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Mai

« MONT DE MARIE モン・ド・マリー » 美味しくて、アル度も軽くて、自然で、安いと4拍子揃った夢のワイン

夢のワインを造るティエリー・フォレスティエール 今フランスでも話題になっている醸造元 MONT DE MARIE – モンド・マリー訪問。畑仕事の邪魔にならないように夕方に訪問をした。もう日焼けした顔、畑仕事で鍛えた逞しい体、満面の笑顔で畑から戻ってきた。 ティエリーは自然派ワインの大愛好家だった。しかし近年、価格が高くなってきていることに危惧していた。『やはりワインは誰でも買える価格であってほしい。』 ティエリーは高等ビジネス学校を出てインタナショナル・ビジネスをコンピューター・システム使って管理・アドバイスする仕事をパリの一流企業で働いていた。 『自分でワインを造ろう!』 ティエリーはグイグイ飲めてしまうスタイルのワインが好きだった。目指すワインもそんなワインだ。 100年程前、フランス人が年間80L以上飲んでいた時があった。その頃のワインはアルコール度数が10~11度ぐらいしかなかった。ワインが13度というのが慣例になったのはつい最近のことだ。昔、ラングドック地方はアルコール度数が10~11度というワインを大量に造っていたのである。こんなワインを北フランス、北ヨーロッパにドンドン出荷していたのである。   アラモン品種の100歳級の古木 昔はまだ機械もなく、勿論コンピューターもない時代の人々の労働はすべて体を使って働く肉体労働の時代だった。労働者達が仕事をしながら、また終わってからゴクンゴクンと水代わりに飲めるワインが必要だった。 当時のワイン造りは、まだ農薬も化学肥料もない時代の話である。勿論、人工酵母もない時代の話である。つまり今風に云えば自然派ワインだったのである。   アルコール度も11度前後と低く軽くて飲みやすいビュバビリテー最高のワインが多かった。酸が残っているし果実味の乗った実にバランスのよいワインだったようである。その頃のラングドックの品種はアラモン、サンソー、カリニャンそしてアリカントなどが主力品種だった。シラー、グルナッシュ品種などは少なかったのである。  歴史は繰り返す。 そして今、軽くて、グイグイ飲める飲みやすいワイン、つまりビュバビリテーの高いワインの需要が増大している。昔は肉体労働で疲れた体を癒す為にグイグイ飲んだ。今もそれに似ている。ティエリーはコンピュター技師でもあり頭脳を使う仕事をしている人だった。でも昔の肉体労働に匹敵するほどハードな労働であった。そんな体を癒してくれるのは、グランヴァンのように濃淳豊満なワインのスタイルではなかった。 軽めでグイグイ飲めてしまう美味しいワインだった。だから自然派ワインの大ファンだったのである。 自分でワインを造ろうと決意したのは、“自分のようにパリのオフィスで頭脳を使って働く人達も、現在のスピードの速い時代はまさにハードな肉体労働そのものだった。軽快でグイグイ飲めて優しく体に沁み渡っていくようなワインが必要だった。しかも価格も比較的安いワインを必要としている。”といつも感じていたからである。 ワインは誰でもが手に入るような価格でなければと思っていた。 ティエリーは調べた。まず安く造るには土地代の安いラングドックだろう。探していた時にニームの近くのソヴィニャルグ村にたどり着いた。アラモン、サンソー、カリニャンの古木が沢山残っている地域だった。ソヴィニャルグ村はローヌ地方とラングドック地方の中間に位置していて、忘れらている葡萄栽培地区でもあった。AOCも存在しないまるでブラックホールのような場所だった。栽培されている品種もその昔、ラングドックが全盛期だったアラモン、サンソー、カリニャンなどの古木が今でも栽培されていた。流行から取り残されていた地区だったのである。 ティエリーはこのアラモン、サンソー、カリニャンなどの古木に注目した。   まだ、誰も追求しなかった境地への“気づき”と“挑戦” アラモン、サンソー、カリニャン品種 まさにこの三つの品種が昔のラングドックワインを支えていた品種だった。アラモンもサンソーも大粒で果肉に水分を多く含んでいる葡萄品種だ。どんなに熟しても濃縮するまでにはいかない。アルコール度数も上がることがない。 それでいて果実味はしっかりある。食用として食べても水分があるのでバランスのよい味わいのある品種だ。   濃いワインが高級ワインだという近年の価値観では受け入れられない品種だった。フランス中の醸造家が濃いワインを目標に造り出した近年は、ラングドックからも姿をけした品種だった。グルナッシュ、シラーなどに植え代えられていった。さらに近年ではカベルネ系、メルローなどのボルドー品種に植え代えられてほぼ完璧に姿を消した。 完璧に姿を消したかに思われていたが、ラングドックでもマイナーな地区ではそのまま慣習的に栽培されていたのである。これがフランス文化の奥深いところである。すべてが一色に染まってしまう事がない文化である。 ラングドックでも表舞台の地区が存在している。つまり濃いワインが全盛期だった90年代に広大なラングドックの中心である、コトー・ド・ラングドック、ミネルヴォワ、コルビエールなど表舞台からこれらの品種は姿を消した。 しかし、ラングドックでも北風をもろに受けて、葡萄が熟さない涼しいマイナーな地区がいくつか存在している。何故マイナーかと云うと、濃いワインを造るのに適さないからである。最初から濃いワインを造る事を諦めているのである。だからアペラッションも何もない。そんな地区にこの“お宝”の品種アラモン、サンソー、カリニャンが残っ ているのである。   ティエリーとスヴィニャルグ村と絶滅しかけた品種(アラモン・サンソー)が新たな仕掛け ティエリーが見つけたSOUVIGNARGUEスヴィニャルグ村にはアラモン、サンソー、カリニャンの世界遺産級の古木が残っていた。 村の中心から高台に緩やかな斜面を登っていくと北斜面にアラモン、サンソーの古木が元気に生息している。 『俺たちの時代が再びやって来た!』と云わんばかりだ。 ティエリーは最初にこの畑を見て一目惚れした。『すべてはここだ!この畑が俺を待っていてくれた。』 ティエリーは偶然に安く美味しい自然なワインができることは思っていなかった。今は畑、品種、土壌、ミクロクリマ、不動の分部は手に入った。しかし、安く するには仕事の効率化を徹底的にやらなければ“安い”ワインはできない。自然栽培、ビオをやることは必要不可欠だった。農薬や化学肥料での効率化は頭から考えていない。 自分の労働時間を最大限に畑の農作業に集中することしかなかった。ティエリーは徹底調査して決意した。 普通の醸造家は訪問者などお客の接待にかなりの時間を費やしている。意外と知られてない事実だ。有名になればなるほど畑にいけない程の訪問客がやって来る。もう一つは、試飲会やサロンなどへの参加の為にもかなりの時間を費やしている。 テイエリーはこの二つを徹底的に省くことにした。 顧客も大口の取引しかしない方向をめざした。小口の顧客対応をやっていると時間ばかりとられることなる。 シールクスのみの一回だけに参加。後の残り時間はすべて畑に集中することにした。   畑を購入して10年の歳月が流れた。土壌がイキイキしている 2004年から始めて10年の歳月が過ぎようとしている。ティエリーと志を同じくする仲間も同じ村に集まってきた。 畑もやっと自分でも納得のいく剪定や畑仕事ができるようになった。自分の畑のこと,各区画の土壌の能力の事が数倍も良く理解できるようになった。土壌もイキイキして生きているのを感じる。 砂質マルヌ土壌の特殊ミネラル感 マルヌと呼ばれる泥灰岩質土壌の偉大なエネルギーとワインに与えるミネラル感の特著もよく分かってきた。 […]

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Avr

マルセイユの人気ワインビストロ!”LES BUVARDS”

マルセイユの夜は自然派ワインビストロ ”LES BUVARDS”  レ・ビュヴァールで! REMISEルミーズ試飲会は2日間に渡って行われた。初日の夜はマルセイユの港にやって来た。   マルセイユの街は港に直に面している。地中海沿いには多くの街が存在する。マルセイユ程の大規模の街は少ない。しかも港に直接面しているのはバルセロナぐらいなものだ。イメージは実に明るい街。でもフレンチ・コネクションの映画にもなったようにチョット危ないところもある。 その危ないイメージを変えるべく街の整備を行ったり必至のイメチェンを街全体で行っている。 私も久しぶりのマルセイユの夜を楽しむことした。   マルセイユ港の横に自然派ワイン・ビストロ“LES BUVARDS”レ・ビュヴァールがある。 今日はリヨンの名シェフ石田ファミリーと繰り出した。 ここのオーナーはなんとパリからやって来たフレッドだ。 完璧にマルセイユの街に溶け込んでいる。港で自然派ワインが飲めるとは嬉しい限りだ。   まずアペリティフにジュリアン・ギィヨをやった。ザ・ミネラルなワインだ。 酸とミネラルのバランスが素晴らしい。 ワイン自体のエネルギーが溢れている。 マルセイユでこれが飲めるとは幸せだ。     ウーン、待つこと30分、お腹ペコペコのテルちゃん(石田さんの娘)。 美味しそうな 煮込み料理がやって来た。マルセイユの港で肉料理というのも何ですが 石田シェフのお勧め料理だ。 やー、美味しかったです。     その後は、そこに居合わせた若者達とワインをグイグイ一緒に楽しみました。 彼女はニースのワイン・ビストロで働いているとのこと。 彼はラングドックに畑を買ったばかり、ニースからモンペリエ方面へ引っ越してワイン造りをやるとのこと。 期待できそうな元気な若者でした。 数年後にはきっと美味しいラングドックワインを造っていることでしょう。   マルセイユの夜も更けていった。やー、今夜も結構、やってしまった。 <LES BUVARDS> レ・ビュヴァール  34 GRAND-RUE ,MARSEILLE 13002 TEL:04-0190-6998 マルセイユにお越しの節はお寄りください。楽しめますよ。   マルセイユの人気ワインビストロ"LES BUVARDS" レ・ビュヴァール・ワインセレクション   オーナーのフレッドのテースティング能力は凄いものがある。 そのフレッドが選んだもの。 ブルゴーニュは<SERNIN BERRUX>セルナン・ベリュと <DOMINIQUE DURIN>ドミニク・デュラン。 […]

