15
Août

ブルゴーニュの大物自然派生産者にも引けを取らない新星登場!!!

ブルゴーニュの大物自然派生産者にも引けを取らない新星登場!!! DOMAINE PICATIER ドメーヌ・ピカティエ レ・クラパスでのお祭りの翌日は、ローヌ・アルプ地方、ロワール県(42)、サン・タオン・ル・ヴュ[Saint Haon Le Vieux (42370)]のドメーヌ・デュ・ピカティエ(Domaine du Picatier)を初訪問。クリストフとジェラルディーヌが温かく迎えてくれた。ドメーヌ自体は何年もの間生産者が替わりながらも存在してきたが、2007年に2人が買い取ったドメーヌである。ドメーヌを取り巻く自然環境、生活環境に大いに魅了され、彼らが自らのドメーヌを立ち上げることを決心してから場所選びに2年の歳月を費やした末にようやくこの地を選んだのであった。もともとクレルモン・フェランで景観整備の勉強をしていた2人がワインの道に入ったのは、ジェラルディーヌの仕事がきっかけで1999年にブルゴーニュへ引越したことに始まる。クリストフはコート・シャロネーズのビュクシー(Buxy)協同組合にブドウを売るブドウ農家の下で働いている間にワイン造りに興味を持ち始めた。ボーヌの学校で醸造を学びながら、7年間ポマールのドメーヌ・ラエ(Domaine Lahaye)で畑作業、醸造、瓶詰めまで全て行っていた。ある日、丁寧な畑仕事、天然酵母の賜物である率直、ピュアで自然なワインを親友に飲ませてもらって以来、徐々に自然なワイン造りに対する情熱がわいてきた。ドミニク・ドゥランとの出会いも決定的だった。ドミニクからビオディナミ栽培について多くのことを教わった。そして、自分達のワインを造って新しい人生を楽しみたい!と言う思いが強くなっていったのだった。「ワインへのパッションが私達の血を巡るようになり、自分達のワイン造りをして新しい人生を踏み出したいという欲求に抗うことができなくなったんだよ!(La Passion du vin se répand dans nos veines et difficile de résister à l’envie de s’installer ensemble et de commencer une nouvelle vie!)」というクリストフの言葉が印象的である。 ドメーヌの概要 ローヌ・アルプ地方、ロワール県[Loire(42)]のオーベルニュ地方、ブルゴーニュ地方との境界にドメーヌは位置している。南はサン・ジョゼフとコンドリウの畑、西はコート・デュ・フォレズの畑、東にはボージョレの畑、そして北にはコート・ロアネーズの畑に囲まれている。標高は400m。栽培面積は2007年当初は、7ha(ガメイ 5 ha + シャルドネ 1 ha + ピノ・ノワール 1 ha)だったが、2009年には、新たに3品種(ヴィオニエ 0.60 ha + ルサンヌ 0.30 ha + アリゴテ […]

17
Mai

ワイン販売指導NO1・BMOの山田恭路さんがフランスにやって来た!

南仏コルビエールの樹齢100年を超すカリニャンと対話をする山田恭路さん。 メソードYAMADAのワイン販売指導の凄いところは常に現場からの発想を基本にしているところだ。造る現場の状況を踏まえて、売りの現場で表現する。山田さんのワイン知識は超プロ級だ。一世を風靡した池袋西武のワイン売り場を仕切っていた人だ。またワイン学校の教師をも務めていた。日本にはワインの知識が凄い人は沢山いる。でもその知識と流通に同時に頭脳が働いてワインを動かしてしまう人は皆無である。メソードYAMADAは日本一のワイン販売指導方法と云っていいだろう。日本全国の質販スーパーグループと酒販店や各種小売店に指導している。山田さんが指導して売り上げが落ちたところを見たことがない。百発百中と云ってよい。普段は毎日日本中を走り周って指導している忙しい人だ。しかし、どんなに忙しくても、この時期はじっくり時間をとってフランス醸造現場を周ることを怠らない。常に現場を把握している人だ。じっと百年の古木を眺めながら、きっと山田さんの頭脳は売りの現場の事を考えているのだろう。 ここにメソードYAMADAの本当の凄さがある。醸造所の人間と話しながら現場人の気持ちの変化などちょっとした変化を見逃さない。このサンジャン・ド・ラジネステは今年からバカブさんの長女が戻ってきた。人の変化はワインに大きく影響する。彼女の考え方、ワイン対する姿勢を会話の中から読み取り、今後の販売にどう表現して生かすかを考えている。今日の山田さんは実に喜んでいる。何故なら山田さんは彼女のお父さん故バカブさんをよく知っている。その情熱的なところに感動して取引が始まりもう10年になろうとしている。その娘エミリーさんにお父さんの情熱に負けないくらいのパッションを感じた。 ラングドック地方のコルビエール黄金の三角地帯にあるエグイユ醸造所訪問  ここでも新しい風が吹いていました。娘、アンヌがパリより戻っていました。 コルビエールの黄金の三角地帯 BMOでは安くて自然な造りの代表的な醸造元をこのコルビエール地区に2社取引をしている。先ほどの、サン・ジャン・ド・ラ・ジネステとこのシャトー・エグイユだ。コルビエール地区の中でも最も素晴らしい土壌を備えているブトナック区画である。黄金の三角地帯の中の真ん中、さらに小さな三角地帯に位置している二つの蔵元だ。山田さんの取引先は質販スーパーのお客さんが多い。日常食品を買いに来たお客さんにワインを買ってもらう業態だ。だから安くて、自然で、文句なしに美味しいワインが必要だ。そんな夢のワインがこのエグイユにある。 何故?安くて、自然で、美味しいか? 何故、安く仕上げることができるか?まず土地代が安いこと。ワインの価格にはそこの土地代が大きく影響しているのは当たり前。何故、自然か?コルビエールは本当に乾燥している。モンターニュ・ノワール山からタラモンターニュという空風が常時吹いているのでさらに乾燥度が激しい。葡萄園が乾燥していれば病原菌も少なく葡萄が病気にかかりにくい。自然に自然栽培が可能な立地だ。何故、美味しいか?葡萄木の樹齢が50~100歳の古木が多く、一本の木から収穫できる葡萄房が極端に少なく旨味の成分が濃縮している。さらに古木の根は地中深く10メートル以上も伸びていてミネラル分が豊富な潮っぽい旨味がつまっているからだ。だから安くて、自然で、美味しいワインが実現する。勿論、ここで忘れてはならないことは、ルマリエさんの自然な醸造方法によることは云うまでもない。 明るくて、誠実で、人思いの優しい性格だ。 今回の山田さんの訪問の目的の一つは義援ワインのお礼と日本でのチャリティー活動展開の説明をするためもある。 色んな醸造元から義援ワインが集まった。 ほぼ1コンテナ分のワインが集まった。 日本全国の小売店やレストランの方々と6月より“頑張ろう日本チャリティー”イベントを各都市で開催する予定だ。 醸造元の善意の波を東北復活への力に!と山田さんが主宰する直輸入グループSTCのメンバーが着々と準備をしている。 今回の地震には醸造元は本当にショックを受けていた。もう15年も一緒に付き合って家族のような付き合いをしているので我が事のように心配していた。 自然からの過酷なメッセージについては醸造元にとって実に身近な存在だ。何度も過酷なメッセージを受けているからだ。 だからこそ、その痛みが我が事のように感じられるのだろ。 この醸造元の善意の波動が日本全国に元気を取り戻すお役に立てればと思う。 エグイユの新風 パリや外国で活躍していた娘、アンヌがシャトーの衣替えに参加していたことだ。超アナグロなお父さんのフランソワはシャトーのラベルやロゴをもう何十年も変えてない。そのイメージの変えようと立ち上がったのがアンヌだ。 パワーポイントなどを使用してシャトーを説明するアンヌに山田さんも大喜びだ。確かに現在のラベルは昔風でそろそろ変えた方が・・と山田さんも思っていたところでもあった。彼女がデザインしたロゴやラベルは斬新でセンスもよく、今までのものと全く違う。心配そうで嬉しそうなお父さんの顔が印象的でした。 何と、このアンヌと先ほどのサンジャン・ド・ジネスト醸造元の娘エミリーとは幼馴染で小さい時はいつも2人で一緒に行動していて兄弟のように育ったとのことでした。 エミリーも16歳でパリに出ていき演劇やスタントマンなどもやっていたという活動的な23歳だ。 それにアンヌもこのコルビエールの地に戻ってくれば一挙にこの黄金地帯が 明るくなる。安くて、自然で、美味しくて、その上にプラスアルファ美しさが備わるだろ。黄金の三角地帯ブトナックの土壌は人も育ててくれそうだ。

1
Avr

エロディー・バルムとマルセル・リショーの新ビンテージ試飲!

