5
Mar

新AOCのCOTE DE BORDEAUX委員会がオザミ59に上陸

*****ボルドーのアペラッションは進化している!***** 今、フランスワイン法が大きく変化しつつある。地方によっては諸々の問題を抱えているAOCの改正だ。 ここボルドーは前向きに進化してる。最もまとまりがあって進化したのがこのCOTE DE BORDEAUXだ。 新 AOC COTE DE BORDEAUX が公認され施行される。 BLAYE COTE DE BORDEAUX CASTILLON COTE DE BORDEAUX FRANC COTE DE BORDEAUX CADILLAC COTE DE BORDEAUX (旧CADILLAC, PREMIER COTE DE BORDEAUX) 3月19日にCOTE DE BORDEAUX 委員会が東京にやってくる。詳しく知りたい方は要参加。 *****ボルドーの超人気ビストロ、ラ・テュピナにプピーユもやってくる。***** ボルドーでワイン関係者や愛好家が入り浸る人気ビストロLA TUPINAと神の雫でお馴染みのCASTILLON COTE DE BORDEAUXの人気者、POUPILLEのフィリップ・カリーユと共に委員会がやってくる。 *****テュピナ料理とオザミ59のコラボでボルドーワインを楽しむ夕べ。***** 新鮮な素材を生かした手料理にボルドーをガンガン飲む。 オザミスタイルに似ている。 *****1000万ドルの夜景を見ながら不景気を吹き飛ばせ!!***** TUPINAテュピナの料理を再現!! 気合の入る金子シェフ 問い合わせ先 日時:2009年3月19日(木) 19:30スタート (19:00~受付開始) 食事会の価格:¥10,000(ワイン代・税込み) 場所:AUX AMIS 59        東京都豊島区東池袋3-1-1-59階(サンシャイン60)   TEL:03-5960-4120          […]

4
Mar

サンセールの神、ドメーヌ・ヴァシュロン!

*******ドメーヌ・ヴァシュロンの歴史******* サンセールで今話題になっているドメーヌ・ヴァシュロンの歴史は、曾祖父のマルセル・ヴァシュロンさんがこのサンセールの町で初めてブドウ木を植えた瞬間から始まりました。しかし彼は他の栽培もやっていた為、マルセルさんの息子、ジャンさんがブドウ栽培の後を継ぎ、ピノ・ノワールを植え加えてから、本格的にワインの世界に入り込んでいったのです。その後ジャンさんの息子達、ドニとジャン・ルイはドメーヌにカーヴを建て、今では最も偉大なサンセール・ルージュの生産者となり、ドニはアペラシオン・サンセールの議長を務め、小さなドメーヌの管理士として働き、ジャン・ルイはドメーヌのカーブの管理士として今でも働いています。 現在ドメーヌはドニとジャン・ルイ各それぞれの息子達、ジャン・ローランとジャン・ドミニックが後継いでいます。ジャン・ローランはブルゴーニュで有名なオベール・ド・ヴィレンヌ氏の下で経験を積み、2002年(32歳)の時にドメーヌへ、そしてジャン・ドミニックはシャトー・ヌフ・デュ・パップで働いた末、1993年(21歳)の時ドメーヌを改造し、後継ぐ事を決心しました。 *******何故ヴァシュロンのワインは天才的に繊細なのか?******* 一体何故ここまで繊細でエレガントなワインが出来上がるのか? まず最初に、二人の父と二人の息子は目には見えない深い絆で繋がっているのだなと強く感じました。今では息子に栽培・醸造を任しているお父さん達。彼らは自分達の知っている知識全てを後世に伝え、今では息子達を優しく影から見守っているのです。そして二人のジャンは、前世代の伝統を守りながらも新しいアイデアを取り入れ、父達に恥じ無いようなワインを造り出そうと心がけています。お互いの信頼感、そして尊敬し合っている気持ちがとても強く伝わってきます。 『私達の父達が、自分の力と努力、知識でこのドメーヌの全てを造ってきました。そして私達はその努力を無駄にしないように、そしてその歴史を誇れるように頑張らなくてはならないのです。その思いが我々の力となり、モチベーションとなっているのです。 又畑というものを甘く見てはいけません。些細な事でも容赦しないし、毎回決闘を申し込んできているような感じです。ですからどんな状況を目の前にしても謙虚さを保ち、ブドウの木が何を必要としているのかを聞いてあげないと、美味しいブドウは生らないと思っています。』 しかしヴァシュロン一家にはもう一つ悲しくも力になった出来事が一つあるのです。それはワイン造りの天才とも言われていたもう一人の息子の死です。 挫けざる終えないこの悲しみを乗り越えるためには、更に美味しく、更に繊細なワインを生み出すしかなかったのです。ヴァシュロン一家の絆はさらに深まり、思いは一団と結集し、そこで出来上がったのが、他では味わえない繊細そのもののピノ・ノワールだったのです。 ジャン・ローランの経験は驚くほど豊富です!ロマネ・コンティの畑で醸造しただけでも凄いのに、他国でも彼の評判はトップ・レベル!オーストラリアやアメリカ、ニュージーランドから南アフリカまで、世界中のブドウ畑が彼の手に掛かっているのです! 『色々な国で経験を積む事によって、予期せぬ出来事が起きても冷静に対応する事ができるようになりました。また様々な場所に行って毎回思うことは、やはり素晴らしい人々に出会えるという事。今でも連絡を取り合い、畑の状況や醸造でのハプニングなど色々と分かち合えるので、終わり無き勉強が出来てとても為になるし ,本当に幸せな事だと思っています。』 *******ドメーヌ・ヴァシュロンの栽培・醸造方法*******    ドメーヌ・ヴァシュロンにとって、そしてもちろんこれからワインを造っていく彼らにとって、自然栽培は最も重要な点でした。二人のジャンはドメーヌの全畑を完全に自然派栽培に転換させ、テロワールのありのままの表現を引き出す為、2003年にはビオディナミ栽培へと転身しました。 『テロワールをありのままに表現出来るのは、ビオディナミ栽培しかない。未来のグラン・クリュは自然栽培に掛かっている。全ては時間の問題だ!』と主張するのはジャン・ドミニック! 『畑では摘芽や摘果、耕作を行い、収穫量をなるべく抑えています。例えば、サンセールで許可されている平均70 hl/haの収穫量に当たり、私達はたったの50hl/haしか収穫していません。そして化学物資は一切使用していないし、肥料も堆肥しか使っていません。病気が発生していなくても、イラサクや植物で出来た薬で対処方法。このおかげで土はより健康的になり、テロワールのバランスもより保てます。そして収穫はもちろん手摘み作業。後忘れていけないのはブドウ畑とカーブでの厳しい選別ですね。テロワールの風味の特徴を引き出す為には、完璧な熟成度を達したブドウを収穫する事が第一条件です!』 地質は全てシレックスと石灰質、そして貝殻の化石が落ちています! ヴァシュロンは40個もの区画を栽培しています。ピノ・ノワールが11Ha 、そしてソヴィニョンが32 Ha。この32Haの中、ミネラル感バッチリの『レ・ロマン』という区画の面積はたったの7 Ha。そして、この区画内から更に厳しい選別の末選びぬかれた、たった2haしかないヴィエイユ・ヴィーニュのブドウのみが最高級の『レ・ロマン』のワインに使用されるのです。 ドメーヌのワインの特徴は? シレックスの土壌はミネラル感と華やかな花の香りをワインに与えています。 逆に石灰質の土壌で造られたワインは若いときに飲むととてもフレッシュで繊細。そしてなによりもフルーツ感が特徴的です。私達の目標はなるべくエレガントで繊細で長期間保存出来るワインを造ることです。 今後の目標は? 第一に私達は自然を守る事が大切だと思ってます。『環境に優しく』が私達のモットーです。ですからパッケージングにはリサイクルされたボール紙を使用しています。 そして第二の目標はもっとまろやかなタンニンを特徴としたフルーティな赤ワインを造る事です。そのために、トロンコニック・タンクで赤ワインを熟成しています。 トロンコニックタンク 『偉大なワインを造るには、健全なブドウが必要です。しかしソヴィニョンの最大限の力をまだ私達は発揮できていません。ソヴィニョンは偉大な品種ではないですが、フルーツのポテンシャルを最高に保ち、テロワールを見事に引き出してくれる品種です。』 *******ドメーヌ・ヴァシュロンのワイン******* Domaine Blanc 08 *ドメーヌ・ブラン08  品種:ソヴィニョン100% 樹齢:25年 テロワール:シレックス45% + 石灰質45%+ 白亜紀の泥灰岩10% 収穫量:50hL / Ha 醸造:ステンレスタンクでの醸造 熟成:ステンレスタンク + トロンコニックタンク(10%)でのシュール・リ熟成 特徴:石灰質のテロワールがリッチ感を、そしてシレックスのテロワールが繊細さをワインに与えています。収穫時期は通常の1週間前に行いました。真直ぐでまろやか、そしてミネラル感があふれ出ていて、熟成されたブドウの綺麗な酸味が味わえます。ピーチなど柑橘類のフルーツと、白い花の香りが特徴的です。 Domaine Rouge 08 *ドメーヌ・ルージュ08  […]