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Avr

自然派大試飲会 REMISE 地中海のマルセイユで開催!No2~後編~

MYRENE BRU ミレーヌ・ブリュ 地中海最大の漁港セットから内陸に20Kほど入ったところ石灰岩盤の山がある。標高180mの山の北斜面に葡萄園が広がっている。08年により4hの畑を手に入れ最初からビオ栽培。馬を使って耕している。女性ながら子供の頃からワイン造りが夢だった。理想の畑を手に入れて5年の歳月が過ぎた。やっと自分が狙ったワインができるようになってきた。葡萄を熟しながらフレッシュ感を残すことも可能になってきた。    <LADY CHASSERAS レディー・シャスラ 白> 真っ白な石灰質土壌に元海底だった頃の魚介類の骨などが堆積してできた岩盤ロッシュ・メールが地表にあり、その岩盤にシャスラ品種の根が入り込んでいる。だからヨード系の潮っぽいミネラル風味がワインをしめている。13年はシャープな酸もあり、これも和食にピッタリの相性だ。   <FAR-OUEST ファー・ウエスト> グルナッシュ、カリニャン、シラー、サンソー品種。畑の周りには野生のローズマリーやタイムなどの香草が一面に広がっている。その香草の香りがワインの中に表現されている。グラップ・アンティエール(除梗なし)と除梗した葡萄を交互に発酵槽にいれてセミ・マセラッション・カルボ醸造。甘ささえ感じる熟度の果実味。ミネラル感がしめている。       <LES MOULIN DE MON COEUR レ・ムーラン・ド・モン・クール13> 13年からの新キュヴェ。シラー、カリニャン、サンソー品種。 13年は酸が綺麗に残っている。中庸の濃縮度で爽やかな旨味が乗ったグイグイいける赤ワイン。   ESCARPOLETTE エスカルポレット 新人の中でも飛びぬけた才能と探究心と実行力を持った人、イヴォ・フェレイラ。本当に美味しいワインを造るには繊細な感性を必要とする。小さな現象から多くの事を理解しようとする感性はもって生まれたのもが必要だ。このイヴォにはそれがある。ラングドック地方のワインのイメージを根幹から変えてしまうようなワインを造り出した若者だ。 パリでソムリエをやっていた。ワイン造りに興味があってジュラ地方のジャンマルク・ブリニョのところに手伝いに行ったのがきっかけとなった。ワイン造りの面白さに魅了されてしまった。本格的にワイン学校で勉強を開始、ボルドーのシャトー・デュ・プイで3年間も修業した。2009年にラングドックで独立。現在4Hの畑をまるで試験台のように工夫を重ねて栽培、勿論ビオ。工夫に工夫を重ね醸造を丹念に造り上げている。将来、イヴォはきっとラングドックを代表する醸造家になるだろう。   <LA PETITE PEPIE 13 ラ・プティット・ペピエ 白> グルナッシュ・ノワール品種を収穫後にすぐプレスしてジュースを絞ったブラン・ド・ノワール。黒ブドウから造った白ワイン。ラングドックのモンペイルー村でここまで爽やかな白ができるとは驚きだ。11度とアルコールも低くヴィヴァシテーと呼ばれる超フレッシュな酸を感じさせてくれる。         <PETITE CRAPULE 13 プティット・クラピュール 赤> カリニャン、グルナッシュ品種、50%をセミ・マセラッション・カルボニック醸造、50%を除梗したトラディション。ピジャージュもルモンタージュもしない超自然な醸造。色合いは薄いけど果実味と旨味はしっかりのっている。シャープな酸は北フランスのピノのバランス感覚。     <LES VIELLES 12 レ・ヴィエイユ 赤> ラングドック地方のモンペイルー村といえばカリニャン品種で著名なワインがある。このイヴォが醸すカリニャンには興味がある。この石灰度の強い真っ白な岩盤土壌に育つ40歳から70歳の古木のぶどうからミネラル感タップリでタンニンのしっかり乗ったバランス良い赤に仕上げる。そこには驚きの涼しさが存在している。   SACARABE スカラベ(イザベル・フレール) スペインの国境に隣接、地中海に落ちそうなくらい海に近いARGELE SUR MERアルジェレス・シュール・メール村にある。イザベルは学校の先生をやっていたが、お祖父さんの畑を家族が失いそうになった時、2007年、後を継承することを決意。まずルシオン地方の自然派の伝道師フラール・ルージュのジャン・フランソワ・ニックのところで修業。最初から除草剤や殺虫剤で地球を汚すような農業はしたくなかった。ビオ栽培、仲間と共同で馬による耕作をしている。平均収量が15hl/hと極小。女性ながら手で農作業をやっている頑張り屋。花崗岩土壌と砂質、シスト土壌も混ざったワイン造りには興味深い土壌を持っている。 […]

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Avr

自然派大試飲会 REMISE 地中海のマルセイユで開催!No1~続編へつづく~

自然派大試飲会 REMISE A MARSEILLE!!! 3月末は自然派大試飲会のREMISEがフランス第二の都市マルセイユで開催。昨年よりこのマルセイユで行われるようになった。マルセイユの駅は高台にあってマルセイユ全体が見渡せる。 地中海に面した大都市として活気のある街だ。ギリシャ、ローマ時代より地中海のラテン文化がフランスに入ってきた玄関のような存在の街。映画ではフレンチ・コネクションの舞台になった美しい街角と熱しやすい人情の民風。ワイン文化もここを起点にフランス中に広がっていった。その意味ではこの地で自然派大試飲会のREMISEが開催されるのは意義がある。     日本からフランスに戻った翌日にマルセイユまで移動。パリからマルセイユ駅までは3時間半。駅から歩いて10分ほどの所でREMISEが開催された。会場に着くともう熱気で溢れていた。 ルミーズ試飲会は発足当初はラングロールなどが主体として初めたグループだ。今はラングロールが卒業して中堅、若手が会を盛り上げている。 ディーヴ・ブテイユの次に巨大な試飲会まで に発展している。ローヌ、ラングドック、ルーション、オーヴェルニュ地方の生産者などが主体となっている試飲会である。   JOLLY FERRIOL ジョリー・フェリオル JOLLY FERRIOLは数百年前、ナポレオン3世やイギリス王室に納めていたほど有名なドメーヌだった。 ジャン・リュックとイザベルはパリジャン。ジャン・リュックは、コンピューター情報処理システムのプロだった。一時はフランス国会、フランス裁判所の殆どは彼の開発したシステムを使用していた。2005年にルーションに放置されていたドメーヌを訪問して、“俺の人生はここだ!”と持ち前の追及心は半端でない。畑と設備を改良して8年を経て、もう自然派ワイン界の中でも話題の人。誰も造れないスタイルのワインを次々と造りだしている。   <Blablablanc> ブラブラブランもシスト土壌で育つグルナッシュ・グリ品種、ミネラル感タップリで潮っぽく、和食にもピッタリだ。25l/haと極小の収量。SO2添加ゼロ、ポンプも使わない、自然派極の造り。       <Pet’Nat> シスト土壌で育ったムスカ品種を発泡酒に仕込んだ。青リンゴやパンプルムスを思わせる爽やかさ、 20l/haの収量、年間4000本しか生産しない。世界中から引っ張りだこの超人気ワイン。 その外にも、グラップ・アンティエール(除梗なし)セミMCで醸す葡萄ジュースのような赤も素晴らしい。   POTRON MINET ポトロン・ミネ 近年、ルーションで最も輝いている醸造元の一人。ポトロン・ミネのジャン・セバスチャンは数年前まではパリで会社経営をしていた。しかしワイン造りへの夢が大きすぎてすべてを投げ打ちルーションにやって来た情熱の塊のような人。 でも、静かに燃える人、恥ずかしがり屋で謙虚な性格。目立たないけど内に秘めた情熱はメラメラ燃えている。 5年の歳月を経てコツコツ畑仕事に打ち込んできた結果がやっとワインに出てきた。南の太陽の元でロワールのようなフレッシュさ!     <PARI TROUILLAS パリ・トルイヤス13> フランス最南端のルーション地方にも関わらずフレッシュで透明感がありグイグイ飲めてしまう絶品だ。カリニャン、グルナシュ・グリ、シラーという品種構成。ブラインドで飲んだらとてもルーション地方とは答えられない軽やかさを備えている。 典型的なセミ・MC醸造の果実味が心地よい。   MOURESSIPE ムーレシップ アラン・アリエはニーム近辺の葡萄栽培家の息子。お兄さんが後を継いだ。アランはワイン造りをしたかった。 長年、ガレージスト(自動車修理技師)の仕事をしながら資金を蓄えて畑を少しずつ買い準備していた。そして、アラン自身も大好きなワインであるラングロールのエリック・プフェーリングの所でワイン造りを修業した。     <Galejade roseガレジャード・ロゼ13> ラングロールのエリックに学んだワイン造りを生かしたワイン。サンソーとグルナッシュ品種を三日間マセラッションをして、三日後にプレスをかけて絞ったジュースを仕込んだロゼ。ややオレンジがかった桜色。果実味がタップリ、ミネラル感でしめている。なんて心地よいヤツなんだろう。     […]

10
Mar

Vinpicoeur Ginza ヴァンピックル銀座

「フランス人が炭火焼き屋をつくったら?」そんな発想から生まれた炭火焼の店です。 オザミだけの為に大切に育てられた『吉田豚』やジビエなどの素材をシンプルに豪快に提供する料理が魅力。 旬の食材を焼き上げ、ブドウの枝で香りづけをしたオリジナル串焼きフレンチを気軽にお愉しみいただけます。

27
Fév

Pascal Simonutti Night @Libertin

前から一度行ってみたかったお店「リベルタン」 フランス語でlibertinとは自由思想家という意味。 気軽に自由な気持ちでかしこまらずに来てほしいという思いで名前を決めたそうです。 う~ん、確かにお店に入った瞬間から温かく開放感に包まれる雰囲気があります。 オーナーシェフの紫藤さんは代々木の「ル・キャバレー」のシェフなども経験した素敵な経歴の持ち主。 ホールを仕切る柴山さんとは今は無き青山の「レジドア」で一緒に働いていたそう。 そんな仲間同士によって自由で温かい雰囲気をつくりだす。ずっと行ってみたかったのは、でもそんな温かい雰囲気を味わいたいからではなかった。   そうではなくて。。。なんともイカしたかんじがプンプンしていたから。とでもいうのか。。。 美味しい食事と気の利いたワインと、あと、特別な時間が過ごせそうな、そんな期待を裏切らない感じがしたから。   柴山さんとお会いしてみて、ます第一印象はザ・自由人!でした。 まさにリベルタン!そして新人類かな?と思いました。 でも、お話をするとニュートラル。どこにも偏らず媚びずにまっすぐ、そして、とても親切。 この姿勢でワインを選んでサービスをする。 美味しい食事を提供する。 素晴らしく居心地が良くなるはずだなと納得しました。 そんなリベルタンで先日とびきり魅力的なイベントが開催されました。 我らが兄貴「エスポアしんかわ」の竹之内さんが企画オーガナイズした Pascal Simonutti Nighit!!! 楽しみ過ぎーーー!るその夜は、やはり楽し過ぎました。   ロワールの地でテロワールの可能性を信じ素晴らしいワインを造り出すPascal Simonutti まずお店に入ってすぐに注がれたのはロゼ発泡 これで今宵に乾杯です。 <On s’en bat les coquilles Rose Petillant >オン・サン・バ・レ・クイユ・ロゼ・ペティヤン。    セックス・ピストルズのアルバムジャケットをモチーフにしたイカしたエチケットは なんともこのお店リベルタンに映える! ファッショナブルー!! しかし味わいはスっと身体にしみ込むみずみずしさ。ピュアなのに程よいコクがある。 このギャップ!男性ならいちころですー。はい。 これから空くだろうマグナムや他のキュヴェへの期待が高まるのも仕方ありませんね。 自然と皆さんのテンションも高くなっているような。。。        そんな店内、熱気を帯びてきたこのタイミングをシェフは見逃しません!    どーん!    生ハムとサラミの豪快な盛り合わせ。    これ嫌いな人っているんですかね?   […]