今日は、3月末に来日する予定だったこの二人の2010年ビンテージ・ワインに付いて語ります! 2010年のローヌ地方のワインは、とても綺麗なバランス! マルセル曰く、『2010年はエレガントで繊細なビンテージ。綺麗な骨格で、フレッシュ感バッチリ!エレガントな年は、何年後かに飲むと更に上品になっているんだ。私はこのビンテージが大好きだ!口に含むとワインが踊ると言うか、とても良いハーモニーでハッピーな気分になる。私にとって、綺麗なワインは濃厚でタンニンが抽出しているワインではない。パワフルな部分は、抽出からではなく、テロワールから引き出されるものだ。私が目指しているワインはバランスが良く、飲みやすく、皆で楽しめるワイン!』さすがアセンブラージュの王! ではでは、アセンブラージュしたてのワインを試飲です! Terres d’Aigues*テール・デグ2010 グルナッシュ80%、ムルベードル20% オリーブ、グリオット、野イチゴなど、熟成されたブドウの香り。 豊富で濃厚な味わいにフレッシュ感が足され、タンニンの渋みもちょうど良い! 全然重くなく、丸みのある気持ち良いワインです。 Terres de Galets*テール・ドゥ・ガレ2010 グルナッシュ50%、カリニャン30%、シラー20% 樹齢30年 小さな石と、赤粘土質のテロワール 黒実フルーツのジャムを思い出させる、甘くて深い香り。 口に含むと、南仏のワインのように厚みがあり、ガリッグ(香草)の特徴が出ていてスパイシー!ミネラル感もタップリと感じられ、エレガントで繊細なワインです。 Cairanne Blanc *ケランヌ・ブラン2010 ルサンヌ、マルサンヌ、ビオニエ、グルナッシュ・ブラン、クレレット、ブルブラン 白い花と洋ナシの香りが綺麗に混ざり合い、表現豊かなワイン。 後味が長く残り、フルーティーで飲みやすい!アペタイザーにはピッタリです! Cairanne *ケランヌ2010 グルナッシュ46%、ムルベードル20%、シラー16%、カリニャン16%、クノワーズ2% 樹齢40年から70年 赤フルーツの濃厚な香りが漂うワイン。 厚みとボリューム感タップリで滑らかなタンニン!なおかつ酸味も効いていて爽やか! マルセルからのアドバイスは、『ちゃんとしたカーブだったら5年間保管出来るよ!』と。 5年後どのようにこのワインが化けているか、是非飲んでみたいです! Ebrescade*エブレスカード2009 各品種をバリックで熟成した後、アセンブラージュを終えフードルでの熟成。 とてもまろやかでボリューム感タップリ。 熟成された黒実のフルーツの甘さが口いっぱいに広がります。 トーストとスパイスの香ばしい香り、そしてフレッシュ感もあり、上品な一本。 2010年はより爽やか!ピュアなブドウの後味が長く残ります! 個人的には、トップ10に入る大好きなワインです!ちょっとセレブな時間を味わいたい時に飲んでいます! 続いて、エロディーのワインも試飲! 彼女も、朝アセンブラージュを行ったばっかり。 エロディーに2010年の特徴を聞いてみると・・・ 『今年も、過去10年間と同じパワフルさ。アルコール度数は15%なの・・・でも2009年より酸味がより強いので、フレッシュで飲みやすいよ。今年は、完璧な熟成度に達するまで時間が掛かったんだ。普段は9月の頭に収穫がスタートするんだけど、2010年は9月の20日から開始したんだ。前年に比べると遅いかもしれないけど、昔は9月の下旬から収穫時期が始まっていたんだよ。だから、早いと言うより、普通に戻ったと言った方が正しいのかも。でも、ブドウがゆっくりと熟成した分、バランスが良く爽やかさも感じるワインに仕上がったよ!2010年はバランスも良く、骨格もよく、綺麗なタンニンが味わえるよ。』と笑顔で話す彼女。 『でも開花時期に、グルナッシュのブドウにクーリュールが発生しちゃったんだ・・・その分収穫量が落ちてしまったの・・2009年の収穫量は少なかったけれど、今年も更に低くなっちゃった・・』とちょっと困った様子。。。 確かに、パリでは知らないカービストはいないほど人気なエロディー。御客さんは増えてもワインが少なくなってしまってどうしようと・・・ でもそんな問題も2011年からは解決!今年から畑の面積が、今ある8Haから13Haに拡大! 皆さん!彼女の2010年ワインをゲットするには早い者勝ちです! Vin de Pays de Vaucluse*ヴァン・ドゥ・ペイ・ド・ヴォークリューズ2010 カリニャン50% - 40年 グルナッシュ25% - 40年 メルロー25% - 8年 […]

24
Mar

Arnaud Combier *アルノー・コンビエ - 最高にピュアでミネラルな白ワイン!

今回は、ブルゴーニュ地方で白ワインを生産している、アルノー・コンビエ氏を訪問して来ました! 山の中にポツンとある瓦礫の家。ここが彼のスウィート・ホームです! しかし立派な『シャトー』のような家! 今ちょうどリニューアルをしている最中! ピエールクロという村に、家族4人暮らしをしているアルノー。 眺めも抜群、そして自然度100%! 家の前には、小さな川も流れていて、とにかく空気がピュアで気持ちいい! マイナスイオンがどんどん体に吸収されていきます。 彼からの提案で、今年の夏は、ここでプチ・バカンスを楽しみたいと思います! アルノーはブルゴーニュ地方にあるプイイ・フィッセの南、St Véran*サン・ヴェランで栽培をしています。 彼の祖祖父から始まったこの家庭ワイナリーは、アルノーの父の世代で一時的終了・・・何故かと言うと、アルノーの父がワインの世界に興味が無かったため、他人に畑を貸してしまったからなのです! アルノーに物心が付いたときには、ブドウ畑はもう他人のもの・・・仕方なく、彼はフィリップ・ヴァレット氏など、偉大な生産者の下でワイン造りに関する知識をマスターしました。 そして1999年に嬉しいニュースが!何と祖祖父の宝だったあの畑を、再び自分の手に入れるチャンスが!当時アルノーはまだ25歳。しかしワインに対する思いは人一番強く、彼はドメーヌを引き取り、全面積をビオ栽培に転向し、なるべくナチュラルなワイン造りを開始したのです! そして今になっては、これほどピュアで、繊細でミネラル感豊富なワインは非常に少ない!とワイン愛好家が語るほど、ビッグなワイン造り手に変身! そんなアルノーの醸造所は・・・今ちょうどリニューアル中。 去年まではこの醸造所がまだ出来上がっていなく、他人のカーブを借りながらワインを造っていました。そして2010年からは、この新たな場所でワイン造りを! 写真は無いのですが、その代わり、熟成しているカーブをご覧下さい。 ここも、去年綺麗に創り上げ、今では2010年の白ワインが眠っています・・・ まだ発酵中のワイン・・・ アルノーは、そんな自分の『赤ちゃん』をなるべく邪魔しないように、そっと、ゆっくりと、しかも短時間しかこの不思議な場所には居ないそうです。 しかし湿気が凄い! 壁には雫が沢山! どう説明していいか分かりませんが、何か異常なパワーを感じます。 もちろん、ワンちゃんも出入り禁止! そんなアルノーのワインは、アロマがとても華やか。口当たりもまろやかで飲みやすく、後味が永遠と続く、濃厚でエレガントなワインです! Les Mandeliers*レ・マンドゥリエ2009 1.5Haに植えてある、若いブドウ木から収穫されたブドウは、フレッシュ感と甘みがタップリ! 一言で言うと、『ピュア』!! 柑橘類とミネラル感のバランスがとても良く、スイスイ飲めてしまいます! 白ワインが苦手な人には是非お勧め! 軽くてエレガントなワインです! La Barnaudière*ラ・バルノディエール2007 先ほどのワインに比べ、よりまろやか感が味わえます。 そして樹齢50年以上の木から生るブドウは、ミネラル感タップリ。 ハチミツのようなトローっとした甘さと、ピーチや梨のフレッシュな香りが凄い! 同じシャルドネなのに、テロワールが違うだけでこんなにもの違いが(上のテロワールは泥土質、こっちは粘土石灰質)!とにかく優しい味です! Pouilly Fuissé*プイイ・フィッセ これは美味しい!とても爽やかで柑橘類やお花のアロマが混ざり、とても複雑な香り。とにかく花畑!という感覚が強いです!そして綺麗な酸味と、やはりハチミツのような甘さが口の中で長く残る一押しワインです! 2008年ビンテージ:ブリオッシュやトーストの香ばしさが、このキュベの複雑感を引き出しています。やはりミネラルが強く、真っ直ぐな美味しさ。最後には、ちょっとした渋みと、洋ナシのアロマが印象的。 2009年ビンテージ:は雹が畑を荒らしてしまったので、生産無しです・・・ 2010年ビンテージ:香りが一瞬で広がり、とてもリッチなワイン。前ビンテージに比べ、よりパワフルでボリューム感があり、とにかくショッパイともいえるミネラル感が!このキュベだけが、今現在SO2無しでの醸造・熟成。初めてSO2無しでのワインの安定感を保てました!これも、長年の研究と、健全なブドウの使用の結果です! 彼のワインのように、アルノーはとても純粋で優しく、流れる時間を大切にする平和主義者。 私の一押しの生産者です。 彼曰く、『畑を取り囲む自然環境を守ることが大事。そうすると健全できれいなブドウが収穫出来る。となると、自然に良いワインが出来上がる。綺麗なブドウとは、収穫量を抑え、成熟のバランスがしっかりと取れているブドウだと僕は思うんだ。』 初ヴィンテージから早10年。 彼のワインは毎年レベル・アップしています。 これから数年後、彼は一体どんな新しいワインを造り、どんな偉大な醸造家へと変身しているんだろう・・・?! 期待溢れるアルノー。彼のワインを是非楽しんで下さい! Arnaud Combier *アルノー・コンビエのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: […]