25
Fév

無心の極み!究極の旨み!ラングロール来日

*********エリック・ピフェリングがやってきた!********* いつもワイン好きで賑わう、パリの自然派ワインビストロの草分け的存在、Verre Volé, ここで絶大な人気を誇り、かつ店主が、ローヌNo.1の蔵元と薦めるのが、このエリックが造る、ラングロールのワインである。 今回日本へは、3度目の来日となるが、日本とエリックとのつながりは、年々深くなっている。彼のやっていることを最初に認めてくれたのは、日本だという。日本で、いろんな人たちと接し、自分の道が間違っていないことを確信したという。 最初の来日とは違う、威風堂々とした、それでかつ、威圧感のない自然なオーラを、今回の同行中、感じた。                                             エリック&マリーロー参上! *********人間 エリック・ピフェッリング********* 〈幼少期~青年期〉 1962年10月23日アフリカ、ナイジェリア生まれ。 祖父と両親の仕事の関係で、生後2か月までアフリカで暮らしたそうだ。 おじいちゃんは、星の王子様のサン・テクジュペリと同様に、同時代、飛行機のパイロットをしていたそうだが、狩猟が趣味で、ある日、ワニを捕獲に向かったが、逆に川に落ちて、ワニに食べられてしまったそうだ。。。 そのとき、エリックの父親3歳。かなり苦労をしたそうだ。 ともかく、アフリカからフランスに戻り、ニームの村で生活を始めた。 子供の頃から、自然が好きで、屋外で自然に触れて育った。性格的には、押さえつけられるのが嫌いで、とにかく反発しがちな子供だったという。 そして、青年期、父親の影響もあり、養蜂家として働いていたが、母親方のおじいさんが亡くなり、その所有するぶどう畑の相続で、家族会議を行われる。家族一同は、エリックが一か所に落ち着いて仕事するように、また、養蜂家という自然に一番近い環境にいることを考慮して、エリックにぶどう畑を相続するように薦めた。これが、1988年。譲り受けたぶどう畑5ha。ここから、エリックのワイン造りの歴史が始まる。 〈マリーローの父親の教え〉 ぶどう畑の栽培方法も、全く分からないエリックに、昔ながらのぶどうの栽培を教えてくれたのは、ぶどう栽培から引退したばかりの、奥さんマリーローの父親だった。  もともと養蜂家として、自然環境の汚染に不安を持っていたエリックに、マリーローの父親が教えてくれる昔ながらの自然な農法は、スムーズに吸収されていった。 〈エステザルグの出会い〉 1990年から近くの若手生産者が集まる共同組合の組合員になり、ぶどうを売り始めた。 この1990年から2000年の間は、まさに試行錯誤の繰り返しであり、ぶどう畑は、有機栽培へ完全に移行、そして醸造に関しても、いつかの独立を目指して、実験的醸造を数多く行った。 そして、このとき、出会ったのが、当時のエステザルグの醸造責任者のジャン・フランソワ・ニック(現在、フラール・ルージュの生産者)。 あまりにも世間に、工業的で、頭痛のするようなワインが多いことに疑問を持っていた二人は、自然栽培のエリックの経験、ジャン・フランソワの酸化防止剤を使用しない醸造技術をお互いが情報交換し、2002年同時に、お互いの夢を目指し独立をする。L’anglore*ラングロールの誕生である。 *****洪水の年2002年、酷暑の年2003年***** しかし、運命は過酷であった。 独立、最初の年2002年は、雨が多く、ローヌ地方では洪水が発生。収穫量は予定の半分であった。 そしてまた2003年は乾燥、酷暑の年、ただでさえ、暑い南仏のタヴェルをこの熱さが襲い、この年も収穫量は激減した。 2002年の洪水のとき、濁流がぶどう畑を削りとり、一部崖のような断層ができた。それを見てエリックは、自分のぶどう栽培に確信をもった。硬い岩盤質の石を、根っこが、垂直にまっすぐ伸びていることが分かったのである。 テロワールを表現するには、根っこが地中深く入り込み、多種多様なミネラルを吸収しなくてはいけない。エリックのぶどう栽培に間違いはなかったのだ! ********マセラシオン・アロマティック******** ラングロールの現在所有するぶどう畑は、8ha。その大半のぶどうの樹齢は古い。樹齢100年以上のカリニャンやグルナッシュの区画があるが、それらの区画は黒ぶどうに混ざり、ブー・ブラン、クレイレットなどの白ぶどうも一緒に植えられている。それらは、一緒に収穫され、一緒のタンクで醸造される。 これは、昔の南仏の生産者の知恵ともいえる。 コート・ロティでも、シラーに数パーセントのヴィオニエが混ざるが、まさにどうしても熟度の高すぎるぶどうが取れる南仏では、白ぶどうを混植して、一緒に混醸することによって、バランスのとれた味わいを造りだせるのである。まさに、メゾッド・アンセストラル(伝統的方法)である。 エリックは、混植でない区画に関しても、このセオリーを使い、赤ワインに若干の白ぶどうを混ぜるようにしている。 *******自然酵母との戦い******* 2008年のシュマン・ド・ラ・ブリュンヌは、ステンレスタンクで半分、木樽にて半分アルコール発酵をさせようとしたが、ステンレスタンクの半分は発酵が進まず、最終的には廃棄することとなった。 このキュベは、サンソーとアラモンをダイレクトプレスして造るロゼであるが、ぶどうの果皮とマセレーションをしないため、ぶどうの果皮に付着している自然酵母が働きにくいのである。また、2008年は、雨が多く、果皮の自然酵母を流してしまった可能性も考えられる。 そんなリスクの中、ぶどうをダイレクトプレスしたロゼを造りたかった!と挑戦したとエリックは、笑いながら語る。  自然酵母を活かすため、もちろんSo2は、収穫、醸造段階では一切使用しない。赤ぶどうのプレスも、白ぶどうのプレスに圧力でゆっくりとやさしく行う。そして、ワインの液体の移動は全て重力で行い、けしてポンプは使用しない。ぶどうのポテンシャルを最大限に活かしたワイン造りといえる。 *******自然派ワインを造ることは、洋上を帆船で進むがごとし******* 自然は人間より強い。自然な栽培や醸造をすることによって、いろいろな苦難もある。しかし、海の上を進む帆船のように、風に身を任せ、自然を受け入れながら、目的地に向かっていくことが大切なのだとエリックは言う。 *******何かにとらわれず、ただ全力を尽くすのみ******* ぶどうは、年に1回しか収穫できず、もちろんワイン造りも年に1回しかできない。そこで、人間のエゴや、思いこみが入ると、良いワインができない。逆に、良いワインを造らなくてはいけないという思い込みから、自分を解き放ち、無の状態から、その年のぶどうを受け入れ、そこに最善の努力をしなくてはいけない。 *******日本が与えてくれたもの******* ラングロールには、ニュル・パール・アイユールという日本だけの、日の丸ワインとも言われるキュベがある。樹齢100年を超えるグルナッシュから造るワインだが、この区画は、日本のラングロールファンの支援のもと手に入れられたぶどう畑である。このワインには、いろんな人たちの思い、エリックの日本への感謝の思いが込められている。 自然な栽培を始めた当初、除草剤を使用せず、ぶどう畑に雑草を生やし、手作業で畑を耕し、収穫も手摘みで行う、彼の姿を見たタヴェルの回りの生産者達は、エリックの頭がおかしくなったのではないかと馬鹿にした。   また、昔ながらのタヴェルのワインを再現した、彼のワインをAOCは認めなかった。多くのワインは、テーブルワインとして販売することとなった。 そんな中、初めて日本へきて、自分のワインが普通に受け入れられていることに驚き、そして多くのソムリエ、料理人、お酒屋さんが、ワインを褒めてくれ、自分の栽培方法、醸造方法、生き方に共感してくれた。その感動がエリックに自信を与え、さらに彼のワイン造りが進化する原動力になったことは、間違いない。エリックは、今、また高みを目指し前進する。この日本のラングロールファンのためにも !!! 竹下正樹 *******ラングロール写真館******* 到着初日大阪BMOオフィスでくつろぐ二人              大阪セミナー&試飲会 大阪セミナーの後は、La tortugaで、萬谷シェフと、 神戸、玄斎の上野シェフとのコラボレーションで、フレンチと和食とラングロールの饗宴。大勢のラングロールファンの熱気で包まれた。全てのラングロールのワインに、萬谷シェフ、上野シェフが、各1品ずつ料理を作り、その料理の数は、合計18皿となった。まさに、満足。満腹。。。 予約の取れないレストラン高田馬場アミチエにて     ラングロールの家族の一員Tipsy’s志熊さんと Tipsy’sの姉妹店コトトワで打ち上げ          ティプシーズに集合したラングロールファン達 […]

