多くのワイン・ファンに出会った。 日本に自分のワインを紹介してくれているBMOのスタッフをはじめ多くの友達にめぐり合いました。皆さんが本当に喜んでくれるようなワインを造るためにすべてを掛けることを誓ったのです。 今年はクリストフが燃えています。 大阪では、ガメラ-の会が発足 大阪ではトルトゥ-ガ-の満谷さんのところにお世話になりました。 ガメ-品種の美味しさに皆が感動した。その場でガメラ-の会が発足しました。 『自然派ワインを広めるために、日本中を走りまわっている山田さんの姿には感動しました。山田さんのような人たちと一緒に仕事ができることにに大きな喜びと勇気が沸いてきました。心より感謝したいと思います。だから、今まで以上に最大限のエネルギ-とパッションを込めて造ります。』クリストフ・パカレ

9
Août

2010年マルセル・ラピエール ボジョレ・ヌーヴォー便り

2010年  マルセル・ラピエール・ボジョレ・ヌーヴォー便り ヴァン・ナチュール・自然派ワインの伝道師・マルセル・ラピエール 2010年の収穫も約あと一カ月ちょっとになりました。 7月後半に最後の草とりをやり、やるべき畑仕事も完了して、あとは葡萄がバランスよく熟してくれることを待つのみの時期に入りました。 この時期でも、畑を周って入念なチェックをするマルセル。 今年も色々あったけど、順調にここまでたどりついた。まだまだ何が起こるかわからない。ここまできたら天に任せるしかすべはない。 何が起きても人智を尽くした対応が出来るように葡萄の成熟段階を確認しておく必要がある。6月後半と7月初旬までは35度まであがる猛暑となり、その影響で時々雷が発生してボジョレ地区に雹が降りました。幸いにも大きな被害をこうむらなかった。でも葡萄に雹の痕跡が残っている。 雹があたった葡萄粒に黒い点のようなものが出来ている。 この雹が降った後、晴天続きで乾燥していたので傷あとがすぐに乾燥して病気が発生しなかった。もし湿気がある天候だったら一挙に腐敗や病気が大発生していただろう。自分で管理できない自然と常に共に生きる醸造家の精神力の強さに敬服する瞬間だ。             2010年のヌーヴォーの収穫を待つラピエールファミリー 『今年は4、5月と涼しい天候が続き葡萄の成長が2週間ほど遅れていた。その影響で開花も例年より10日ほど遅れたので収穫も9月の中旬ごろになりそうです。まだ品質のことを話す段階ではないけど、8月に入って比較的涼しい夏になっていてこのままユックリ熟成すれば上品なポリフェノールとなりそうだ。どんなタイプになるかは今後の天候しだいですね。08と09の中間的なタイプになるのではないかと思います。日本の皆さんに喜んでもらえるようなヌーヴォーができそうです。期待にそえるように出来うるすべてを尽くします。』マルセル             自然派ワインの中心人物・マルセルのヌーヴォーはすべての基本となる                                  ジュル・ショーヴェ博士の自然派ワインの造りを継承した直弟子 マルセル・ラピーエル氏は深く暖かい人間味溢れる人格者でもあり、フランス・イタリア・スペイン、南米チリなど世界の本物ワイン生産者より師と仰がれ尊敬されている。 ロマネ・コンチのオーナーでもあるアンリー・フレデリック・ロック氏よりも師と仰がれ、ロマネ・コンチの新酒試飲時にも毎年招かれて意見を聞かれている。 今やフランスワイン業界の重要人物と云っても過言ではない。 そんな重要人物にもかかわらず、気さくで、シンプルな人柄は本当に尊敬すべき人物だと思う。 我々のような人間が訪問しても親切丁寧に我々の質問にも答えてくれて、最後は必ず一緒に食事をとることになるのが通例です。 そんなマルセル・ラピエールのヌーヴォーは親しみ、心豊かさ、 エモーションが伝わってくる。心よりお薦めいたします。 マルセル・ラピーエールのボジョレ・ヌーヴォーを飲まずしてヌーヴォーは語れない!

28
Juil

La Cadette * パリの一日訪問完全密着!

今日の朝、 ブルゴーニュの世界遺産がある Vézelay*ヴェズレーから ジャンと息子のヴァランタン・モンタネ氏達から電話が! 『今からパリに行くけど、お昼一緒にどう? しかも今日は息子がパリでの初仕事なんだよ!』 といつものハイテンションで楽しそうなジャン。 息子は今年ワイン学校卒業! 長年通っていたスイスの学校からはるばるとフランスに戻ってきました! 『息子が戻ってきたから僕はどうしよう? もうワイン造りは任せて他の仕事しよっかな~』 とジャン・・・! 取り合えず出来上がったばかりのムロン・ド・ブルゴーニュを試飲。 彼ながらの真っ直ぐでサッパリとした味わい。 ユリの香りが漂い、とても飲みやすくて喉越しが最高! まさにミネラル感タップリでスイスイと飲めてしまうワイン! さあ、12時も過ぎたし、ご飯へ行きましょう! 今日行ったレストランは、オープンしてまだ2ヶ月しか経っていないのにもう人気! それもそのはず、Verre Volé*ヴェール・ヴォレのカーブがある道、Oberkampf*オーベルカンフ通りにあり、 それもヴェール・ヴォレの略真正面! レストランはとてもチャーミングでシェフは何とChateaubriand*シャトーブリアンの元シェフ!もうすぐ子供が生まれるんだ~と幸せそう! そして驚くこともう一つ:何とバーにはあのルネ・モスの息子が! 『アペタイザーにお父さんのワイン飲もう!』と突っ込んだら『アッ・・・冷えてない・・・冷蔵庫入れてなかった・・・』とちょっと天然?! とそこに現れたのが・・・ 何と! L’Anglore*ラングロールのEric Pfifferling*エリック・ピファーリング! 息子が今年の9月からパリの大学に通うので、物件探しのためにパリまで来たのです! となったらみんなでランチ! ジャンと息子、エリックと息子、そしてパリで様々な試飲会を主催しているシルビーさんを招いて乾杯! リイェットや鴨のフォアグラ焼き、天然モッザレラチーズや、これよりトロトロしているブラタという白いチーズ! 赤や白ワイン、スパークリングも最後に飲み、合計5本のワインを昼から飲むという、なんて飲みっぷりの良い人たちなんだ! そして皆はお昼寝タイムのためホテルに戻り・・・私は・・・会社で一仕事! そして間もないうちに、ジャンの試飲会がスタート! これは最近開いたワイン屋さんで、 目の前には同じ名前のレストランが! そうです、ここはアメリカ出身の幼馴染が、 パリでワインバーを開こう!という夢を持ち、開いたお店! セレクションはもちろん自然派ばかり! どれもこれも美味しいワインでウキウキしてきます! 店には 体に良い ナチュラルな 食材が! ジャムやソーシッソン、チップスや調味料、夜は軽く食べれるらしいです! ここでヴァランタンの初仕事! 御客さんにワイン説明です! Les Saulniers 2009*レ・ソルニエ2009 丸みがありリッチ感タップリ! グイグイと飲めてしまうフレッシュ感と綺麗なバランスは、 やはり彼にしか出せないでしょう! 後味も長く、ミネラリティーが口でファ~っと広がります! […]