8
Jan

2014年 自然派ワインの展望

自然派ワインがいよいよワイン界の主流になる! 昨年、夏に自然派ワインのトップを走るフィリップ・パカレの事をLE MONDE ル・モンド紙(フランスで最も権威ある新聞)が掲載した。 « L’HOMME QUI VEUT SAUVER LA VIGNOBLE FRANCAIS » « フランスのブドウ園を救う男 » というタイトルで何と一紙面・全ページを使って取り上げた。 世界の政治経済を語る権威と信頼のあるル・モンド紙がである。パカレ氏について1ページを割いたのである。 何故、無名のフィリップ・パカレなのか? フィリップ・パカレはワイン造りにおける葡萄木の概念を今までと全く違う発想と捉え方でもっている。彼の葡萄木に対する考え方は、今、普通に行われているワイン造りを根幹から覆すのではないだろうか?と投げかけているのである。ひょっとしたらワイン造りの最も重要なことであり、多くのことを変えられるのではないだろうか? ル・モンド紙が今のフランス葡萄園や葡萄木の現状・実態についてのパカレ氏の持論をここに紹介している。ここで何故?フィリップ・パカレなのか?何故、シャトー・ムートン・ロッチルドやペトリュスやロマネ・コンティでもなく、 フィリップ・パカレなのか? 非常に大切なところである。今の現実に起きている葡萄園の状況を変えるのは全く違ったアプローチが必要だと判断したからなのだろう。今の一般的な企業経営システムを取り入れている葡萄園経営では何も変わらないだろう。 多くの有名ブランドワイナリーは企業として利益至上主義に化し過ぎた姿になってしまっている。 利益を上げることは決して悪いことではない。むしろ健全といってよい。しかし利益至上主義が過ぎるとワイン造りには問題が出てくる。 第一にワイン造りは地球の一部である畑を使うということ。 企業化し過ぎた体質のワイナリーにとって、畑は利益を作り出す工場である。経費削減と効率化を追及した結果が、農薬や化学物質の多用を招き、地球の一部である葡萄園を痛めてしまう状況を造り上げてしまった。 第二にワインはまず人間の体内に入るものであること。 企業経営として、外面的な美味しさを毎年安定して造り続けなければならないことが至上命令となる。天候不順な年も絶対に失敗は許されない。栽培上も必要とあれば許される範囲で最大限に化学農薬を使うことを辞さない体質。そして栽培上の欠点を補う為に、ワイン醸造中に葡萄以外の化学物質を添加して味覚を整えてしまう体質も含んでいる。 勿論、農薬も添加物もワイン法で許されている範囲内ではあるが、本来やらなくても済む自然破壊に繋がっている。また人体への悪影響も出てきている現状がある。たかが一企業の利益追求の為に地球の自然や人間に悪影響を与えるようなことは避けた方が良いに決まっている。これはワインの世界に限らずすべての分野で云えることである。本来のあるべき健全な姿に戻すように指摘すべきことである。 しかし、ワイン業界のオピニョン・リーダー達にはその自助清浄能力はない。 何故なら、業界紙も業界人もどちらかといえば、業界の利益追求企業と何等かのかたちで繋がっているからである。 今回、ワイン造りの葡萄園・葡萄木について一般高級紙の権威であるLE MONDEル・モンドが取り上げたことに大きな意義がある。 LE MONDEル・モンド紙は自然派ワインの象徴とも云えるフィリップ・パカレを取り上げて、教養ある一般人にワイン造りの原点である葡萄の根幹の内容について記事にしたことは非常に貴重なことである。この根幹な部分から自然派ワインのすべての理論が構築されているからである。そして、何よりLE MONDE ル・モンド紙の一流記者達が自然派ワインを認知しているということが凄いことである。ワイン専門記者、ソムリエなどのワイン業界のプロももっと現実をしっかり見つめてほしいものである。有名好きのアメリカでは、このル・モンドの記事を大々的に取り上げて既にフィリップ・パカレがヒートしている。 2014年も自然派ワインの躍進傾向が続くだろう! 昨年13年を境に次元の違う世界に突入した自然派ワインの世界。この一年の自然派ワインの広がりは凄まじいものがあった。益々自然派ワインの醸造元が増え続けている。世界中に自然派ワインのファンが増え続けている。 今まで自然派を支えてきたのは外国だった。しかし、近年特に13年はフランス国内での浸透が着実に進展した。 自然派ワインという区切りが無くなるほど一般ワインの中に溶け込んできた。一般の人達が単に美味しいワインとして評価し、日常的に自然派ワインを楽しんでいるといった状況になりつつある。 この自然派ワインの躍進の傾向は2014年も更に拍車がかかっていくことになるだろう。 この傾向の理由の一つに、自然派醸造家達が各地方で実施している自然派ワイン見本市、祭典の影響が大きい。小規模の見本市を数えればほぼ毎月のごとく、フランスのどこかで行われている。 この祭典は業界人向けのみでなく、地元の一般消費者の人達も対象になっており、多くの一般人が自然派の美味しさに目覚めたと、云うことになる。プロの世界でも、ワイン屋で自然派を一本も品揃えしていないところは,殆どないと云ってよい。また、ソムリエの世界でももう自然派ワインを無視して通り過ぎることができなくなった。自分達よりお客さんの方が現実のワイン事情に詳しいことが多くなってきた。現場の近くに住む一般人は、どちらが本物で、何故美味しいか、がわかりやすい。 この自然派ワイン躍進の原動力になったフランス各地に点在する地方組織の草の根啓蒙活動は本当に素晴らしかった。 それぞれの地方の醸造家間の人間的繋がりも実にまとまっている。 それではこの機にフランス各地で開催されている自然派ワインの祭典、試飲会、見本市のいくつかをレポートしよう。 FESTIVAL VIN NATURE フェスティバル・ヴァン・ナチュール ラングドック、ルシオン地方 夏一番の初夏、6月に行われる。毎年、主催者が選出され、その醸造家の近所で行われる。ラングドック、ルシオン地方の自然派醸造家30社程が集まってくる。朝から晩までテースティングと昼食を共にしながら、音楽バンドも入って一緒に踊ったり、語り合いながらひと時を自然派ワインとともに楽しむスタイルの祭だ。南フランス地元の自然派ワイン愛好家が家族や友人たちと一日中楽しむフェスティバルだ。 この南フランスの自然派ワイングループを積極的にまとめているのはこの人、ル・トン・ド・スリーズLE TEMPS DE CERISE醸造のアクセル・プリファーだ。 途轍もなく美味しい南仏自然派ワインを醸すアクセルは、穏やかな性格と柔らかな人当たりの人物。人が彼の元に集まってくる。南仏自然派の中心的人物の一人だ。 13年は、レーモン・ルコック氏が幹事となって南仏で最も美しい村の一つ、ロック・ブランで行われた。 レーモンは地元醸造家・ジャン・ジャックと組んで美味しい南仏自然派ワインLOU CARIGNANル・カリニャンを造っている。 […]

25
Déc

自然派ワイン界のレジェンドRENE JEAN DARDがもうすぐ来日!