8
Mar

確実性の男・ジェロームDOMAINE LES CLAPAS

南ローヌ・アルデシュ地区の確実性の男・ジェローム・ジュレ DOMAINE LES CLAPAS  ドメーヌ・レ・クラパス アルデッシュといえば自然派の大御所マゼル・やジル・アゾニがいる。自然派が育つ人的土壌が存在する。二人の大先輩の影響を享けて、今、アルデッシュを代表する自然派醸造家に成長しつつある確実性の男ジェローム。 何故、確実性の男か? ジェロームには浮いたところが一切ない。ここまで来るのに充分な準備と経験を己に架してきた。自分が確実に行けると思うまでは試行錯誤を繰り返し研究を続行する。ジェロームが動いた時は、確実に本当に美味しいワインがそこにある。安心してワインを飲むことができる。よく自然派醸造家にみる還元臭ビンビンとかやや酸化気味というようなことはない。自然派独特の果実味がたっぷり乗っていて、なおかつクリアーでしびれるほど美味しい。いつ飲んでも満足度の高いワインを造りだしてくれる。 6年間の修行時代を超えて積み重ねた現在 独立する前は、6年間のあいだコート・デュ・ローヌ、ボジョレー、ブルゴーニュ、ボルドーのいろんな産地で働き、生産者から現場で教わりながら経験を積んだ。自然派ワインに興味を抱くようになったのは、ローヌ地方南部を代表する二人の自然派ヴィニュロン、ジル・アゾーニと、マゼルのジェラルド・ウストリックに出会ったからである。 また、ボジョレのフィリップ・ジャンボンとも大の仲良しだ。それでも、一歩一歩しか進まない、(PAS A PASパ・ザ・パ)、その姿勢がそのままワインの名前になっている。 3月に入り剪定も最終段階のレクラパス PAS A PASに入るカリニャン レ・クラパスの醸造所に最も近い畑“ラブリ” 。ここにはカリニャン、グルナッシュの古木、34歳のカベルネ・ソーヴィニョンがある。区画の横のイビリ小川が流れていて、比較的遅熟の畑区画である。カリニャンとカベルネ・ソーヴィニョンはお父さんが植えた。グルナナッシュはお祖父さんが植えたものだ。先代達が残してくれた畑で、ジェロームは今、美味しいワインが醸せる。 剪定は樹液が上に登りだす頃が最もよい。 最近は収穫が終わるとすぐ剪定を初めてしまう醸造家が増えている。しかし、11月はまだ樹液が下に向かっている時期である。切り口から樹液と一緒に菌が根まで入りやすい。病気にかかりやすい。3月は右の写真のように樹液が登ってきている。この時期に剪定するのが最もよい。理想的だ。菌が内部に入る心配がない。 L`ABRI ラブリというここの畑区画が名前になっているワインがある。お父さんが1976年に植えた自慢のカベルネ・ソーヴィニョン100%を仕込んだワインだ。左がカベルネ・ソーヴィニョンの葡萄。 ジェロームのトラックでレクラパスの畑巡り 標高が高いフェスキエ区画 この区画はお父さんが1980年に開拓して植えたグルナッシュが植わっている。ここからはEN AVANT DOUTE アナヴァン・ドゥットという名のワインを醸している。 グルナッシュ100%のSO2なしの果実味豊かでグイグイ飲めてしまう感動的なワインだ。 この区画のグルナッシュに特別な感情を持っているジェロム、観察する目が違う。 ジェロームはこの区画が大好きだ。 何故なら、ここのグルナッシュが最も健全に完璧な葡萄が収穫される区画だからだ。 自分が狙っている自然な造りを思うように挑戦できる確実性の高い区画だ。 フィロキセラ以来中断していた歴史的テラス式葡萄園を復活させたジェローム COTEAU DE SAINT GIRAUD コトー・ド・サン・ジロ区画 村役場も歴史あるこの葡萄園の復活を模索していた。若いやる気のある醸造家を探していた。ジェロームが6年間の修行を終えて村に帰って来た時だった。ジェロームにとってまたとないチャンスに恵まれた。結局、ジェロームがこの歴史あるコトー・ド・サン・ジロ区画を栽培・醸造することになった。 ジェロームが多きな期待を寄せるメラニ区画とファントリー区画のシラー品種 この二つの区画は斜面続きで上下に隣り合わせになっている。最も風通しがよく、水分も土壌に蓄積されていて、どんなに乾燥した年でも酸を確保できる土壌だ。ジェロームはここにシラー品種を植えた。北ローヌと南ローヌの中間に位置しているアルデッシュでもここならシラーが素晴らしくなると確信した。 素晴らしく複雑性を備えた土壌 粘土石灰質土壌の20センチ地下には太古の昔、元海底だった頃の石灰岩盤の層があり、場所によっては貝類の化石が地表に転がっている。根っこは岩盤の割れ目に沿って地中深く伸びている。10メートル上下に歩くと土の色が全く変わってしまうほどバラエティーに富んだ土壌だ。 さあ、醸造所に戻ってテースティングだ。 なんと2009、2010と2年分のミレジムは発酵・熟成中だ! 2009年は非常に乾燥した年で4月から一切雨が降らなかった。だから非常に濃縮された葡萄が仕込まれた。自生酵母のみで発酵させる自然派の造りは、こんな乾燥年はアルコール発酵が大変ゆっくりだ。09がまだゆっくり発酵している。冬の寒い時期はアルコール発酵が止まってしまい、3月に入って発酵が再び始まってきた。 非常に危険を伴う醸造方法をあえてとっている。あくまで自生酵母と妙な人的テクニックを使って早く発酵を終わらせようとはしない。これが、自然派の人達の見えないところで大きなリスクをおいながら、自然を尊重してワイン造りをしている大切な事実だ。 ★ソーヴィニョン・ブラン10 92年に植えた若い木、10年は開花時期に霜にやられて50%しか収穫できなかった。6樽しかない。25HL/Hの収穫量、まだ発酵中で濁っているけど、キリットしまった酸が心地よい、旨味も乗っている。 ★シャルドネ1010年のシャルドネは6月の雹の為に壊滅的な被害を蒙った。たった1タル分しかなかった。まだ、残糖が多く甘い状態だった。収量が少なかった分濃縮感のあるスタイルに仕上がりそう。 ★ヴィオニエ10 これはかなり発酵がすすんでほぼ残糖が感じられなかった。南のヴィオニエ独特の過ぎた果実風味がなく実にスカットしたスタイルに仕上がっている。酸もヴィーフと言ってよいほどスカットしている。 ★ユニ・ブラン09 ほぼアルコール発酵が終わっていた。収量が少ない分、濃縮されているが、品種独特のスッキリ感がある心地よいスタイルだ。 […]

28
Fév

優しくてピュアー!飲む人を魅了するショーム・アルノーが来日!

