23
Jan

フランスN°1のカベルネ・フラン、ル・クロ・ルジャール

ロワールの帝王・ナディ・フコーファミリー ロワール地方で最も美しいカベルネ・フラン 1663年から存在するこのドメーヌでは、フランス一のカベルネ・フランが味わえると言う。なんでもボルドーのトップ・シャトーの関係者もその秘密の鍵を見つけ出すため、ドメーヌを訪問しに来るという大物醸造家なのです!早速その伝説的なカベルネをテースティングする為、ソミュールの町でワイン造りをしている第8代目のナディ・フコーさんの元へ行って来ました!彼は兄弟のチャーリーさんと共に曾祖父さんの教えを今でも守り、尊重しているのです。 『正確なワインを造ることは皆が想像しているより難しい事ではないんだよ。ただ単に、完熟しているブドウを、絶好なタイミングで収穫するだけなんだ。熟成していないブドウはカベルネフラン独特の青臭いベジェタルな香りが強くなってしまうし、逆に熟成しすぎているとワインが重くなってしまう。』 とびっきり優れた土壌 まず最初に驚いたのは建物です。この地区での土壌は地表には砂や雲母に覆われていて、地下には石灰質で出来た白亜の真っ白な岩盤なのです。この岩盤を切り取った岩石で殆んどのロワール地方のシャトーや建物が造られています。もちろん、クロ・ルジャールのカーヴもローマ時代に掘られたもので、迷路の様に長く、夏でも低温でしかも湿気が完璧なのです。ワインを熟成させるには最良の条件を備えています。このカーヴのなかで樽熟成がゆっくり行われる。低温で最適な環境のカーヴは3年間眠り続けるワインを守っているのです。 しかもこのカーヴの壁の表面はフワフワとして柔らかく、硬貨など物が簡単に埋め込めるのです!カーヴの入り口には何年も前から訪れてきた人々の思い出でいっぱいです! 硬貨でメッセージが描かれています。中には貝殻など、ユニークな思い出を残していった人もいます! そして10haに広がる畑にも、30cmの粘土石灰質とケイ質の土壌の下にはこの同じ岩盤地質が隠れているのです。この土壌は排水力が強く、ブドウ達が水を吸収してしまう前に雨水を排水してくれます。そして乾燥している時期には、ブドウ木の根は岩石の割れ目を伝わって根が岩盤の中深く入り込んでいて岩盤に含まれている水分やミネラルを補給するのです。土がしっかりと耕されているからこそ根っ子はグングンと深く伸びる事が可能なのです。 ————————————————————————– 〜古典的な栽培 & 醸造方法〜 どちらかと言えば大西洋気候のロワールでカベルネ・フランを醸造する事はとても難しい。殆んどのワインが青臭くベジェタルで、ごわごわとしたタンニンが特徴的のワインに仕上がってしまう。その中何故クロ・ルジャールのワインはとても繊細で上品で華やかなのだろう?その答えは古くから伝わる伝統に潜んでいました。 『第一に大切なことは、完璧な熟成度を達したブドウを収穫する事。その為、収穫する日はとても重要だが、更に収穫量を低くする必要がある。私達が目標としている収穫量は35hL/haなんだ。この地区での通常の半分にしか達していない。そして第二は、健全で綺麗なブドウのみ選別して収穫すること、その為、絶対に収穫は手摘みで行う。収穫時の葡萄園でまず一回目のブドウ選別を実施する。その後、醸造所に着いた段階でエグラパージュ時に再び選別作業を行う。ともかく健全なブドウをセレクションする事が最も重要なんだよ。除梗・破砕した後、ステンレスとセメントタンク内でのアルコール発酵と長いマセラシオンがおこなわれるんだ(略3〜4週間)。健全な葡萄のみを使用しているので長いマセラッションをしても繊細なタンニンなんだ。もちろん亜硫酸はこの時点では一度も添加していない。』 『アルコール発酵が終了したら、今度は木樽にワインを移し、マロラクティック発酵が始まるのを待つ。樽は新樽と、シャトー・ラトゥールもしくはシャトー・マルゴー使用の一年樽を使っているんだ。 カーヴ内では湿気がとても多いのでワインは蒸発しにくいが、略24〜30ヶ月間熟成している為、定期的に補酒(ウイラージ)をしている。そして最後のスティラージュの際にワインの安定を保つ為、ごく少量の亜硫酸を足している。もちろん白ワインはコラージュもフィルターも必要以外掛けていないよ。』   ————————————————————————– 〜2008年の出来、そして今後発売される2005年はどうですか?〜 『今年は寒くてブドウの木が凍結してしまった・・・1Haもの畑がダメになってしまったよ。収穫量も10〜12hL/ha位かな。今年は1991年4月21日に起きた凍結に似ていたな。けれどもその年は綺麗に全てを失ってしまった!悲惨だったよ。2008年の夏の気候は最悪だった。しかし幸に9月中にお日様が戻ってきてとても良い天気の日々が続いたので、2007年に比べるとリッチなブドウが収穫できた。』 〜2005年はまれにみる完璧な年だ!〜 『2005年のヴィンテージは本当にトップ・レベルなワインが出来たよ!この年はまさに1989年と1990年のヴィンテージを合わせたようなものだ。1989年特徴の綺麗な酸味と繊細なタンニン、そして1990年特徴のリッチ感、骨格のしっかりさとまろやかさが全て2005年ヴィンテージに含まれている。完璧に近いヴィンテージだね!』 『偉大なワインには欠かせない物が2つある:濃縮さと繊細さです。 しかし!!ここで間違えてはいけない事がある。 濃縮さは過度の抽出ではなく、繊細さは希釈ではないことです! クロ・ルジャールのワインは樽内、そして瓶内で2〜3年ほど熟してあるので、すぐにでも楽しめます! しかし忍耐力がある人は是非5年後位に飲んでみてください。 きっとまた新たなワインへと変化しているでしょう。。。! どのように?それは飲んでからのお楽しみです!』 ————————————————————————                〜試飲したワイン〜 Le Bourg 2005*ル・ブール 2005 品種:カベルネ・フラン100% 樹齢:35〜75年 地質:粘土石灰質 栽培面積:1ヘクタール 収穫量:20hL/ha 醸造:6週間のマセラシオン 熟成:30ヶ月間100%新樽での熟成。タンニンをよりまろやかに仕上げる為、通常より長め。 アロマがとても豊富で完熟されたブドウの香りがフワーと漂ってきます。とにかくパワフルで真直ぐなワイン!カベルネにも関わらずとても繊細なタンニンにはビックリ!樽香も一瞬にして他のアロマに溶け込み、より複雑さを与えています。 Les Poyeux 2005*レ・ポワイユ2005 品種:カベルネ・フラン100% 樹齢:25〜50年 地質:粘土石灰・ケイ質 栽培面積:2.7ヘクタール 平均収穫量:35hL/ha 醸造:4週間のマセラシオン 熟成:24ヶ月間1年樽での熟成。 ル・ブールに比べるとこちらのキュべのはよりフレッシュでとてもミネラル!果実身が強くとてもフルーティー!しかしそれだけではありません!花の香りやミントの匂いもフンワリ感じられ、食欲をそそってくるワインです。 Le […]

13
Jan

自然派ワインの父 ジュール・ショヴェ

ワインという名にふさわしいワインを造ることに、一生を捧げた人 パリがドイツ軍の占領下にあった時、ロンドンで『私がフランスだ!』と云放ったあの偉大なるフランスのド・ゴ−ル大統領が毎日飲む日常ワインとしていたのが、ジュル・ショヴェ氏の造ったボジョレだった。偉人は偉人を知る。 ネオポ−ル氏 『ショヴェ博士は“ワインという名にふさわしいワインを造ること”に、一生を捧げた人です』 人間として、学者として、醸造家として多くの人に尊敬された人物の“人となり”を色んな本に書かれた文章や、記事を集めて、また人の話を聞いて連載をしたいと思います。 まず、第一回は1981年にインタヴュ−を受けた時の記事を抜粋して、そのまま載せたいと思います。ショ−ヴェ氏が亡くなったのは1989年、その約10年後にインタヴュ−のテ−プがショ−ヴェ氏の弟のところに送られてきた。スイスの醸造家でもありワイン研究家でもあるケセルリング氏とのインタヴュ−の生テ−プでした。そのテ−プを基に一冊の本が出版されました。その抜粋記事を数回に分けて掲載します。ショ−ヴェ氏の人となりが浮き彫りにされています。 〜ジュル・ショヴェ氏 と ケセルリング氏 との 対談 N°1〜 どうしてこの仕事を選んだか? ケセルリング氏 — ショヴェさん、どのようにして、この仕事を選んだのですか? ショヴェ氏 — 周りの環境と共に、自然にです。 ケセルリング氏 — あなたの父親……? ショヴェ氏 — そうです。私の曽祖父、祖父、父に渡ってです。 ケセルリング氏 — しかし、以前、ベルリンでワインの勉強をしたことは無いですよね…? ショヴェ氏 — いいえ、全く。後で… 後になってからです。当然、本来の学業(化学)を終了した後、この職業(醸造栽培者)を学び始めました。それから、ワインに興味を持ち、疑問を抱き始め… かなり深くまで研究するようになりました。 ケセルリング氏 — それは、天性? それとも、父親の死後からですか? ショヴェ氏 — いいえ、私がワインの幾つかの病気について疑問を持ち始めたのは、父が亡くなる前からです。知人達と資料を検討しても、根拠のある解答が得られなかったので、さらに深く研究は進みました。いろんな面を検討していくうちに、大変奥深くまで追求するようになりました。 ケセルリング氏 — しかし、バカロレア(高卒兼大学入学資格)終了後、更にワーバーグ氏のところで勉強したんですよね? ショヴェ氏 — そうです。バカロレアの後、独学しました。 ケセルリング氏 — どうして、ベルリンのワーバーグ氏のところへ行ったのですか? ショヴェ氏 — ああ、それはですね、以前、私はリヨン大学理学部の生化学研究室で勉強していました。そして、疑問に思った問題の解答を探究しようとした時、このリヨンの研究室に行ったんです。数年、ここにいましたが、どうも納得がいかず、不十分だったので、ベルリンへ行くことにしたんです。 ケセルリング氏 — それで、ベルリンでの研究課題は? ショヴェ氏 — ワインにおいて、鉄が存在する場合としない場合での微生物の成長の違いを知ることでした。ワインが鉄を含まなくなった時、ワインのミコデルマ細胞も増大しなくなることが観察されました。この時点で中断し、ここで、鉄の役割は何かと考えました。 ケセルリング氏 — その微生物の成長において…… ショヴェ氏 — そうです。つまり、この微生物は好気性であるため、そのエネルギーを活発にし成長させる、酸素伝導体の酵母に鉄が作用したという訳です。当時、ベルリン研究室では、鉄基、お呼吸色素について、かなり詳しく研究していたので、私は、さらに追求し続けました。 ケセルリング氏 — どんな種類の鉄ですか? ショヴェ氏 — ヘマチン鉄です。血液やヘモグロビンの中に見られる鉄です。これは、異常に複雑な鉄で、テトラピロール鉄(ピノール4基鉄)と呼ばれるもので、生きた生物や動物や植物の中に見られることから、自然界に一貫性が存在することを知りました。 研究について ケセルリング氏 — では、2番目の質問です…… 研究の準備についてですが… どんな準備をしたんですか? ショヴェ氏 — ともかく研究! 随分深く研究しました。研究室でも、当然、仕事でも… 生じる事を理解しようとしました。いいですか、これは研究なんです。準備と言われてもわかりません。ただ、非常に研究勉強したことだけはわかっていますが…それだけです… ケセルリング氏 — 多分少し、簡略かもしれませんが、これは、化学者のための要約紹介ですから、もう少し具体的にこの質問に答えて下されば… ショヴェ氏 — 私は、化学を沢山勉強しました。生態学も沢山勉強しました。物理学も、その他にも。あらゆる全ての科学に興味があったんです。 ケセルリング氏 — そうですね。当然、ワイン醸造学と言えば、いろんな全てのことが絡んできますからね… ショヴェ氏 — 科学すべてにです。 ケセルリング氏 — ちょっと、うわべをかじって… ショヴェ氏 — ちがいます… 上辺をなでることが、全部を知ることではありません。一般的基礎知識がなければいけません。ワイン醸造学を始めるには、多くのことを知らなければなりません。沢山のことを知る必要があると思いますが、わたしは、多くの知識が無かったので、大変勉強しなければなりませんでした。 ケセルリング氏 — しかし… わかりません… 全ての分野を勉強し準備する時間などありませんから、良く考えて選択する必要がありますね。 ショヴェ氏 — 良く研究しなければなりません。 ケセルリング氏 — そうは言っても、ともかく、その都度その都度選択して行かなければ。 ショヴェ氏 — ええ、その通りです。選択しました。醸造学を始めるのに、他の科学分野を沢山勉強しなければなりませんでした。それだけです。 何がそんなに魅了したか? ケセルリング氏 — わかりました。では、3番目の質問をしたいと思います。魅惑です… ショヴェ氏 — 《研究するにあたり、何がそんなに私を魅了したか?》と言う質問ですね。 ケセルリング氏 — 有触れた質問なので、私が言う前に見抜かれてしまいました。(笑)そんなに私的なことでなければ…  ショヴェ氏 — 研究… 何の研究でですか? ワインの研究ですか? ワインを説明するために行った研究ですか? わかりません。でもこれだけは確かです。私を魅惑したものは、ワインです。明確です!しかし、ワインの他に、とりわけ生物学に魅了されたようです。生物学はワインであり、ワインは生物学です。どちらでも好きなように取って下さい。しかし、私は、この2つを少し混同しました。ワインを醸造するためのワイン研究が、微生物学者の研究であることは確かです。生物学者の研究です。そして、これを理解したいならば、生物学を深く勉強する必要があります。それで、私は、生物学を勉強している内に、生物学に魅了されたんです。わかりますか? ケセルリング氏 — つまり、ショヴェさんは、仕事において、研究の関心が自然な興味につながり、嬉しく思ったんですね。 ショヴェ氏 — ええ、そう、そう、そうです。ワインが、私を生物学へ導いたと思います。 ケセルリング氏 — その逆ではないんですね…? ショヴェ氏 — いいえ、とんでもない!先ず最初に、ワインが私を生物学へ導き、それから、生物学をかなり詳しく研究するようになったんです。けれども、ワインから離れずにです。つまり、常にワインがそこにあることを見失わずに、生物学を勉強し続けました。そして、ワインを理解するために、学んだ事を使うようにしました。しかし、ここではっきり言えることは、私がまだまだワインをわかっていないと言うことです。 ケセルリング氏 — それは、決して到達しない目標だと思います。あえて考えようとは思いませんが… ショヴェ氏 — 確かに。まだまだ発見すべきことは沢山あります。 ケセルリング氏 — もっと大変複雑な… ショヴェ氏 — ええ、もちろん… ケセルリング氏 — 私にとって、生物学は、常に創造の表現です… ショヴェ氏 — その通りです。 ケセルリング氏 — 今朝、話したことですが、大宇宙の創造よりも遥かに複雑かもしれないと言うことですね。そして、同じ位… いや、さらに魅力的なのは、小宇宙かもしれないと言うこと… ショヴェ氏 — それは、もっと遥かに魅力的なものだよ… […]