12
Juil

モルゴン村の新星 DAMIEN COQUELET ダミアン・コクレ

次世代を担う若手自然派の星 ダミアンは若干23歳にして10ヘクタ-ルの畑を栽培している。モルゴン村の自然派の重鎮デコンブを父に持ち、幼い頃より父の後を追って葡萄園で遊んでいた。15歳の時には既にワイン造りをやることを決めていた。 父デコンブはマルセル・ラピエ-ルと共に自然派ワインを初期の段階より支えてきた人物だ。当然、ダミアンも自然な栽培方法と自然な造りを継承している。 次世代を担う自然派の星といっていい存在だ。 幸運なダミアン ダミアンはモルゴン村で最良といわれている丘の畑COTE DE PYを手にいれることができた。 モルゴン村の長老の栽培家が引退するのを機にダミアンに畑を託してくれたのである。誰もが欲しがっている最良の畑である。3ヘクタ-ルもある。若干15歳の時より父と一緒に学んできたことを2009年という最良の年よりすべての情熱を込めて取り組んだ。 AC BEAUJOLAIS地区にも2ヘクタ-ルの畑 畑は完全な自然栽培だ。除草剤も殺虫剤も化学肥料も一切まかない。よく耕されてフカフカの土壌だ。樹齢60歳の古木だ。この畑も村の長老が持っていた畑だった。 ボジョレ・ヌ-ヴォはこの畑から造られる。 2010年の葡萄 既に7月上旬でこんなに立派な葡萄となっている。 今年は冬が大変寒くてマイナス15度まで下がった。 こんな年は葡萄園の雑菌が少なくて病気が少ない年になる。春は雨が降って地下にはたっぷりの蓄水がある。そして、2週間前より晴天、30度を越す太陽が照り続けている。 今のところ順調に葡萄が育っている。 今年も素晴らしい年になりそうな予感がする。 モルゴン村に本当に頼もしい若大将の誕生だ! 素直で真っ直ぐな性格。 お父さん譲りの気さくな人柄。 きっと素晴らしいボジョレを造ってくれるだろう。 また、楽しみな醸造元の誕生だ! AC MORGON COTE DE PY コ-ト・ドゥ・ピの丘は元火山だった山が風化してなだらか丘になった。 土壌は勿論花崗岩がやはり風化して砂状になっている。水捌けがいい。 地中は花崗岩の岩盤になっている。根は岩盤を破って入り込んでいる。 ミネラル感たっぷりで濃縮感のある果実味。パワフルでフレッシュなワインだ。 AC CHIROUBLE シル-ブルの最良の斜面に1ヘクタ-ルを栽培している。樹齢60年の古木だ。完璧に熟す立地だ。これがガメ品種?と思わせるような濃縮感を備えている。特に2009年は完璧な状態で葡萄が収穫できたので、マセラッションを15日間もやることができた。そしてシュ-ル・リ状態で樽熟8ヶ月寝かせて、6月に瓶詰め。 AC CHIROUBLE は果実味豊かで、爽やかさもあってグイグイ飲める。 VIEILLES VIGNESヴィエユ・ヴィ-ニュ60歳の古木のみを仕込んだものは、濃縮感、ミネラルからくる旨みとフレッシュさが素晴らしい。 醸造に関してはまだお父さんの指導をうけながら、技を磨いている最中だ。デコンブの20年間の自然派造りの経験からくる智恵は宝ものだ。 自分で仕込んだものをお父さんと一緒に試飲するひと時はダミアンにとって貴重な時間だ。 多くを語らないお父さんは、核心のことをずばりと表現する。ダミアンにとっては最高の先生でもある。 お父さんと子供の頃から遊んだBROUILLY ブルイの山の葡萄園を一望にできるコート・ドゥ・ピの高台にダミアンの畑がある。 ダミアンの畑の隣は、モルゴンの重鎮ジャン・フォワラ-ルの畑でもある。 諸先輩に囲まれて自然派のサラブレッドが走る。将来が楽しみだ。 2010年からBEAUJOLAIS NOUVEAU に挑戦する。 日本デビュ-を模索している。これも楽しみだ!

2
Juil

Marc Pesnot で世界一美味しいミュスカデを!

30年のムロン・ド・ブルゴーニュの畑・シスト土壌 今日はいつでもニコニコと笑顔が耐えないマークの蔵へ行ってきました! 彼は畑作業が大好き! 何をしていてもブドウが頭から離れない・・・ とにかくブドウ木に触れていないと落ちつかないと言う位畑命なのです! まずは畑を見学! 今年は気候もよく、今のところ完璧な出来だそうです! 『2007年は雹が大量に降り、ブドウ木も大きなダメージを 受けてしまったんだ。そのため2007年は少量しか収穫が出来なかった・・・2008年はそのダメージの影響で、あまりブドウが生らなかったんだ。そして2010年、今ちょうど開花の時期に入ったんだ。病気も見当たらないし、気候もいいから、綺麗なブドウと美味しいワインが出来るはず!』 と大きな笑顔で嬉しそうに語るマーク。 じゃあ2009年は ? 『2007年からビオ栽培に転換したんだ。その結果は2009年のブドウに現れているんだ。本当に繊細でミネラルでフルーティーなワインが出来上がったんだ。皆も期待していてね!』 畑での対処方法は? マークは全て自然なもので畑の対処を行っています。 例えば、煎じ茶(プレールなど)を散布したり、ラベンダーやレモンのエッセンスオイルでブドウの実が大好きなコシリス(はまき蛾)を遠ざけたり・・・ 今雅にマークがハマッているのはそう、アロマテラピーなのです! 昔はボロボロだった蔵も、 今はリニューアルして可愛く大変身! 試飲室もでき、 綺麗な雰囲気で美味しいワインを飲めるので快適! * * * * * * ワイン紹介** * * * * 日本全国のエスポア加盟店へ エスポア本部:03-3538-7854 Chapeau Melon, VDT*シャポー・ムーロン La Folle Blanche, VDT*ラ・フォール・ブランシュ Miss Terre, VDT*ミス・テール La Bohème, VDT *ラ・ボエム Chapeau Melon, AOC Muscadet 品種:Melon de Bourgogne […]