以前より自然栽培していたが、10年前より正式にビオディナミ農法に転換、ヴァレリーとフィリップ 真っ白な丸い石が地表を覆っている土壌。 ヴァンソーヴル村の中でも特別な立地だ。ヴァレリーとフィリップはこの地の持っているカパシティーの偉大さを確信していた。 この土壌がとてつもないグラン・ヴァンを生み出すっことが出来ることを。 原石を磨いてダイヤモンドに! だから土壌を最大限に表現できるビオ・ディナミ農法を採用したのだった。その効果がやっと出始めてきた。 この南ローヌの問題点は太陽が強すぎることだ。 どうしても酸が欠けて、重いワインになってしまう。そして、水不足にも悩まされていた。 ビオ・ディナミ農法を採用して5年目頃から ワインに変化が表れてきた。根っこが地中深くに伸びている証拠である。乾燥が激しいこの地区にあって、真夏の乾燥時にも葡萄の葉がイキイキとしてること。そして、葡萄がどんなに熟しても酸が必ず残っていること。ミネラル感が味覚上にピュアーさを表現してくれている。 昨年9月に、ESPOAのメンバーがショーム・アルノーを訪問した。 今年はフィリップが日本にやって来た! 2011年1月は日本全国を走り周った。 2週間かけて九州から四国、東京、静岡、名古屋 石川、大阪、京都と各地のエスポア店が開催する 試飲会やワインパーティーに応援参加したフィリップ。 ラグビーの選手だったスポーツマンのフィリップ 最後に京都へやってきて、ESPOA店が全国から集まる 年に一回のミーティング・テースティング会に参加した。実際に自分のワインを売ってくれている人たちと 親交を深めることはフィリップにとって本当に大切なことなのだ。 フィリップは、全国のESPOAの人達が本当に一生懸命販売に努力している姿を目のあたりにして感謝の念を強く持った。お互いに感謝しあっている。 造るのも、売るのも思うようにはいかないことばかりだ。お互いがその努力を認めあって一緒に進んでいけたらいいなと思う。フィリップにとっては感動と感謝の日本滞在だった。 京都の自然派ワイン・バー “ドゥー・コション” にて貸切打ち上げ! パリにそのまま存在しても繁盛間違いなしのコンセプトとワイン品揃え! 横浜のしんかわやの竹ノ内さん 粟津夫妻、フィリップさん。 本当に心地よい空間です。 ESPOAのワインは竹ノ内さんが横浜から納めている。 オット思うような自然派ワインばかりがサラリと品揃えされている。日本の古都にこんな素晴らし店があるなんて、本当に感激です。 パリのヴェール・ヴォレーから始まって今はフランス全土に広がっているコンセプト・ワイン・バー フランスでもこのようなコンセプトのワイン・バーが地方にもドンドンできています。 気軽に入って、気軽にスイスイワインが飲めてしまい、多少飲み過ぎても翌日爽快な気分と体調を維持できるワインばかり DEUX COCHONS(2人の大食漢) 京都市中京区新町通蛸薬師下ル 18:00~24:00 火曜日定休 Phone 075-241-6255 2011年も全国のESPOAP店はパワー全開だ! 店内に気持ちの良い空気が流れている。 皆の話が弾む。 昨年、納得のいくまで頑張った人。 同じ方向に頑張っている同士は目を見ただけで “頑張っているな!”とお互いに分かる。 また、今年一年の切磋琢磨を誓い合う。 ESPOAグループの素晴らしさは、全国に本気で相談できる仲間がいることだ。 いざ,と云う時はお互いに団結して事に当たれることだ。 それぞれの店が各地方で本当にコツコツ信頼造りの商売をやっている。大型の酒販店は一店もない。 小規模な酒販店ながら、良い商品を説明しながらコツコツと地味な啓蒙活動をやっている。 トップ20店くらいのお店はホントにお客さん達と親戚のような付き合いをしている。これは一朝一夕にはできないことだ。醸造元が畑を耕して、地中の微生物を育てることに似ている。 世の中、本当に佳い仕事をしている人がいるもんです。 南ローヌの片田舎のヴァンソヴル村から日本にやって来たフィリップさんは、ヴァンソーヴルと京都も繋がっているし、日本中と繋がっていることが分かってホントに喜んでいました。 冷たいミストラルの風の中で、ブドウ園にて剪定作業をする時、きっと日本の皆さんのことを思い出すと思います。ドゥー・コションさん、お世話になりました。 頑張ってください。応援しています。伊藤 PARIS

23
Fév

元祖自然派『ダール・エ・リボ』の ルネ・ジャン来日!

まだ、“自然派”なんて言葉が存在するズッと以前、1980年代初頭から自然な手法でワインを造り、多くのワインファンをつくってきたルネ・ジャンが、今年も日本にやってきた! どうしてルネ・ジャンは自然なワイン造りをするようになったのだろうか? 理由は簡単!お父さんが造っていたワインを日頃飲んでいて、自分もそのようなワインを造りたいと思ったからだ。しかし、若くしてお父さんを亡くしてしまったルネ・ジャンは、父から造りを教わったというよりは、お父さんと同年代、或いは昔ながらのワインを造るお爺さんの造り手の話を聞きながら自分なりに会得していったのだった。 そのルネ・ジャンが今年も日本にやってきた!フランスでも根強い『ダール・エ・リボ』ファンが沢山いるが、日本でも同じ。今回は各地のワインショップで行なったイヴェントをレポートします! 第一弾は、神奈川県藤沢市にある個性派ワインショップ「ロックス・オフ」さん。 一見すると「やってるの?」といった趣ですが、お店に入ると既にお客さんで満員! ルネ・ジャンの来店を待っているお客さんの熱気でムンムンしてました。 まずはドメーヌの説明から。 お父さんを若くして失ってしまったルネ・ジャンは、1975年から一人でワイン造りを始めました。その後、ボーヌの醸造学校でワインの勉強をしましたが、栽培や醸造に化学物質を多用するその内容が嫌で嫌でなりませんでした。しかし、同じような思いを抱いていたフランソワ・リボと意気投合し、1984年から2人でドメーヌを共同経営するようになりました。 2人の目指しているワイン造りの哲学は、「自分が飲んで美味しいワインを造ること」と実にユニーク!そして、「余ったワインを売る」のだそうです。誤解なく。半分は冗談ですが、これは本音です。本当に美味しいワインを生みだす為とことん本気で努力し、自分のワインを飲んでくれる人たちに喜んでもらいたい、という気持ちの表れなのです。 そして早速試飲です。本日のワインは ①シャン・リーブル/サンペレ・泡 ②クローズ・エルミタージュ・ブランK2006 ③セ・ル・プランタン、クローズ・エルミタージュ2008 ④クローズ・エルミタージュ(赤)2007 ⑤サン・ジョゼフ(赤)2007 の5アイテム。 なかでも②のワインは、厚みと複雑さが秀でた傑出した美味しさでした! ワインの味わいに納得頂けたお客様たちから沢山ご購入いただけました。お礼にルネ・ジャンからボトルにサイン! 日本語が少々分かるルネ・ジャンは、”DAI SUKI DESU” など・・・ 店主の若林さん、スタッフの黒石さんと記念のショット! イヴェント大成功でした!皆様、ありがとうございました!!! ■ROCKS OFF 神奈川県藤沢市鵠沼石上2-11-16  TEL.0466(24)0745 ************************************ お次は、東京・銀座のど真ん中に昨年OPENしたばかりの自然派ワインショップ『カーヴ・フジキ』さんです。 さすが麗しい女性たちによって運営されているお店だけあって、店頭でのご案内もオシャレでかわいい! この日は、またまた麗しい女性カルテットによるサックスアンサンブル「ラ・メール」に続いての登場です。 お客さんたちは、「ダール・エ・リボ」のワインを楽しみながら、 美しい音色に酔いしれていらっしゃいました。 ルネ・ジャンは、美しい女性たちの後でしきりに「やりずらいな・・」と漏らしておりましたが、ルネ・ジャンが登場するや否や、お客様皆様興味深々で話に聞き入っていらっしゃいました。 その中で、興味深い話がありました。「ダール・エ・リボ」の赤ワインは、シラーという単一品種で造られております。よく“シラー”という品種は男性的で力強い品種だ、と言われますが、「ダール・エ・リボ」の赤ワインはとてもエレガントなスタイルで女性的だ!フランス語では、すべての名詞に対して男性名詞か女性名詞か決められていて、普通「シラー」は男性名詞とされてますが、「ダール・エ・リボ」では”女性名詞“だ!と力説しておりました。 エレガントなスタイルの「ダール・エ・リボ」の“シラー”には、まさに女性名詞が相応しいと一同納得! さて、本日試飲のワインは次の通り。 ① ラール・デ・ショワ(赤) ② クローズ・エルミタージュ(赤)2007 ③ サン・ジョゼフ(白)2007 ④ サン・ジョゼフ(赤)2007 ⑤ エルミタージュ(赤)2004 =マグナム 試飲しながらお客様と質疑応答。 「自分の飲みたいワインを造って、余りを売る」という哲学(?)に、とてもご納得・共感頂いた紳士の方。 自然派ワインを飲み始めた愛好家のご婦人からは、自然派ワインの味わいの違いをご質問いただきました。 ルネ・ジャンは、自然派ワインの味わいは、そうでないワインには決して表れない“ダシが効いている”と言っておりました。自然に栽培するとぶどうの根っこは地中深くまで張り巡らされるので、地中に含まれているミネラルや味わい成分が十分に吸い上げられ、それがダシのような味わいとなってワインに表れるのだという。なるほど納得だ! 今日のイヴェントを聞きつけ、「ダール・エ・リボ」で収穫の手伝いを1週間行なったマッチャンが駆けつけてきた! マッチャンは、オザミ・グループでソムリエとして活躍する重要人物だ。「ダール・エ・リボ」での貴重な体験を語ってくれた。 →写真中央 […]

13
Nov

Christophe Foucher – La Lunotte の最高ビンテージ!