7
Jan

ルシヨン地方、標高400mで醸造している爽やかさN°1ワイン、ロイック・ルール!

フランスとスペインの堺に在るLansac*ランサックの町。トラモンタンヌというピレネー山の谷間で吹く強い風に耐えながらたどり着いた訪問先は、Domaine du Possible*ドメーヌ・デュ・ポシーブル、Loic Roure*ロイック・ルールさんの醸造所です。 ロイックは長い間ブドウ園を探していました。ある日この土地の山道を彷徨っていたら、青や赤、ラメ入りなどの様々な色をした石が道端に落ちていたそうです。そして顔を上げた瞬間、綺麗に並んでいたカリニャンの畑に一目惚れをしてしまったそう・・・!ここでワインを造りたい!という気持ちが強くなり、彼は即樹齢100年以上のカリニャンの区画を購入!自分の畑を手に入れたものの、ロイックには醸造が出来るカーブもなければ住む家も無い!仕方なく車内で睡眠を取り、アグリ川で体を洗う生活を送っていました。一刻も早く住む場所を見つけなくては!と焦ったロイックは、ちょうど空き巣になっていた協同組合の醸造所を見つけました。そして2003年、同じ町で自然派ワインを醸造しているDomaine Le Bout du Monde*ドメーヌ・ル・ブ・デュ・モンドのEdouard Laffitte*エドワード・ラフィットさんと共にこのカーブを購入し、本格的に活動を開始しました! 二人で使用するには十分に広く、しかも設備も完璧に整っています。 冷凍室もあれば、ちゃんと暖房室もあるのです。 そして何と言ってもこのファンキーなデコレーションがカッコイイ!壁は去年ロイックさん自信がペンキを塗りカラフルに、そしてアーティストのデッサンやバッカス(ワインの神)の像などが飾ってあります。ノリの良い音楽がいつでも流れており、自由人な彼にはピッタリな空間です! この日ロイックは肋骨の骨を骨折していて、しかも風邪を引いていてとても辛そう・・・しかし『大丈夫大丈夫!ただ鼻をかむ時に少し響いて痛いかな・・・』と笑顔で畑まで連れて行ってくれました。 そんな畑の地質は花崗岩や片麻岩、他にも触っただけで粉々になってしまうシストなどが混ざっています。 この地区は風がとにかく強く、何ヶ月間もの間止まなく吹き続けているという。これは、ブドウの木が折れてしまわないように紐で固定しているのです。 彼が栽培しているブドウの樹齢は略全てがヴィエイユ・ヴィーニュ。シラーは35年、グルナッシュは45年、そしてカリニャンは52年からなんと105年! 『僕はナチュラルにブドウを育てているよ。除草剤や殺虫剤は一切使用しないし、もし何かを撒くとすれば、植物で造った煎じ薬、もしくはブイィ・ボルドレーズくらいかな。 手摘みで収穫を行った後、ブドウを冷凍室に保管して、ブドウが傷まないように、ポンプは一切使わず、重力でタンクに流すんだ。 そして自然酵母でアルコール発酵が始まる。 シラー以外は房丸ごと発酵樽に入れるんだ。その方が濃厚な味に仕上がる。 そしてワインの美味しい成分が逃げてしまわぬようにフィルトラシオンもコラージュもしない。 もちろん亜硫酸も一切添加していないんだ。』と自然にワインを造る事が本当に当たり前のように話すロイック。 とそこに現れたのは、醸造所の上に住んでいるロイックの息子さん、 ティトゥアン君と現在妊娠38週目の奥さん!ティトゥアン君はまだ3歳前なのにとても元気でお喋り!お母さんそっくりな愛くるしい笑顔と、その人懐っこさで私達は即効彼の大ファンに! シャリヴァリ 07*Charivari 07 品種:カリニャン 樹齢:45〜80年 土壌:シストと片麻岩 醸造:プレキシタンクで15日間の醸造 − 2/3はマセラシオン・カルボニック 熟成:8ヶ月間のプレキシタンクと樽熟成 名前:シャリヴァリとは古くから伝わるカーニバルの名前です。楽器以外の 物で音楽を奏で(台所用具など)、町の中を回るというユニークで楽しいカーニバルです。 *ロイック曰く、カリニャンはルシヨンに最も合う品種なのです。時間が経つにつれ、赤フルーツのアロマが強く漂ってくるワインです。南仏ワインなので濃厚なはずなのに、驚くほど爽やか感とミネラル感があってとても飲みやすい!グイグイ飲めてしまう最高なワインです!*   クマ・アコ 07*Couma Acò 07 品種:グルナッシュ、カリニャン、シラー 樹齢:40〜105年 土壌:シストと片麻岩 醸造:ステンレスタンクで20日間の醸造 − マロラクティック発酵 熟成: 8ヶ月間の樽熟成 名前:クマ・アコはカタロニア語で『こんなものさ!』という意味です。 *友達との楽しい時間にはこのワインがピッタリ!事前に開けておき、30分くらい待ってみて下さい。どんどんと広がっていく果実の香りと複雑さは本当に感動ものです。このキュべもやはりフレッシュ感が強く、ブドウジュースのように飲めてしまいます。私も大のお気に入りの一本です!* セ・パ・ラ・メール・ア・ボワール07*C’est pas la mer […]

31
Déc

ロワール地方、偉大なディディエ・ダグノー氏の跡継ぎは、息子のルイ・バンジャマンだ!