16
Juin

ラングロール 偉大なるTAVELを復活

ラングロール 偉大なるTAVELを復活、繊細な感性・エリック TAVELは19世紀初めには、ブルゴーニュのボーヌより高い評価だった! タヴェルは19世紀初めの頃にはすでにパリでは高級ワインとして評価されていたのである。当時、パリの最高級レストランの一つであった、“Les Trois Frères Provençaux”のワインリストの価格をみると、BEAUNNE 2F(フラン)POMMARD3.10Fとあり、TAVELは2,10フランと記載されていた。何と、ブルゴーニュ地方ボーヌのワインより高く売られていたのである。14世紀にもシャトー ・ヌフ・ド・パップと同様にアヴィニョンの教皇に興味を持たれていた文献が残っている。シャトー・ヌフ・ド・パップ並みの評価だったのである。 その頃のワイン造りはキリスト教会の坊さんによってワイン造りがされており、彼らは土壌を見極める専門家でもあった。だからタヴェルの土壌は昔から潜在的にブルゴーニュと比較しても劣らない偉大なる土壌素地をもっていたのである。 昔のTAVELはどんなものだったのか? 1816年、アンドレ・ジュリアン氏によると、〈色彩はあまり濃くなく繊細で力強いワイン〉とある。1902年、「ワイン栽培地オーナーと栽培者組合」の設立の際に刊行された説明書では、『タヴェルの繊細なワインは、ロゼの薄赤色ではなく、非常に明白な黄金色の、明るいルビー色であり、他と比較にならない香りを持っている。』さらに言うならば、タヴェルの色彩は『ルビー色のきらめいた豊かな黄玉色…。』と表現されています。元々、タヴェルのワインは濃厚なルビー紅色ではなかったのである。他のローヌ地域のワインとは全く違った色合い、風味を備えていたのである。特に色合いは薄かったけど力強く繊細だったようである。 TAVELの畑の全景が見える丘より 古来のタヴェルの色合いは明るいルビー黄金色 TAVELワインとは色合いが薄めの赤ワインだったのである。1936年にAPPELLATION TAVEL CONTROLEEロゼワインとして認められた。しかし、現在のブームになってる淡いピンクロゼのイメージとはかけ離れたワインだったのである。タヴェル古来のワイン≪明るいルビー黄金色、ルビー黄玉色≫だったのである。赤でもなくロゼでもないのである。赤、白、ロゼの3色の中間色ともいえる。 TAVEL 名醸地からの失墜、そして復活へ 60~70年代、大型スーパーマーケットの出現で空前の大量生産ワインの時代が到来して、このタヴェルのある南フランス地方は安ワイン産地の拠点としてシフトされていった。栽培方法の除草剤の使用、殺虫剤、化学肥料が使われる近代農業に変わっていった。つまり畑は耕されることがなくなり、土壌が死に絶えていった。そして、醸造段階にも化学物質が使用されていった。古来よりの偉大なるTAVELの土壌の長所が葡萄木へ伝わらなくなってしまった。そして、葡萄果実の自然なバランスが取れなくなって、それを補う為の醸造テクニック多用と化学物質が使用されていった。偉大なるTAVELの土壌が反映されないワインが氾濫していった。これらの危機的状況は、1990年「熟考された栽培法軍団」といった集団運動を起こさせました。この団体は、土地性を保持する必要性を自覚した10~20人のタヴェルワイン栽培者達が集まってできたものだ。1993年、B.E.Letessier土壌研究所設立され、タヴェルの偉大な土壌の復活をめざす団体となった。2009年10月の新しいAOC法令に「過剰な除草剤使用禁止」が記載され公認された。AOCで除草剤禁止が公認されたのはフランスで初めての地域だと思う。 そこに、エリック・ピファーリングの登場だ! エリックは云う 『村のお年寄りが僕のワインを飲んで、懐かしい味わいだ。昔、若い頃に飲んだTAVELを思い出す。と言ってくれる。』 エリックにとってこんなに嬉しい言葉はない。 本来のTAVELのテロワールを生かすことに最大の努力、土壌を素直にワインの中に表現することにすべてを捧げてきたからだ。 自然の偉大さを知り尽くしているエリック、自然との調和に賭ける 繊細で物事をじっくり考えて実行するタイプの性格だ。自然界で起こる一つの事象から多くのことを察知することができる特殊な感覚を備えている。 単に美味しいワインを造るのはそんなに難しいことではない。しかし、本当に感情まで伝わってくるような偉大なワインは繊細な感受性を備えていないとできないことだ。 この感覚はワイン造りをする前に養蜂の仕事をやっていたことが大きく影響している。自然と花と蜂の関係は実にデリケートだった。自然の前では人間はちっぽけな存在でしかない。自然のすべてを受け入れなければならない。その上で人間が出来うるすべてを尽くすことが自分の仕事だと考えている。そして、最終的に調和がとれるように工夫をすることが栽培・醸造家の仕事だ、とエリックは云う。 ここでエリックの語録を紹介したい。 エリック『ゼロ・リスクは農業では無いんだ。負けて学ぶことをしなければならない。最終的にあらゆる面で調和できるように事を運んでいくことが大切なんだ。エキリーブル・調和実に大切だ!』 『御ワイン造りには決まりきったレシピはない。毎年違う葡萄が素材になる。素材をみて今年はどんな醸造方法がよりよいかイメージする。料理でいえば、どんな料理をつくるかのレシピをその都度その発明しなければならない。例えば、今日の市場に行って、新鮮な素材を選別して、その素材に合った料理のレシピを開発しなければならない。』 『醸造所での仕事はそんなにない。すべては畑で決まっている。醸造で起こることはすべて畑での結果でしかない。』 白い石が土中の湿気を守る ワイン造りに関しては、フラール・ルージュのジャンフランソワ・ニックの影響を大きく受けている。ジャンフランソワ・ニックは、マルセル・ラピエール系の自然派の造りを継承している。グラップ・アンティエール、除梗をしないセミ・マセラッション・カルボニック方式だ。自然と人、植物、動物が一体となって葡萄・ワインを造っている。19世紀初めには、ブルゴーニュのボーヌと同様の評価をされていたTAVELを見事に復活させてくれた。本当に一口飲んで感動するワインだ!そして、エリックには、支えてくれる優しく明るい奥さんと家族がいる。 L’Anglore のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: BMO 株式会社 TEL : 03-5459-4243 FAX:03-5459-4248 MAIL: wine@bmo-wine.com http://www.bmo-wine.com