今日はラ・リュノッテ*La Lunotte の クリストフ・フシェ*Christophe Foucherさんが来てくれました! 相変わらずのボサボサ・ヘアはナチュール感そのもの! ずっと熟成中だった2009年の白ワインも瓶詰めし終わり、2010年のブドウもただ今発酵中。 ですので、3日間、クリストフは地元を離れ、息抜きがてら、パリでのシティー・ライフを楽しみにしてやって来ました! 今日はそんな瓶詰めしたてのワインを持ってきてくれました! 2009年ビンテージは、彼にとっても自慢な年。 何せ赤にしても白にしても、 とても上品で飲みやすく、 フルーツ・テロワール・ビンテージの特徴全てが綺麗に引き出されているからです! * * * * * * 早速試飲開始!* * * * * * 最初に試飲したワインはキュベ・オ・プレシ*Cuvée Haut Plessis。 オ・プレシとは区画の名前。 ここでは 泥土と砂質のテロワールが特徴的で、ブドウ品種はこの地区独特のムニュー・ピノ、しかも70年! この品種はジュラのサヴァニャンの従兄弟品種でもあり、香りが華やかでフレッシュ! しかも、しっかりと樽で長い間熟成しているので、複雑感とエレガントさはバッチリ! 5月撮影。ちょうどブドウ木に葉っぱが生え始める時期。 キリッとした、柑橘類のような酸味のアタックの後、ハチミツのようなトロミ感が感じられ、 まるでサン・ヴェランのような味わい。 バランスがとても綺麗で真っ直ぐなワイン。ボリューム感もタップリあるのですが、 とてもフレッシュでジューシーなので、グイグイと飲めてしまう一本です! 友達とアペタイザーに飲むにはピッタリ! そして2本目はキュベ・レ・ロシニュー*Cuvée Les Rossignouxです。 これは2つの区画で収穫された、50年のソビニョン・ブラン品種で出来たワイン。 テロワールは粘土とシレックス質。 そして先ほどと同じよう、14ヶ月間樽熟成されているので、味わいがとても深い! 同じく5月撮影。 マスカットのような、まさに熟成されたブドウのアロマ、そしてフレッシュ感を感じさせる香りが凄い! 『オー・プレシ』に比べると、よりスパイシーでパワフル感のあるワインです。 タンニンの渋みと少々感じる樽の香りが、とても綺麗に調和されていて、これもまた飲みやすい! 最後に広がる酸味は、徐々にりんごのような味に変わり、長く続く後味はとても華やかでサッパリとしています。 このワインは、お食事用にお勧めです! 2009年の品質は最高に良い!と言い切るクリストッフ。 『2005年も美味しかったけれども、2009年は僕の一番お気に入りビンテージになるかも。初めてこんなに美味しいワインが出来たよ!』と2年間雹や天候のわがままで納得いく収穫が出来なかった彼。 今年は丸み感あり、繊細さあり、ミネラル感あり、2008年とは全く違ったワインをお楽しみに! La Lunotte […]

8
Nov

TERRE DOREE-ジャンポ-ル ブランヌ-ヴォ-2010

南ボジョレの孤高の自然派・ジャンポール・ブラン ハーモニー・ド・テロワール、 ドメーヌ・テール・ドレー 大都市リヨンに最も近い南ボジョレの村、シャルネ村に位置している。 ボジョレの自然派の殆んどはモルゴン、フルーリを中心に北ボジョレに多くいる。南ボジョレとしては、ジャンポ-ル・ブランしかいない。孤軍奮闘している。土壌的にも全く異なっている。北ボジョレでは花崗岩が主体、ここでは石灰質土壌である。しかも土も岩盤も黄金色に近い黄色である。 ここでジャンポールはガメイ種、シャルドネ、ピノ・ノワールを栽培している。醸造方法も南ボジョレのようなグラップ・アンティエール(除梗なし)のセミ・マセラシオン・カルボニックをやらない。 ジャンポール『ここの石灰質土壌ではグラップ・アンティエールは合わないんだ。だからすべて除梗しているんだ。ブルゴーニュ・トラディションの醸造方法をとっているんだ。』 確かにジャンポールのガメイの風味は北のそれとは全く違う。南だけど標高が高い為に、よりフレッシュさを残しタンニンのスタイルも確立したバランスになっている。 黄金色の土壌 醸造所のドメーヌの名はテール・ドレー、直訳すると黄金色の土壌。この村の建物はこの土地の岩盤を切り取って造ったもの。だから村の建物全体が黄金色に輝いている。 ジャンポールのワインは他のボジョレとは全く違うスタイルを持っている。この黄色の石灰質土壌からのミネラルがブルゴーニュを思わせる風味も備えている。 ここのシャルドネやピノ・ノワールには熱狂的ファンがいる。そして価格的にも手頃で値ごろ感がある。 ←醸造所   試飲用サロン→ ハーモニー・ド・テロワール、ジャンポール・ブラン・ヌーヴォー2010年 今年も元気一杯なジタン家族が集まりました。毎年同じ家族一同がこの収穫の為に来ています。もうベテランの人も何人かいるのでジャンポールも安心して任す事ができます。 2010年の葡萄は酸を中心に果実味が周りを包んでいる感じになるだろう。 この南ボジョレでも冷夏の為に、収穫が例年より遅れて行なわれました。収穫日の9月最終週は天気に恵まれて、非常に良いコンディションの中で実施されました。葡萄も待ったお陰でよく熟していました。それでも、2010年はフレッシュな酸が中心になります。補糖をしてない為、アルコ-ル度も低めでグイグイいけるヌ-ヴォ-らしい典型的なスタイルになるでしょう。 モザイク的頭脳を持ち、あらゆる種類のワインを造っているスーパー醸造家 お父さんの代からビオ栽培をやっている。だから葡萄の樹は本当に元気が良い。収穫された葡萄自身に活力がある。土壌には微生物が活き活きしている。畑に住む自生酵母も元気がある。だから、当然自生酵母のみで醗酵させている。当然、SO2も収穫時には添加しない。 そこの土壌独特の風味を醸してくれるのは自生酵母だから、大切にしている。今ジャンポールは北ボジョレにも畑を持っている。モルゴン、ブルイィ、北ローヌにも畑を持っている。コート・ロティのワインも造っている。ジャンポールの好奇心はやまない。 ワインもロゼ微発泡ワイン(ガメイ種)、メトッド・シャンプノワ(シャルドネ)、貴腐ワイン(シャルドネ)、ヴァンダンジュ・タルディヴ(シャルドネ)色んな土壌から収穫した葡萄を色んな方法で醸造してしまう。 まるで料理人が色んな素材を使って調理してしまうように。 赤、白、ロゼ、発泡酒、デザートワインまで、あらゆる種類のワインを一人で造ってしまうスーパー醸造家である。 何よりもこんな「ふかふかな」畑で育った葡萄を使って、 ジャンポ-ルが料理したワインは実に美味しい。そして価格も安いから嬉しい。 除梗した造りで醸したユニークなボジョレ・ヌーヴォーを 試してみてください。グイグイいってしまいますよ。 Harmonie des Terroirs のワインについてのお問い合わせは、こちらまで! 野村ユニソン株式会社 TEL : 03-3538-7854 FAX : 03-3538-7855 MAIL : wine@nomura-g.co.jp http://www.nomura-g.co.jp Jean Paul Brun のワインについてのお問い合わせは、こちらまで! 株式会社ウェスト・エンド・ジャパン TEL : 04-2628-2597

5
Nov

シリル アロンゾのピュア-ヌ-ヴォ-

天才的アイデアの頭脳を持つアロンゾのピュア・ヌーヴォー 2010も次々と新しいヒラメキで行動を展開する異才 今までは自社葡萄園を持たず、醸造所もそれぞれの醸造元の一角を借りて、色んなアペラシオンのワインを次々と生み出しているアロンゾです。そんなアロンゾが出荷する2010年ピュア・ヌーヴォーはその名のように実にピュアに仕上がりました。比較的、薄めのヌーヴォーが多い2010年の中でも、しっかりした構成を持っているスタイルに仕上がりました。ご期待ください。 シリル・アロンゾのほとばしるヒラメキがいっぱい詰ったヌーヴォーです。ヒラメキが必要な方是非ピュア・ヌーヴォーをお試しください。 葡萄栽培が難しかった2010年でした。しかしアロンゾが選んだ葡萄はきっちり熟成して、健全な状態で収穫されました。 2009年ほどではないけど、そこそこの濃縮度を備えています。 ヴィルフランシュの街に自然派ワイン小売店“P・U・R”を開店 ボジョレー地区で最も大きな街といえばヴィルフランシュの街である。その街にワイン小売店を昨年開店した。シリル・アロンゾは若い時、スイスの有名ワイン専門店で働いていたことがある。一般消費者と直接に触れて、近いところにいる事の重要さを良く知っている。自分達や自然派の仲間が造るワインを販売しながら、愛好家達の生の声を常に聞いていたかったのです。 自分のアイデアでネ-ミング、デザインしたワインをお客が接した時のリアクションを確かめたかったのです。 例えば、フランスのシャンソン歌手のエディット・ピアフが歌った、“ラ・ヴィ・アン・ロ-ズ”をシャレで“ラ・ヴィ・アン・ルージュ”とネーミングしたボジョレーワインを出荷し大人気でした。 いよいよ、2010年はヴィルフランシュの街に醸造所を設置しました。 今年はまだ試作段階の醸造しかしていませんが、その試作が実に素晴らしかった。ほんの僅かな量しか造っていない為今年は、まだ日本出荷は出来ませんでした。来年はご期待ください! 何と来年から、フランス初の自然派ワイン学校を設立いたします。 アイデアが次々と湧いてきてしまう、アロンゾのピュア・ヌーヴォーを是非お試しください! Cyril Alonso のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: ディオニー株式会社 TEL : 03-5778-0170 FAX : 03-5778-0278 www.diony.com