ロワール地方で醸造していたディディエ・ダグノー氏が事故で亡くなったという悲しいニュースから略2ヶ月。彼は自分の世界、自分の考え、ワインの造り方をマイペースで築き、その生き方は誰もが尊敬し、受け入れていました。 そんな凄い人に続きワインを造るのは難しいし、何よりもプレッシャーがハンパなく大きい。けれどもディディエの息子、ルイ・バンジャマンには期待できそうです!まだ26歳だけれども、ラングドックのオリヴィエ・ジュリアン、ロワール地方のフランソワ・シデーヌ、そしてアルザス地方のツィント・ウンブレヒトなど、偉大な醸造家の下で修行を重ねた後、ジュランソンやモンルイで研修も受けてきた彼。様々な経験と同時に、ルイ・バンジャマンはお父さんのワイン造りを手伝い、2004年から2007年のヴィンテージも一緒に醸造しました。2008年ヴィンテージはもうすでに5回目の醸造なのです! 彼は10代の頃から畑、そしてカーブでも働き、ディディエの後を引き継ぐ心構えをしてきました。ディディエが畑と醸造に関して行う実験に立ち合い、ビオディナミ栽培から亜硫酸を一切添加しない醸造方法など一通り全て試して来ました。その結果今では理想的なバランスを保ったワイン造りに至る事に成功しました! 栽培は土、テロワール、気候、そして自然環境を尊重し、化学物質や除草剤は一切使いません。耕作を行い、収穫は全て手摘み作業。もし雨が25ミリ以上降った場合はイラクサの煎じ薬で治療します。 『必要な時以外余計な物は撒かない事。そして何よりもテロワールを大事にし、自然を愛することが最も重要ではないのかな?』 と語るバンジャマン。 醸造所も全部新しく整えたのかと思うくらい綺麗で立派!収穫時期、素早く作業が進められるよう、大きな30hLのプレス機が2個もおいてあります。 『父も言っていたけれども、ブドウが潰れないよう、重力での作業は重要なんだ。そして2日間ステンレスタンクでブドウを寝かした後、木樽で10-12日間の間アルコール発酵をさせる。僕の醸造ではマロラクティック発酵は一切無し。そしてここでの特徴は、樽内の温度を調整する為、ステンレス棒を使用するんだ。最高22°Cまで温度を上げアルコール発酵を早める。しかし22°C以上暖めてしまうと、ブドウの香りが飛んでしまうので非常に気をつけていなければいけないんだ。』 アルコール発酵が早い分、ダグノーのワインは熟成期間が非常に長いのです。12ヶ月間シュール・リで熟成した後、また更に4〜8ヶ月間の間ステンレスタンクで熟成させます。 『樽は木の香りが付く為では無く、空気との接触を行いやすくする為なんだ。だから1年から3年の樽を使用して、なるべく新樽は使用したくない。』 未来はズル賢い人の手の中にある。 もし友を無くしたいのであれば、その人を助けなさい。 不可能な事を求め、現実主義者になりましょう。 など、壁には様々なメッセージが描かれています。けれども全て反対な意味を持つ、不思議なメッセージばかりです。。。 2008年の収穫は? 『雹が多く、ビュイソン・ルナール、シレックス、そしてバビロンの収穫量が70%も減ってしまった 。しかしその分濃厚で綺麗な酸味が出ているよ。2005年と2007年ヴィンテージに似ていて、アロマが豊富で味が真直ぐな年。綺麗なバランスが印象的な、爽やかなワインに仕上がると思うよ!』 と答えてくれたバンジャマン。 ロワール地方の気候は? 『今現在気候は変わりつつある。そしてその影響を受け、ロワール地方のワインのバランスも変わってきている。50年前は収穫は10月以降に行われ、綺麗な酸味も感じられ、含有糖分も9°ほどだったんだ。ところが今では収穫は9月中旬に行われ、含有糖分は13-14°まで上がっている。味がまっすぐで有名なロワールワインの特徴が無くなり、まろやかなワインへと変化していっている。 という事は、ブドウ品種を変えていかなければならないのでは・・・?』 今後の目標は? 『第一に、プチ・メリエという新しいブドウ品種を植える事かな。昔存在していた品種なんだが、今はソヴィニョンの方が知られているため、略使われていないんだ。この品種はワインに酸味と爽やかさを与え、甘口ワインには最も合っている品種だと思うんだ。後、プイィの区画を改良して、革新すること。そして最後に、ジュランソンで偉大な甘口ワインを造ること!これが僕の夢かな!』 『私はいつでも完璧さを求めているが、この世界で完璧な物など無い!20年間様々な研究をしてきたが、栽培、醸造、全てに関してまだ完璧っていうものを見つけられていない。しかし一つだけ確かなことが言える:ブドウ木の理想的なバランスは、本当に長年掛けて出来上がる事だ。』 しっかりと未来だけを見つめているルイ・バンジャマンは、いつかディディエ氏を抜く偉大な醸造家になるに間違いないでしょう。これからも応援しているので頑張って下さい!             キュベ・ブラン・フュメ・ドゥ・プイィ 07 *Cuvée Blanc Fumé de Pouilly 07 品種:ソビニョン 樹齢:ヴィエイユ・ヴィーニュ 土壌:シレックスが混ざった粘土・泥灰岩質 漂ってくるグレープフルーツや様々な柑橘類の香り、そこに白いお花のアロマがマッチして本当に素敵。フレッシュな酸味と滑らかな味、そして口に広がる美味しさは誰でも虜にしてしまいそうなくらい! ピュール・サン 07 *Pure Sang 07 品種:ソビニョン 樹齢:20年 土壌:小さなシレックスが混ざった粘土質 果実身が強く、真直ぐなワイン!繊細さと力強さのバランスがこれ以上完璧に保たれている飲み物はないだろうと思ってしまうほど。 ビュイソン・ルナール 07*Buisson Renard 07 品種:ソビニョン 樹齢:30年 土壌:シレックスが混ざった粘土質 後味が長〜く続く綺麗なワインです!とてもミネラルでまろやか。柑橘類の香りにコショウのニュアンス、そして上品な酸味がいい具合に絡み合った一品です!この区画はルイ・バンジャマンが一目惚れをしてしまったほどお気に入り! […]

24
Déc

18世紀から存在するシャトー・プレザンス、南西フランスで醸造するペナヴェール一家

Vacquiers*ヴァキエールの小さな町で私達を出迎えてくれたのは、Château Plaisance*シャトー・プレザンスでワインを醸造をしている Marc Penavayre*マーク・ペナヴェールさん 。大きな体に優しい笑顔はまさにフランスで言う『人生の享楽主義者』! 左がお父さんのルイさん、右がマークさん ペナヴェール一家の歴史はとにかく古い!1732年にこの土地に住みつき、1870年からマークの曾祖父はブドウ栽培、フルーツ園、飼育など、様々な農業を始め今の醸造所を建て上げました。長年が経つにつれ、マークの父、ルイ・ペナベールさんは全ての土地をワイン栽培にささげるようになりました。この時期からルイさんはブドウ品種とアペラシオンが一致するよう、そしてブドウの品質を保つため様々な工夫をしてきました。家族揃ってワインに興味を持ち出し、マークさんも1985年にはアンジェで醸造の免許を資格、そしてエンジニアの資格を取りました。そして1991年、マークもシャトーの仕事を手伝い始めました。その時期からドメーヌには新しい風が吹いたかのように仕事が順調になり、栽培面積も7ha から 16haまで広がりました。今現在、シャトー・プレザンスは世界中で見当たるほど知られるようになりました! 『私の畑は全て自然栽培だよ。2000年からは、土壌により優しい栽培方法が気になり、肥料や除草剤は一切使用しなくなったんだ。畑の手当ては全て有機物質のみ。そして完熟した健全なブドウを収穫し、選別する。これは欠かせない作業だね。』 『自然とワインが出来上がるためには、畑での作業が最も重要だ。カーブでも、なるべくテロワールを表現させるため、自然酵母のみで醸造をしている。旨みや風味が落ちてしまわぬように、赤ワインはフィルトラシオンもコラージュも無し。私は品種ごとに醸造して、最後にアセンブラージュをするのが好きなんだ。』と長年の経験を思い浮かべるように話すマークさん。 ブドウ品種とテロワールの相性は? 『酸味が強い沖積土質の土壌と、ネグレットやシラー、ガメイなどの品種はとても相性が良いと思うよ。カベルネに関しても、とても美味しいワインが出来るのだが、石灰質の爽やかな土壌で出来るワインとはまた少し特徴が違うんだ。』 シャトー・プレザンスのワインの特徴は? 『私達のワインは、とても古くから伝わるネグレットの品種が多く使われているんだ。他の品種には真似出来ない独特の味わいが印象的。しかもこの品種はポテンシャルを失わないので、何年経っても魅力的で美味しく頂けるんだ。』と自信満々な笑顔でネグレットを語るマーク。確かに何とも言えないタンニンのまろやかさと爽やかさは他では味わえないですが、ワインの色の黒さにビックリです!これを飲んだ後には歯磨きは欠かせないです!! Thibaut de Plaisance 06*ティボー・ドゥ・プレザンス 06  品種:ネグレット80% - シラー20% 樹齢:45年 土壌:ケイ質土、又は水晶が混ざった砂利・石灰・砂泥土質 醸造:ステンレスタンクで5週間 熟成:18ヶ月間の樽熟成 名前:息子の名前です。 スパイス、黒フルーツ、レグリスそして花の香りが一気に漂ってきます! 息子に似ていてパワフル!ネグレット独特のとても綺麗で滑らかなタンニンが口に広がっていきます。骨格とバランスが完璧! マークさん曰く、5年から7年後に飲むとトロけるほど美味しくなっているそうです! Tot Co Que Cal 06*トット・ソ・ケ・キャル06 品種:ネグレット90% - シラー10% 樹齢:50年 土壌:ケイ質土、又は水晶が混ざった砂利・石灰・砂泥土質 醸造:ステンレスタンクで6-7週間 熟成:20ヶ月間の樽でのシュール・リ熟成 名前:オック語で『必要な物全て』と言う意味です。 ラズベリー、ブラックベリー、スミレの花、スパイス・・と、綺麗で豊富なアロマがフンワリ!骨格がしっかりとしていて、エレガント!タンニンが酸味を引き出し、口の中には爽やかさと優しい後味が残ります・・・! Rosé 08*ロゼ 08 品種:ネグレット80% - シラー20% 土壌:ケイ質土、又は水晶が混ざった砂利・石灰・砂泥土質 醸造:ステンレスタンク 熟成:樽でのシュール・リ熟成 キラキラとしているこのロゼはフルーツと花の香りでいっぱい!爽やかさにパワフルさと繊細さが混ざり、永遠と口の中に残りそうな味わいです。 Grain de Plaisir 07*グラン・ドゥ・プレジール 07 品種:セミヨン40% - ソヴィニョン60% […]

22
Déc

アセンブラージュ・ワインのスペシャリスト:ドメーヌ・ドゥ・ラ・ロッシュ・ビュイシエール、アントワンヌ・ジョリ 南ローヌの次世代スター

皆さんMont Ventoux*モン・ヴァントゥをご存知ですか?自転車ロードレースの最高峰「ツール・ド・フランス」で、最高難度の山岳ステージの舞台として知られている有名な山です。こんな大自然のふもとで醸造しているのが Antoine Joly*アントワンヌ・ジョリさん、Domaine de la Roche Buissière*ドメーヌ・ドゥ・ラ・ロッシュ・ビュイシエールです。 1974年、アントワンヌのお父さん、ピエール・ジョリー氏は7haの農場を入手し、ブドウ畑、オリーヴ畑、そして様々なフルーツ栽培を始めました。ピエールさんは当時から「環境保全」を念頭に置いた農業を目指していました。そのお陰で1979年、有機農法の認証団体「ナチュール・エ・プログレ」に認められ、1992年にはエコセールに認定されました。 長年に亘り、徐々に様々な栽培の生産からブドウ栽培へ比重が移っていき、「ブドウ栽培家」に専科していったピエールさん。けれども当時、全ブドウは協同組合に送られていました。そして1999年、ピエールさんの息子、アントワンヌさんもドメーヌの手伝いに関わり、友人のワイナリーから設備を借りたりしながらアントワンヌさんの醸造が始まりました。

19
Déc

12月4日、ルイ・バンジャマン・ダグノー氏訪問

Nous avons été choqué par la mort accidentelle de Didier Dagueneau le 17 septembre juste avant les vendanges. Didier Dagueneau était un des vignerons les plus charismatiques de France. Son travail et la qualité de ses vins étaient reconnus par tous. 9月17日、収穫前に起きたディディエ・ダグノーの事故死は、誰にとっても心を打たれる出来事でした。ディディエ・ダグノーはフランスを代表するカリスマ的な醸造家でした。彼の仕事、そしてワインの品質は誰もが認めていました。 A l’annonce de cette mort brutale nous nous sommes interrogés sur l’avenir du […]