21
Mai

*ナチュール・ナチュールな生活2*

続いての醸造家は、この人以上に自然を愛している自然体な人はいるのか?!と思うほど、自然に囲まれて暮らしているOlivier et Claire Cousin*オリビエとクレール・クザンです! ワインに関しては、また引き続き記事をアップしますので、取り合えず今回はこの人の生活を見て下さい! 賞があるのならば挙げたいほどベストカップルな二人。 似たもの同士と言うか、お互いにとって『自然』とは偉大で必要なもの。 自然のおかげで人、動物、植物全てが成り立っている。 そんなことは当たり前なのに、都会に住んでいると忘れがち・・・ こんなにピュアで清々しい気持を与えてくれる人と場所、そこがこの二人の小さな楽園なのです! まず最初に連れて行ってくれたのは、カベルネの区画。 ヴィエイユ・ヴィーニュは樹齢60年、若い木も下のほうに植えてあり、ソミュール・シャンピニィのように貝や化石が多い土壌なので、ミネラル感がギッシリと詰まっています! 樹齢により、醸造方法も変わり、ヴィエイユ・ヴィーニュは木製樽で熟成し、ピジャージュをします。 そして若い木は、エグラパージュ後、鉄のタンクでのマセラシオン、そしてデレスタージュを行います。 オリビエの家には様々な動物がいます。 その中でも、ガチョウを30匹ほど飼っていて、今後この区画に彼らを放し、雑草を食べて貰うと言う『自然な方法で草を耕す方法』を実行する予定! やはり自然には自然にという、まさにオリビエらしい発想です。 2009年の彼のブドウはとても綺麗な品質でフレッシュ! しかし難しいところに、今はアルコール発酵が途中で止まってしまっている状態・・・天然酵母の活発力が弱かったのか?今その原因を考え中・・・ しかし29年目の収穫になり、このような状態は初めて・・ でもでも!ここからが勝負!最後まで化学物質を入れず、ブドウの力を信じてやり通します!さすがオリビエ!彼にしかこんなことは出来ません! 2009年の味は・・・取り合えずフレッシュでフルーティー! ロゼは飲みやすく、バランスも綺麗! 赤に関しても、繊細なタンニンと長く残る後味が印象的。とにかくエレガントで上品な味わい! その後貴重な白も飲ませてくれました! 彼はもう白ワインを造っていません・・・ ですので、このシュナン2006が最後のビンテージ?! 木製樽で発酵をしていたのですが、途中で発酵が止まってしまったので、今はタンクに移し、もうすぐ瓶詰め! この年、健全なブドウが収穫出来なかったため、長い間熟してみようと言う発想から出来上がったワイン。 ちなみに、これは4年間樽熟成させたキュベ・・・ ですのでアルコールの香りがパワフルですが、爽やか感も感じられ美味しい!熟成されたフルーツやりんご、またノワゼットの香りが漂い、複雑感あり、酸味あり、ミネラル感もある、後味が長く残るワイン!昆布などの旨みがとにかく大いに感じられます! どんな瓶でもこのミニ斧で開けるオリビエ・・・一言で言うと・・・危ない! 続いて・・・ 彼とクレールのシークレット野菜園に到着! ってその前にこれは何? 『誕生日に貰ったテント張りだよ。ここに夏家族で来て、一週間ほど寝泊まるんだ。』 こんな森の中で夜を過ごすなんて気持よさそう! ってやっぱりこの人は野生のインディアン・・・?! ここには18種類のトマトや友達用の野菜、色んな場所から持ってきた野菜を埋めて育てています。 外には100m2にも広がる畑を栽培。 200mにも続くジャガイモの畑、 アニスやミズナ、 アスパラなど、様々な野菜が沢山! しかもそれぞれの野菜に対して、ちゃんと合ったテロワールを自分のブドウ園から選び、ここまで運び、植物を育てています。 例えば、このアスパラはガメイのテロワールで育てています!   コリコリしていて、このままでも食べられちゃう! どの野菜を食べても、濃厚な味わいとシャキっとした食感が印象的!   これはクレールの、別の場所に在る畑。 ここはラスベリーやイチゴ、 カーネーションやバラの木が植えてあります! そして飼っている鶏を肩に乗せてみたり・・・ 生まれたてのひよこを見つけたり・・・ 愛馬のジョーカーとロメオと触れ合ったり・・・ […]

21
Mai

*ナチュール・ナチュールな生活1*

今日はロワール地方で自然体で暮らしている蔵元を訪問。 最初の一人目は30人しか住んでいないVillequemoy*ヴィルキュモイ字でワイン造りをしているChristophe Foucher *クリストッフ・フシェ氏、La Lunotte*ラ・リュノッテのお家へ! こんなに可愛らしいお家に住んでいるクリストッフ。 おとぎ話に出てくるような造りに皆可愛いと絶賛! 早速畑を見に行きましょう! 最初に訪れたのは、樹齢50年のソビニョン・ブランの畑。 この区画だけグイヨ方式で剪定され、土壌はシレックス質。 2009年の品質は最高に良い!と言い切るクリストッフ。 『2005年は美味しかったけれども、2009年は僕の一番お気に入りビンテージになるかも。初めてこんなに美味しいワインが出来たよ!』 と2年間雹や天候のわがままで納得いく収穫が出来なかった彼。 今年は丸みあり、繊細さあり、ミネラル感あり、2008年とは全く違ったワインをお楽しみに! このブドウから出来上がるのが、Cuvée Roussignoux*キュベ・ルシニュー。 綺麗なバランス、熟成されたフルーツ、そして真っ直ぐで爽やかな酸味。 10月上旬に収穫されたブドウたちは、とてもパワフルで豊富な味わい。 今年は2回目の収穫も行い、ヴァンダンジュ・タルディブも造ります!今のところ、柑橘類やりんごのアロマ、酸味もあり、ウ~~期待しちゃいます! 次の畑は、70年のガメイの木。 シレックスとケイ質の土壌からは、ボリューム感、フレッシュ感、そしてミネラル感が引き出され、骨格もバランスも良いワインが! このガメイは、ヴィンテージにより、Petites Vignes*プチト・ヴィーニュかOrmeaux*オルモーに使用するブドウ。 もう時期、エパンプラージュ(枝を2-3個だけ残し、邪魔な枝を切り落とし、風通を良くする)作業を始まるので大忙し! 自分の畑に行くと、ブドウ木を触らないではいられないクリストッフ。 ここも、昔はブドウ畑でいっぱいだったのに、 今では麦畑の中に立った彼の畑がポツンと・・・ そして『レ・ポシュティエール』という、コット40年の区画へ! 様々な色のシレックスでいっぱい! この区画のシレックスは、ナポレオン時代、火打ち式銃の発火石用に使われていました。ですので、たまに土を掘っていると、使用積みの石がゴロゴロと出てくるらしいです! この土壌の作業は全て手作業。つるはしで一列ずつ耕しています。 しかし2009年は、7月に雹が降り、ブドウがダメージを受けてしまいました。完璧に綺麗なブドウを収穫出来なかったので、今年はマセラシオンをしないで、ガメイ・タンチュリエ(黒い果汁のガメイ)とブレンドをしたLe Printemps*ル・プランタン・ロゼに入れる予定!試飲しましたけど、これはグイグイと飲めてしまう、アペタイザーワインにピッタリ!色も綺麗なミルキー・ピンクで、イチゴやフランボワーズ、サクランボなど、森の赤フルーツの香りが凄い! この区画は絶対パワースポットです! レ・ルエールという、雨で出来た自然な雨溝が畑の裏に出来ています。 しかも何千年も掛けて出来た天然な溝・・・自然の力って凄い! この存在のおかげで、沢山の動物や虫が集まってとても良いエコシステムが出来たり、ブドウに爽やか感が与えられ、畑にとってはとても良い状況。 他にも、Haut Plessis*オ・プレシ、もしくはTrio*トリオに使用する70年のムニュ・ピノの畑を見学。 この地区独特の品種から出来上がったワインはとても繊細でエレガント。 クリストッフ自信も、一番のお気に入りワインです! そして最後はとても独特な造りをしたカベルネ。 1/3はブドウをそのまま丸ごとタンクに入れ、残りの2/3はエグラパージュをし、6ヶ月前からマセラシオン中。 このワインは、ブドウをブドウの要素に長い間漬けておくとどうなるか?と試しに造ってみた一品。 結果は・・・骨格が綺麗で熟成度が高く、レグリスや黒フルーツ、スパイスな香りがすると思ったら、今度はイギリス飴のような甘い香りが。爽やか感もちゃんとあり、フィナーレも気持良い! 今現在まだ澱と一緒に発酵中なので、旨みがギッシリと詰まって美味しい! La Flou*ラ・フルーに使用すると、クリストッフもウキウキ! 最後に皆でお昼ご飯を楽しみながらリュノッテのワインをグイっと! 何に対しても笑顔で対応してくれるクリストッフ。 彼のワインにもその優しさが感じられます。 2008年はグイグイといけちゃうくらい滑らかで喉越しが最高! 2009年はもっとリッチで繊細!皆さん期待していて下さい、彼のビッグ・ビンテージがそろそろ皆さんの手の元に~~! リュノッテのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: BMO 株式会社TEL […]