3
Nov

日本初登場!ダミアン・コクレ・ヌ-ヴォ-2010年

ダミアンのお父さんはモルゴンの人気者デコンブだ。 お父さんの元で修行を積みながらの独立だ。3年前よりモルゴンの最高の畑コ-ト・ド・ピに2ヘクタ-ルを買った。そして今年はモルゴン村の古木ばかりが植わっている畑を3ヘクタ-ルを買い足した。 昨年より独自の醸造元ドメ-ヌ・ル・コクレを立ち上げて初リリ-スした。初年度からカナダに熱狂的ファンを造り、ニュ-ヨ-クにも出荷した。 ボジョレ・ヌ-ヴォ-は今年が始めてだ。 世界で初出荷が日本向けという初物である。 実際には、醸造所も収穫人もまだお父さんと共同でやっている。しかし、確実に自然派が進化しているのを感じる。 若きアイデア、新しい発想がダミアンには一杯ある。ダミアンはオートバイが大好きだ。オートバイ仲間の友人が一杯いる。その一人が北米に住んでいて、ダミアンのワインをプロモ-トしている。そんな訳で一番の顧客はアメリカから始まった。この辺も新潮流を感じる。 モルゴンの新しいスタ-・濃縮感にフレッシュさを加味! 醸造機具はすべてお父さんと共有で使わせてもらっている。 コンクリ-ト漕でアルコ-ル醗酵、垂直式の圧搾器を使用。 ガメ種のマセラッション・カルボを絞るには、この古式圧搾器が最も適している。優しい果実味を絞りだしてくれる。 濃縮感が好きなのはデコンブ譲り。 でもフレッシュ感も好きだ。 ダミアンが最も気を付けているのは収穫時の選別である。 美味しいワインを造る基本中の基本は醗酵漕に入れる葡萄が熟していて健全であること。これはお父さんに教わった最も重要なポイントである。自生酵母で醸造すること、雑菌を殺す為のSO2(二酸化硫黄)は添加しない。自生酵母も死んでしまったり、弱まってしまうからである。だから雑菌が繁殖する最も多い原因である。痛んだり、腐った葡萄が醗酵漕に入らないように徹底的に注意をすることが大切なのでる。 家族を大切に、父を尊敬し、その上に新しいものを築こうとしている ダミアンは醸造家として今、修行中である。葡萄栽培の過酷なまでの自然からメッセ-ジを何度も貰った。特に、今年は7月にモルゴンの古木が全滅するほどの雹の被害を受けた。強烈な自然界からのメッセ-ジだった。醸造家になる事はそんなに甘いものではないよ! でも、その時のお父さんの“一言も愚痴を言わない”立派な態度にも感銘を受けたに違いない。 顔つきにも厳しさが出てきた。きっと将来の自然派を背負っていけるような醸造家に育ってくれると思う。 皆で応援したい。 ダミアン自慢の畑・コト・ド・ピも今は黄葉の真っ盛りだ。 子供の頃から可愛がってくれていた近所の農夫が引退時にダミアンのために畑を譲ってくれた。 良き指導者、良き畑を手に入れて将来、楽しみな若き醸造家がまた増えた。 ダミアンの初リリ-ス・ヌ-ヴォ-を是非楽しんでください。 Damien Coquelet のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: トーホー・フード・サービス Tel: 092-611-2547

1
Nov

フィリップ・パカレ・ヌ-ヴォ-2010年

2010年パカレ・ヌ-ヴォ-をアッサンブラ-ジュ 10月29日パカレ・ヌ-ヴォ-のアッサンブラ-ジュを行った。ラピエ-ル醸造所の一角を借りて造っている。毎年、マルセル・ラピエ-ルと共にやっている作業である。今年はマチュ・ラピエ-ルと共に行った。私も毎年参加している。マルセルがいないのがチョット淋しい。涼しかった夏の影響で収穫が遅く、その上、アルコ-ル醗酵がゆっくりだったのでアッサンブラ-ジュの時期も遅れてしまっている。来週早々に瓶詰めをしなければならない。時間との競争になってきた。今年のヌ-ヴォ-は造る方にとっても時間に追われてやっと滑り込みセーフという感じだった。 特に自然派ヌーヴォ-は自生酵母を使って醗酵する為、アルコール醗酵のスピ-ドがゆっくりになりがちであり、強制してアルコール醗酵を早める事はしない。しかし、出荷日や飛行機便は既に決まっている。今年は本当に限界に近い。醗酵漕から出してプレスした後、幾つかの大樽で別々に醸造、熟成をしていたワインが5種類ぐらいに分かれている。それらをまず試飲して、今年の風味を最も表現できるタイプに6種類のワインのブレンド比率を決定するためだ。 2010年パカレ ヌ-ヴォ-はエレガントなフル-ティ-ワイン まず、それぞれのワインの特徴を把握することに集中、その次に今年のスタイルの典型を模索する。そして其々のワインの配合比率を幾つかのパタ-ンでサンプルを造ってみる。 それを試飲して今年出来うる最高のバランスを探る。そして、またサンプルを作って、試して見る。これを何回か繰り返して、最終的に配合比率を決定する。 パカレ『今年のスタイルは89年のバランス感覚に似ている。アルコ-ルから来る力強さはないけど色んなものが詰まっている。色だけ見ると薄いように判断してしまう人がいるかも知れないけど決して単純に薄いワインではない。エレガントなスタイルが今年のバランスだと思う。爽やかなフル-ティ-さが心地良いワインだ。 最終決定比率のサンプルを作るマチュ・ラピエ-ル。マチュにとってもパカレとのアッサンブラ-ジュは勉強になる。マチュも今はラピエ-ル家の責任者となったばかりだ。従兄弟の天才フィリップ・パカレとの貴重な時間である。最後に皆で最終決定した2010年ヌーヴォ-を試飲。アルコ-ル度数が12度前後と低く、エレガントでグイグイいってしまう。 アッサンブラ-ジュ終了後はカ-ヴの樽に入ったばかりのモルゴンを試飲 マチュはフィリップ・パカレに今年のモルゴンを飲んで欲しかったに違いない。 そうこうしている中にマチュのフィアンセのミュリエルもやってきた。 来月に子供が生まれる。パカレの奥さんのモニカ、研修生のアキノリ君も混じってアペリティフがわりの飲み会になった。 マルセル・ラピエ-ルが生前の時もこのカ-ヴに入って永遠と飲み会をやったものでした。 ついつい思い出してしまう。 誰となく『乾杯!マルセル!』 の合唱となった。この光景を見てマルセルも喜んでいるに違いない 皆様!エレガント・フル-ティーな パカレ・ヌ-ヴォ-を楽しんでください! Philippe Pacaletのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: 野村ユニソン株式会社 TEL : 03-3538-7854 FAX : 03-3538-7855 MAIL : wine@nomura-g.co.jp http://www.nomura-g.co.jp