18
Déc

西南で見つけた期待の新星、ドメーヌ・ル・ボアロン、フィリップ・カブレル氏 − Domaine Le Boiron

杉の木を潜って辿り着いたのは、130ヘクタールものドメーヌで醸造をしているフィリップ・カブレルさんの醸造所。彼の兄はフランスの代表的な歌手でもありチョー大物!とても大人しく少し照れ屋な彼は、とてもオシャレでカッコイイ!けれども慣れてくるにしたがってジョークを飛ばしてくる面もあり、結構面白くて人思いの優しい人です! そんなフィリップは西南フランスの小さな町、アスタフォールで生まれ育ち、この場所の穏やかさと、1855年に建てられた立派な醸造所に一目惚れ!1996年に兄とドメーヌを購入し、1998年にあの有名なワイン醸造学者、Mathieu Cosse*マチュー・コスさんの手を借り、2ヘクタールの畑にカベルネやメルロ、そしてタナを植えブドウ収穫をスタート。しかし2000年から2002年の間、ブドウは全て協同組合に送られていました。けれども粘土石灰質のテロワールと、自然に育てられた彼のブドウは非常に美味しいと評価され、フィリップはワイン造りに興味を持ち始め、2003年には初ヴィンテージを紹介! 『私は生きている土壌でブドウを育てているんだ。収穫も手摘みでやっているし、選別もなるべく丁寧に行っている。この土地は、メルロやタナとの相性は抜群だがカベルネは手入れが通常以上に必要だ。畑での作業が慎重な分、余計な物を添加せずに自然酵母のみでの醸造ができるんだ。熟成中も、マロラクティック発酵後のスティラージュ以外は手を加えてない。15ヶ月間の間ワインを自然に任せながら寝かせているんだ。』 醸造所はまだ新しく建て直したばかりでとても綺麗 『2006年はとても綺麗なヴィンテージだったよ。9月下旬には雨が絶えなかったが、とても濃厚なメルロが収穫できた。しかしタナは雨を吸収してしまい、1ha分失ってしまった。それに比べ、2007年は雨と病気が多く、とても困難なヴィンテージとなった。一言で言ったら、こくより繊細さが特徴となった年かな。しかし良く熟したブドウしか収穫していないので、メルロは適度の果実味と綺麗な酸味を出し、タナはとてもフルーティーに仕上がっている。2007年は2004年に植えたコットの初収穫の年でもあるんだ。この品種はアセンブラージュ用に植えたんだ。 とてもフルーティーで野いちごの香りが強く、いい具合に熟成しているよ!』 と嬉しそうに話すフィリップ。 そして彼のワインの特徴は?と尋ねてみると: 『このテロワールのポテンシャルは、骨格がしっかりとしたミネラル感たっぷりなワインを生み出してくれること。これがボアロンのワインの特徴!ブドウ木もまだ若いので、パワフルさより繊細さと爽やかさの方が楽しめる。食事との相性も抜群!匂いがきついチーズ以外だったら、焼き魚や生魚でも、どんな料理にも合わせやすく、とても飲みやすいワインだよ!』 そんなワインを今から試飲です!! Domaine Le Boiron*ドメーヌ・ル・ボアロン 品種:メルロ 65%  − タナ 10% − カベルネ・ソビニョン 25%  樹齢: 9年 土壌:粘土石灰質 醸造:コンクリートタンクで21日間、18-26℃にて醸造 熟成:18ヶ月間の樽熟成 爽やかでバディーがしっかりとしているワインです。果実味が強く、上品なタンニン、そして何といっても酸味の繊細さ!ここでしか味わえない美味しさです。 ラベル:モダンなラベルは、他のドメーヌとの違いを表しつつも、古くから伝わる教えをとても大事にしているという意味を示してるそうです! Le Petit Boiron*ル・プチ・ボアロン 品種:メルロ 70%  − タナ 25% − カベルネ・ソビニョン 5%  樹齢: 4年 土壌:粘土石灰質 醸造:コンクリートタンクで18日間、18-26℃にて醸造 熟成:12ヶ月間、コンクリートタンクで熟成 パワフルでフルーティーなワイン!酸味、果実身、そしてミネラルと、全てが揃った完璧なバランス。フレッシュでまろやかなので、グイグイ飲めちゃうワインです! ラベル:フルーツの木はフルーツの果実味と軽快さ、そして田園そのものを表しているそうです! 『私はなるべく甘美で美味しいワインを造ろうと手掛けています。自然がワインにミステリアスな赤い果実の風味を与えてくれます。私達のワインは、ワイワイと賑やかな場で、何かを分かち合いながら飲んで貰えたら幸です。私のこれからの夢は、自分のパッションを生き甲斐にしながら皆さんを楽しませる事です。』 これからが勝負です!今後も繊細さナンバーワンのワインを造って下さい! オルヴォーの田中さんと DOMAINE LE BOIRON のワインについてのお問い合わせは: オルヴォー(株) TEL : 03-5261-0243 FAX : 03-5206-8557 MAIL : […]

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ピエール&カトリーヌ・ブルトン:ロワール地方では欠かせない存在

ロワール地方でワインを造っている、あの自然派醸造家ブルトン夫婦が、 11月出版されたアメリカのニューヨーク・タイムズに取り上げられました! 『もし地球人が皆金髪で青い目をしていたらつまらないだろう?ワインも同じだ。』そう語るのは、ロワール地方で自然派ワインを醸造している、とても真面目で真剣なピエール・ブルトン氏。 『ワインは楽しむためにあるんだ。ワインは想像力を高めてくれる。ワインは会話を弾ませる。それなのに、何故私達はワインが全て同じアイデンティティーであることを求めるのか?』 ピエール氏は奥さん、カトリーヌさんと共に、このツールの近くにある レティニェという街でドメーヌを経営している。 今現在フランスでは『根源に戻ってのワイン造り』というムーブメントが巻き起こっている。それは、殺虫剤や化学肥料、人工酵母、そして亜硫酸などの大量な化学物質を使用していなかった時代と同じ栽培方法をしようという考えの変化だ。彼らはまさにこのような状況を把握しており、前衛的な存在でもある。生まれ持った才能と自然に育ったブドウでワイン造りを楽しんでいるブルトン氏のような醸造家達は、本物のワインを求めている人達の間ではもう十分話題になっている。 仕事の量も通常に比べ少なくは無いし、費用も掛かる。ブルトン氏は11ヘクタールの畑を所有しており、ブルグイユやシノン、ヴヴレーのワインを造っている。彼らのような自然派醸造家達は、今、一般的に行われているワイン造りは自然を汚染し、なおかつ一様なつまらないワインしか生み出さないと考えている。彼らはブドウがワインへと変化していく最中、なるべく手は加えない事がモットー。畑もブドウも全て有機栽培を施し、機械で地球を汚さない為収穫は全て手摘みでやる。 しかし通常のワイン造りとの大きな違いは、この後の醸造段階と熟成段階の時に、まさにワインの味と骨格が決まるのである。全ての要素−その年の夏の気候、果実味、テロワール、熟成樽の特徴など−が重合ってなり、ワインの表現力が決まる時期だ。 『通常のワインメーカーが使用している化学添加物や人工酵母は、確かにワインを様々な現象(酸化や還元など)から守るけど、ワインの風味は皆同じになってしまう。』と自然派ワインの造り手は主張している。『指揮者になったようだ』とブルトン氏は言う。彼のワインは自然酵母で醸造され、酸化防止と細菌防止としての亜硫酸はほんの少量しか添加していない。 『最初は皆同じ材料から始めるんだ。しかし指揮者のように、私達は同じ楽譜を見ながらそれぞれ違う音楽を奏でている。それこそが、自分のアイデンティティーを持ったワインなんだ。』 しかし、一般的なワインの世界では、『自然派醸造家は自分達のやり方だけが正解だと思いこんでいる』と批判して来る人もいる。ナチュラル・ワインより、腕が高い造り手に醸造されたハイテクなワインの方を好む人ももちろんいる。 少し前フランスの新聞、ル・モンドのワイン記者、ジャン・イーヴ・ノーさんは、下記のようなジョーク混じりの記事を書いていた:『ワインを保存する為、瓶詰めの時に添加される亜硫酸のことを、彼らは « 化学の形をした、悪魔の生まれ変わりだ»と思っている。』 本当にここ数年前から、健全なワイン造りは徐々に人を惹きつけている。パリのバスティーユ広場から近いLa Muse Vin*ラ・ミューズ・ヴァンや、ベルビル方面にあるLe Baratin*ル・バラタンなど、様々なレストランやバーもブルトンのような自然派ワインを勧めている。しかもこのような商品は12区に在るLe Vin se Livre*ル・ヴァン・ス・リーブルのような小さなワイン屋にも人気がある。 有機栽培に切り替えたり、化学物質を押さえてきた農業者にとってはとても喜ばしい状況になってきた。このような自然派の大多数は、ミスティックな言葉で自分の醸造段階を語る、代々受け継がれてきた小さなワイナリーやその中でも馬で畑を耕すなど、100年前と同じ栽培方法を行っているとても細やかなところにも気を配る人達もいる。しかも多くのナチュラル・ワイン生産者は、20世紀初期にオーストリアの哲学者、ルドルフ・ステイナー氏が極めたビオディナミ栽培を行っていることが多い。ビオディナミ栽培とは、月や惑星の動きを把握しながら、栽培や醸造の段階を進めていくやり方だ。 しかし自然派ワインは小さな規模のワイナリーのみではなく、ブルガンディー氏のロマネ・コンティやアンセルム・セロスさんのシャンパーンなど、他の地区の偉大なアペラシオンにも見当たる。パリの自然派ワイン屋、Cave Augé*カーブ・オジェのオーナー、マーク・シバール氏曰く『30年前はたった15人程度だったのが、今では200人以上いるに違いない。それでもまだ隠れ文化みたいなもんだ。』彼は25年前から自然派ワインの大ファンだ。『彼らは « 実行不可能なことを望む単なる夢追い人»と思われやすいし、大手卸業者はもっと一般的で«工場的»な、輸出しても還元しない強くてスーパー向きのワインを求めている。』 『自然派ワインの需要は徐々に広まってきている。私達は専門家だからね!パリに店があるってことは客の質も高い。そして皆1本6€だが人工的に造られたワインより1本20€だが自然に造られたワインのほうがより美味しいということは分かっている。』 自然派醸造家は仕事に対してとても熱心だし、その上ユーモアのセンスも兼ね備えている人達が多い。その証拠に、カーブ・オジェの床に転がっているワインボトルを見れば分かる。 ある醸造家は、オルソン・ウェレスの映画『タッチ・オフ・エヴィル』のフランス訳、『Soif du Mal*ソワフ・デュ・マル』というキュべを造り、もう一人はアジアのマーケットをターゲットにしたに違いないラベル、『ガマ・ストラ』をプロデュースしている。他にも、『ブドウは紐パンツを履いた人に収穫されています』など、ジョーク交じりのラベルが沢山ある。ブルトン氏も、『Nuits d’Ivresse*ニュイ・ディブレス』(酔った夜) 、または『La Dilettante*ラ・ディレタント』(愛好家)というワインを紹介している。 このような空想的なラベルは、世界中のマーケットで注目を浴び始めている。 『数年前、このようなラベルはナチュラル・ワインに対して、決して良い宣伝では無かった。』そう語るのは1980年代から自然派ワインをアメリカに仕入れているパイオニナ、ケルミット・リンチ氏。『しかし今このようなワインに興味を持っている人は確実に増えてきている。』彼はブルトンのワインも仕入れているし、彼自身も南フランスに在るジゴンダスという町に畑を持っている。リンチ氏の畑はビオでもビオディナミ栽培でもないが、自然醸造家達の考え−大半のワインは化学物質を使用しすぎている−という事実は彼も受け止めている。『ワイン醸造に関してどうするべきか、何を言うべきかなど私にはまだ分からないが、ある醸造家が一度こう言ってきた:ビオ栽培に進展してからより美味しい果汁ができるようになった。そしてより美味しいジュースはより美味しいワインに繋がるんだと』。 Le Baratin に関する記事はこちらから! La Muse Vin に関する記事はこちら! Le Vin se Livre に関する記事はこちら! La Cave Augé  に関する記事はこちら! Pierre&Catherine Bretonのワインについてのお問い合わせは: 株式会社 JALUX ワイン部  TEL:03−5460−7156 […]

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ニコラ・テスタールへ10個の質問!