パリ在住のダール・エ・リボ・ファンが ガールド・ローブに大集合!     自然派ワインの業界で今、飛ぶ鳥を落とす勢いのパリのワインビストロ“ル・ガールド・ローブ”で自然派ワインのレジェンドとも云えるダール・エ・リボのルネ・ジャンを招いて試飲・ディナーを開催した。 ルネ・ジャンはちょん髷姿で登場、江戸時代の町医者“赤ひげ”を思わせる風貌だ。ここパリでもルネ・ジャンの人気は根強く深い。本当に1980年代から自然派ワインを造っているダール・エ・リボはまさにレジャンドと云ってよい。多くのファンに支持されている。 超人気のガールド・ローブはもう夕刻の6:30にはほぼ満員状態になる。100%自然派ワインのワインバーである。普段は簡単なつまみ、生ハムセット、チーズセット、ビオ野菜セット、田舎パン、クロック・ムッシュなどをつまみながらワインを飲むスタイル。   生ハムもチーズも当たり前のものではなく、それぞれが工夫されていて、どれも大変おいしい。ルーブル・リボリに位置していて、芸術家が多いマレ地区にも近い。夕方は仕事を終えたビジネスマンや女性同士でも気軽に一杯ひっかけにやって来る。 隣の人とも気軽に話せる和やかな雰囲気が店内に流れていて、実に心地よい。陽の気が充満している感じ。   今夜は店の奥に小さなテーブルを設けて7時から8時までの一時間だけ、すべてのお客さんへのフリーテースティングの時間を設けた。パリ中のダール・エ・リボのファンが集まって来た。ここでは今、売り出し中の3つのワインを試飲、説明。 最初にクローズ・エルミタージュの白、“K”カリエールを試飲。クローズ・エルミタージュ地区では白ワインといえばマルサンヌ品種90%以上が普通。でもルネ・ジャンはマルサンヌ品種はほとんど使わない。つまりルーサンヌ品種100%の白。 11年は遅熟の年だった。ゆっくり熟した分、色んな成分もよく熟すことができた。そしてきれいな酸が残った。ダール・エ・リボのワインの特徴である超軽い微発泡が酸と調和してより爽やかさを強調している。ウーン・・美味い。洗練度が高い。 赤はクローズ・エルミタージュのDES BATIES デ・バティ11年を試飲。ルネ・ジャンのお父さんが植えた60歳のシラー品種100%。花崗岩土壌からくるミネラル感がタップリ。やはり軽い微発泡があって酸を伴った果実味と合わさりフレッシュで心地よい。 サン・ジョゼフ赤11年。11年は遅熟の年で普段より軽め目のバランスで仕上がっている。透明感があって、果実味がフレッシュで気持ちよい。一般女性客がこのサン・ジョゼフを試飲して一言『軽いワインね』と評価するほどスーット入ってしまう。 ルネ・ジャンはちょっとショック。。。『13度近くアルコールはあるのに軽いとは?サン・ジョゼフだぜ!』とちょっと不満そう。   店頭試飲が終わり第二弾は、地下の特別サロンに降りて、コアなダール・エ・リボ ファンを16名だけ集めて食事と古いヴィンテージワインを楽しむコースだ。この会への参加申し込みは、出した瞬間に満員となったそうです。パリでもダール・エ・リボのファンは多い。 流石にフランスの自然派ワイン愛好家、質問も鋭いことを聞いてくる。 客『SO2の使用はどのくらい?』 ルネジャン『年よって違うよ。入れなくてもよい状況の時はゼロの年もある。普通は瓶詰時にちょっとだけ入れる。SO2を入れない事を目的にしている訳ではないんだ。目的は美味しいワインを造ることだよ。よく自然派の醸造家でSO2を入れない事を強調し過ぎる人達がいるけど、ちょっとおかしいと思っている。決して目的ではない。』 客 『あなたのワインはいつもガス(超微発泡)を感じると思うけど、これでいいですか?』 ルネジャン『それは普通です。これは先程の質問とも関係して いるんですど、私は醸造中一切SO2(酸化防止剤)を使わない。その代りにアルコール発酵で自然に生じたガス(CO2)を残すことにしているんです。何故ならガスは酸化防止剤の役割をしてくれるからです。』   このソワレの企画はガールド・ローブの店長ASAMI(メキシコ生まれのパリ育ち)だ。この9月から店長になって張り切っている。連日の超満員状態の繁盛ぶり。ルネ・ジャンが持参してくれたミレジム・ワインを次々と開けてくれた。 まずは黄金色の液体がグラスに注がれた。ウーン、色だけ見るとかなり年代が古そうだ。しかし香りはまだ若々しさを感じる。口の中にいれるとまだガスが僅かに残っている、それに綺麗な酸がプラスされて超爽やかな風味に覆われた。でもこの深みはただものではない。 。 。。。なっなんと!サン・ジョゼフ・白2000年だった。なんて爽やかさがこんな形で残っているんだろう。もう13年も過ぎているのにこの若々しさ!一同感激と驚き。ルネジャン『エルミタージュやサン・ジョゼフは本当は白ワインの方がポタンシエルがあるんだ。』 今夜は、当ガールド・ローブのオーナーが自らワインに合わせて料理を作ってくれた。このサン・ジョゼフには鯛のカルパッチョ、鯛の刺身風のもの。よくこんなに新鮮な鯛を見つけたものだ。まだ爽やかさタップリのサン・ジョゼフ白は鯛の白身の旨味に、熟成によって洗練されたミネラルの旨味に驚くほどピッタリだった。(赤いのは根野菜のベットラブの絞り汁)   次はエルミタージュ白05のマグナムが開けられた。ルーサンヌ品種。ルネ・ジャン『エルミタージュもよく赤ワインの事ばかり話題になるけど、本当は白の方が偉大なワインなんだ。特にルーサンヌが良く熟した年、まさにこの05なんかは世界に誇れる偉大な白なんだ。』 ホタテのカルパッチョ、軽く表面を焼いてある。力強さと爽やかさが共存するミネラリーなエルミタージュ05に料理の方が合わせてくれた感じ。   クローズ・エルミタージュ赤、04,06が出された。なんてクリアで透明感のあるミネラリーなワインなんだろう。濁りワイン・臭い自然派ワインの象徴だったダール・エ・リボの進化は自然派ワイン全体の進化と共有している。 前を歩いている人がいない世界、地平線をゼロの段階から切り開いてきたルネ・ジャンとフランソワ・リボの職人芸の含蓄した技、味わいには、何とも言えない深みを感じる。   ASAMIの完璧な温度管理とサービスでダール・エ・リボのワインの真価を楽しませてもらいました。 自然派ワインこそ提供するタイミングや温度で何十倍も美味しさを発揮する。ダール・エ・リボのパリ在住ファンも大喜び。   パリ在住の熱狂的ダール・エ・リボのファン     皆、大喜びでした。中にはどうしても現地に行きたくてダール・エ・リボ醸造まで訪問しているファンも何人かいました。造り手を前に古いヴィンテージを飲みながら楽しめるのはファンにとって最高の喜び。ルネ・ジャンも嬉しそうでした。 一番嬉しそうだったのは、企画者のASAMIだった。いつも店に来てくれるお客さんと大好きなルネ・ジャンを招いてのソワレは格別なひと時だった。この大成功のソワレの最後にポロっと嬉し涙を流したASAMIは幸せそうでした。 ルネ・ジャンはあまりこの様なソワレには参加することはない。大好きなASAMIの頼みとあっては断れなく今夜の会が成立。この会のお蔭で私も知らなかったダール・エ・リボを再発見した部分も多かった。素晴らしい一期一会でした。この二人に感謝!       自然派ワインは長期熟成にも問題なし!   […]

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Déc

自然派ワインが楽しめるレストラン紹介!ブラッスリーオザミ スカイツリーソラマチ店 編

スカイツリー越しの眺望は圧巻!ブラッスリーオザミ ソラマチ店 先日、東京スカイツリーに隣接する商業施設「ソラマチ」へ行ってきました。 週末だったこともあり、レストラン階のある30Fまで上がるエレベーターは順番を待つ人で大賑わい! なんと!行列に並び、高層階まで上がるのに15分以上も並ぶ羽目に。。。 しかし流石ソラマチですね~まだまだスカイツリー人気は続きそうです。   さて、今回の目的はブラッスリーオザミ ソラマチ店へお邪魔することでした。 兼ねてより行きたがっていた超グルメなOLまさえちゃん(彼女は週のうち5日は食べ飲み歩きをしている)の希望で土曜日のランチを予約しました。 エレベーター待ちの時間を考慮していなかった私たちは13時の予約を20分程過ぎた頃やっとお店の前に到着。 そんな私たちを遅刻したにもかかわらず温かく迎え入れてくれたのは笑顔の爽やかな女性スタッフ! 彼女の笑顔に、エレベーター待ちの疲れと遅刻の罪悪感はどこえやら。。。   店内へ入ると、そこはまるで天空のレストラン。 素晴らしい眺望が広がるフロアに所狭しとお客様が溢れかえっているではありませんか!     予想以上の活気に呆気にとられていると、元気な声で「いらっしゃいませ~!お待ちしておりました。」 気づいて、こちらに笑顔を向けてくれたのは、そうです、こちらの店長さん、今日一番のお目当て!小松さんです。 彼はオザミが本店しか無かった頃からオザミを引っ張ってきたスタッフのひとり。 ワインとサービスに惜しみない情熱をそそぐ若き勇者!であり、オザミいち!優しい心の持ち主と評判です。 そんな小松店長はスタッフからの信頼も厚く、お客様からとても愛されていて、幸せな雰囲気をつくりだす名人! やはり、その笑顔に期待せずにはいられない。 そんな気持ちで席に着くと。。。   この素晴らしい眺望。 かつてこんな景色を前に食事をしたことがあっただろうか。。。 そして!きました!間髪いれずのアペリティフ! キリリと冷えた辛口のシャンパーニュが 乾いたのどにしみわたります。 うぅ~もうすでに幸せ~。 メニューは2,800円(税込)のコースから、9,800のスペシャルコースまであります。 プリフィクスなので、全てのコースが、お好きな前菜とメイン、そしてデザート、コーヒーまで選べます。   オーダーを終え、私たちが一番最初に食したのは、玉ねぎのムースとコンソメジュレ。いくらと雲丹と共にいただくもの。 これが素晴らしく爽やかで、食感や舌触り、濃厚なこくも楽しめる至極の一品。 そして、このお料理に合わせて出てきたのは<Les Foulards Rouges>フラール・ルージュの<La Soif du Mal’11>ソワフ・デュ・マル。 香りはカラメルやフランボワーズのような甘さがあるのに口に含むとそのミネラル感に驚きます。 いくらや雲丹の塩味とワインの旨みがバッチリ!軽さはあるのに赤ワインのようなポテンシャルを持つこのロゼワイン。旨み感が半端ないのにきっちりドライですっきり飲める! 最初から最高のマリアージュをぶつけてくるあたり、やはり只者じゃない小松店長。ワインへの深い愛情を感じます。   オザミ系列のレストランでは、時に、このようにグラスでワインをおまかせ出来ることも楽しみのひとつです。 お料理に合わせてグラスでワインを提供してくれる。 一本のボトルをじっくり味わうのもひとつの楽しみ方ですが、お料理ごとに出てくるワインにワクワクする、そんな楽しみ方も新たな発見があり面白いものです。 そして次の前菜はなんと!まるごとひと瓶キャヴィアのひと皿!にフロマージュブランとパルメザン、そして焼きあげとうもろこしのブリニを添えたもの。 これにはやっぱりシャンパーニュ再び! 贅沢にも出てきたものは<Champagne Jacques Lassaigne>ジャック・ラセーニュ<Les Vignes […]

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Déc

自然派ワインがピッタリの一皿料理と鮮魚の美味しい割烹!名古屋の華丸吉日をご紹介!