17
Fév

Salon des Vins de Loire 2009 〜 サロン・デ・ヴァン・ド・ロワール 2009

2月2日〜4日の間、第23回ロワール地方のワイン試飲会が アンジェの町で行われました。1987年に初めて開催されたこのサロンは、年が経つにつれ規模が大きくなっていき、今では世界中から人が集まるほど欠かせない大事なイベントとなっております。 この3日間の間、600人もの醸造家や協同組合が集まりました。中にも私達と働いている醸造家は何十人もいます!皆に挨拶をするだけで一日が終了してしまいます・・・それだけ大きなこのサロンでは毎年参加する人数も増えているとか・・・今年は9000人ものワイン関係者が訪れました! Val de Loire*ヴァル・ドゥ・ロワールはフランス内でも3番目に大事なアペラシオンです。ロワール地方で造られるワインの75%がAOCワイン、しかも68種類ものアペラシオンがあるので大変!そしてこの量は毎年増えていっているのだそうです! ロワール地方では赤・白・ロゼの3色のワインは当たり前、他にもドライ系、まろやか系、甘口ワイン系、又繊細で上品なワインもあれば弾けるスパークリングワインもテスティングでき、全種類がそろっているのでカヴィストやインポーター、それぞれの要求に応じやすいのが特徴です。 ロワール試飲会はヴィネクスポやヴィニスッド試飲会に比べ規模が小さいので、知っている醸造元と会って話したり、又は新しく若い醸造家とも出会えるので楽しいです! また今後ドメーヌを継ぐ為父親と一緒に働いている子供達も参加するので新しい世代の考え方や今後の目標なども聞け、ためになる事ばかりです! ********************************************************************************************** ルネサンス・デ・AOCに比べると全然規模が大きいサロン・デ・ヴァン・ドゥ・ロワール。皆自分のスタンドに目を付けて貰うため気合が入っています! Château Gaillard – Vincent Girault (AOC Touraine Mesland) スタンドをバーのカウンターに変えてみたり、派手にデコレーションがされてあったり、一際目立つポスターを貼ったりと、皆アピール度が高いです!確かにこのサロンには全国のワイン専門家やバイヤー、記者などが参加するので皆注目を浴びるため頑張っているのです! La Grange Aux Belles − Marc Hoution et Julien Bresteau (AOC Coteaux de l’Aubance) やはり私達と働いている醸造家のワインは大人気! いつ、どこに行っても人が沢山いて賑わっています! Domaine Guiberteau – Romain Guiberteau (AOC Saumur) Domaine du Bel-Air – Pierre Gautier (AOC Bourgueil) Domaine Levasseur Alex Mathur […]