« ワインの香りと味は、テロワールの特徴と自然から生まれるアロマを尊重していなければ! » *何故ワイン造りに興味を持たれたのですか? 私はブルゴーニュ出身なんだ。そこで小さい頃からいつもブドウ畑で遊んでいた。そうしたら自然とブドウやワインに興味を持ち始めたんだ。学校を卒業した後、即行ブルゴーニュのティエリ・ヴィオロ氏のもとで修行を始め、その後ジル・ジャイエとも働いたし、プリウレ・ロックのもとでも自然派ワインを学んだよ。 *最も気を付けている栽培でのポイントは? 自然にもブドウ木にも負担を掛けない、優しい栽培が私の目標だ。当たり前の事かも知れないが、例えば殺虫剤や除草剤、化学肥料は絶対使用しない事!後、美味しい自然派ワインに重要なのは、健全で熟成したブドウを収穫する事。ブドウを一房づつ確かめられるように収穫は絶対に手摘み、そして選別は欠かせない作業だね! フルーリーの畑にて *最も気を付けている醸造・熟成でのこだわりは?  う〜ん、皆と同じように、まず亜硫酸は一切添加しない事。そして醸造も自然酵母での醸造。そして木樽、あるいはステンレスタンクで熟成させ、軽く、もしくは一切フィルターには掛けない事かな。自分のこだわりと言ったら、通常は最高12ヶ月間熟成させるガメイを、私はフルーリに関しては18ヶ月間熟成させている。そうすると、10年後にはピノと勘違いするくらい飲みやすくて優しいワインが楽しめるはずだよ! *ブドウ品種とテロワールの相性は? 畑の土壌は砂・粘土質なんだ。このテロワールの柔らかさが、ガメイに上品さと滑らかさを与えているんだよ。ボジョレーの地区では、区画により畑の土壌質が全く違うから、どのように土壌を上手く生かせるかがポイント。特にガメイは酸味が強い品種。繊細でエレガントなワインを造る為には、ビオ栽培、そしてテロワールを引き立たせなければいけないんだ。 発砲ワインを開けた瞬間! *ボジョレーの気候は? ボジョレーは大陸性気候なので、夏はローヌに似たような天気、そして冬は湿気が多いんだ。けれどもガメイの品種にとっては抜群に良い気候なんだ。 *2008年の気候はどうでしたか? 今年はミルディウーや、8月に大量に降った雹のせいで大変な被害にあったよ・・・87%も収穫量が減ってしまった・・・けれどもその後、収穫時期までは一滴も雨は降らなかった。特に9月4日から25日の間はとても良い天気で、ブドウの熟成度が1℃も上がったんだ。しかもドメーヌは丘の上なので、風が多く乾燥しやすいから、ブドウも乾くのが速い! *ニコラのワインの特徴は? シャルドネはシュナンに似ていて、がメイはまるでピノのようなワイン!友人ともプロの人でも、どんな状況でも楽しめる、喜びや楽しさを分かち合うための飲み物だよ。 *どんなお料理とお勧めしますか? 魚料理やお肉料理、又はアペタイザーに、もしくは楽しいひと時に飲むのがお勧め! *ニコラの趣味や目標は? 自然体のワインをありのまま尊重する事。そして自分の子供や他の人たちにも実のワイン、本当のワインの味を楽しんでもらう事かな。 奥さんのキャロルさんと、6ヶ月のジュスティンヌちゃん *今後の目標は? ビオ栽培へとの転進を完璧に終了させ、綺麗なバランスを保てるよう古い区画の手入れをもっとしたい。他にも、もし出来れば各区画のテロワールの本質を引き出す為、木タンクでいくつかのキュべを造ってみたいな。 パリに在る自然派ワインのお店、カーブ・オジェ*Cave Augéで働いてたキャロルさん。 ワインを開ける瞬間もやはりプロのようです! 愛犬のピノちゃん そしてお父さんとお母さんの笑顔を受け継いだ、愛くるしいジュスティンヌちゃんの3ショット! NICOLAS TESTARDのワインについてのお問い合わせは: オルヴォー(株) TEL : 03-5261-0243 FAX : 03-5206-8557 MAIL : tanaka@orveaux.co.jp NICOLAS TESTARDに関する記事はこちらから!

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セバスチアン・リフォーがPARISに!

〜CPCオフィスにて2007試飲会〜 今日はロワールで醸造しているセバスチアン・リフォーさんが来てくれました! 『昨日ノルマンディーに行って来たから美味しいカキをお土産に持ってきたよ〜!』と嬉しそうに訪れたセバスチアン。彼は本当に優しくて、いつ会ってもニコニコな笑顔が印象的です! セバスチアンは5ヘクタールのブドウ園を栽培していましたが、今年からはお父さんの畑も任せられ、今では12へクタールに広がるブドウ畑を一人で栽培しています。ソヴィニョンの品種は11ヘクタールもの面積に植えてありますが、セバスチアンのピノは1ヘクタールしかないのでとても貴重!ブドウ、そして自然にも優しい環境を作りたいという思いでビオ栽培に切り替え、畑も彼の愛馬、オフェリーちゃんが一生懸命耕しています。 醸造中もなるべく手を加えないよう、自然にワインを造ることが目標。 『マロラクティック発酵は、アルコール発酵が終了した後、自然と起きる事なんだ。それを皆亜硫酸などを足して止めてしまう。私の白ワインは亜硫酸の添加は一切していないので、珍しいかも知れないがマロラクティック発酵をしている。そうするとドライだったワインにまろやか感と繊細さが生まれるんだ!酸味も丸くなり、通常の柑橘類の香りじゃなく、アブリコットのような複雑で果実のアロマになるんだ。そうすると変則的だけれども、ここでしか飲めない独特なサンセールが出来上がるんだよ。そして熟成は全てシュール・リ熟成。これはワインに存在感と旨みを出すんだよ。』 『2006年は気候が良かったので2007年に比べ熟成度が高いヴィンテージだと思われがちだが、実際の所、その逆なんだ。2007年は雨が多かったけれども、収穫時期にとても良い気候が続いたので、とても熟成したブドウが収穫できたんだ。』 *Sébastien Riffault のワインについてのお問い合わせは 豊通食料株式会社 TEL : 03-5288-3854  FAX : 03-5288-9248 http://www.vin-de-t.com    アクメニネ07*Akméniné 07 品種:ソヴィニョン 樹齢:30年 土壌:石灰質 醸造:4ヶ月間、ステンレルタンクでのマセラシオン 熟成:9ヶ月間の樽熟成 特徴:マロラクティック発酵 + シュール・リ熟成 意味:アクメニネとはリトアニア語で、『石製』という意味 ミネラル + フルーツ + 酸味=完璧にバランスがとれたワイン! まろやかなのにフレッシュ!味が深いワインです。 オクシニス07*Auksinis 07 品種:ソヴィニョン 樹齢:20年 土壌:石灰質 熟成:20ヶ月間の樽熟成 特徴:マロラクティック発酵 + シュール・リ熟成 意味:オクシニスとはリトアニア語で、『金色』という意味 濃厚で綺麗なバディに、ミネラル感が関わり、とても飲みやすいです。一杯だけでは止まらなくなってしまうワインです! ロドナス07*Raudonas 07 品種:ピノ 樹齢:40年 土壌:粘土石灰質 醸造:10日間、ステンレルタンクでのマセラシオン 熟成:18ヶ月間の樽熟成 特徴:マロラクティック発酵 + シュール・リ熟成 意味:スケヴェルドラとはリトアニア語で、『赤』という意味 スパイスと赤フルーツの香り、そして何といってもまろやかでやさしい味が印象的です!ミネラルで繊細なので、グイグイと飲めちゃうワインです! スケヴェルドラ07*Skeveldra 07 品種:ソヴィニョン […]