20
Mai

マルセル・ラピエール畑の今、AKIさん便り

AKIさんこと石川亜樹則さんは昨年、12月よりマルセル・ラピエール醸造所で1年間の研修をしている最中です。 忙しい中を時々、現場の“葡萄園の今”と題した写真を送ってくれています。またまた写真が届きました。 この季節、葡萄の枝の成長が一日に5センチほど伸びてします。 当然、草も物凄いスピードで生えてしまいます。 畑の仕事がフル回転の時期です。 アキさんも毎日畑に出て大忙しです。 モルゴン村にある最良の畑とされているコート・ド・ピの丘です。太古の昔は火山だった山です。 ⇒13日後⇒ 左4月29日撮影    右5月11日撮影 同じ葡萄の樹を13日後に 撮影したものです。 まるで上から引っ張られているように天に向かって 真っすぐ伸びています。  物凄いエネルギーを感じます。

14
Mai

トゥール・ボワゼとパッション氏の南仏味覚の饗宴

トゥール・ボワゼのプドゥー氏とアンドレ・パッション氏・南仏味覚の饗宴 世界遺産のお城があるカルカッソンヌ出身のアンドレ・パッション氏は毎年、収穫の時期に故郷へ帰る。そんな時はいつも、地元ミネルボワの情熱醸造家・ジャンルイ・プドー氏のトゥール・ボワゼを訪ねる。 家族の付き合いをしていて、同郷の二人の共通点は人に感動・歓びを提供することに生きがいを感じていることだ!そして、もう一つは人間的に素晴らしく ジェネロジティー(フレンドリーで、人間的思いやり)をもっている人物であるという共通点だ。 誰にでも喜ばれるワインを造るプドー氏と、店に入ったお客に徹底したサービスをするパッション氏には南フランスの気候風土が造りあげたどこまでも明るい人間性に共通点がある。 そんな底抜けに明るく、美味しいワインと料理の饗宴が6月4日(金)に渋谷区代官山のレストラン・パッションにて開催される。 もう一人、紹介しなければならない人物がいる。この二人とは運命的な出会いをしている人だ。その人は千葉でパッション溢れる酒販店“いまでや”を経営している小倉あずささんだ。 小倉さんは1996年ぐらいから毎年トゥール・ボワゼを訪問していた。そして、小倉さんが結婚式を挙げたのは、レストラン・パッションだった。二人を別々に知っていた小倉さんが、プドー氏とパッション氏が知り合いだ と知った時は驚いた。小倉さんにとっては2人とも忘れられない人生の 節目に出会った人だからだ。小倉さんにとって酒販店の御主人と結婚し、店のワイン部門を担当したばかりで自信のない頃に、プドーさんの醸造所に訪問した。そのワインを飲んでこんなに美味しくて、心に響くワインの存在を知ってワインの世界でやれる自信と決意が沸いたのであった。 円熟した技の両氏の味覚を、二人の味を知り尽くした小倉あずさが仕掛ける! そんな小倉さんがプドー氏をフランスから招いて夢の南仏を代表する味覚の饗宴をアンドレさんと共に企画された。初夏の日本で、ジェネロジティー溢れる料理とワインを楽しんでいただきたい。 地中海文化と味覚を愛する人へ!3氏からの贈り物! ワイン造りにパッションを燃やし、熟練の技がミネルボワの究極の味を引き出してきた造り手のプドー氏、 日本人の味覚を知り尽くし、日本人の為の本物の南フランスの味を引き出すアンドレ氏 日本ワイン業界の世界で酒販店として本格的に南仏直輸入を始めたパイオニア的存在の小倉あずさ氏 地中海の味を語らしたら右にでる者はいない3人。どこまでも明るい人柄と味覚をご堪能いただきたい。 予約問合せ先:レストラン・パッション: TEL 03-3476-5025 東京都渋谷区猿楽町29-18                 ヒルサイド・テラスB棟―1号  パッションさんがトゥール・ボワゼを訪問した時のPHOTOSギャラリー 葡萄を収穫          パッション・ファミリーとプドーさん 南仏ワインの特徴であるガーリグと云われるスパイシーな香りの原点、野生のタイム 左、息子さんと畑を歩く 右、野生タイムの香りを嗅ぐパッション氏 野生タイムや野生ローズマリーなど香草群が豊富なガーリグ畑に囲まれたトゥール・ボワゼの畑、 パッションファミリーが訪問した日は、私達日本の酒販店グループと偶然に出くわした。 一緒に葡萄園を見学して、一緒に食事をしました。パッションさんの気さくな性格と根っからのサービス精神の持ち主である事に感動しました。本当にジェネロジティ(気さくで、人に対する思いやり)を備えた尊敬すべき人物であることに心を打たれた。 出来たての新酒を利く↓  ローマ時代の遺跡・トゥール⇒ 料理を前にすると、サービスせずにはいられない根っからの料理人 トゥール・ボワゼのワインには愛する家族の名 1-CUVEE MARIELLE FREDERIQUE 二人の娘 キュヴェ・マリエール・フレデリック シラー50% グルナッシュ50% 果実味が爆発するほどの美味しさ 2-CUVEE MARIE―CLAUDE 奥さんの名  キュヴェ・マリー・クロード シラー50%,カリニャン50% 樽熟成して、より南の濃縮感ある果実 味とミネラル感も備えている。ザ・南  仏に繊細さをプラス!濃縮と細かな粒   子のタンニンを楽しめる。 フレデリック、マリエル、マリー・クロード 、ジャンルイ・プドー 造り手、販売者、料理人、お客さんが一同に会する夢の実現 ワインに情熱を捧げる醸造家、その情熱を伝える販売者いまでやさん、料理をマリアージュさせて最高の状態で楽しめる場をつくる料理人、この3者が皆様を南フランスまで一夜だけお連れいたします。 トゥール・ボワゼ・ワインのお問合せ 千葉・東京の業務店の皆様へ ワイン販売に大変熱心な酒販店です。 信頼をもてる人達ばかりです。 トゥール・ボワゼ以外にも本当に美味しいワインが揃っています。 […]