14
Fév

ネグレットの伝道師 Chateau Plaisance

************世界で唯一ここだけ************ ネグレットというぶどう品種をご存じだろうか?ネグレットのワインを飲んだことがあるであろうか? 大半の方は、NO!と答えるであろう。 そんな、希少価値?のあるぶどうネグレット。それは、 フランス南西部、トゥールーズのちょい北にある、AOC Fronton(フロントン)にのみ存在するぶどう品種なのである。 フィロキセラ以前は、フランス南部全体で植えられていた品種だが、最終的にはこの土地の気候、土壌に あったのか、このフロントンでしか栽培されていない。 このネグレットだけでなく、南西部には、その土地独自の土着品種が、いまだに存在している、マディランならタナ、カオールでは、コット、ジュランソンでは、プティマンサン、グロマンサンなどなど、オリジナル性のとんだ地方である。 ネグレットの名前の由来は、ニグロから来ているようで、その名の通り、色が黒く濃い、樹勢も強く、 収穫量を抑えないと、スパイシーなだけのバランスの悪いワインとなる。 収穫量を抑え、適切な栽培、醸造をすることによって、酸とタンニンのバランスのとれた気品のあるワインが出来上がる。 別名、ピノ・ド・サンジョルジュとも呼ばれる所以は、造り方によって、ピノのような繊細さを醸し出すということであろう。 *****ネグレットの伝道師 Marc PENAVAYRE マルク・ぺナヴェール***** 今回、日本に来日したのは、Chateau Plaisance のMarc PENAVAYRE 。この男、とにかく明るい。 とにかく、よくしゃべる。彼は、AOC フロントンの会長でもあり、ネグレットのポテンシャルを、このはるかかなた日本まで伝えるために、初めて日本にやってきた。 Chateau Plaisanceはこのフロントン地区にあるわけだが、南西部と言っても、カルカッソンヌまで80Km、 地中海性気候の影響を受け、暑く乾燥した気候土地柄である。 段々畑の上のほうは、特に乾燥しており、トップキュベは、標高の低いぶどう畑、保湿性の高い土壌で造られる。 栽培は、有機栽培。 自然をそのまま受け入れながら、健全なぶどうを得るため、最大限の畑仕事を行う。  ***************キュベ紹介*************** ★ Chateau Plaisance 2006 (シャトー・プレイザンス) ネグレット75%、シラー20%、カベルネ・フラン5% 標高200メートル、フロントンでも一番高いところに位置する区画のぶどうで造ったワイン。 ネグレット独特のスパイシーさ、甘い赤い果実の香り、非常にバランスのとれたワイン。 これが、一番スタンダードなキュベであるが、収穫量は、40hl/haと低収量である。 ★ Thibaut de Plaisance 2006   (ティボー・デ・プレインザンス) ネグレット80%、シラー20%。収量:30hl/ha  息子の出生年から造りだしたキュベ、今や息子は19歳、身長190cm。バスケット部だそうだ。(珍しい) 12〜18か月の樽熟成後ビン詰め。完熟したぶどうの濃縮を感じる、スパイシーで、口当たりの良いワイン。やはり、この地区の料理、コンフィ・ド・カナールなど肉料理が食べたくなるワイン。                  とても仲良しぺナヴェール一家 ★Tot Co Que Cal2005(ト・コ・ケ・カル) ネグレット90%、シラー5%、カベルネ・フラン5% 収穫量:20hl/ha ト・コ・ケ・カルとは、オキシタンの言葉で「必要なもの全て」という意味です。天、地、人の全てが入りこんだワインといえます。ネグレットにシラーをアッソンブラージュすることで、ワインに酸味を与えます。 20か月ほどの熟成。スパイスとラズベリーの香りにあふれ、素晴らしくバランスのとれたワインです。 しかし、やはり肉料理、カッスーレが食べたくなるワインです! カニとネグレットはいかが? 他に、娘の名前ヲつけたMaelle(マエル)というソーヴィ二ヨン・ブラン・セミヨンの軽い甘口ワインもあるが、これが、また和菓子のような心地良いワインで美味い!                  カニとタコ焼きとはいかが? **********シャトー・プレイザンスの買えるお店********** ジェロボアム 店主 安東さんとともに。 住所:神戸市中央区元町通1丁目14−18 TEL :078−327-7650  FAX :078−327-7651 オープン11:00−20:00 (日・祝18:00まで) 定休日/月曜日・第3火曜日 www.jeroboam.jp […]

11
Fév

ビオ世代、前へ進め!〜EN AVANT LE BIO

Par ces temps de crise, l’année 2009 commence plutôt bien pour le vin bio. 世界が危機に陥っている中、ビオワインは2009年の頭を好調に切り出しました! Tout d’abord une affluence record (+30%) pour la 16 ème édition de Millésime bio qui a eu lieu à Montpellier les 26, 27 et 28 janvier dernier. Depuis 1993, date de création, le nombre d’exposants et le nombre de visiteurs […]

8
Fév

カベルネ・フランの名指揮者、フィリップ・アリエ垂直試飲開催!!

1月17日、パッション・ド・ヴァンの銀座事務所でプロ向けのフィリップ・アリエ試飲会を行いました。オーナーのフィリップ・アリエは1978年から祖父を手伝ってAOCシノン地区、クラヴァン・レ・コトー地区のドメーヌで栽培・醸造を始めた。一見して朴訥なおじさんの風貌なのだが、彼の手にかかれば、シノンもまるで別物になってしまう。シノンのトップシャトーにまで導いた、まさに見事な指揮者である。 <栽培改革とは・・・> 1985年に後を継ぎ、高品質なワインを目指した栽培改革が始まった。まず、除草剤等の化学物質の撒布を一切やめて自然農法に切り替えた。収穫量を抑える為に1本の木に残す芽は5個から6個にし、それ以外の芽は摘んでしまう。葡萄の生育中、芽かきや摘芯をして葡萄の旨味がアップするように、コツコツと丹念な農作業を続けたのである。 もちろん畑は全て自分の手で耕しており、収穫量は極端に落ちてしまうが、ワインの凝縮度を高めるためには欠かせない作業である。 <家族との共同作業> 1994年、南向きの斜面で粘土石灰質土壌である「コトー・ド・ノワレ地区」を手に入れたが、この畑はものすごい斜面で、作業が困難であった。フィリップは妻のクロードと2人でこの畑を植替え、徐々に改良していったのである。1996年には、別の畑に1haのヴィエイユ・ヴィーニュ(V.V.=古木)を取得し、99年にこれを2haに拡大した。現在のV.V.の畑は4ha、コトー・ド・ノワレは3haになっている。 <飽くなき探究心> 1年に2,3回ずつボルドーのグラン・クリュ畑を見て回り、熟成技術を見習い、より構成のしっかりしたワインをつくろうと試みた。幾度も失敗を繰り返したが、根気強く挑戦を続けて、徐々に収穫量を減らしていき、1993年、ついに樽熟成に耐えうるワインを完成させたのである。熟成に使用する樽は、以前はシャトー・マルゴーとシャトー・ラトゥールから買ったものを使用していたが、現在では自ら選んだ樽を使い、新樽はコトー・ド・ノワレに。その後の樽をV.V.用に使用している。 フィリップ・アリエ氏と妻のクロード 赤ワインの産地としてフランスで最北の地域にありながら、カベルネ・フランを100%使用した、熟したピュアな果実味を持った見事なワインを生み出している。野菜っぽさなどみじんも感じさせない豊かな果実味、緻密さは他に類を見ない域に達しているといっても過言ではない。 ************************************************************************************* レ・クラヴィエ・ヴィエイユ・ヴィーニュ ・Cuvée Vieilles Vignes フィリップ氏曰く「絹のように滑らかな、フレッシュで繊細なワイン」。豊かで混じりけのない果実の香り。若いうちからでも滑らかな口当たり。艶やかで旨味が前面にあふれている印象。余韻が実に上品である。 まろやかなぶどうができる古木から造っていて、フィリップ氏の手作業による見事な作品といえよう。 コトー・ド・ノワレ ・Coteaux de Noiré カベルネ・フランの見事に熟した果実味は特筆すべき!エレガントで豊かな赤い果実のアロマ。カカオ、ロースト香やバニラの風味が複雑さを出している。アタックはまろやかでスムーズな口当たり。驚くようなきめの細かさは他に類を見ないほど。ワインの構成がしっかり取れていてバランスがとても良く、10年の超熟タイプと言えよう。その素晴らしい味わいは、まだ若木ながら既にロワールの№1赤ワインの風格を見事に漂わせている。この土地最良の南向き斜面に植えたぶどうは、まだ若木ながら既にトップワインのワインを生み出している。今後更なる向上が大いに期待できる。 〜垂直試飲のコメントは以下の通り(ビストロ・ヴィヴィエンヌ 吉川ソムリエコメント)〜 シノン レ・クラヴィエ・ヴィエイユ・ヴィーニュ ヴィンテージ 1995 品種 カベルネ・フラン 熟成を感じさせる紅茶の香り。きれいな酸が後々まで続く。まだまだ若々しい印象。 ヴィンテージ 1996 品種 カベルネ・フラン ややベジタル、スパイス、ユーカリの香り。若々しい印象。酸が柔らかく、タンニンも滑らか。きれいな熟成をしている。 ヴィンテージ 1999 品種 カベルネ・フラン 力強い香りが特徴的。葡萄の完熟感がある。 ヴィンテージ 2000 品種 カベルネ・フラン 香りはやさしい印象。99年ヴィンテージよりはやや飲みやすいが、果実味がある為に、味わいに立体感がある。タンニンは滑らかな印象。 ヴィンテージ 2004 品種 カベルネ・フラン 果実味があり、カベルネ・フランの特徴がよく表現されている。余韻に柔和な果実味を感じる。 ヴィンテージ 2005 品種 カベルネ・フラン ジャムのような甘い香り、ユーカリ、樽のロースト香。果実味が強く、タンニンとのバランスがいい。酸もしっかりあり、余韻が長く続く。 シノン コトー・ド・ノワレ ヴィンテージ 1996 品種 カベルネ・フラン ベジタルな香りと、熟成から感じられる紅茶の香り。味わいに深みを感じる。 ヴィンテージ 2000 品種 カベルネ・フラン 全体的にバランスは非常に良く取れていて、エレガント。ヴィエイユ・ヴィーニュ2000と比べると柔和な酸味や果実味といった印象。 ヴィンテージ 2002 品種 カベルネ・フラン 熟した果実の甘い香り。きめの細かいタンニンでボリューム感を感じる。 ヴィンテージ 2003 品種 カベルネ・フラン ジャムのような甘い香りで、このワインの力強さを感じる。更なる向上が期待できる。 […]