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国宝級江戸っ子度200%-よろずやワイン繁盛記

〜東を“シガシ”としか発音できず、曲がったことが“デー嫌い”な正真正銘の江戸っ子だ!〜 思ったことは絶対にやらずにはいられね−性格だ。 頑張っていたかな-と思うとホっと気が抜けるところも江戸っ子らしい。でもやっぱりやらずにはいられね−がんばり屋。 こんな性格をお客さんは百も承知で合わせてくれている。 自分の好きなワインしか売ることができない、不器用さ。当然、商売上手ではない。好きなワインをとことん仕入れてしまう。店に置く場所がなく困っていると、お客さんの方が心配して買いにきてくれる。お客さんとはツ−カ−だ! 長く付き合っているお客さんは、彼女の性格を分かっているので問題ないが、初めてのお客さんは最初戸惑ってしまうことがあると想像する。 でも、最終的には彼女の大ファンになってしまう人が多い。 私もその大ファンの一人だ。江戸のワイン販売を語るとき、彼女をはずしては語れない時代がきっと来るだろう。なくてはならない人物だ。 店の名前はよろずや、彼女の名前はゆきこ。 10年ほど前から毎年フランスまで買い付けに来る、10年来の付き合いだ。好きなワインしか絶対に買わない。彼女の買う買わないの尺度は、醸造元の“人間”だ。人間が好きになるとトコトン仕入れてしまう。ドメ−ヌ・セネシャリエ−ルのマ−ク・ペノのワインが大好きだ。 〜あのマ−ク・ペノのセナシャリエ−ル救済の起点となったゆき子さんの行動力!〜 彼女は、ワイン造りに没頭しワインのことしか考えない純粋一途なマ−ク・ペノが大好きだ。だから、マ−ク・ペノが昨年倒産した時、彼女は黙ってはいられなかった。お客さんと共同でドメ−ヌを買い取る算段を企てた。ゆき子さんからフランスまで電話が入った。 『数千万円までなら何とかします。マーク・ペノを救済してください!!』 何回も何回も執拗に電話がきた。お客さんを巻き込んでの救済だ! 私はこの電話で決意した。 マ−ク・ペノのワインの偉大さとゆき子さんの一途な行動力に驚いた。一杯のワインが遠い日本のお客さんをここまで動かすパワ−があることに驚愕した。知り合いの弁護士に連絡したら、数々の困難な壁があった。自分独りの力ではどうにもならなかった。 そこで野村ユニソン社に応援を依頼した。本格的に動き出すと、困難と思われたことが奇跡的にスム−ズに進んでいった。正直私は驚いた。なんらかの力が後ろから後押ししてくれたとしか思えなかった。でも、ふとゆき子さんの顔が浮かんだ。彼女のあのパワ−とペノさんの一途さがきっと動かしたのだ。 結果、マーク・ペノのドメ−ヌ救済は野村ユニソン社の協力のもとに成功した。あのゆき子さんからの電話がなかったら、なかったことだ。彼女には目に見えない力がある。 〜10年間毎年フランスまで買い付けに来る江戸っ子、ゆき子〜           大好きなドメ−ヌ・ドピアックのシルバン・ファダ夫妻とゆき子さん    『毎年来て醸造元の顔を見ないと力が入らないのよ!』と唸る。 醸造元の方もゆき子の顔を完璧に覚えていて、彼女がくると親戚が来たごとくに迎えてくれる。造る現場と売る現場の人間が信頼で結ばれるエネルギ−は図りしれないものがある。 ゆき子さんが『このワイン美味しいよ!』と言う言葉には醸造元のエネルギ−も乗っている。彼女はあまり細かい説明はしない、むしろ苦手な方だ。勢いで売るタイプだ。                          醸造元達は彼女の行動力に驚いている。何故なら、パリのワイン屋でもなかなか訪問する人は少ないのに、日本という地球の裏側から日本のワイン屋が来てしまうから驚くのは当たり前だ。   ドメ−ヌ.ヴィエユ・ジュリエンヌのドーマンさん        ラングドックのシャト−・ランガラン 〜もっと驚くのは、自分のお客さん10数名引き連れてフランスまで来てしまう〜 ド−ピアックのファダさんが命がけで開拓したコカリエ−ルの畑にて 『私は自分が感激したことと同じ感動をお客さんにも体験してほしかったのよ!』 彼女の言葉で実際にワイナリ−巡りツア−に来てしまうお客さんも凄いと思う。 ランガランの庭園にて このツア−はパリは通過するだけで見学はしない。 いきなりフランスの片田舎に連れて行かれる。 フランスが初めてきた人もいきなりラングドック地方、ロ-ヌ地方 と田舎だけ見て帰ってしまう。でも大喜びで帰っていく。 ゆき子さんのフランスの親戚に逢えたからだろう。 〜自然派ワインを最高の料理と飲めるレストラン『バラタン』にて〜 たまにはパリに寄ることもある。その時は迷わずバラタンだ! 奥さんのラケルともサ−ビスのピノッシュともすぐに打ち解けてしまうゆき子。江戸っ子パワ−は凄い!! 〜よろずや・ゆき子ののボジョレ・ヌ−ヴォ−2008年〜 ゆき子ファンはドンドン増えていく。 よろずやの店の一階は本当にただの普通の酒屋風だ! 期待して来店した人はそれだけ見て、なんだ、と帰ってしまう人も多い。 ワインは地下で販売している。この店に来たら是非、天然江戸っ子のゆき子と話してほしい。右腕のよし子も素晴らしい人だ! この地下では毎週、テ−スティン会やワイン教室のようなものが開催されている。 今夜はフランスツア−に参加した友達が大勢来ていた。懐かしい顔ぶれだ。 鶯谷の近所の人達ばかりと思いきや、横浜とか国分寺だとか結構遠くのお客さんも多かったのに驚いた。圧倒的に女性が多い楽しい雰囲気だ! 2004年産のヌ−ヴォ−と比較試飲                                  ヌ−ヴォ−は早く飲まなければならないとよく言われるけど、しっかり造られて活きているヌ-ヴォ-は全く問題ない。まるで熟成したピノ・ノワ−ルのようだった。今夜も佳き人達と佳きワインで楽しいひと時を過ごせました。 有難う!江戸っ子 ゆき子さん                                ゆき子さんも店とワインを中心にお客さんとの信頼関係のもとに、下町ワイン文化を築いている。 単なる小売店の範疇を越えた生き方をしている。大変だけど遣り甲斐のある佳い仕事をしているね! ここでも本物ワインで幸せを広げている。燃やせ!PASSION !燃えろ!PASSION !! […]

9
Déc

ワイン・パッション・ビストロ オザミ・ワールドのスタッフと共に

杉野さん、丸山総帥、松岡さん、伊藤、小松さん、菅野さん、土居さん、田中支配人 11月は3週間程日本に出張した。日本に着いたその夜オザミ・スタッフと楽しい夜を共にした。 東京 銀座、丸の内界隈に8店のパッション溢れるワインビストロを展開しているオザミグループだ。 どの店も自然派ワインを美味しく飲ませてくれる。品揃えも豊富で年代ものの自然派ワインが飲める日本では貴重な店だ。いや、フランスでも自然派ワインの古い年代をここまで品揃えしている店は少ないだろう。 それも、オーナーでもある丸山氏がフランス修行時代に集めたワインを大切に保管しているからだ。 自然派ワインの醸造元が日本に来る度に、ここのリストを見て驚いてる。 自分の蔵にもストックがない年代ワインがここにあるからだ。そしてここで飲む自分のワインの状態の良さに驚いている。保管状態が完璧だ。 そして何より働くメンバーの人間性の素晴らしさだ。皆ワイン大好き人間の集まりだ! みんなワインに詳しい。それもその筈、スタッフを毎年フランス遊学に送り込んでいる。 人によっては数か月間も会社の費用でフランス滞在をさせている。 田中支配人も2003年に3か月滞在した。松岡さんも, 小松 さんも3か月滞在した。 醸造元に数か月のワイン造りの修行をしたり、フランス中を食べ歩きをしたりの修行をさせてくれる。 修行を引き受けてくれた醸造元が、彼らの一生懸命に働く姿に感激して、別れる時は涙を流す程である。 私はそんな彼らの一生懸命さが大好きだ。そして人間としての優しさを備えた素晴らしい人材が多い。 格好良さやワイン通だけを備えたソムリエが多い中、彼らの人を気遣うサービス精神には頭が下がる時がある。兎に角、気持ちの良いスタッフが多いのに驚く。 そのオザミが近日中に池袋サンシャイン59階に新オザミをオープンする。 その忙しい中を、フランス遊学経験組が集まってくれた。パリから7か月ぶりの日本に到着した夜にも関わらず朝3時まで飲み明かしてしまった。 最初は日本に着いたばかりの私に気を使っていただき、オザミ銀座近所の鮨屋に集合した。 久々の日本の寿司に感激した。 そして、2次会はオザミ銀座本店の星の見えるワインバー3階に場所を移した。ここからがまた楽しかった。 突然のブラインド・テースティング大会 突然、オーナーの丸山氏が叫ぶ。 『ブラインドだ!』この号令で緊急ブラインド大会の開催となった。 丸山氏と飲んでいると時々このパターンになる、楽しいひと時だ! 何本やったか?記憶にないほどやった。写真に残したものだけを紹介しよう。今はもうフランスにも在庫がない自然派の古いもののブラインド大会となった。 参加メンバーの松岡さん 彼は数年前ダール・エ・リボで修行した。 ダール曰く 『あんなに気がついて、あんなに一生懸命に働く人間を見たことがない。オザミってどんな会社なんだい?』と言わしめた男である。 田中氏 彼も3か月ほどフランス滞在した。私の車でフランス中を一緒に走りまわった。 こんなに気がついて、人に対する心地良い接し方を身につけている人間を見たことがない。一緒にいて、私も勉強させてもらった人物だ!一流のソムリエの資質を備えた天性の持ち主だ! 小松さん ローヌのドメーヌ・リッショーで収穫修行をした小松さん。 40人分の焼きおにぎりを収穫人に作った男。今でもリッショに行くたびに、その話がでる人気もの。 また、オリヴィエ・クザンでも収穫をやっている。長身の小松さんファンはフランスにも多い。 心の優しさではオザミ中ではピカ一の人物だ。 ブラインドではクロ・ルジャールのルブール2000を見事に当てた。 全員が外した ポール・ルイ・ウジェンヌの ピノノワール、 ピエール・ド・ソン1994年 外して悔しがる杉野さんに丸山総帥。 このワインを外して一番悔しかったのは私だった。 ミネルヴォワの山中に住む孤高の仙人が造る 南仏で最高のピノノワールを外したのは悔しかった。 しかし、こんなワインがこの日本にまだあるなんて信じられない。飲めて幸せなひと時だった。 トレヴァロン1994年、年代まで見事に当てた菅野さん またしても外して悔しがる私でした。 今夜は、残念ながら私はすべて外してしまった。流石オザミスタッフは誰かが言い当てていた。オザミ・ソムリエの実力は凄い。感心。感服。 オザミならではのブラインドだった。ポールのピノ1994年が飲めたのは本当に感激した。感謝!感謝!! オザミにはまだまだお宝ワインが豊富にある凄いビストロだ!! 田中支配人を中心にまとまっているチームワークが素晴らしいオザミスタッフ。 […]

1
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ロワールでのイケメン醸造家、ジュリアン・クルトワ−Julien Courtois

ロワール地方の小さな村、Soings en Sologne*ソワン・アン・ソローニュにイケメン醸造家がいると聞き、早速尋ねていきました!この土地は様々な植物や動物に囲まれていて、ドメーヌと自然のバランスを綺麗に保っています。 彼の名はJulien Courtois*ジュリアン・クルトワ。彼のお父さん、Claude*クロードさんも自然派ワインの世界では結構有名な醸造家!そんなお父さんにワインの全てを教わり、今では4.5haの畑を栽培しているジュリアン。彼のワインはブドウとテロワールが完璧に引き出されていて最高にピュア! 『畑の為ならなんでもやるし、なんでも出来ると思っている!』と見た目は穏やかなのにかなりのチャレンジャー!『私は健全で熟成度が高いブドウを探し求めています。濃縮したワインを造りたいので、なるべく収穫量を低くしています。ただ単にテロワールの特徴を強調したいのです。』 ジュリアンの畑には一切化学物質は使用されていません。しかも行う作業は全て手作業! 『自分の目でブドウを見て、自分の手で確かめ、手入れをしなければ健全なブドウは生まれません。ブドウの品質が一番重要なのですから!』 土壌の質はシレックスが混ざったケイ質土、もしくはシレックスが混ざった粘土質です。そして赤色のシレックスが沢山畑に落ちています。 醸造中、亜硫酸の添加は一切無し、全て自然酵母で醸造するという、ナチュラルな部分を主張するジュリアン。赤ワインは房から実を摘み取った後、ピジャージュをして、プレス機に掛けます。そして長い期間樽熟成をします。白ワインも、収穫後プレス機に直接掛け、アルコール発酵と熟成のため、樽内で寝かせておきます。 ゾゾ 04*Zozo 04 品種:ムニュ・ピノ 樹齢:40年 醸造: 36ヶ月間の樽熟成 収穫量:20hl/ha フラン・ド・ピエ 05*Franc de Pied 05 品種:ムニュ・ピノ・フラン・ド・ピエ 樹齢:30年 熟成:30ヶ月間の樽熟成 収穫量:10-15hl/ha エレマン・テール06*Element Terre 06 品種:ガメイ・ショドゥネイ 樹齢:38年 熟成:12ヶ月間の樽熟成 収穫量:25hl/ha 100% 06*100% 06 品種:ガメイ 樹齢:40年 熟成:12ヶ月間の樽熟成 収穫量:20hl/ha エスキス 05*Esquiss’ 05 品種:ムニュ・ピノ 樹齢:40年 熟成:30ヶ月間の樽熟成 収穫量:8-15hl/ha ジュリアンのラベルはキラキラしています。 特に、各ラベルデに華やかなデッサンが描かれているのが印象的です。 他にもまだ若いブドウ木がたくさん! ガスコンやコット、シャルドネやロマランタンなども植えてあります! 『私の目標は、これらのブドウを使ってもっと色々なキュべを造る事です!』期待しています!