6
Mai

MARC PESNOT復活から5月革新へ-EVOLUTION EN MAI-2010

  3年前の復活から革新へ大躍進を続けるマーク・ペノ  2007年の倒産から3年目の歳月が流れた。08年復活、09年建直し、そして10年革新の年へ真っすぐ上に向かって伸び始めた。 まるでこの季節の葡萄の蔓(つる)のように上へ上へと向かっている。 08年に野村ユニソン社の援助によりドメーヌ・セネシャリエールが正式に復活して、以後野村ユニソン社と二人三脚の建直し作業が始まった。 畑の整備、醸造所の整備など諸々の土台造りに専念した。そんな努力の中、09年は春の冷害に遭い、厳しい畑の状況と経済状況に直面した。それでも更に健全なる葡萄栽培に必要な機材を購入・投資して、万全の態勢で迎えた10年の春だ。研修していたマチュも正式に入社した。マークの右腕だ。二人で必死の耕作作業や土台造りのお陰で、この5月に入って葡萄の樹も土壌も今まで見たこともないほどに生き生きとしている。フカフカの土壌、土中の微生物も活発に躍動していそうだ。宇宙の光を吸収する葉っぱにもエネルギーを感じる。5月に入って、芽にてんとう虫を見るほど健全で力のある畑に革新の真最中だ。 5月はエネルギーが躍動する! 羊飼いならぬ葡萄飼いのイヌ・ジョジョ 葡萄を守るガードワンだ! ジョジョは醸造所のガードマン。 ここに勝手に住み込んでいる。 お母さん犬が勝手に来て醸造所の一角に4匹ほど生んで、ある程度子犬が大きくなったらどこかに去っていった。 子犬たちのうち、最後に残った一匹がこのジョジョだ。 醸造所に寝泊まりして守っている。クセ者が来れば猛スピードで行って確認する。 そして、醸造所内を守るのは猫だ。 ネズミ捕りの名猫だ。 吾輩はガード・ニャン! この最強ベストメンバーでドメーヌ・セネシャリエールは運営されている! 耕した後の状況を確認するマチュ。 09年は春の冷害で15hl/haしか収穫出来なかった。今年は順調に芽が育っている。35hl/haは収穫できたら嬉しい限りだ。 あのフォル・ブランシュことグロ・プランの畑もマニフィックだ! フォル・ブランシュは栽培が難しい品種だ! 葡萄の皮が極端に薄い品種だ。理想的に熟す日にピッタリ 収穫しないと美味しいワインが出来ない。2日遅れると 皮が破けて腐ってしまう。かと云って早目に収穫してしまうと酸が強すぎて、飲めないワインになってしまう。 だから普通に出回っているグロ・プラン種(別名フォル・ブランシュ種)ワインは強烈に酸っぱいだけのワインが多い。このミュスカデ地区の農家はこの難しいグロ・プラン種を抜いて止めてしまう人が増えている。だから益々マーク・ペノのフォル・ブランシュが貴重な存在になってきている。 超人気ワインなのに量が極端に少ない! 南仏で見られるゴブレ方式の剪定 横から見るとサインはVとでも云いたいように、Vの字になっている。樹齢70歳になろうとしているフォル・ブランシュ。昨年は冷害で一本の葡萄木から2房ぐらいしか収穫できなかった。年は7房ぐらい収穫したいものだ。 マークはこの土壌で世界一美味しい白ワインが出来ると信じている 土壌は青シスト、赤シストがゴロゴロしている痩せた年だ。アルドワーズと呼ばれる固い岩盤が地層にある。その岩盤層の隙間に葡萄の根っ子が入り込んで地中深く伸びている。そのミネラルのエネルギーを我々に伝える為に地中から吸い上げてくれる。 ミュスカデ地区を世界一の白ワインに!マークと葡萄の樹達の夢 まるで葡萄と会話をしているようだ。 こんなにも樹齢の古いミュスカデをもっているのはマークのチャンスだ。 やはり繊細なワインを造ろうとすれば、樹齢の古さは貴重な存在だ。根っ子の深さが違う。最終的には根っ子が吸い上げるミネラルの質が重要ポイントになる。 あとは葡萄の樹と人間がどこまで対話ができるか?だ。 葡萄の樹は繊細な植物だ。自然の変化を人間が事前に察知して知らせてあげれば葡萄の樹自身が自分自身を守ることができる。だからマークは毎日葡萄の樹をよく観察する。まるで会話をしているようだ。葡萄の世話をする人達も大切な存在だ。マークは季節労働を依頼する人達を選別している。毎回同じ近所の奥さん達にお願いしている。全く知らない人達では色んな意味で葡萄の樹達にも負担がかかる。 5月はプリエという大切な仕事がある。 5月に暖かくなると枝葉が急激に伸びてくる。ミュスカデ品種の習性は真上に伸びる。 そのままにしておくと、枝の上と下の部分に均等に栄養分がいき渡たらなくなって、葡萄の熟す時期にバラつきが出てしまう。 枝を横に曲げて水平にして針金に撒きつける作業をする。 こうする事によって樹液が均等に枝の先端までいきやすくなる。 こんな作業も依頼すればいつでも来てくれるアンヌさん達だ。 2009年産を利く・極少量・高品質のミレジム 近所のレストラン向けだけに、まだ完璧には醸造が終わってないペティアンのワインをSO2ゼロで一部だけ瓶詰めした。これは日本までは持っていけない。再醗酵してしまう。 ペノさんは試飲の時はいつも少年のような顔になってしまう。 本当にこの人はワイン造りが好きなんだな!と思う瞬間だ。自分が思い描いたように造ったワインを、人と分かち合える歓びを隠せない人だ。 その喜びがこちらまで伝わってくる。 LA FOLLE BLANCHE ラ・フォル・ブランシュ09 Equinoxeと手書きで書かれている。 収穫量10hl/haという極端に少なかった為に本質は抜群に素晴らしい。07年がペノさんが最高と言い切ったが この09も負けていない。この品種をこんなに優しく造れるペノさんはいったい何なんだろうか?天才でもなく、秀才でもない、何の濁りもない少年のような心で造らないと、できないスタイルのワインだ。酸も柔らかく、昆布ダシ系の旨味が乗っていて、爽やで、心地よい。 Labouriouアブリュウ09 […]

3
Mai

さらば歌舞伎座 !!! また3年後 !!!

2010年4月30日(金)、TVでは、明日からの上海万博の開幕で持ち切りだが、銀座の顔、歌舞伎座が、本日を持って閉場となる。  ここしばらく、地下鉄東銀座の駅を出ると、人、人、人の人だかり。歌舞伎ってこんなに人気があったのかと驚かされた。 歌舞伎ファンの年齢層は、高齢者はもちろん多いが、若手も結構いる。幅広い層に愛されているのだと思う。  最終日の今日は、当日券を求め、長蛇の列が、歌舞伎座横で曲がり、はてしなく連なっていた。。。さらば歌舞伎座よ !!! 我が、CLUB PASSION DU VIN 日本事務所は、この歌舞伎座の真横。この4月に新しくなった、文明堂の前を曲がり50メートルの、茜屋珈琲のビル5Fにある。 この通りの名前は木挽き通り、またの名をワインストリートと勝手ながら呼んでいる。 CPVの入居するビルの地下には、Cave des Vignes. 3Fにはヴィレッジ・セラーズ、通りをもっと進んでいくと、Bistro Vivienneがある。 3年後の新しい歌舞伎座ビルができる頃には、ワインショップや、ワインバーなど、もっと増えているかもしれない。いや、増えているであろう。 ←Cave des Vignes のソムリエ中島さん 中央区銀座4-1-3-15 成和銀座ビル地下1F TEL :03-3549-6181 正統派ワインビストロ、その歴史も長い。 夜だけでなく、お手頃美味しいランチは、売り切れ必死。 ←Bistro Vivienne のオーナー 斎藤じゅんこさん 中央区銀座4-13-19 銀林ビル 1F TEL :03-6273-2830 自然派ワインと美味しいフレンチを楽しめるお店。イケメンソムリエ吉川さん、シェフのアットホームな雰囲気が心地良いお店。 カーヴ・デ・ヴィーニュの後で、ヴィヴィエンヌでもいいし、その逆でもいい。はしご酒には、もってこいのワインストリートの2軒である。