28
Oct

濃縮感NO1のデコンブ・ヌ-ヴォ- 2010年

人智尽くして天命を待つ! 2010年はデコンブにとって難しい年だった。 7月、樹齢100年を越す曾お爺さんが植えた古木のあるモルゴンの畑に雹が襲った。約2ヘクタ-ルがほぼ全滅状態だった。天候を相手に仕事をする者の宿命だ。熊のような風貌のデコンブは微動だにせず、ニッコリ笑って『ほぼ全滅だよ』と笑い飛ばした。人間の大きさを見た。『我々は天の与えてくれた条件の中で最善を尽くすだけだよ。』モクモクと畑作業に全力をつくしている姿を見るとグット心に打たれるものがある。幸いにもヌ-ヴォ-用の畑は大丈夫だった。 今年も、自然派ヌーヴォーでは群を抜いた濃縮感を醸す。 デコンブ曰く 『今年も葡萄が良く熟した、 そりゃ昨年の09年に比べればチョット落ちるけど05年に似ていると思うよ。俺は良く他の果実を観察している、参考になるからね。今年はリンゴが良く熟している。葡萄も同じだと思う。でも今年のリンゴは腐りやすかった。気をつけなければと思っているんだ。今年も良く濃縮している理由の一つがミルランデ-ル化している葡萄が多いからだ。(写真あり)小粒の実が多く、ジュースの量に対して皮の面積が多いから、皮のタンニンが熟していればワインに濃縮感がでるんだ。』 家庭的な雰囲気の2週間の葡萄狩り合宿生活 ボジョレの伝統文化を守る 収穫後は醸造所で延々とアペリティフを楽しむ  醸造所の敷地内に食堂とその2階に宿舎があり、そこに20から30名ぐらいは泊まれるようになっている。そこで2週間の大所帯の家族生活が続く。フランスの他の地方では消滅してしまった収穫期の文化習慣である。マセラッション・カルボニック方式での醸造には、葡萄を丸ごと刈る人手しかできないからである。他の地方では、自動葡萄狩機械が活躍している。収穫に人間が要らなくなってしまった。 実に残念なことです。人の力は大きい。 デコンブ・ファミリ-のパワ-全開 甘えるマノン↓↑ いつも仲良いデコンブ夫婦    ヌヌン   ケビン   ジスレン   ダミアン 家族それぞれが各自の役割をこなして進んでいく。奥さんの20名分の食事を2週間も作り続けるシェフとしての役割に拍手を送りたい。 自然派ワイン中、最も濃いヌ-ヴォ-を醸すデコンブは偶然ではない! ワインには造り手の性格、志、感情などが反映されている。デコンブの体格、性格、強い意思は、自然に彼のワインに反映している。ただ濃いだけではなく“優しさ”も同居している。強い性格の中に優しさを備えている正に彼の愛すべき人柄そのままである。 二つの大切な事を実行しています。 1-長いマセラッション 普通は一週間から10日前後でプレスにかけてしまう。ここでは15日から17日間のマセラッションを実行する。単に長くすれば濃いワインが出来るかというとそうではない。皆、ヌ-ヴォ-用に使う葡萄木は若い木やあまり土壌がよくない畑のものを使ったり、フレッシュな果実味を狙う為、あまり熟してない葡萄を使用することが多い。しかしデコンブはヌ-ヴォ-といえども妥協しない。長期マセラッションに耐えうるポリフェノ-ル熟度を備えた葡萄を使用するからである。 2-垂直式プレスで一日かけてゆっくり絞る デコンブではコンクリ-ト槽を使っている。グラップアンティエ-ル(葡萄房丸ごと)を入れてセミ・マセラッション・カルボを行っている。勿論、自然酵母のみ、酸化防止剤(SO2)は添加しない。まだ、アルコール発酵が中途の状態、つまり糖度が残っている段階で、垂直式プレスにかける。 ガメ品種のセミ・マセ・カルボを絞るにはこの伝統式プレスが最も柔らかく調整できるからです。 プレスにかける前の葡萄房は葡萄の原型をそのまま残して、葡萄の粒の中で発酵していたことがよくわかる。粒の皮を破ると、果肉は赤く染まっている。(発酵前の果肉は乳白色透明)絞った果汁は糖度が残っているので、別のコンクリ-ト槽に移してアルコ-ル発酵を続け、マロ発酵もそのまま自然に同時に行われる。マロも強制することもなく自然に任せる。健全な葡萄しか発酵槽に入っていないので妙なバクテリアが繁殖することもない。 普通の場合、アル発酵とマロ発酵が同時に行われると大変危険なことなのです。 しかも雑菌を押さえるSO2を添加してない状態の中では大きなリスクを背負ってワイン造りをしているのです。簡単に自然派ワインといっているけど、本当に多くのリスクを人の力と労力で乗り越える努力をしている事実は、まだあまり多くの人に知られていない。こんな事を乗り越えて、我々に美味しい自然派ワイン・ヌ-ヴォ-を提供してくれる醸造家に心より感謝したい。 デコンブとマルセルの思い出 2008年の夏の出来事  – マルセルはデコンブに絶大な信頼を寄せていた。 2年前の夏、私はデコンブ醸造元で一杯やっていた 。 私、ヌヌ-ン(デコンブのあだ名)は昼食を食べ終わって午後2時頃だった。 突然、扉が開いて、マルセル・ラピエ-ルが入ってきた。その後は、夜の何時に出たか記憶がない。何本飲んだかも覚えていない。マルセルは酔っ払うと、シャンソンを歌ったり、詩の朗読を語りだす。この日はもう3人でボロボロに酔っ払いました。マルセルは酔っ払って、本当に楽しそうでした。マルセルがデコンブに抱いてる信頼感は絶大なものでした。友人というより家族に近い同志という感じでした。思い出しただけで涙が出てきてしまいます。 デコンブは敷地内に個人バ-を備えている。そこに入ったら最後ベロベロに酔っ払うまで出て来れません。 この愛すべきデコンブ(ヌヌ-ン)のヌーヴォ-を楽しんでください。 アデュ!マルセル! Georges Descombesのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: 豊通食料株式会社 TEL : 03-5288-3854 FAX : 03-5288-9248 http://www.vin-de-t.com デコンブ・ヌーヴォーが購入できるお店 : マルシェ・ド・ヴァン銀座  東京都中央区銀座8-2-11 TEL:03-3573-5535 http://www.marchedevinsginza.com/shop/

27
Oct

ラパリュ・ヌーヴォ-2010年

ラパリュの畑はボ-ジョレの中でも最も早く熟す。 今年もヌーヴォ-用は北ボ-ジョレの自然派の中では最も早く収穫を終えた。9月14日には収穫を開始した。他の醸造元より1週間も早い。しかも、どの蔵元より糖度ものってポリフェノ-ルの熟している。特別なミクロ・クリマ(微気象)備えている立地である。 ボジョレで最も高い山“BROUILLY ブルイ”を北西の方向に見える立地の畑である。北からの寒い風をブルイ山が遮断してくれる。北西から来る雲も方向を変えてしまう。いつも太陽に恵まれて、暖かい好条件を備えている大変ラッキ-な立地である。 ブルイは太古の昔、火山だった山である。エネルギ-をボジョレ全体 に流してる特別な山である。ラパリュの醸造所はそのブルイを見上げる南東に位置しているから、そのエネルギ-を最も近くで受けているのだろ。今年も9月中旬にはポリフェノ-ルも糖度も十分熟していたのでジャンクロ-ド・ラパリュは収穫を決断した。 2010年ラパリュ・ヌーヴォ-はエレガントな年になる! 今年は栽培が難しい年だった。 ラパリュの葡萄がこんなに健全に収穫完了したのは偶然ではない。ジャンクロ-ドは語る。 『今年は栽培が難しかった。乾燥していたかと思うと、突然、嵐のような雷がきたり、曇りが続いて太陽が出たり隠れたり、天候が読みにくかった。栽培方法の対処には普通の年の3倍は考えて行った。でも8月の中旬からは天候が落ち着いてきたので良かった。特に収穫期間は最高な天気のもとで出来たのが良かった。それでも、今年はエレガントな年になる。』 ラパリュの葡萄がこんなに熟して、ワインが繊細なのは偶然ではない! ラパリュの特殊な栽培 ラパリュでは北ロ-ヌのエルミタ-ジなどで行われ ているゴブレ方式を実施している。枝が伸びてくる5月 ごろに杭を葡萄木の傍に立てて、伸びてくる枝をその杭 の上の方で縛りつける方法をとっている。ボジョレでは ラパリュだけである。 特殊なカジェット(箱)使用 収穫葡萄の運搬に使うカジェット(箱)はロマネ・コンチ並みの底の薄いものを使っている。葡萄が重みでキズつく可能性はゼロである。ボジョレではここだけである。 ラパリュの特殊な栽培 ジャンクロ-ド・ラパリュは常に改良と新たな未知への挑戦を続ける。 2010年の最大の改良はプレス機である。今までは空圧式を使用していた。今年から100年前の垂直式プレスを手に入れた。さらにフィネスをもたらしてくれるだろう。そして新たな挑戦として昨年よりアランフォのカメの中で醸造する試作をしている。さらに土壌のピュア-な風味がワインに醸しだされるとのことでした。(アランフォはヌーヴォ-用ではない) 2010年ヌ-ヴォ-を利く、フィネス・エレガント・ヌ-ヴォ-だ! ジャンクロ-ド 『今年は濃縮感は狙っていない。ヌ-ヴォ-と言えどもフィネスとエレガントさを表現できたらと思っている。アルコ-ル発酵が本当にゆっくり進んだお陰で、エレガントさが最初からある。最初からイチゴやキャンデーのような心地よい香りがあった。プレスを替えて、一日中をかけてゆっくりプレスしたので本当にフィネスさを備えるようになったんだ。』 Jean Claude Lapalu のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: 大園 Tl : 03-5565-5884 Fx : 03-5565-5886