21
Nov

大自然の中、ピレネ山のふもとで醸造する大物、ドメーヌ・ゴビー − ルシヨン 

自然な景色が果てしなく広がる丘。顔を上げるとすぐそこにはピレネ山が堂々と聳えています。この大自然の中、標高200-300mで醸造しているのは自然派ワインの中でも最もミネラル感が高いワインを造っている Domaine Gauby*ドメーヌ・ゴビーです! 生まれて以来ずっとCalce*カルセの町で暮らしているGérald Gauby*ジェラルド・ゴビーさん。彼はこの土地が大好き。16歳の時初めて祖父と醸造をしてからブドウとワインの魅力に取り付かれてしまったジェラルド。今では誰もが認める芸術家なのである!彼のワインはとにかく繊細でミネラル!栽培も全てビオ・ビオディナミ栽培。ジェラルドは自然を愛し、自然を守りたいという意志が誰よりも強い。 『私の最大の悩みは、今後どう自然を守っていくことかです。自然が与えてくれたもののみでワインを造って行きたい。ブドウ畑には一切化学物質は使用しません。ブドウ木の堆肥も全てナチュラルです。(21種類以上の草と、年中溜めた雨の水を使って造ります)。この地区で最も美しくて有名な丘、La Muntada*ラ・ムンタダでの狩も全て禁止にしました。』 彼は45haのブドウ畑を栽培し、それ以外にも香草や様々な植物で埋まっている45haもの土地を所有しています。しかし最も自慢なのはやはりミネラル感に溢れているテロワールです! 『ここの土壌質は全てシストや粘土石灰質、泥土質です。時にはブルゴーニュよりミネラルと爽やかさが感じられるワインが出来上がります。しかも山と海から吹いてくる風はワインに繊細さや豊富さ、綺麗な酸味とバランスを与えてくれます。日当りも非常に良く、パワフル感を生み出してくれるのです。地区中に生えている数種類の木も、様々な襲撃からブドウ達を守ってくれています。私の畑は本当に恵まれている。』 しかし彼の畑で一番誇り高いのは、フィロキセラにも負けずに生き延びた、樹齢130年のブドウ木でしょう!この畑にはカリニャンを始め、何種類ものブドウ品種が植えてあります。今でもしっかりと美味しくて甘いブドウを生せています。 他にもグルナッシュ・グリが実っている丘は、東西南北全ての方向に太陽の日が当たるので、熟成度抜群なブドウが収穫できます。 ゴビーの醸造はもちろん全て自然方法です。補酸も補糖もなし、亜硫酸の添加もなし、自然酵母でのアルコール発酵。健全なブドウが収穫出来るからこそ可能なのです。全てナテュラルに出来上がったワインなので、ペーハーも低く、とてもピュア!長年保てる事が可能!しかもゴビーのワインは置いておけば置いておくほどアロマが発達して偉大なワインとなるでしょう! 『ルシヨンの夏は本当に毎年暑い!!しかし山風と海風が吹いているので、ブドウ木はめったに病気に罹らないのが特徴かな。けれども今年は夏中一滴も雨が降らなかった。1925年以来の酷い乾燥だった。ブドウ木が弱ってしまわぬように、21種類の草を混ぜた堆肥を、50トン以上撒いたんだ!』と参った顔で語るジェラルド。 『でもその分完璧に熟されたブドウが収穫できた!』と今度は嬉しそうに話す彼! これが21種類の草を混ぜた堆肥です。 今後の目標は?と聞いてみたところ、 『ルシヨンのワインは12世紀の頃とても評判が良かったんだ。王様たちは皆この地域のワインを飲んでいたんだ。何故だろう?と思い、その時代のワインを研究してみたら、略全種類が甘口ワインだったんだ。』 と奥の樽へと移動するジェラルド。 『この時代、ワインは人間の手を一切借りずに、自然と出来上がっていたんだ。私も同じ様に造ってみた。今はもう4年以上熟成しているが、まだ100g糖が残っている。早く完成するのが待ち遠しい。きっと凄いワインになるよ!』 との事。 私達も一口味見してみましたが、蕩けるほどの美味しさです!!ちょうど良い甘さとたっぷりのミネラル感が良い具合にマッチして、やはりゴビーでしか味わえない美味さです!『本物の甘口ワインは後味が甘いだけじゃダメなんだ。ミネラル感で終了しないと!本物のワインだってそうだ。アルコールよりフルーツとミネラルを強く感じなければいけない!』と熱く語ってくれました! ラ・ムンタダ・ルージュ*La Muntada Rouge 品種:グルナッシュ30%、カリニャン40%、ムルヴェードル10%、シラー20% 樹齢:グルナシュ 60年、カリニャン130年、ムルヴェードル30年、シラー30年 土壌:泥土・石灰質 収穫量:15 hl/ha 醸造:2-3週間タンクでの醸造 熟成:20ヶ月間の木樽熟成 パワフルだがエレガント、そして何といっても爽やか!とにかくアロマの豊富さが凄い(カカオ、スパイス、フルーツ、花・・)このワインはまさにテロワールに含まれているミネラルが最大に引き出されているキュべです! ヴィエイユ・ヴィーニュ・ルージュ*Vieilles Vignes Rouge 品種:グルナッシュ35%、カリニャン40%、ムルヴェードル15%、シラー20% 樹齢:グルナシュ 60年、カリニャン130年、ムルヴェードル30年、シラー30年 土壌:シスト・石灰質 収穫量:20 hl/ha 醸造:2-3週間タンクでの醸造 熟成:24ヶ月間の木樽熟成 口に含んだ瞬間、香草(タイム、ローズマリー)と赤フルーツの香りでいっぱいになるワインです。グルナッシュのタンニンがとてもリッチでまろやか!そしてミネラルとフレッシュ感で溢れている一品です! キャルシネール・ルージュ*Calcinaires Rouge 品種:グルナッシュ15%、カリニャン10%、ムルヴェードル25%、シラー50% 樹齢:グルナシュ 15年、カリニャン30年、ムルヴェードル20年、シラー15年 土壌:シスト・粘土石灰・石灰質 収穫量:25 hl/ha 醸造:2-3週間タンクでの醸造 熟成:10ヶ月間の木樽熟成 (20%)とタンク熟成 (80%) 『カルシネール』とは『Calcaire=カルケール=石灰』から付けた名前です。 […]

14
Nov

有機栽培の協会組合、エステザルグへようこそ!- Cave des vignerons d’Estezargues

ローヌ河南部の町、アヴィニョンの南西側に位置しているエステザルグ協同組会。この地区の土壌質は略粘土 ・砂利質、そして多様な品種のブドウが栽培されています。その為、ボリューム感と骨格がしっかりとしたワインが造られる地区として有名です! エステザルグは1965年、10件の生産者が力を合わせて構成した協同組会です。皆さんの畑の面積を総合すると、何と450ヘクタールもあるのです!しかしここからがこの組会の特別な所!化学肥料や除草剤を一切使わない自然栽培と、収穫されたブドウの特徴を壊さない自然醸造方がモットーです。 『ドメーヌごとに収穫と醸造を行い、各区画の土壌の特徴を最大限に引き出す事を目標としている。醸造の間、亜硫酸は一切添加しないため、ブドウ果汁が空気に短時間触れるだけでも酸化の原因となってしまう。だからなるべく素早く作業を進めていかないといけない。』こう語るのは、エステザルグの組合会長、Denis Deschamps*ドニ・デシャンさん。彼は2004年から一人でこの巨大な組織の会長として全ての作業を厳しい目で監視しています。一人でこの座を務める前には、今はDomaine Le Bout du Monde*ドメーヌ・ル・ブ・デュ・モンドとして独立したEdouard Laffitte*エドゥワード・ラフィットさんと供に働いていました。 協同組会での醸造所はまさに工場です!入った瞬間、あちこちで様々な作業を行っている従業員達で賑わっています。最初に目に入ったのは、やはり真直ぐと続くタンクです。 コンクリートタンクは容量260L、デキュヴァージュは手作業。ステンレスタンクは容量300L、そして重力の法則でタンクから木樽へと流れていきます。 『自然酵母は低い気温でなければ発達しません。ですから赤ワインは、略3週間もの間、タンク内でアルコール発酵を行います。そして、タンニンをまろやかにする為、木樽で6ヶ月間から18ヶ月間の間熟成させます。白ワインの場合は6ヶ月間タンクと樽での熟成、ロゼに関しては、6ヶ月間のタンク熟成です。そして瓶詰め前に、自然と含まれているガスを抜きます。ワインを瓶内に入れ、コルクで蓋を閉めてから、よりまろやかさを引き出す為、再び13度で瓶内熟成を行います。』 10件ものドメーヌを集めて醸造しているのでワインの種類は10種類以上! 今日試飲したのは・・・ キュべ・レ・グランド・ヴィーニュ・ロゼ 08 *Cuvée Les Grandes Vignes Rosé 08 グルナッシュ、シラー、サンソーのアセンブラージュ・ワイン とてもフルーティーな一品!グルナッシュのまろやかさにシラーのフルーツ感、そしてサンソーの繊細さを最大限に表現した、爽やかでに飲みやすいワインです。 サンソーとグルナッシュはアルコール発酵が発生しにくい品種。そこでシラーと混ぜ合わす事によって、アルコール発酵が起きやすくなるのです! キュべ・レ・グランド・ヴィーニュ・ブラン 08 *Cuvée Les Grandes Vignes Blanc 08 クレレット50%、ヴィオニエ50% 9月25日に収穫されたブドウは、3週間18℃にてアルコール発酵されたもの。 まだマロラクティック発酵は始まっていないので少し酸味が強い!この第二次発酵が終了したら、スティラージュ(澱引き)を一回行い、自然と澱が樽底にたまるのを待つのです。 白い花やピーチなどの爽やかなアロマに、ハチミツの甘い香りが混ざっている、繊細で飲みやすいワインと仕上がるでしょう! ドメーヌ・デ・バキャント 08*Domaine des Bacchantes 08 グルナッシュ30%、シラー70% 『バキャント』とは酒神バッカスを祈るパーティー、『バカナール』で、バッカスの為に踊る女性達を示しています。 このキュベもアルコール発酵は終了したが、マロラクティック発酵がまだ行われていない状態です。その後、8ヶ月間樽で熟成し、スティラージュを行う予定です。ですがもうすでにレグリスと香草のアロマや、黒フルーツ(シラーの特徴)の香りが凄い!しかも14℃の熟成度で収穫されたブドウなので、とても骨格がしっかりとしていて豊富なワインと仕上がるでしょう!  ラ・グルナッチャ 08*La Grenacha 08 グルナッシュ100% アルコール発酵は終了したが、マロラクティック発酵がまだ行われていない状態で試飲。この品種はマロラクティック発酵が一番起きにくい品種です。何故かと言うと、グルナッシュの高い熟成度とリンゴ酸の少ない量が原因だそうです。しかもアルコール度数は14℃以下、そして樽内の気温は20℃と、全てが整った状況でなければマロは始まりません・・・けれどもドニさん曰く『このキュベはもうすでにフルーツの香りとタバコの葉やコショウのスパイシー感が強い。マロが終了したら、より柔らかくなって、バターのようなとろみが出て来るんだよ!楽しみだ!』ですって! キャランチエンム・ルジサン 08*40ème Rugissants […]