今、名古屋が面白い。和の世界、割烹 “華丸吉日”にて自然派ワインが提供されている。一つ一つの料理が新鮮で洗練されている。ウーンと唸ってしまう程、バランスが取れていて本当に美味しい。当然、海の幸が多い。自然派ワインにピッタリだ。   特に和食には自然派の優しいロゼがピッタリだ。流石シェフの郷津さんのセレクション。ロワールの女性醸造家マリー・チボーが丁寧に愛情込めて醸したZEZE ROSEゼゼ・ロゼを合わせた。2gの残糖のほのかな甘味が和の世界の味付けにピッタリだ。 “名古屋の華丸吉日”イクラにZEZE が驚くほどの合性だ。常識ではイクラとロゼは生臭さが強調されてしまう。ゼゼの畑の地下層は元海底だった岩盤、表面は浜辺のような砂質に火打石がゴロゴロ転がっている。ミネラルからくる旨味とイクラの旨味が同質だ。兄弟のように似ている。   エビのお吸い物、これまた驚きの合性だ。潮っぽいミネラルの旨味とダシの旨味がまったく同質だ。ZEZE ロゼはグロロ品種100%、収穫後即ジュースを絞って古樽にて醸造。洞窟の中で低温にてじっくり醸す。だから優しいホワっとした旨味に仕上がる。 お吸い物をすすりながらマリーさんの顔が浮かんだ。醸造家の出身でもないのにワインが好きで大学で醸造学を学び、色んなところで修業しながらとうとう自分の醸造蔵を立ち上げた情熱あふれるマリーさん。女性独特の優しいタッチに仕上がっている。   ワイン造りへの夢の為に長い年月をかけて実現したマリーさん ここでチョットMARIE THIBAULTマリー・チボーさんを紹介したい。アンジェ大学で生物学、モンペリエ大学で醸造学、南アフリカ、スイスで醸造修業。02にブーブレのMRシデンヌさんのところで働きながら修業。09に現在の醸造元を設立。 自分の夢を決して諦めることなく実現したマリーさんの情熱はすごいものがある。その間に結婚、二児を出産という女性としての人生も貫徹。ワインの事を話しだすと止まらない。自分が造りたいのは“優しく・ピュ アーな透明感のある”スタイル。   ZEZEロゼは白ワインのごとくに醸造。収穫後、直ぐ圧搾してジュースを絞り、10年樽という古ダルで発酵させた。樽香もつけたくないし、自然派に多い還元臭や濁りもマリーさんは好きじゃない。どこまでもクリアに透明感のあるワインにしたかった。   ZEZEロゼの畑は地下層の深いいところはロワール独特の魚介類の骨が石化した石灰質の岩盤。地表上は砂質で浜辺のようだ。その中に火打石がゴロゴロ転がっている。この火打石からくるミネラル感がさらにスカットした透明感をもたらしている。 畑を手に入れて直ぐからビオ栽培を実行しているマリーさん。もう既に次の段階のビオディナミ農法も始めている。フカフカの土壌の中には多くのミミズや微生物が元気に育っている。勿論、元気な自生酵母も育っている。自生酵母のみで醸造している。   MARIE THIBEAULTマリー・チボーはシュナン・ブラン品種からの微発泡のペティアンも醸している。爽やかで実に心地よい。ガメイ品種の爽やかな果実味繊細なタンニンと女性的な柔らかさを備えたワイン。シュナンの優しい辛口ワインもあり、どれも 和食にはピッタリだ。 この畑を手に入れて4年目、栽培を自然なやり方で土壌改良をやって来た。やっと何種類もの草花が咲くようになった。根っ子が地中に向かってぐんぐん伸びだした。よりミネラリーなワインになるだろう。これからが楽しみなマリー・チボーさんだ。   華丸吉日のワインリストは説明付 華丸吉日のワインリストについて 普段ワインを飲まないお客さんが多い和食店ではやはり、説明入りリストはお客さんにとっては助かる。ワインについても、造り手の顔も見えて選びやすい。自然派ワインが和食店に浸透するには必要なことだと思う。    ALEXANDRE BAIN アレクサンドル・バンと和食との相性も驚きだ。1億3千5百万年前のポルトランディアン石灰質の土壌からくる独特のミネラル感と徹底した自然栽培からくる果実味和食系野菜料理にピッタリだ。今までのプイイ・フュメのソーヴィニョンのイメージを一新する味覚だ。   日本野菜に含まれている旨味とアレクサンドルのソーヴィニョンのダシの利いた旨味は共通している。なんて幸せなことだろう。日本野菜とソーヴィニョンがこんなに美味しいハーモニーを作り出すなんて。 最高の驚きはラピエール家のガメイ、RASINS GAULOISレーザン・ゴロワーズとウニとの相性だ。花崗岩質の土壌からのミネラルタップリの軽快なガメイとウニは同じ旨味が共鳴していた。自然派の赤ワインの懐の広さは偉大だ。全く生臭さが発生しないタンニンである。   前々から願っていた事、自然派ワインと本物の和食とのマリアージの実現。日本中でこんな素晴しい体験ができればどんなに人生が楽しくなるか!想像しただけでもワクワクしてくる。最後は美味しいうどんでしめました。美味しかった!  郷津シェフ、果敢な挑戦ありがとうございました。多くのシェフは、飲み物の事を全く考えない人が多い。本当に残念なことだといつも思っていた。しかしこんなに美味しい料理により料理が引き立つワイン達を使っていただけて感謝いたします。きっとお客さんにも喜ばれていると思います。   全国の自然派ワインのファンの皆さん!名古屋にお寄りの節は是非、華丸吉日にお寄りください。美味しい鮮魚の料理と自然派ワインで元気一杯になりますよ。それにこんな美人が気持ちよくサービスしてくれます!  < 華丸吉日 > 名古屋市中区錦3丁目-10-28 第一錦エステートビルB1A 電話052-962-1870  

26
Nov

AUX AMIS 丸山チーム来仏レポート第二弾! VALETTE編

“ミネラル”のチャンピオン・PHILIPPE VALETTEへAUXAMISが訪問 プイィ・フィッセの急斜面の畑にて   オザミメンバー憧れのフィリップ・ヴァレット・プイィ・フィッセの畑 昨夜、ボジョレのフルーリー村に泊まった。ロマネッシュ・トラン村を通って国道6号線をマコン方面に北上した。9人乗りの小型バスを運転しているHIROTOと途中で離れてしまった。アッと思っているとしっかりヴァレットの蔵までたどり着いていた。収穫を終わったばかりのヴァレットは気持ちよく我々を迎えてくれた。 各オザミ店で大評判のヴァレットだ。各メンバーもヴァレットの高品質と価格のバランスには驚いていた。何としてもこのヴァレットを訪問したかったメンバーだった。   10年ぶりの再会 HIROTO とPHILIPPE 10年前、ラングドック地方のカルカッソンヌ城の町で会って以来だ。その時はスローフード協会主催の試飲会がワイン屋で開催されていた時だった。フィリップもブルゴーニュ代表として参加していた。HIROTOはフィリップと腕相撲をして遊んでいたのを覚えている。意外にもHIROTOが全勝していた。   白ワイン専門のスペシャリスト 92年より自然栽培をしている。ビオ機関にも登録している。 フィリップはワイン造りの大切なことの95%はブドウ園での仕事だと考えている。土壌中の微生物を生かすことが最も大切なことだと言い切る。ヴァレットのワインは実にパワフルでミネラル感にあふれている。すべてはこのフカフカに耕された畑で作られる。 特にここ3年ほど前から酸とミネラルのバランス具合が上品になってきた。ヴァレットのシャルドネはピューリニー・モンラッシェとミュルソの中間的なバランスだ。本当にミネラリで潮っぽく、パワフルで美味しい白ワインだ。白ワインに一点集中している。   フィリップとバティストの兄弟効果が全面に! <白ワイン醸造に集中するヴァレットにとって大切な樽。 すべてのワインは樽発酵・樽熟成する。1年間の樽熟成のあと一年間のコンクリート漕熟成、この2年間の熟成の後、瓶詰される。 パワフルから上品に進化しつつあるヴァレット! 数年前より弟のバティストがドメーヌに加わりさらに畑仕事が充実してきた。パワフルなイメージのヴァレットの白ワインに酸と上品さが加わってきた。ビオ栽培も20年の歳月が過ぎて、やるべきタイミングでやるべき作業をキッチリやることで根っこがしっかりと石灰岩盤に入り込んで来たのだろう。   ヴァレットのワインを大好きなオザミチーム、フィリップの 一言一句をノートにとって記録している。 このワインに対する姿勢がオザミのあの雰囲気を作り上げている。つまりオザミ店に入ったら自然とワインを飲む雰囲気が流れている。   いろんな質問を畳みかけるHIROTO。 質問に真剣に答えるフィリップ。   畑と醸造所見学のあとはテイスティングだ。 ちょっと寒いけど、プイィ・フィッセの畑が見える庭にて試飲開始。一挙にヴァレットのワインを試飲できる機会は貴重な体験になる。特にまだ日本に輸入されていないワインも多い。   テイスティングの一部 MACON-VILLAGE マコン・ヴィラージ2011 この価格にして、この品質は凄い。潮っぽいミネラル感がすばらしい。 シャルドネの果実の旨味がミネラルと酸のバランスでひきたっている。 ヴァレット独特の真っ直ぐなシャルドネ。   MACON –CHAINTRE VV マコン・シャントレ・ヴィエイユ・ヴィニュ 2010 この醸造元がある村シャントレの急斜面にある畑。標高300M,石灰質岩版の土壌。 10年という一年多く熟成しているので、すべてが柔らかく感じられる。芯はミネラル感が ピシっとしめていてくれる。この柔らかさを備えた潮っぽさはお寿司や刺身に合うだろう。   VIRE-CLESSE 2010 ヴィレ・クレッセ このシャントレ村から約30キロ離れたところに畑がある。やく12年前に買い取った。 50歳のシャルドネ、粘土石灰質土壌、地下の深いところは石灰岩盤だが、地表には柔らかい […]

18
Nov

AUX AMIS 代表 丸山さん率いるオザミグループがラパリュを訪問!