27
Oct

クリストフ・パカレ・ヌーヴォー2010年

日本上陸2年目のクリストフ・パカレ今年も元気いっぱいに収穫を終えました。 今年は波乱万丈の気候でした。6月と7月にボジョレを襲った雹が、昨年のヌーヴォー用に確保していた畑を直撃しました。50%減の収穫となり、急遽、友人のニコラ・テスタールに相談したところ、不足分の葡萄を譲ってくれるとの快諾をえた。 そんな時でも微動だもせず悠々と解決してしまうクリストフ・パワーは凄い。 今年も笑顔が絶えない収穫風景となりました 収穫は地元の屈強の若者を集めて笑顔が絶えない収穫風景となりました。クリストフのヌーヴォーが美味しのは彼らの笑顔が入っているからでもある。涼しい夏と雹で量が減った分、量が少なくユックリとポリフェノールが熟した為、程々に濃縮されて、上品なタンニンを備えた葡萄がとれました。 風光明美な景色の中で育った葡萄 クリストフの畑では本当に健全な葡萄が多かった。 今自然派ワインの造りで大切な事の2項 収穫された葡萄はキズが付かないようにプラスティックの箱に入れて醸造所まで運ばれる。自然酵母で発酵する自然派ワインの造りには大変重要な作業なのです。何故なら、自然酵母を守る為に酸化防止剤のSO2を発酵槽に添加しないから、この段階でキズが多いとそこから雑菌が繁殖してしまうからです。もう一つ重要なのは、収穫時の葡萄の温度です。温度が高いとやはり雑菌が繁殖する可能性が高くなります。だから普通の場合、収穫した葡萄は冷蔵庫にいれて冷却してから発酵槽にいれる。 しかし、今年は収穫時の温度が10から15度と低かったので冷却する必要はありませんでした。 葡萄園から醸造所まで運搬をする重要な作業を担当してくれたにはクリストフのお父さんでした。 葡萄園から収穫された葡萄が醸造所へ到着 - 繊細な柔らかなワインの秘密 今年は気温が低く、収穫された葡萄を冷やさずそのまま醗酵樽の中へ入れることができました。ここでもうひとつ大切なことがあります。醗酵樽へ入れる時にできればポンプを使わないことです。普通ならポンプで醗酵樽まで入れてしまう。 ポンプを使うと葡萄に圧力がかかってキズがついたり、繊細度が無くなってしまう。 クリストフのワインが柔らかく優しい秘訣 その一つは、ポンプを使わず、葡萄をベルトコンベア-で醗酵樽の入口まで上げて、重力で落としながら醗酵樽に入れていることです。 完璧な葡萄しか発酵槽の中に入っていないからです。云うは安し、実際には困難な仕事。 つい先ほどまで、風光明媚な葡萄園に居た葡萄がワインに変身すべく、そのままの姿で醗酵樽に入った。実に健全な葡萄ばかりである。自然派ワイン造りの基本中の基本です。本にも書いてない基本的な作業です。 クリストフのワインのあの繊細な柔らかい旨みは偶然には造れない。 Christophe Pacaletのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: BMO 株式会社 TEL : 03-5459-4243 FAX:03-5459-4248 MAIL: wine@bmo-wine.com http://www.bmo-wine.com

20
Oct

2010年 マルセル・ラピエ-ル・ヌーヴォ-編 

2010年マルセル・ラピエ-ル・ヌ-ヴォ-収穫 今年も元気いっぱいの雰囲気の中、素晴らしい葡萄を収穫できました。 マルセルが病気の中、奥さんのマリ-、長女のカミ-ユが大活躍!勿論、全体をス-パ-ヴィ-ズしているのは長男のマチュだ。 葡萄園での陣頭指揮がマリ-だ。そして、側面から援助を細かくするのは繊細な感性をもつカミ-ユだ。 収穫時のこの喜びと歓喜が実に大切だ。特にヌ-ヴォ-は一年に一回のワイン祭りに出されるワインだからだ。世界中の人達が、マルセル・ラピエ-ルヌ-ヴォ-を待っている。この収穫人達と共に、良い雰囲気の中、果実味と酸の素晴らしいバランスを備えた葡萄が収穫された。 2010年の収穫はトゥリア-ジ(選別)の年だった 収穫人はカゴを2つ持って、 1-完璧な葡萄と 2-やや痛んだ葡萄を分けて収穫して別々のカゴに入れる作業をした。 やや痛んだ葡萄でも傷んだ部分を切り取る作業をしながら、一つ一つの葡萄を見極めながらすすんだ。だから時間は普通の3倍はかかった。最初の一週間は25人で収穫していたけど、2週間目からは50人に増やして、 週間目は100人を動員して3週間で収穫を無事終えた。 さらに3トリア-ジュの効果抜群で素晴らしい年になりそうだ。 こんなに厳格にやったのは2008年以来だった。   悪い部分を切取っている⇒ さらに葡萄園の端に集積した運搬用カジェット(箱)の場所でも2人の選別要員を置いて徹底した。ここまで徹底した選別を私は見たことがない。 自然派ワインを造ることの難しさがここにある。 単なるビオワインを造るには、ここまでの作業は必要ない。 自然酵母を使って発酵させるた為にはSO2の使用を控えなければならない。 何故なら、普通の醸造元は多少腐った葡萄を発酵槽に入れても、SO2を大量に添加して腐った箇所から雑菌が繁殖することを防ぐことが出来る。 しかし、自然派の造りは、発酵槽にSO2を添加すると、一年間の厳しい農作業で育ててきた自然酵母が死んでしまうためSO2は添加しない。 だから、腐っていない、痛んでいない健全な葡萄のみを発酵槽に入れる必要があるのです。単なるビオ・ワインを造っている醸造所はここまでの作業をやらない。 自然派ワインを造るということは、こんなに手間暇、お金のかかることをやらなければならないのです。この辺の事はラベルにも本にも書いてありません。目に見えないところで苦労している大きな違いと真実です。 醸造所に運搬された健全な葡萄⇒ 2010年収穫スナップ写真集 AM9月中旬を過ぎたこの時期の収穫は、朝は8度から10度前後と結構寒いのが普通。早朝の7時に集合して皆で朝食カフェを飲んで7時半には葡萄園に立っている。まだ、チョット暗い感じ。 朝は、露もあり皆、カッパを着てマフラ-をして収穫を開始する。 PM 午後から太陽さえ出れば25度ぐらいまで気温が上がる。Tシャツ姿での収穫となる。 マルセル・ラピエ-ル醸造元には畑仕事のプロ集団がいる。普通の人の3倍の仕事量をこなす超プロ。 厳しい収穫仕事のあとの夕食と団欒のひと時で疲れを吹っ飛ばす! 3週間の合宿生活。 ブラジル人、リトアニア人、ブルガリア人、アメリカ人、チリ人、日本人と勿論フランス人、世界中から自然派ワインが大好きな若者が集まってくる。 そして、その中にはプロ級のミュ-ジシャンが何人もいる。夕食後はロックあり、サンバ、ボサノバ、吹奏楽器グル-プと歌やダンスで盛り上がる。 毎年、参加するメンバ-もいる。 それは毎夜が楽しい一期一会だ。 この収穫人の喜びが、この調べが 醸造所で発酵している自然酵母も 聞いている。 この“喜び”がリズムと共にワインの中に入っているに違いない。 そして、翌朝は皆元気に7時に朝食、7時半には収穫を開始していた。 良く遊び、 良く働く、 夢の3週間 2010年の醸造はマチュ・ラピエール マルセルと完璧に5年間、マルセルが今世紀最高と云った2009年、そしてマルセルが人生最も難しい年だった、と云った2008年、中庸な2007年、中の上の2005年と諸々の対応処置をマルセルと実践してきたマチュには、既に、親譲りの柔軟な醸造感覚を身につけている。実に勉強熱心で几帳面な性格だ。今年の完璧な選別収穫を選んだのはマチュだ。 お陰で完璧な葡萄しか発酵槽に入っていない。 マセラッションは10~11日でプレスにかけた。 繊細な果汁を絞ることが出来た。 セミ・マセラッション・カルボニックを終えて、プレス前の発酵槽から 取り出した葡萄。 ⇒ まだ、残糖は残っている段階でプレスにかけた。 マチュは繊細さを狙っている。 今年はいたずらに濃さを狙うべきではないと判断した。 これから、さらにアルコ-ル発酵が続く。 素晴らしい繊細なワインに仕上がるだろう。

12
Oct

偉大なる醸造家マルセル・ラピエ-ルが我々に別れを告げた!

Marcel nous a quitte ! 世界中の多くの人々に勇気、ひたむきさ、シンプルさ、真っ直ぐさ、自然であることの大切さ、生きることの喜びを与え続けてきたマルセル・ラピエ-ルが我々に別れを告げた。最後の最後まで葡萄園に立ち続けた人生にピリオドを打った。60年間という濃縮したあまりにも早い人生だった。一ヶ月前までは元気に畑に出ていたマルセルだった。2010年の収穫が終わるのを待って、その2日後、10月10日にモルゴンを去った。 『マルセルには多くのことを教えてもらいました。人間としての厚み、深み、生き方、人に接する時の暖かさ、勿論、ワインについても多くのことを学びました。今思うと、彼の人生そのものがワインの要素になっている。ワインを通して人が集まり、その人生を楽しみ、人生に温かみを与えてくれる。まさにマルセルの人物そのものではないか。』 2010年8月18日撮影 この笑顔のシワに刻まれた深みが人物としての厚みを感じ、瞳の奥に暖かみが。 誰にこんな笑顔ができるのだろう! 多くを語らないマルセルは、常に行動で語っていた。 多くの悩める若き醸造家を真っ直ぐな方向に導き、その方向を自らの行動とワインで行くべき道を示してくれた。 我々のような外人ワイン関係者にも隔たりなくワインのあるべき姿の真実とプュア-さを教えてくれた。 ありがとう!マルセル!言葉では言い尽くせない感謝で一杯! GRAND MERCI! MARCEL ! 今世でのお役目、お疲れさまでした。 安らかに、おやすみください。 伊藤  PARIS