6
Fév

ルネサンス 2009〜Renaissance des AOC 2009

Renaissance des AOC とはロワール地方の小さな町、アンジェで2001年から開催されている、ビオ栽培の醸造家のみが集まる試飲会です。毎年規模が大きくなっているこのサロン・・・今年は13国から152人もの醸造家達が集まりました!今年は天井が高く、広くて日当りが抜群なグルニエ・サン・ジャン教会の中で行われました。 ルネサンスに参加するには、様々な条件をクリアしなければいけません。このシステムは、醸造家であろうが配合業者であろうが又は消費者であろうが、同じ考えを持った人達を結びつける為に行っています。もう一つの目標としては、科学が発達するにつれ変化しすぎてしまったアペラシオンの本来の意味を取り戻すことです。 醸造家達は次の3つの条件をクリアしていないと参加できません!! 第一:畑にて 最低3年前から畑全体に自然栽培を行っていること。ということはエコセール、もしくはカリテフランスなど公式認証が必要なのです。しかし90%ほどの参加者が更に進んだ考えを持ち、自然栽培はもちろん、ビオディナミ栽培まで行っているのです。ビオディナミ栽培は太陰暦に合わせながら畑、そしてカーブでの作業を行うという栽培・醸造方法です。この方法により、テロワールの風味はより引き出され、ワインに複雑感と深い味わい感を与えます。 ここで自然栽培に欠かせない条件とは: – 除草剤や化学肥料の使用は一切禁止 – 肥料も対処方法も自然な物のみ(ボルドー液や堆肥など) – ぶどうに自然に付着している自然酵母の自然な働きにての醸造 – 遺伝的に変更された苗木の使用は禁止 第二:カーブにて カーブ内での作業中にアペラシオンの風味を化学物質で修正しない事。300種類以上もある人工酵母の添加や浸透、また遺伝子組み換え作物、機械摘みなども一切禁止となっております。 ビオ栽培・醸造家の間では当たり前だと考えられている醸造方法というと: – 手摘み収穫 – 自然なアルコール発酵(アロマ添加剤や酸素の添加、発酵を進める成分の添加などは一切禁止) – ワインに含まれている自然な成分の豊富さを尊重 – クローヌを含まないセレクシオン・マサール – ワインの自然なバランスを保つこと(補酸や補糖は禁止) – コラージュは禁止 – 2ミクロン以下の濾過は禁止 第三:最終条件・・・ オリビエ・ウンブレヒト*Olivier Humbrechtやレイモン・ドゥ・ビルヌーブ*Raimond de Villeneuve、ジャン・リュック・ヒュベール*Jean-Luc Hubertやニコラ・ジョリ*Nicolas Jolyなど、誰もが認めている醸造家達が審査員として主催している委員会のテスティングで、全員一致で認められないと、ルネサンスには参加出来ません。 アルザス地方n°1、Domaine André Ostertag* 『2007年ヴィンテージはフレッシュでピュア。酸味が綺麗で骨格がしっかりとしている、とても繊細なワインです』 Domaine Humbrecht – Alexandre 『2007年はとても真直ぐ。繊細なアロマが漂うワインにしあがっています。』 どこにいても目だってしまうOlivier Cousin 『とにかく2007年はミネラル感がたっぷりなヴィンテージです』 いつも笑顔ニコニコのDomaine Pierre […]

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Le Bistrot d’Ariane

*お店情報 Port-Ariane Lattes TEL : 04 67 20 01 27 FAX : 04 67 15 03 25 *営業情報 平日:月曜〜土曜 休み:日曜 *価格情報 メニュー(昼・夜):19.50ユーロ 夜のメニュー:29〜39ユーロ

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Le Vin en Tete

ワインショップ *お店情報 30 rue des Batignolles 75017 Paris TEL : 01 44 69 04 57 MAIL : contact@levinentete.net *営業時間 平日:月曜〜土曜  10:00〜21:00     日曜 10:30〜13:30  16:30〜20:00

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Les Cotelettes

ビストロ *お店情報 4 Impasse Guemenee 75004 Paris TEL : 01 42 72 08 45 METRO : Bastille SITE : www.lescotelettes.com *営業時間 平日:火曜〜金曜  12:00〜14:30  20:00〜22:30     土曜 20:00〜23:00 休み:日曜・月曜 Les Côtelettes、美味しい料理が盛りだくさん!