日常フランスを日本で再現するオザミ・グループがフランスに!   ボジョレーのブルイィ地区にあるLAPALUラパリュ醸造にて   天性の乗りでフランスを飲み・食べ歩くオザミ! 年2回、6月と10月にHIROTO(オザミ・丸山宏人) は、オザミグループの料理人やソムリエを引き連れてフランスにやって来る。 一週間かけてフランスでスタッフに食べ飲ませるツアーやっている。半端でなく良く食べ飲む人達である。 日本で今の日常フランスのレストラン文化を限りなく近いタッチで再現しているのがオザミグループだろう。 その裏にはフランスをこよなく愛しているHIROTOの感性がある。この男、食と飲むことに対する動物的感性は他の追随を許さない天性を持っている。その半面、しっかり計算づくのセンスも無意識のうちに備えている。 11店のレストランを東京でやっている。   オザミのレストランには、フランスを感じる空気が流れている。 明らかに“フランス”を好きでフランスの“食”をよく熟知していないとできない事が普通に自然にオペレーションの中に流れている。 これが妙に自然なのが余計にフランスを感じさせる。 スタッフがフランスを好きで、食を好きなのが感じられる。 HIROTOはフランスに来ると醸造元仲間の中で“HIROTO”の呼び名で愛されている。半端でなく愛されている。HIROTOが醸し出す飲食への野獣的感性をワインに携わるフランス人は大好きなのである。 HIROTOは自ら9人乗りのレンタカーを運転して一週間、フランスを 食べ・飲みつくす旅をやっている。フランスが初めてのスタッフもフランスの“食”の真髄に触れることができる。三ツ星も行くし、街のビストロへも行くし、醸造元でも一緒に食べる。惜しまずお金を使う。   この今しか飲めない“パラディ・天国”をやるオザミ・メンバー   オザミ一行がラパリュ醸造に着くと、ボジョレー・ヌーヴォーのプレスをやっていた。何でも興味を持つ人達だ。最初は近くによって眺めていたけど、 どんな仕組みで?・・・・我慢できなくなってプレス機に上り出した。   ジュースのようなまだ甘さのある液体に驚く面々。ラパリュは2年前に念願の垂直式プレスを手に入れた。しかも100年前のもの、土台が一枚の石でできている貴重なものである。上部の木材は木工屋さんに特注で造ってもらった。 このプレスに変えてから明らかにより上品なワインになったという。 こんな話を聞きながら13年のヌーヴォー醸造中のものを試飲するメンバー。   プレス機に(MC済葡萄)を詰める。最初の内はフリーランジュースでまだ圧力が掛かっていない。しばらくするとジャン・クロードがゆっくり圧力をかけだした。この時期から流れ出した液体を“PARADI”パラディ(天国)と呼ぶ。 このパラディはこの圧搾時の瞬間しか飲めない貴重な飲み物だ。まだ糖分が残っているので運搬することはできない。 醸造所へ行って圧搾時にしか飲めない品物だ。 だから、近所の人達や知り合いも、この時期は醸造所に遊びに来るほど美味しい貴重品。この美味しいパラディを飲むHIROTO!!   醸造中のラパリュ蔵の中で、今“錬金術”で“宝”が造られつつある     醸造中のタイプの違うワインを次々とテイスティングしてみる 興味津々のオザミメンバーは何でも一度自分の目で見て、自分の鼻で嗅いで見ないと気が済まない人達ばかりだ。 醗酵中のタンクを覗いてCO2が充満している香りを全員が試した。CO2を嗅ぐ時ツーンとくる感覚に驚き、“ワー!”と全員が声をあげていた。こんな事も日本にいたら経験できない。ジャン・クロード・ラパリュは次々と色んなワインをテイスティングさせてくれる。   現場に来ないと分からない体験を次々と! ラパリュでは今年はロゼ・ペティアンを造っている。ガメイ品種でまだ醗酵中のもの。もうじきビン詰めしてこのガスを瓶内に閉じ込める。1600本分しかない貴重なものだ。 樽醗酵中のボジョレー・ブランも試飲した。     研修テイスティングの後はアペリティフ! ラパリュ・ブラン’12で乾杯! ボジョレ地区のシャルドネをラパリュが醸したやさしいボジョレー・ブラン。 ツマミは豚の脂身を固めたブルゴーニュのアペリティフ用ツマミの名物・グラトンだ。     オザミスタッフはこんなフランスの醸造中の習慣や雰囲気を自然に体験して知っている。単に本や雑誌で読んだだけではない。フランスの現場を知っているから自然にフランスの心地よい雰囲気がオザミには存在している。フランスの食の日常を熟知しているHIROTOが、自分で運転してスタッフに体験してもらっている努力には心より拍手を送りたい。奥さんのブリジュットが前菜のサラダをもってやって来た。   醸造中のこの時期しか食べられない特別な料理!マール蒸し […]

1
Nov

2013年ヌーヴォー情報第七弾! -DAMIEN COQUELET-

ボジョレー自然派・新世代を担うダミアン・コクレ2013年収穫     新世代のトップグループを走るダミアン・コクレ ボジョレーの自然派・新世代ダミアン・コクレは、今や自然派の重鎮的存在になりつつあるジョルジュ・デコンブの長男である。 ワイン学校を出た後、ブルゴーニュの醸造元で研修、その後はずっとお父さんのヌヌーン(ジョルジュのあだ名)の下で自然派醸造の修行をし、2007年に独立して、DOMAINE DAMIEN COQUELETドメーヌ・ダミアン・コクレ醸造を立ち上げた。   元火山だったコート・ド・ピィの丘に畑を確保 いきなりモルゴンの醸造家の誰もが欲しがる区画“COTE DE PYコート・ド・ピィ”の丘に4ヘクタールもの畑を確保できた。しかも、ジャン・フォワラールやラピエール家の畑の隣に位置している好立地だ。 太古の昔火山だった山が、永い年月を経て風化してなだらかな丘になっている。小山のコート・ド・ピィ区画はボジョレーの中でも特殊な土壌、ミクロクリマを備えている。他の地区と同じように花崗岩が風化して砂状になった砂が基本土壌。その中に青シストが含まれている。このシストが他ではない独特のミネラル感をもたらしてくれる。   自分の理想のスタイルを追い求めるダミアン・コクレ     リスクを最大限にとる決意をしたダミアン   ダミアンのガメイのバランスの取り方はお父さんのデコンブのスタイルに似ている。しっかりした骨格と豊富な果実味、それと同時にシャープな酸を残す実にオウトツのある透明感抜群のスタイルである。 ここも4,5,6月の寒い春の影響で葡萄の育成が遅れていた。8月になってもヴェレーゾン(色づき)が遅れて進まなかった(Aの状態)。9月に入った段階で通常なら真っ黒(Dの状態)になるのが普通、ところが今年は9月中旬になってもまだ色が薄い(B、C)状態だった。   ダミアンは自分のスタイルであるしっかりした骨格のある果実味にできるだけ近づけたかった。例年のようにはいかないのは分かっていた。近所の醸造家たちはCとDの中間レベルの状態で皆収穫を始めていた。しかしダミアンは待った。お父さんのデコンブは10月3日に始めた。ダミアンはそれでも動かなかった。お父さんより2日遅い10月5日に収穫を開始した。もう多くの醸造家は収穫を終わっていた。   Vサインを出したダミアン 収穫開始よりずっと見守っていた。収穫されてくる葡萄の状態を自分なりに分析していた。2時間ほど経って収穫葡萄が良い状態であることを確信した。限りなく例年に近い状態で収穫できた。   ダミアンの収穫風景     二人の強力な助っ人 ダミアンの収穫は親友のリシャール(右)が毎年応援にやってくる。 幼馴染みであり、オートバイ仲間でもある。ダミアンの趣味はオートバイのツーリングとモトクロスである。いつもこのリッシャールと一緒だ。   そして、トルコ人のマリオ(あだ名)は自分のトルコ人仲間をグループで引き連れてこの収穫にやってくる。マリオ・グループは収穫だけでなく、剪定の時期や耕作の時期もダミアンを手伝っている。だから、ダミアンの畑を知り尽くしている。 このマリオは、お父さんのデコンブ醸造の仕事をもう20年前から手伝っている。だからダミアンがまだ子供の時から知っている。もう家族のような存在だ。ダミアンも安心して畑仕事を任される。畑仕事の超プロ職人だ。   愛犬のカボットもいつもダミアンについて畑にやってくる。 ダミアン 『2013年のヌーヴォーの為に最高のリスクをおいながらも、ほぼ狙ったとおりの葡萄を収穫できました。これで日本の皆さんにとびっきり美味しいヌーヴォーを造ります。』        

30
Oct

2013年ヌーヴォー情報第六弾! -NICOLAS TESTARD-

ピノを知り尽くしたNICOLAS TESTARDニコラ・テスタールがガメイを収穫   一時期のプリューレ・ロックを支えた実力派 ニコラはあのプリューレ・ロックで2005年まで醸造責任者としてアンリ・フレデリク・ロックのもとで5年間も活躍していた。あのフィリプ・パカレとも僅かな時間ながら共に働いていた。 2005年にロックを卒業後、ボジョレーにやって来た。 2008年に独自の醸造ドメーヌを立ち上げた。 ガメイ品種をまるでブルゴーニュ特急畑のピノのように育てあげ、ヴォーヌ・ロマネのように世話して造り上げたニコラ独特のガメイ・ボジョレーだ。どこかにピノを感じる。 ☟ ロック時代のニコラ2005   仲の良いおしどり夫婦     ニコラには強力な助っ人がいる。そう妻のカロルである。 カロルはパリの名門ワイン屋カーヴ・オジェで、店長のマークの片腕的存在で長年活躍していた。カーヴ・オジェ時代にプリューレ・ロックにテイスティングにやって来た時に、この二人の運命の出会いがあった。 カロルのワインと料理に関する知識と実力は凄いものがある。特に試飲能力は抜群の感覚を持っている。 彼女は、ボジョレーに引っ越してきた時、フルーリー村に自然派ワインビストロを開店した。料理シェフ兼経営者として勤め、それは大人気のビストロだった。子供ができ時間がなくなってレストランを、惜しまれて閉めた。   日本初登場!ニコラ・テスタール・ヌーヴォー 我々が気合を入れて収穫しました!     今年から自分の醸造蔵の名前のヌーヴォーを造ることを決意した。その為ブルイィ地区にあるサンテチェン・ウイヤード村に畑を準備しブルゴーニュ特級畑のごとく世話をしていた。 4.5.6月の不天候と寒さの影響で遅れていた成長。特にこの畑は予想以上に葡萄の生育が遅れていた。 8月中旬に私が訪問した時にはまだヴェレーゾン(色づき)が始まったばかりだった。ヌーヴォーに間に合うか、やや心配していた。 他の自然派仲間より1週間遅れて収穫を行った。結果的にはその後の好天に恵まれ、こんなによく熟して健全な葡萄が確保できた。   かなりレベルの高い品質のガメイを確保 ニコラにとって最高のバランスの葡萄が収穫できた。思わず笑みがでる。 初めての畑だったので、葡萄の熟すスピードを読み切れていなかった。8月の後半の晴天と猛暑が手伝ってグングン熟成が進んだ。熟成が進んだだけでは満足しないニコラ、色だけはコクなったけど酸が残り過ぎていたので、1週間遅らせたのが幸いした。ニコラが狙ったとおりのバランス、強すぎないアルコール、ミルランデール化した葡萄から果実味の濃縮感、心地よい酸、上質のピノ・ノワールを思わせるバランス感覚。まさにニコラの得意とする領域だ。  日本初上陸のテスタール・ヌーヴォーは2013年今までのヌーヴォーの概念を覆すだろう!   幾多の難関を乗り越えて10月2日、収穫開始     ニコラの収穫人は平均年齢が若い。収穫しながら冗談を飛ばし、大変賑やかで明るい収穫雰囲気だ。 醸造所で皆は、あのカロルの料理が食べられる。勿論、ニコラのワインとともに。収穫人にとって忘れられない一週間となるだろう。 ニコラにとって2013年は多くの出来事が起きた  今年はニコラにとってあまりにも多くのことが起きた。まず、ニコラのメインの畑が雹の被害に遭い、ほぼ壊滅状態となる。そんな中、醸造所と自宅を引っ越さなければならない状況に。しかし収穫直前の夏に、幸いにも醸造所付の新居を見つけることができた。そこは標高600mのHAUT BEAUJOLAISオー・ボジョレー地区、最高の畑も見つけた。収穫直前の夏に無事引っ越しを終了。しかし新醸造所の準備が間に合わず、今年までは以前のところを使用せざるをえなかった。   2013年は諸々の困難を乗り越えての収穫だった 収穫中も色んなことが連続で起きたが、すべて起きることをプラス発想で乗り越えて前に進むニコラ・テスタールを応援したい。   醸造所に到着   プリューレ・ロック時代と同じ方法 細心の注意意を払って葡萄を醸造所に運ぶ。 醗酵槽へ入れるのはベルトコンベアーで上まで上げて、重力で落とし込む。 ニコラは葡萄園の収穫から葡萄が醗酵槽に入るまですべての段階の現場に自分が立ち合わなければ気がすまない性格。 SO2(酸化防止剤)を入れない自然派醸造の基本 自然派醸造の基本中の基本は、健全な葡萄しか醗酵槽にいれない。プリューレ・ロック時代に徹底して教え込まれたことを忠実に実行している。 まさに、ブルゴーニュ・グランクリュのごとくに ガメイを醸すニコラ・テスタールがここにいる。   清潔な醸造所 […]