27
Avr

料理・ワインの『情熱人』 GERARD ALONSO

いつも 陽気なアロンゾ夫妻 RUE DU MARS 1962 84700 SORGUES TEL ;04-9083-4842 情熱料理人ジェラール・アロンゾ(南仏AVIGNONの近く) 料理とワインに対する情熱は凄いものがある。 料理だけ美味しいところは沢山ある。これは日本もフランスも同じだ。 シェフの技術が高いほどワインとか飲み物のセレクションが良くないのが多い。本当に残念でならない。 シェフから見れば『俺は自分の料理で勝負しているんだ!ワインや飲み物に頼る必要はない!』と云わんばかりのワインセレクションのレストランが多い。気持ちと意気込みは良く理解するけど、そこで食べる身になってもうチョット考えてもらいたい。美味しい料理も、妙なワインと一緒では、折角の料理も本当に台無しになってしまう。気分も喜びも半減してしまう。 繊細な料理センスを表現するジェラール、すべてを包み込む優しさジョゼット ジェラールはアラン・シャペルの影響を受けている。ドメーヌ・ロマネ・コンチの祝賀食事会の料理を何回も担当したことがある。多くのガストロミー、ワイン醸造家にも愛されている人物だ。情熱家にありがちな押し付けがましい処が全くない。控えめでいて、やる時はビシッとやるタイプだ。妥協はしない。細かいところまで気が行き届いた繊細さが料理の至る所に出ている。料理センスが溢れている。小さなところにオヤッと驚くことが毎回ある。料理法は素材そのものの味を尊重したやり方だ。素材を大切にしている。だから使う素材はすべて季節の旬、新鮮なものばかりだ。 そして、サーヴィスを担当するのは奥さんのジョゼットだ。これがまた素晴らしい。ソフトなタッチで優しさが自然に伝わってくるような人柄だ。 ジョゼットのサーヴィスだけで癒されてホットする。何やら家庭に招待されて食べているような感覚になってしまう。 『ザ・優しさ 』がいっぱい!! 料理にもサーヴィスにも『優しさ』が表現されていている。こんなにも和むレストランを私は知らない。 時々ジェラールが出てきて会話を楽しむ。 アロンゾと情熱料理と自然派ワイン 幾つかのミーズとアペリティフ。 シェフの息子のシリル・アロンゾが造る微発泡ロゼワイン。爽やかな酸とほのかな甘味が食前酒として最高! 上記のミーズの後に、今日のメニューを見て、変則メニューを依頼した。胃の調子から云って魚類を中心にしたいこと、それと、アラカルトの方に私の大好きなモリーユフレッシュ・生モリーユがリストにあったので、それを加えてもらった。 →Ravioli de homard breton au basilic frit  ブルターニュ産オマールのラビオリ、バイジリックの揚げ添え  美味しかった!ソースに酸味があり爽やかに感じた。 そして、あまり食べられないフレッシュ・モリーユ、Morille (編笠茸)というキノコ。乾燥ものは結構どこでも食べられるがフレッシュと書いてあるのはなかなか見つからない。どうしても食べたかった。 実に香り豊かで、シナモンに似た香りに甘さを想像させる風味がある。素晴らしい!幸せな気分だ! ワインはサンセールの自然派第一号、セバスティアン・リフォーSebastien RIFFAULTのAUKSINISオクシニスを合わせた。 サンセールの石灰岩盤からくるミネラルの塩っぽさ、ヨード香がオマールの塩っぽさとピッタリ。そして、自然派独特の優しい造り、サンセールでは珍しいマロラクティックをやったワイン独特の柔らかな酸がモリーユの甘味、旨味にピッタリだった。何という幸せなマリアージだろう。 こんなものを食べられる環境すべてに感謝だ! メインは出来るだけ軽くボライーユ(鶏)系にした。 Les Sot l’y laisse de volaille aux asperges de l’ile  de  l’oiselay 雛鳥に囲まれたアスパラ。 […]

22
Avr

Dard et Ribo ダール・エ・リボ ニュース

マルセル・ラピエールを昼食後、出発して高速道路A6号線に乗って、LYONを超えて1時間半ぐらい走っただろうか、エルミタージの丘が見えてきた。出口ターン・エルミタージがそろそろある。出口のチョット手前の左側にダール・エ・リボの醸造所が一瞬だが高速道路から見える。 中身の充実に賭けるダール・エ・リボ。建物は壊れそうな壁だ。ダール・エ・リボの象徴的な醸造所だ。ルネ・ジャンもフランソワも二人とも外観など全く気にしていない。中身だけの勝負だ。彼ら自身の容貌や、服装を見ていても、変に飾ることはない。清潔だが実に質素だ。見かけなどを重要視していない。これが彼らの生活哲学だ。この生活哲学は彼らのワインに対する姿勢も同じだ。魅せかけの外観は一切重要視していない。 樽に寄りかかるルネ・ジャン  栽培方法も醸造方法も最も重要なことに集中して、無駄なことは一切、切り捨てている。だから、真っすぐでピュアなワインになる。他では絶対にないダール・エ・リボ独特の風味のワインが出来上がる。だから、世界中に熱狂的なファンがいる。ルネ・ジャンはジャーナリストが大嫌いだ。フランス系ワイン雑誌に載ることはない。写真も日本人以外は撮らせない。 高速道路を降りるとすぐなので、車で南下する時は時々挨拶に寄る。今朝、電話して、今日の午後に通過するのでチョット寄る旨を伝えた。着いたら電話することになった。今日は天気が良いので畑に行っているとの事だ。醸造所の壁にベルがある。鳴らしても、応答なし誰も居そうもない。ルネ・ジャンの携帯に電話した。今、こちらに向かっているとのこと。今年は寒い冬が長かったので畑仕事が遅れているのだろう。去年、膝の手術をしたルネ・ジャンは完璧に治らず、まだ痛そうに歩く。 だから、キツイ畑仕事はあまり出来なくなっている。立っている時もすぐ何かに寄りかかっている。15分程待った。 天気が良いので気持ちがよい。醸造所の前にリンゴ畑がある。 花が咲きかけている。その周りにタンポポが咲いていた。 ホットする空間とひと時だ。 2009年産を樽からテースティング 2008年は収穫直前の豪雨で葡萄園が大きなダメージを受けた。その影響で2009年も生産量が極端に少ない。 少ない代わりに、品質は抜群だ! 少ししか出来なかった葡萄房に土壌のエネルギーが濃縮した感じだ。 09はルネ・ジャンにとって色んなことがあった年だった。 10年は流れが変わって今のところ順調に推移している。 1-CROZE-HERMITAGE クローズ・エルミタージュ 白 まだ発酵も完璧には終わっていない。 まだ、ガスがいっぱいある。アル発酵で生じたCO2がワインに溶け込んでいる。 残糖もまだ僅かに残っている。この時期のテースティングは難しい。 外観は緑がかった薄黄色、香りは当然発酵の香りがまだ充満している。 でも、口中で随分と粘着性を感じる。酸も素晴らしい。最後にミネラル感が残る。ポテンシャルは素晴らしいと思う。 2-HERMITAGE エルミタージ 白 色合いはほぼ透明に近い、香りは閉まっている。アルコールのボリューム感は 凄い、よく熟したと思う。最後にミネラルからくる塩っぽさが残る。 ミナラリーなワインに仕上がるのではないかと想像する。 3-ST-JOSEPH サンジョゼフ 白 これもまだ発酵が完璧終わってない。 透明に近い色合い、現時点ではアルコールの力強さが目立ていた。 やはりミネラルの塩っぽさが凄い。 今の時点で云えることは、ミネラル感溢れる力強い白ワインになるだろう。 細かなニュアンスはこれからの熟成で醸し出される。 発酵途上の樽テースティングについて 発酵や樽熟成が終わってない自然派ワインのテースティングは完成時と大きく異なることがあるのでこの段階で大切な判断はできない。この段階の判断はその年のポタンシエル・可能性を測ることだ。 醸造家も毎日、試飲するごとに変化するワインに驚かされているのが現実。 今日はお互いにあまり時間もなく、試飲はこのくらいで終わった。ルネジャンは次のお客さんが来て、これから出なくてはいけない。我々も南ローヌまで行かなければならない。 普段なら、永遠と続くカーヴでの試飲も今日は早々と終了だ。 何となく淋しそうだった。 伊藤『今日はどうかしたの?』 ルネ・ジャン『今、ひでこ(奥さん)とアンジュマリ(娘)が日本に帰っているんだ』なんとなく淋しそうな雰囲気。 伊藤『今夜、何か予定があるの?なければ一緒に夕食を食べないか?』 ということになり、お互いに用事を済ませたあと、南ローヌのどこかの村で落ち合って食事をすることにした。 私もあの可愛いアンジュマリーの顔を見れないのはチョット淋しい。 雑ニュース ソムリエ・トリアトロン競争のポスター (醸造所の壁に貼ってあったポスター) 5月23日、ソムリエ・トリアトロン競争がエルミタージ地区で 開催されます。 3つの競技に得意な方、是非、参加ください! 1-自転車競走 2-マラソン(走ること) 3-ワインを飲むこと 我こそはと思う方、23日にエルミタージまでどうぞ! 電話:04-7508-4056 […]