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Quedubon

ワインバー・ワインショップ *お店情報 22 rue du Plateau 75019 Paris TEL : 01 42 38 18 65 METRO : Buttes-Chaumont *営業時間 平日:月曜〜土曜  昼・夜     日曜 昼のみ 休み:日曜の夜

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Fév

ドゥニ・ジャンドー来日〜〜〜ミネラルの秘密

ブルゴーニュ地方マコネ地区の生産者、ドゥニ・ジャンドーさんが1月21日来日した。 ジャンドーは、ここ2-3年で急激に注目を浴びた生産者だ。 彼の“サン・ヴェラン”や“プイイ・フュイッセ”は、パリの3ッ星レストランを初めとして世界中のトップクラスのレストランにて楽しまれている。幾つか挙げると3ッ星だけでも「ピエール・ガニエール」、「ラストランス」、「アンバサダー」、「ジョルジュ・ブラン」、「ル・ブリクール」・・・などなど。他にもロンドンの3ッ星「ゴルドン・ラムゼイ」や名だたるニューヨークのレストランでも評判だ! どうしてこんなにも評判になったのだろうか?は後で述べるとして、来日イベントでも彼のワインは大人気だった! —————————————————————————– 京都伊勢丹さんでは従来から彼の“ヴィレ・クレッセ”を定番として販売いただいているのでご挨拶に伺った。価格も比較的手頃なこともあり好評なようだ! 売場のワインと同に 伊勢丹スタッフとのショット —————————————————————————– 東京では、表参道にあるパリで人気のビストロ“ル・プレ・ヴェール”で開催された「サロン・デ・ヴァン」に参加した。フランス全土より8件の自然派生産者が参加し、大いに盛り上がった。 ソムリエのアランさんと 来日生産者達とのスナップ —————————————————————————– また、CPVではインポーターのディオニーさんと共同で、ドゥニの来日に合わせ試飲会(東京)を開催した。試飲した来場者たちは、ジャンドーのピュアで純粋な味わいに皆感心していた。ドゥニは自分自身がワイン造りに参加し始めた2000年からビオディナミを実践している。同じマコンのフィリップ・ヴァレットとも一緒にワイン造りを研究する間柄だ。ドゥニはその土地の持っている特長を出来るだけ素直にワインを通して表現したいので、栽培はもちろん自然、醸造においては樽の風味が出過ぎないようステンレスタンクと樽を共用し、また樽の焼き加減は中程度にとどめている。また、高品質ワインを造るために彼がとても気を付けていることは、収穫のタイミングだ。収穫を始めて次の区画に移動するとき、もしその区画が完璧な状態で熟していなければ、彼は一週間でも平気で収穫を中断する。実際、2007年と2008年は一週間中断したそうだ。もうひとつ重要な点は、収穫したぶどうをそのままの健全な状態で醸造所まで運びプレスすることだ。そのため、収穫したらすぐ30Lの小型ケースに入れ、そのままの状態でプレス機まで持ってくる。移動中にもし果汁が染み出してしまえば、すぐ酸化が始まるし、果皮が破れてしまえばそこから雑菌が繁殖してしまう。ピュアな高品質ワインを造りだすにはとても重要なことだ。そして何といっても発酵は、ぶどうに自然に付着している野生酵母の自然な働きにて行なうことだ。彼は、シャブリの生産者にてワイン造りの経験をしているとき、野生酵母の重要性に気が付いたそうだ。 —————————————————————————– =各ワインのコメント= ヴィレ・クレッセ 2005&2007 栽培:樹齢=約40年、標高=250m、土壌=粘土質石灰 醸造:発酵からステンレスタンク50%、樽50%(全体の新樽使用比率10%) 澱引きせずそのまま1年細かい澱と共に熟成 生産量:6500本 2007:レモングラスやレモンの風味、蜂蜜の香り、味わいは酸がしっかりとしていてフレッシュで爽やか!甘く感じるニュアンスととてもよくバランス取れている。典型的な年でバランスよく超熟、特徴が良く表れた良い年 2005:レモンクリームの風味、厚みありがゆったりとした優雅な風味。よく熟した年 サン・ヴェラン 2007 栽培:樹齢=約35年 標高=250m 土壌=珪土混じりの粘土質石灰 醸造:樽100%、新樽使用比率15% 澱引きせずそのまま1年細かい澱と共に熟成 生産量:2500本 珪土の影響でより酸が強く、よりしまった味わい プイイ・フュイッセ“スクレ・ミネラル”2007 栽培:標高350m 土壌:ロッシュ・ド・ヴェルジッソンの石灰の多い土壌 醸造:樽100%、新樽使用比率20%+1〜3年樽    澱引きせずそのまま1年細かい澱と共に熟成 生産量:4000本 味わい:蒸した栗の香り、白い花や黄色果実の香り、ゆったりとした味わいをミネラルが支えている —————————————————————————– ジャンドーのワインはどれも素直でピュア!そして深い余韻、味わいがある。 実は、ドゥニのお父さんはワイン造りに興味がなく、2005年に所有していた畑を売ってしまったそうだ。当然ワイン造りを引き継ぐつもりでいたドゥニはとても大きなショックを受けた。悩んだ末、その年のうちに新たにいい畑を見つけて自分自身の会社を設立してしまったのだ。ジャンドーのワインが急激にその品質を上げ脚光を浴びた訳が分かった!そのときの苦渋の決断が、最高のワインを造ってやろうという気持ちにさせたのだった。 ドゥニのひとつひとつの仕事は地道なものだ。 冬〜初夏の期間は畑を耕す。それも馬を使ってだ! 重いトラクターを使うと土壌が押し固められ微生物が弱ってしまうから、土に負担を掛けない馬を使うそうだ。 収穫はすべて手摘み。摘んだぶどうは潰れないように丁寧に小型ケースに入れ運搬 彼の「プイイ・フュイッセ“スクレ・ミネラル”」の味わいの秘密(フランス語でスクレ)はまさに“ミネラル”! ヴェルジッソンの岩“ロッシュ・ド・ヴェルジッソン”から地中に続く石灰土壌が、彼のワインに深い味わいを与えている。 是非味わってみて下さい! お問合せ先 ディオニー株式会社  TEL. 075-622-0850                  サンバ

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Jan

『タベルのハチミツ』と呼ばれるラングロールのワイン!