29
Oct

2013年ヌーヴォー情報第五弾! -JEAN-CLAUDE LAPALU-

ボジョレーの新リーダー J-C LAPALU ジャン・クロード・ラパリュ13年収穫 ワインは“人”が第一! 今、フランス醸造家で人物を一人挙げろと云えば即、この人ジャン・クロード・ラパリュを指名する。 *仕事に対する追及心 *トコトン実行する行動力 *人間としての信義を大切にしている *やることをやった後の人間的温かさ *許容力の広さと深さ 多くの若手醸造家がラパリュを慕って集まってくる。   ラパリュの2013年 毎年、自然派醸造元の中では最も早い収穫をするラパリュ。 今年は9月27日、ほぼ自然派の仲間と同時期に始めた。 ラパリュの畑はブルイィ山に守られて普通は早く熟す。今年は1980年以来の遅い収穫となった。やはり4,5,6月の寒い春が原因で3週間、葡萄の成長が遅れた。開花時の不天候で結実が不安定となって、ミルランデール化した葡萄が多い。そして、8月に畑の一部に雹が降った。しかしその後、乾燥が続いたことで幸い雹が当たった部分も乾燥して腐ることがなかった。 今年は結果として大変に健全な葡萄を収穫することができた。ミルランデール化した葡萄はラパリュにとっては大歓迎だ。ミルランデール葡萄は濃縮したジュースが搾れるからだ。 『今日収穫した葡萄はヌーヴォーにする予定です。アルコール度数は低めですが果実味は深みがあるタイプになるでしょう。何より傷んだ葡萄が少なく大変健全な葡萄が収穫できた。この葡萄で日本の皆さんを驚かせたい!グイグイいけるタイプでありながらラパリュ独特の深みを楽しめるヌヴォーを狙いたい。楽しみにしていてください。』ラパリュ   元気100倍のラパリュ大好き人間ばかりが集まった収穫チーム     乗りのよい知性派グループ ラパリュの収穫は若手が多い。 毎年、ワイン好きの大学生が来るのに 今年は収穫時期が遅れた為、大学の授業が始まってしまった為に参加できなくなったメンバーが多い。 ラパリュの収穫期間は1週間と短いので近所のリヨン大学の学生や醸造家の卵や、ラパリュのワインをこよなく愛している若者達が集まった。 ラパリュ大好き人間ばかりが集まった。 仲間同士という感じの温かい雰囲気が漂っている。       食用葡萄の収穫のようなカジェット(箱 収穫された葡萄は底の浅い籠、ロマネコンティより浅い箱で醸造所まで運ばれる。収穫してから醗酵槽に入るまで葡萄が重量で潰れるような危険はゼロ。ここまで気を配っている醸造家は見たことがない。こんな小さいことの積み重ねがラパリュ・ワイン独特のきめの細かい上品さをかたち造っている。             2013年 ラパリュ醸造の初収穫の葡萄が蔵に到着   ラパリュ醸造はブルイィ山の麓、AC BRUILLYの区域にある。北ボジョレーのクリュの中でも最も葡萄が熟すのが早い区域にある。すべては元火山だったブルイィ山のエネルギー・パワーのお陰だ。北からの寒い風を遮ってくれる。 13年、初葡萄到着に感動しているラパリュ 『2013年の初収穫葡萄がラパリュ醸造所に到着した。 何年もやっていることだが、この最初に収穫した葡萄が醸造所に着いた時は感動するものです。一年の農作業の過程が頭をよぎる。そして、最初の醗酵が始まるまでは ドキドキするものです。』   たかが葡萄の運搬、されど運搬! ラパリュの凄いところは、葡萄栽培から瓶詰めまでのすべての工程を細かく細分して、ここまでやるか?という手間暇をかけて細心の注意を払ってやってしまっていることだ。ロマネ・コンティでもここまではやっていない。   食用葡萄ケースに入った葡萄を丁寧に醸造所内に素早く入れる。早朝の温度が低い時に収穫した葡萄は直接、醗酵槽に入れる。午後の温度が上がった時の収穫葡萄は冷蔵庫にいれて一晩冷やす。ベルトコンベアーで醗酵槽の上から重力で落とし込む。   普通はポンプを使用して醗酵槽に荒らしくいれる。この時に折角の葡萄が傷ついてしまう。ポンプを使えば時間も人手も掛からない。しかし偶然に上品なワインはできない。 […]

28
Oct

2013年ヌーヴォー情報第四弾! -GEORGE DESCOMBES-

デコンブは最後まで収穫を待ってボジョレー中で最も遅く収穫   10月2日、デコンブのヌヌーンは重い腰をやっと上げた。 自然派の仲間達が次々と収穫を始めた先週もデコンブはジット動かなかった。自然派でない普通の醸造家はもう2週間前より収穫を始めている。彼らは熟度が足りなくともドサット砂糖を入れて補糖(シャプタリザッション)をするから危険を冒して待つ必要がない。自然派は最大限まで葡萄が熟すまで待つ。決して精神的に楽なことではない。 先週は晴天が続き待った甲斐があって葡萄の熟度が上がった。 しかし、今日を境に天気が崩れそうな雲行きになってきた。 もう待てない。デコンブは昨夜、収穫人に明日早朝に収穫開始の合図をだした。   まだ、太陽が昇らない7:10には葡萄園に到着。 深い霧がかかっていることも手伝ってうす暗い葡萄園だ。 霧の中で収穫のゴーサインが落とされた。まるで戦場のような朝靄だ。デコンブが見守る中、収穫人は一斉にハサミの音を鳴らし始めた。 多くを語らないデコンブは、自分のこの遅い決断が果たして正解だったのかまだ確信をしていない。じっと収穫されてくる葡萄を確かめている。何度も何度も食べて葡萄の熟度状態を確認しているデコンブのヌヌーン。 着々と葡萄が収穫されて集まってくる。   デコンブのワインは常に濃縮感を感じられる。だからデコンブは自分のこのスタイルを貫きたかった。この時期に一週間待つというのは一種の賭けのようなところがあった。待ったからと云って天候が良くなるという保証は全くない。この間に災害に遭うこともありうる。厳しい顔のヌヌーンの表情は理解できる。   望んでいた良質の葡萄を確認 自分が望んでいた葡萄の状態を確認できるのには少し時間がかかった。次々と健全な葡萄が収穫されてきた。思わず顔の表情もゆるんできた。 今朝のランシエ村の畑は、今年のデコンブ・ヌーヴォー用の葡萄だ。毎年、デコンブのヌーヴォーはどこよりも力強さがある。デコンブのこのスタイルを待つお客さんの為にも忍耐強く待った甲斐があった。偶然にデコンブのスタイルが出来上がっているわけではない。危険を承知の上でジット動かない忍耐が必要だった。 マルセル・ラピエールとは深い関係 マルセルとは深い関係を持っていたデコンブ。ヌヌーンは若いころ瓶詰機械をトラックに積んで各醸造元に行って瓶詰めを行う仕事に就いていた。 ある日、マルセル・ラピエールの醸造所から依頼があって瓶詰めをしていた。その時、マルセルのワインを飲んで体中に衝撃が走った。 『こんなワインを今まで飲んだことがない。こんなに体に自然に溶け込んでいくワインが存在するのか?本当に感動したんだ。』とデコンブ。 即、デコンブはマルセルに弟子入りをした。いずれ先祖が持っていた畑を引き継ぐつもりだった。数年後に醸造元ジョルジュ・デコンブを設立した。   自然派の次世代を着々と育成 今日は二男のケビン(20歳)とコンビの収穫だ。もう4年もお父さんについて一緒に自然派ワインを造っている。もう一人前と云って良い。 今年から、ケビンもお父さんから畑を分けてもらって独立する予定だ。 長男のダミアンは既に5年前に独立している。 着々と自然派の次世代を育てているデコンブだ。 自然派の基本・徹底したトリアージ(選果作業) 今日は収穫の初日だ。収穫人に収穫のやり方、特に葡萄の傷んだ部分を 切り落とすトリアージ作業の徹底を教え込んでいるケビン。 マルセルからデコンブそして次世代のケビンまで自然派ワイン醸造の根幹の部分、『健全な葡萄しか醗酵槽に入れない』は徹底して受け継がれている。手間暇がかかるけど絶対に必要な作業だ。   トラックまで運ばれてきた葡萄を更に入念にチェックし傷んだ葡萄や不健全な葡萄を取り除いている。雑菌は醗酵槽に入ってから繁殖すると ワインが台無しになってしまう。   最高のヌーヴォー用葡萄を天から贈られたデコンブ   3時間ほどでトラックが満載になった。期待したおりの葡萄を収穫できた。 今年のデコンブ・ヌーヴォーは期待できそうだ。他の醸造家より1週間遅くまで待っての収穫は正解だった。ここまで完璧に近い葡萄は、こと13年では少ないだろう。   2013年最高の葡萄を確保 デコンブ・ヌーヴォー用の葡萄は このメンバーで収穫しました。 4,5,6月の寒い春が続き、葡萄成長が3週間も遅れた。 1980年ぶりの遅れだった。 ベテランの域に入ったデコンブにとってもあまり経験のない事だった。 『素晴らしい素材を天から贈られました。これで日本の皆さんに喜んでもらえるようなヌーヴォーを造ります。』デコンブ  