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エリック・ピファーリング*ラングロール

今日はフランスで有名なワイン雑誌、 『le Rouge et Le Blanc*ル・ルージュ・エ・ル・ブラン』で見つけた、エリック・ピファーリングのインタビューを紹介したいと思います! Le Rouge et Le Blanc n° 96 « Tavel la vie en rosé » 今回はローヌ地方の特集です。 今回はエリック、そして次回はエロディ・バルムの取材をアップしますので、楽しみにしていて下さい! 独特なロゼ・タベルを造っているドメーヌ・ド・ラングロール、エリック・ピファーリング氏のワインは、モダンというよりも、シャトー・マニシのロゼのように伝統的な味が印象的。 彼の過程は土地やブドウ木、果物の実とワイン全てを由来とし、ワイン生産者として楽しみと味わう喜びを尊重しています。 ピファーリング一家では、昔から心に響いたことはとにかく優先。1970年代、エリックの父はミツバチに興味を持ち、以前からやっていた機械仕事を辞め養蜂の道に進みました。そしてエリックは自然と親の情熱を受け継ぎ、ガール地方でも蜂の病気や蜂に悪敵なヴァロア(ダニ)のアタックについて全面的に戦ってきました。そして1980年代の後半に家族のブドウ園を受け継ぎ、養蜂家及び生産者となりました。『養蜂家の頃と同じ仕事をしている感じ』とエリックも言うほど、花やアロマなど彼自身が好んできた要素が両世界にあったのです。 義理の父から土壌の仕事を教わり、最初は協同組合員としてスタート。しかしエリックは、『環境を尊重した栽培方法』を改善し、タベルに広めた一人でもあります。時が経つにつれ彼の考えはより深くなり、当時エステザルグ協同組合のディレクターを務めていたジャン・フランソワ・ニック氏の影響を受け、エリックは徐々にビオ栽培の方向へと進んでいきます。そこで彼の励ましとなったのが、先駆者であるジュル・ショベ氏や、モルゴンで有名なマルセル・ラピエール氏、ジャン・フォワラール氏のワイン造りの方式。また、シャトー・ド・マニシでタベルのワインに付いて多くの知識を得たフレール・ロジェの開放的で感情性の強い性格が、エリックにとって大切な目標となったのです。そこから、彼の中では『原料に信頼性を持てるからこそ造れるワイン』という考えが生まれたのです。:健全なブドウが生り、テロワールの魅力が表現される畑作業を行い、化学物質を添加しないで、果汁が発酵や熟成中自由にブドウのポテンシャルを引き出せる環境造りに手を掛けました。 2002年、大量に降った雨はミツバチの巣を全て奪い、収穫の半分以上が破壊:自然は時には厳しいですが、それでもエリックは生産者になろうと決心しました。 そして40歳になった時、彼はタベルの協同組合を辞め、自分のワインを造り始めたのです。 このドメーヌの畑では、化学物質は一切不添加の上、各テロワール、各ブドウ木、そして気候情報に適合した畑作業を行っています。『ブドウ畑は私に新たな活力を与えています。その事実に気付いたのです。』というように、経験と直感、そして強い感情も大切なのです。 『この様な仕事をするには、土壌と特別な関係を築いて行かないといけません。土に対して愛情を抱いていないといけないのです。』 土の通風や水の状態、植物の間に生まれる競合、又ブドウ、そして発酵中の果汁には必要不可欠である窒素の存在など、これらをコントロールするにはブドウ木と他の植物のバランスを保つことが重要です。 そして何よりも大切なことは、ブドウ木からワインになるまでの段階を見守ること。まさにローマの古代人のワイン造りに似た方法です。 エリック・ピファーリングは尚古主義ではなく、ただタベルのワイン造りに関する古い歴史と、今現在テロワールを感じながら進める作業を歴史に残して行きたい強い意志の持ち主なのです。 ワイン紹介 ロゼの色は普段見かける薄いピンクではなくしっかりとした色合いで、おそらく昔に造られていたロゼの色に似ているのでしょう。とてもリッチなアロマはとても爽やかで心地良く、花やオレンジの皮、スパイスなど、ドメーヌの独特的な繊細さが溢れています。そしてもちろん『自然』が大いに感じられる、飲めば飲むほどはまって行くワインです。 2007年タベルの点数 20点中16(一番高い点数 - 平均点数12.5/20) 。 とても豊富なアロマ:ヨードやトースト、乾いたハーブやオレンジの皮。又、スパイスやお花、フレッシュなフルーツの香り。 とても繊細なミネラルが感じられ、焦がれたハチミツや花の香りが凄い。とても滑らかな味わいで長く続く綺麗な後味。とても複雑で飲みやすいワイン。 2009年ヴィンテージの点数 20点中15.5(一番高い点数 - 平均点数12.5/20) 。 バラの花や綺麗なハーブの香り、そしてフランボワーズやイチゴの繊細なフルーツのアロマが複雑感を与えています。まろやかで爽やかな味わい、そして最後にはピリッとした苦味がまた美味しい!力強さもあり、フィナーレはとてもエレガント。一度飲んだら止まらない、自然で胸を打たれるような上品なロゼ。2007年、2008年ビンテージに続き、独特的なタベルです!