・・・・・・・・・・・・・・・ストーリー・オフ・エリック・ピファーリング・・・・・・・・・・・・・・・・ エリックの物語は70年代初期、彼がまだ10歳の頃に始まりました。彼の父はガール市に在るキャランサックの町で整備士として働いていました。ある日、屋根裏から妙な音が聞こえ、覗いてみたところ、蜂が屋根の下に巣を作っていたのです! エリックの父は蜂に興味を持ち、直感的に巣を保存する事にしました。その数ヵ月後、彼は自分の会社を手放し、養蜂家になろうと決心しました。これがエリックが学んだ初仕事です。 『蜂は集中力と平静を学ぶ学校のようだ。彼らにとって、気候、機嫌、環境、感覚、全てが大事なのだ。彼らにとって毎日が全く違う。人間は蜂達をコントロールできないが、共に歩んでいく事は出来る。ブドウ木と同じだ。人間が参加することは可能だが、指導する事は不可能だ。又、養蜂はワインの勉強にもなるんだ:アロマや勢いを感じ取る・・・私は幼い頃からハチミツと花の香りを常に感じているんだ。』 30年経った今、エリックのワインにはその豊富な香りが漂ってきます。 彼のグルナッシュは穏やかに繊細に育てられ、 そして数々のキュベはまるでブルゴーニュのピノのような感覚です。 テール・ドンブル*Terres d’Ombre、 ピエール・ショード*Pierre Chaude、 ル・シュマン・ドゥ・ラ・ブリューヌ*Le Chemin de la Brune、 レ・トラヴェルス*Les Traverses・・・ シルヴィー・オジュローさん曰く、 『エリックのワインはタベルのハチミツのよう』なのです! 『まるで南仏のボジョレーだ』と他の批評家も発言しています。 『初めてマルセル・ラピエール*Marcel Lapierreのモルゴン*Morgonを飲んだとき、本当に衝撃的だった。彼、そしてジャン・フォアラール*Jean Foillardbは天才だ!』 20年前、エリックは祖母が所得していた4ヘクタールの葡萄園を引き継ぎました。そして更に3ヘクタールを後から購入。2007年ワインは彼にとって、ドメーヌ・ドゥ・ラングロール*Domaine de l’Anglore (Angloreとはオック語でトカゲという意味)の5年目のヴィンテージとなります。 ブドウ木に付いては全て奥さん、マリー*Marieの父から教わりました。 元ブドウ栽培者はエリックに伝統的な教えを伝えたのです。 『50年代と同じ栽培方法を教わった。対処方法はボルドー液のみ。今、この栽培方法を 世間は« ビオ »と呼ぶ。しかし昔はこの栽培の仕方が通常だったんだ。ロゴが無くても、自然と代々と継がれていったものだった。私はこのシステムを様々な形で延長した。ワインにフィルターを掛けなかったり、出来る限り亜硫酸は添加しないなど。時には少し戸惑うようなワインが出来上がるけれど、私はそれが好きなんだ。』 ・・・・・・・・・・・エリックはまさに « ナチュール »な職人なのです。・・・・・・・・・・・ 『1998年、親友であるジャン・フランソワ・ニック*Jean-François Nicq−フラール・ルージュ*Foulards Rouges−と私はワイン造りを始めた。この時ちょうど狂牛病が大問題になっていた時期なんだ。ワインの生産者側として、商品の危険や品質に付いて、政治に付いて、自分のワインに付いて、造り方に付いて、何日間も話し合っていた。そしてどのように新しい考えを持った醸造家達を広める事が出来るかなど。私達はルシヨンのロイック・ルール*Loic Roure −ドメーヌ・デュ・ポシーブル*Domaine du Possible、エドワード・ラフィット*Edouard Laffitte−ドメーヌ・ル・ブ・デュ・モンド*Domaine Le Bout du Mondeや、アルデッシュのジェラルド・ウストリック*G érald Oustric−ドメーヌ・デュ・マゼル*Domaine du Mazelなどの造り手と共に、世間とは違うワイン醸造法を学びました。』 ・・エリックは反抗的で情熱的で空想的なのです。それはエリック自身も認知しています。・・ […]

23
Jan

フランスN°1のカベルネ・フラン、ル・クロ・ルジャール

ロワールの帝王・ナディ・フコーファミリー ロワール地方で最も美しいカベルネ・フラン 1663年から存在するこのドメーヌでは、フランス一のカベルネ・フランが味わえると言う。なんでもボルドーのトップ・シャトーの関係者もその秘密の鍵を見つけ出すため、ドメーヌを訪問しに来るという大物醸造家なのです!早速その伝説的なカベルネをテースティングする為、ソミュールの町でワイン造りをしている第8代目のナディ・フコーさんの元へ行って来ました!彼は兄弟のチャーリーさんと共に曾祖父さんの教えを今でも守り、尊重しているのです。 『正確なワインを造ることは皆が想像しているより難しい事ではないんだよ。ただ単に、完熟しているブドウを、絶好なタイミングで収穫するだけなんだ。熟成していないブドウはカベルネフラン独特の青臭いベジェタルな香りが強くなってしまうし、逆に熟成しすぎているとワインが重くなってしまう。』 とびっきり優れた土壌 まず最初に驚いたのは建物です。この地区での土壌は地表には砂や雲母に覆われていて、地下には石灰質で出来た白亜の真っ白な岩盤なのです。この岩盤を切り取った岩石で殆んどのロワール地方のシャトーや建物が造られています。もちろん、クロ・ルジャールのカーヴもローマ時代に掘られたもので、迷路の様に長く、夏でも低温でしかも湿気が完璧なのです。ワインを熟成させるには最良の条件を備えています。このカーヴのなかで樽熟成がゆっくり行われる。低温で最適な環境のカーヴは3年間眠り続けるワインを守っているのです。 しかもこのカーヴの壁の表面はフワフワとして柔らかく、硬貨など物が簡単に埋め込めるのです!カーヴの入り口には何年も前から訪れてきた人々の思い出でいっぱいです! 硬貨でメッセージが描かれています。中には貝殻など、ユニークな思い出を残していった人もいます! そして10haに広がる畑にも、30cmの粘土石灰質とケイ質の土壌の下にはこの同じ岩盤地質が隠れているのです。この土壌は排水力が強く、ブドウ達が水を吸収してしまう前に雨水を排水してくれます。そして乾燥している時期には、ブドウ木の根は岩石の割れ目を伝わって根が岩盤の中深く入り込んでいて岩盤に含まれている水分やミネラルを補給するのです。土がしっかりと耕されているからこそ根っ子はグングンと深く伸びる事が可能なのです。 ————————————————————————– 〜古典的な栽培 & 醸造方法〜 どちらかと言えば大西洋気候のロワールでカベルネ・フランを醸造する事はとても難しい。殆んどのワインが青臭くベジェタルで、ごわごわとしたタンニンが特徴的のワインに仕上がってしまう。その中何故クロ・ルジャールのワインはとても繊細で上品で華やかなのだろう?その答えは古くから伝わる伝統に潜んでいました。 『第一に大切なことは、完璧な熟成度を達したブドウを収穫する事。その為、収穫する日はとても重要だが、更に収穫量を低くする必要がある。私達が目標としている収穫量は35hL/haなんだ。この地区での通常の半分にしか達していない。そして第二は、健全で綺麗なブドウのみ選別して収穫すること、その為、絶対に収穫は手摘みで行う。収穫時の葡萄園でまず一回目のブドウ選別を実施する。その後、醸造所に着いた段階でエグラパージュ時に再び選別作業を行う。ともかく健全なブドウをセレクションする事が最も重要なんだよ。除梗・破砕した後、ステンレスとセメントタンク内でのアルコール発酵と長いマセラシオンがおこなわれるんだ(略3〜4週間)。健全な葡萄のみを使用しているので長いマセラッションをしても繊細なタンニンなんだ。もちろん亜硫酸はこの時点では一度も添加していない。』 『アルコール発酵が終了したら、今度は木樽にワインを移し、マロラクティック発酵が始まるのを待つ。樽は新樽と、シャトー・ラトゥールもしくはシャトー・マルゴー使用の一年樽を使っているんだ。 カーヴ内では湿気がとても多いのでワインは蒸発しにくいが、略24〜30ヶ月間熟成している為、定期的に補酒(ウイラージ)をしている。そして最後のスティラージュの際にワインの安定を保つ為、ごく少量の亜硫酸を足している。もちろん白ワインはコラージュもフィルターも必要以外掛けていないよ。』   ————————————————————————– 〜2008年の出来、そして今後発売される2005年はどうですか?〜 『今年は寒くてブドウの木が凍結してしまった・・・1Haもの畑がダメになってしまったよ。収穫量も10〜12hL/ha位かな。今年は1991年4月21日に起きた凍結に似ていたな。けれどもその年は綺麗に全てを失ってしまった!悲惨だったよ。2008年の夏の気候は最悪だった。しかし幸に9月中にお日様が戻ってきてとても良い天気の日々が続いたので、2007年に比べるとリッチなブドウが収穫できた。』 〜2005年はまれにみる完璧な年だ!〜 『2005年のヴィンテージは本当にトップ・レベルなワインが出来たよ!この年はまさに1989年と1990年のヴィンテージを合わせたようなものだ。1989年特徴の綺麗な酸味と繊細なタンニン、そして1990年特徴のリッチ感、骨格のしっかりさとまろやかさが全て2005年ヴィンテージに含まれている。完璧に近いヴィンテージだね!』 『偉大なワインには欠かせない物が2つある:濃縮さと繊細さです。 しかし!!ここで間違えてはいけない事がある。 濃縮さは過度の抽出ではなく、繊細さは希釈ではないことです! クロ・ルジャールのワインは樽内、そして瓶内で2〜3年ほど熟してあるので、すぐにでも楽しめます! しかし忍耐力がある人は是非5年後位に飲んでみてください。 きっとまた新たなワインへと変化しているでしょう。。。! どのように?それは飲んでからのお楽しみです!』 ————————————————————————                〜試飲したワイン〜 Le Bourg 2005*ル・ブール 2005 品種:カベルネ・フラン100% 樹齢:35〜75年 地質:粘土石灰質 栽培面積:1ヘクタール 収穫量:20hL/ha 醸造:6週間のマセラシオン 熟成:30ヶ月間100%新樽での熟成。タンニンをよりまろやかに仕上げる為、通常より長め。 アロマがとても豊富で完熟されたブドウの香りがフワーと漂ってきます。とにかくパワフルで真直ぐなワイン!カベルネにも関わらずとても繊細なタンニンにはビックリ!樽香も一瞬にして他のアロマに溶け込み、より複雑さを与えています。 Les Poyeux 2005*レ・ポワイユ2005 品種:カベルネ・フラン100% 樹齢:25〜50年 地質:粘土石灰・ケイ質 栽培面積:2.7ヘクタール 平均収穫量:35hL/ha 醸造:4週間のマセラシオン 熟成:24ヶ月間1年樽での熟成。 ル・ブールに比べるとこちらのキュべのはよりフレッシュでとてもミネラル!果実身が強くとてもフルーティー!しかしそれだけではありません!花の香りやミントの匂いもフンワリ感じられ、食欲をそそってくるワインです。 Le […]