24
Oct

2013年ヌーヴォー情報第三弾! -CYRILL ALONZO-

2013年もヌーヴォーはALONZO NOUVEAUにお任せください!  繊細でエレガントなスタイル 今年はレニエ村の美しい丘陸地帯にある畑を確保しました。9月28日、シリル・アロンゾが狙っている理想的なバランスのヌーヴォーを収穫しました。 つまりアルコール度数もタンニンもあまり濃縮しすぎない繊細でエレガントなヌーヴォーのスタイルです。   シリル・アロンゾのガメイ哲学 アロンゾのヌーヴォーは他では絶対に見られない特徴がある。シリルにとってガメイ品種はやや軽めのエレガントで繊細なところに最高のエキリーブル(調和)があること。濃縮し過ぎても、薄すぎてもダメなのである。 まるで上質なピノ・ノワールのようなバランス感覚がシリル・アロンゾの狙いであり、ガメイ哲学である。   上質なテロワールと栽培の達人が必要 その為に必要な上質なテロワールと自分の土壌を知り尽くしたビオ専門の栽培家、フレデリックと巡り合う。フレデリックの家系はこの地で1794年より葡萄栽培をやっている。9代目の当主だ。220年間もずっと自然栽培をやっている。このヌーヴォー用の畑の平均樹齢は60歳で中には100歳級の古木も含まれている。   ボジョレーの典型的な花崗岩土壌。古木の根っこはこの花崗岩の岩盤に深く入り込んでいてミネラリーな透明感ある果汁がとれる。 そして、この地は廻りの街を見下ろすほどの高台にある。標高350mほどある。ポリフェノールは熟してもアルコール度は低く、酸が残りやすい。狙いどおりのテロワールだ。   老いも若きも混じった元気でチームワークのよい収穫人達が集まった!   この活力が自生酵母をも元気にするだろう! この活力が自生酵母をも元気にするだろう! 収穫人は元気なのが良い。できれば健全な人達が良い。この元気さがワインの中にも入って行くからだ。 ここの収穫人は遠くからの若者と地元のベテランが入り混じって仲良くやっている。 中には77歳で30年以上も収穫をやっているおじさんもいる。   徹底したトリアージ選果作業 収穫された葡萄が次々と荷台に運び込まれる。運びこまれた葡萄を慎重にチェックして、傷んだ葡萄や不純物を取り除く選別作業を徹底して やっているアロンゾとアドリアン。 時々、収穫された葡萄を食べてチェックしてみることも大切だ。 皮のタンニンや種の熟度は自分の歯で噛みしめて見ないと分からない。 分析では分からない部分だ。   流石、自然栽培歴が長いベテランのフレデリックだ。この難しい2013年に完璧な葡萄を育て上げた。萄園を歩いて観察したが、腐っていたり傷んだ葡萄がほとんどない。 『見たかい!この完璧な葡萄。 これでエレガントで美味しいヌーヴォーを日本の皆さんに造ります』 シリル・アロンゾ   自信に満ちたシリル・アロンゾ やっと最良の栽培パートナーを見つけたシリル・アロンゾ。 今年ほど収穫された葡萄をみて喜んでいるシリルを見たことがない。 それにこの自信に満ちたシリルの顔をみてください。 今年のヌーヴォーはアロンゾ・ヌーヴォーに決まりでしょう! 特にコカ・ヌーヴォーをお見逃しなく!    

22
Oct

2013年ヌーヴォー情報第二弾! -LAPIERRE家のヴァンダンジュ-

自然派の元祖・ボジョレーのラピエール家が2013年の収穫を開始! 今年も世界中から若者が集まって来ました。9月26日に開始した収穫。ほぼ30度近い真夏日の快晴の天気だった。 約半分の収穫人は毎年参加のベテラン・メンバー。色々心配された13年もやっと収穫にたどり着きました。 このエネルギーの塊が自然派ワインの中心だ! このエネルギーがラピエール家のワインの中に伝わっていく。 毎年来ているベテラン組が新人を教育しながら収穫が進んでいく。今年も収穫は葡萄の品質を見極める選別眼が必要だ。体力的に厳しい労働を励ましあいながらパワフルに進めていく。 3女のアンヌを中心にベテラン・メンバーも気勢を上げた。 これから2週間から3週間の厳しい肉体労働をする合宿メンバー仲間だ。 お互いに励まし合いながら、元気に、楽しく、確実にやってほしい。 収穫の総指揮官・マリー・ラピエール 今年もラピエール家のブドウ園での収穫指揮はお母さんのマリーが担当。それを3女のアンヌが補助している。約60人の収穫人を4グループに分けて収穫をしている。葡萄園の炎天下では30度を超す暑さ、昼食後の収穫はこの二人が気合を入れる。 2013年 初ジュースを聞くマチュ・ラピエール 醗酵槽に葡萄丸ごとを入れて下からジュースを抜き取って試飲する醸造担当のマチュ。マルセル・ラピエール亡きあとを見事に引き継ぎマルセルより美味しいワインを造る、と世界中から認められているマチュ・ラピエールだ。   2013年は収穫が例年より2~3週間も遅れている。4.5,6月の寒くて雨が多く、曇りがちな長い春が原因だ。開花時期が既に3週間も遅れた。しかも同じ畑でも一挙に開花することなく3週間に渡って徐々に開花していった。 同じ葡萄木の房でも開花が長期間に渡って行われたので葡萄の熟度が平均していない。収穫の決断が難しい年だ。マチュ・ラピエールは同じブドウ園を2回に渡って収穫することを決意した。葡萄の状態を見て臨機応変に対応が必要だ。 一回目の収穫では、a-良く熟している葡萄、b-あと2週間も耐えられそうにない葡萄を収穫して、2週間後の良く熟した頃にもう一度2回目の収穫にやってくる。b-の葡萄はVDPワインに回す。収穫人の選別眼が重要になる。   13年もラピエール家では厳格なトリアージ(選別作業)を実施 ラピエール家のトリアージ作業は間違いなくNO1の厳しさ。トリアージとは腐った葡萄や傷んだ葡萄を取り除くこと。また葡萄の悪い部分を取り除く作業のこと。葡萄全体がダメな場合は切り落す。一部の場合はその悪い部分を取り除く作業。下部を切り落とす。 ラピエール家はトリアージ作業のチャンピオンだ。繊細で上品で透明感があるワインは偶然にはできない。葡萄の一粒一粒を丹念に検品しながら悪い部分を切り落とす。こんな時間がかかる作業を徹底しているのがラピエール家だ。途轍もない手間暇のかかる作業だ。 今年も膨大な時間をトリアージに割いている 50人の収穫人全員が葡萄の一粒一粒を検品、切り落とし作業(トリアージ)を行っている。ここまで徹底しているのは、フランス中で見たことがない。 ロマネ・コンティより厳格なトリアージだ。 マチュ・ラピエールはお父さんのマルセルの教え『健全な葡萄のみを収穫』を更に徹底しただけ。   13年は比較的このような健全な葡萄が多い。昨年は腐った葡萄が多かった。収穫人にとっても、こんな美しい葡萄にハサミを入れる時の快感は格別だ。今年の特徴は葡萄木の生育が2,3週間遅くなり収穫も遅れた。しかし、最終的に品質上は良年といえる。 今年もミルランダージが多い 13年の特徴はミルランダージ化した葡萄が多いこと。ミルランダージとは開花時の天候不良の為、1房の中でも開花が同時に行われなく、結果として大きい粒と小さな粒が混じった葡萄房が形成されること。果皮の面積に比較して果汁が少ないので濃縮したワインができる。結果的に品質的には良年となる。   収穫時の3人の大切な役割 1-運び屋 2-トリアージ専門屋 3-ムードメーカー屋 収穫時には、葡萄を採る人とポルトゥール(運び屋)がいる。ポルトゥールとは収穫人が採った葡萄を籠に入れる。その籠を葡萄園の端に準備してある箱まで運ぶ人のこと。運びながら葡萄の品質をチェックする。悪い葡萄が籠に入っている場合は収穫人に選別作業のやり方・基準を教え込む。大切な仕事だ。 だからベテランが担当する。かなりの重労働である。1日に運ぶ重量と歩く距離は半端ではない。屈強な体力も必要だ。   ポルトゥールが運んできた葡萄を更に再度、葡萄の品質を検品して悪い葡萄粒などを取り除く作業(トリヤージ)をする人がいる。この部分はベテランの人がやる大切な仕事。彼女はオランダ人でもう13年前から毎年収穫にやってくるベテランだ。 項目ラピエール家 3女のアンヌ 一日の終盤になると、体力的に疲れて精神的にも参ってくる。誰かが歌を歌ったり。ジョーダンを飛ばして、気分を抑揚させる必要がある。ムードメーカーが必要だ。ボーとしてくると注意力が緩慢になって悪い葡萄を収穫してしまう。夕方は要注意だ。たったチョットしたことで、一年の畑仕事が台無しになってしまうからだ。   2013年の状態をあらゆる角度からチェックするマチュ・ラピエール マルセル・ラピエールが残した大切な宝 マチュ・ラピエールにはお父さんのマルセルが30年間、書き残した収穫・醸造記録がある。突然に美味しい自然派ワインはできない。父から息子へ、代々の栽培・醸造記録が蔵の歴史である。その歴史があって今がある。 マチュは記録を調べていると。今年は2006年と2007年の中間的な葡萄の状態・品質に似ている。流石マルセルだ。かなり詳しく記録していました。マチュにとって、その年にマルセルがどんな醸造をやったか、大変なヒントになる。マチュは13年の醸造のシミュレーションを展開できる。 2013年は幾つかの難関を越えながらも結果としてかなり高品質になる可能性を秘めている。解禁日が決まっているヌーヴォーは早く収穫しなければならないので軽めのグイグイタイプ。通常ワインは収穫を遅らせて葡萄を十分に熟成させて収穫ができる。 その意味では今後、収穫中の天候状態が13年の品質に大きく左右することになる。   収穫も4日目、着々と葡萄が醸造所に運び込まれてくる。収穫を始めてから28度の夏日が続いている。葡萄の熟度が日に日に上がっている。このまま晴天が続けばかなり高い品質のワインとなる。この天候の中、ポリフェノールが順調に熟成している。 レセプション係の大切な役割だ 醸造所に運び込まれた葡萄を細かくチェックして糖度などを記録しておくレセプションの専門家をラピエール家では設置している。   次々と運び込まれる葡萄をチェックして、収穫された葡萄園区画と収穫責任者の名前を記録しておく。 どんな事が起きてもトレサビリテを 追及できるようになっている。   収穫した葡萄を一晩冷蔵庫で冷却 温度が涼しい午前中に収穫した葡萄は、ダイレクトに醗酵槽に入れても問題ない。気温が上がった午後に収穫した葡萄は雑菌が繁殖しやすいので。畑に設置してある冷蔵庫に一晩、入れて冷やす。酸化防止剤を混入しない自然派の造りには重要なことだ。この作業も今となってしまえば、単純なことだけど、一昔前は、まだ醸造中に雑菌が繁殖したり、お酢になってしまったタンクが多かった。特に酸化防止剤(SO2)などをあまり使用しない醸造の場合には多かった。この方法は自然派醸造を研究していたジュル・ショーヴェ博士が考案・実証してマルセル・ラピエールに伝えた作業だった。今は世界に伝わっている。 […]