13
Nov

笑顔率100%!レミー・スリエと楽しい一時を!DOMAINE SOULIE – ST CHINIAN, LANGUEDOC

香草畑の景色が目の前に広がっていく中、予想もしていない場所にポツンと建っているモダンな家が一軒。田舎のど真ん中なのに何てオシャレ!ここで400年前から有機栽培をしているドメーヌがあるという。 早速尋ねてみると、ニコニコな笑顔で出迎えてくれたRémy Soulié*レミー・スリエさん。初対面なのにジョーク連発、とても親しみやすく、絶対に嫌うことの出来ないほど優しくて面白い方! まだ41歳ですがもうすでに23回目のヴィンテージ!自分の職に自信を持ち、人生を楽しんでいる、まさに『Dont’t Worry, Be Happy 』、『心配はいらない、幸せになろう!』と言う言葉がピッタリと当てはまる人です! Domaine des Soulié*ドメーヌ・デ・スリエとは1610年から存在し続ける造り手です。当時は化学物質などは当然無く、醸造家は皆有機栽培で植物を育てていました。この栽培方法を、このドメーヌは化学の発達に影響もされずに長年守り続けてきたのです。 土壌は全て粘土石灰質。この岩と回りに生えている香草がワインに綺麗なミネラル感とスパイシー感(野性のタイム、ローズマリー・・・)を与えているのです。 レミーのワインはとても繊細でフレッシュ。自分が興味を持っているブドウを育て、ワイン造りを楽しんでいる彼。 お父さん、Jean-Paul*ジャン・ポールさん曰く、 『レミーは昔から陽気だ。だから彼のワインも陽気なんだ!ワインには造った人の性格が出ている。このドメーヌのワインは全てが軽い弾みで飲める、生き生きとしてサッパリとしたワインが多いんだよ!』ですって! でも本当に仲良しなんでしょう、2人共笑顔が耐えないです! ランチにしよう!と、テーブルに座った瞬間、栗を見つけたオザミの菅野さん。即行リクエストに答えようと、庭の暖炉で栗を焼いてくれるレミーさん。 ←『これは、ブニェット*Bougnette だよ!豚肉とパンの身で作ったシニャンの名物なんだ!一度食べたらやみつきになるから!』と嬉しそうに教えてくれるレミー。 → こちらが焼けた後。本当に美味しく、カリカリしていながらもトローと蕩ける感触がグー!確かにワインのおつまみには抜群かも! レミーのワイン、マルサンヌ100%に漬けてあるキノコのおつまみです。とても酸味が利いていて美味しい! 待っていました、プリップリな手作りソーセージ!ジューシーで香ばしい〜! お父さんのオリーブ畑で朝収穫して来たオリーブの実です。やはりスーパーなどで買うオリーブとは味も色も全然違う!歯応えがあり、香ばしさもあり、香草の香りがとても染み込んでいます。 シンプルですが最高に美味しい様々な料理に、皆さんも手が止まらなくなります。 そしてお料理と一緒に頂いているドリンクは・・・・ フルーツの香りが口に広がるキュべ・マルサンヌ 07*Cuvée Marsanne 07(マルサンヌ100%)と、熟成感たっぷりのメルロ07*Merlot 07(メルロ100%、樹齢35−40年)です。 他にも、キュベ・レミ 07*Cuvée Rémy 07 サンソー80%、シラー20%、樹齢35−40年 とてもミネラルが含まれているフレッシュなロゼ!酸味とアルコールのバランスがパーフェクト!フルーツの甘さは控え目だけれども存在感がしっかりとある、繊細な味わいです。 伊藤さんとレミーは仲良し! 見てください、2人の笑顔!一体何を話していたのでしょうか・・・? 彼には不思議な力があります。彼といると、誰もが自然と笑顔になっていくのです!まさに心を安らげてくれる存在ですね! そしてデザートには先ほど焼いておいた栗と、オザミ限定ワイン、キュベ・ブーが登場!このマリアージュがまさに最高!どうしてこんなに合うの?!とビックリするほどの美味しさ。   キュベ・ブー 08*Cuvée Bou 08 サンソー100%、樹齢35−40年 2008年のキュベ・ブーは前年に比べ、より繊細で爽やかです。しっかりとした酸味もあり、パワフル感もあり、ミネラル感たっぷり!サンソーなのにピノのような味わいがとてもエレガント!アペタイザーなどに、グイグイといけちゃいそうなワインです! お腹もいっぱいになった所でレミーの醸造所へレッツ・ゴー! とても大きい醸造所。とそこには今年のブドウで詰まった立派なステンレスタンクがキレイに並べてあります。その中にはサンソーやシラーなど様々な品種が発酵中! 収穫後、厳しい選別を終えたブドウ達は、重力の法則でタンクの中に流れ込んでいくのです。この作業も実はとても重要な役目があるのです。ここでブドウを優しく扱わないとブドウの実は潰れてしまい、粗いタンニンや風味が出てきてしまいます。そうするとワインの出来は悪くなってしまい繊細さにも欠けてしまいます。せっかくキレイなブドウを収穫したのに、丁寧に段階を進めていかないと全てが無意味になってしまうのです。 シラーを試飲中の杉野さん。彼の真剣さが伝わってきます。でもポーズにし、やはり決まっていますね! 木樽の中身は発酵中のブドウでいっぱい。このブドウはマルベックの品種です。新樽で1週間発酵させた後は、2年間の間樽熟成させます。そうしたら酸味が残り、さらに存在感のある味わいと仕上がります! そしてレミーさんの『宝の部屋』、カーヴへと侵入。ここで眠っているのは、繊細でミネラルな今年のピノ・ノワールや、フルーツ感たっぷりで甘いグルナッシュ!彼が収穫するブドウは熟成度が高い。それは南仏の気候の特徴でもあるが、熟成度が高いと、当然ブドウ内の糖分の量も多い。そうすると、全ての糖分がアルコールに変わり終えるまで、時間が掛かる。しかもレミーの醸造方は全てが自然方法。そのせい、マロラクティック発酵がなかなか起きない場合もあるのです。この第二次発酵が起きるまで、樽の中でワインになりかかっているブドウ果汁を保存しておくのです。 オザミの皆さんへと急にキュベ・ブーを瓶詰めし始めるレミー。 そしてオザミの杉野さんも負けずにと初瓶詰めに挑戦! キュベ・ブー今年の初一本完成!そして2人の幸せそうな笑顔を記念にパシャ! […]

11
Nov

大自然に囲まれている城、ロマノー・デストゥゼ * エルヴェ・スオ Herve SOUHAUT

コート・ドゥ・ローヌ、標高430mに在るアルボレスク村の中、 大自然に囲まれながら逞しく建っている立派なお城。 ここで醸造しているのが、Hervé Souhaut*エルヴェ・スオーさん、ドメーヌ・ロマノー・デストゥゼ*Domaine Romaneaux Destezet です。 このお城は1500年に火山塊の土壌に建てられました。歴史が詰まったこの場所はその後エルヴェの奥さん、Béatrice*ベアトリスさんの曾祖父に買われ、代々と受け継がれている遺産です。その点エルヴェさんはパリで育った都会っ子。化学の勉強をしてきた彼は、ワインに含まれている成分にとても興味がありました。その後エルヴェはパカレ氏と親友になり、より深く自然派ワインの世界を知りたいと思い、それから彼の醸造家としての人生が始まったのです。1990年にダール・エ・リボのジャン・ルネ・ダールさんと働くようになり、1993年には奥さんと共にこのドメーヌを設立したのです。今では自然派ワインの世界では欠かせない人物。真直ぐで心の優しい彼のワインには、その真剣さと繊細さがとても伝わってきます。 季節の花(アジサイ)に囲まれている醸造所の入り口は こんなに立派・・・! 一体どの様なワインが保存されているのでしょう・・? 楽しみです! 『収穫はつい三日前に終わったんだよ(10月16日)。だから今ちょうどブドウは発酵中なんだ。』と大きな発酵樽に登りながら言うエルヴェさん。 『今ちょうどピジャージュをしなければならないんだ。もしよければやってみる?』ハイ!喜んで!と皆さん初体験のピジャージュを試してみる事に。 ピジュ(木の棒)で樽の中のブドウをかき混ぜるだけなのですが、予想以上に重い!体力がかなり必要な作業でした・・・! そして今年のワインを試飲!出来はどうですか?と尋ねたところ、 『今年は1ヶ月間雨が絶えなかった。けれどもその後はずっと良い天気が続いて本当に良かった。シラーは腐った部分も無く、熟成度が高い綺麗なブドウが収穫できたよ。それに比べてサン・ジョセフの畑はミルディウー(べと病)でかなりやられてしまった。今年の出来具合は全てブドウの厳しい選別に賭けたよ! 』 と語るエルヴェさん。 アルコール発酵中のワインはまだ少し酸味が強い部分もあるけれど、まるでりんごジュースのような甘さ!トロンとしている喉越しは最高! ラ・ストゥローヌ*La Souteronne ガメー100% 樹齢:60-80年 土壌:シストが混ざった花崗岩 3週間タンクでアルコール発酵した後、細やかな澱と一緒に8ヶ月間の樽熟成。ピジャージュはするが、濾過は一切無し。このキュベはフルーツの美味しさを絶好に引き出しています。赤フルーツにスパイシー感を足したような、とても繊細なワイン。口に含んだ瞬間、別世界に引き込まれそうな 、とてもバランスがいい一品です! シラー* Syrah シラー100% 樹齢:30年 土壌:シストが混ざった花崗岩 3週間タンクでアルコール発酵した後、細やかな澱と一緒に8ヶ月間の樽熟成。 より香りと色を引き出す為、フラージュ(破砕)を一日3回行います。 このブドウはローヌ川の支流、ドゥー川が流れている丘で収穫されたブドウです。 ミネラルがたっぷり含まれていて、コショウなどのスパイスと、赤フルーツのアロマが良い具合にマッチしています。とても綺麗な味わいです! サン・テピンヌ AOCサン・ジョセフ* St Epine AOC St Joseph シラー100% 樹齢:100年 土壌:シストが混ざった花崗岩 長い間タンクでアルコール発酵した後、細やかな澱と一緒に12ヶ月間の樽熟成。ピジャージュはするが、濾過は一切無し。この畑はサン・ジョセフの地区でも一番優れている区画であり、エルミタージュのテロワールと同じ特徴があるという。 パワフルすぎなくて上品なタンニン、鼻をくすぐるスパイスさ、軽いスモークの香りが完璧に溶け込んでいて美味しい!! ドメーヌ・ロマノー・デストゥゼ*Domaine Romaneaux-Destezet ヴィオニエ60%。ルサンヌ40% 樹齢:15年 土壌:シストが混ざった花崗岩 標高430mの区画に植えられたヴィオニエは、絶好な日当りに恵まれています!4週間の間木樽でアルコール発酵した後、細やかな澱と一緒に12ヶ月間の樽熟成。ピジャージュはするが、濾過は一切無し。アブリコットや花の香りがするこのワイン。しっかりとした骨格にはアロマの複雑感と繊細さ、テロワールのミネラル感などがたっぷり!アペタイザーにはピッタリなキュベです! エルヴェは最初から決めていた事があります。 『僕は環境を考え、健康を考えた上でのワイン造りをしたかった。だから畑では一切化学肥料などは使用しない。せっかく自然が生み出してくれた物、例えば土や生物などを、何故殺す必要があるのか?だから僕は自然派ワインを造り、自然派ワインの事をもっと勉強してもっと理解できるようになりたい』 […]