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Jan

自然派ワインの父 ジュール・ショヴェ

ワインという名にふさわしいワインを造ることに、一生を捧げた人 パリがドイツ軍の占領下にあった時、ロンドンで『私がフランスだ!』と云放ったあの偉大なるフランスのド・ゴ−ル大統領が毎日飲む日常ワインとしていたのが、ジュル・ショヴェ氏の造ったボジョレだった。偉人は偉人を知る。 ネオポ−ル氏 『ショヴェ博士は“ワインという名にふさわしいワインを造ること”に、一生を捧げた人です』 人間として、学者として、醸造家として多くの人に尊敬された人物の“人となり”を色んな本に書かれた文章や、記事を集めて、また人の話を聞いて連載をしたいと思います。 まず、第一回は1981年にインタヴュ−を受けた時の記事を抜粋して、そのまま載せたいと思います。ショ−ヴェ氏が亡くなったのは1989年、その約10年後にインタヴュ−のテ−プがショ−ヴェ氏の弟のところに送られてきた。スイスの醸造家でもありワイン研究家でもあるケセルリング氏とのインタヴュ−の生テ−プでした。そのテ−プを基に一冊の本が出版されました。その抜粋記事を数回に分けて掲載します。ショ−ヴェ氏の人となりが浮き彫りにされています。 〜ジュル・ショヴェ氏 と ケセルリング氏 との 対談 N°1〜 どうしてこの仕事を選んだか? ケセルリング氏 — ショヴェさん、どのようにして、この仕事を選んだのですか? ショヴェ氏 — 周りの環境と共に、自然にです。 ケセルリング氏 — あなたの父親……? ショヴェ氏 — そうです。私の曽祖父、祖父、父に渡ってです。 ケセルリング氏 — しかし、以前、ベルリンでワインの勉強をしたことは無いですよね…? ショヴェ氏 — いいえ、全く。後で… 後になってからです。当然、本来の学業(化学)を終了した後、この職業(醸造栽培者)を学び始めました。それから、ワインに興味を持ち、疑問を抱き始め… かなり深くまで研究するようになりました。 ケセルリング氏 — それは、天性? それとも、父親の死後からですか? ショヴェ氏 — いいえ、私がワインの幾つかの病気について疑問を持ち始めたのは、父が亡くなる前からです。知人達と資料を検討しても、根拠のある解答が得られなかったので、さらに深く研究は進みました。いろんな面を検討していくうちに、大変奥深くまで追求するようになりました。 ケセルリング氏 — しかし、バカロレア(高卒兼大学入学資格)終了後、更にワーバーグ氏のところで勉強したんですよね? ショヴェ氏 — そうです。バカロレアの後、独学しました。 ケセルリング氏 — どうして、ベルリンのワーバーグ氏のところへ行ったのですか? ショヴェ氏 — ああ、それはですね、以前、私はリヨン大学理学部の生化学研究室で勉強していました。そして、疑問に思った問題の解答を探究しようとした時、このリヨンの研究室に行ったんです。数年、ここにいましたが、どうも納得がいかず、不十分だったので、ベルリンへ行くことにしたんです。 ケセルリング氏 — それで、ベルリンでの研究課題は? ショヴェ氏 — ワインにおいて、鉄が存在する場合としない場合での微生物の成長の違いを知ることでした。ワインが鉄を含まなくなった時、ワインのミコデルマ細胞も増大しなくなることが観察されました。この時点で中断し、ここで、鉄の役割は何かと考えました。 ケセルリング氏 — その微生物の成長において…… ショヴェ氏 — そうです。つまり、この微生物は好気性であるため、そのエネルギーを活発にし成長させる、酸素伝導体の酵母に鉄が作用したという訳です。当時、ベルリン研究室では、鉄基、お呼吸色素について、かなり詳しく研究していたので、私は、さらに追求し続けました。 ケセルリング氏 — どんな種類の鉄ですか? ショヴェ氏 — ヘマチン鉄です。血液やヘモグロビンの中に見られる鉄です。これは、異常に複雑な鉄で、テトラピロール鉄(ピノール4基鉄)と呼ばれるもので、生きた生物や動物や植物の中に見られることから、自然界に一貫性が存在することを知りました。 研究について ケセルリング氏 — では、2番目の質問です…… 研究の準備についてですが… どんな準備をしたんですか? ショヴェ氏 — ともかく研究! 随分深く研究しました。研究室でも、当然、仕事でも… 生じる事を理解しようとしました。いいですか、これは研究なんです。準備と言われてもわかりません。ただ、非常に研究勉強したことだけはわかっていますが…それだけです… ケセルリング氏 — 多分少し、簡略かもしれませんが、これは、化学者のための要約紹介ですから、もう少し具体的にこの質問に答えて下されば… ショヴェ氏 — 私は、化学を沢山勉強しました。生態学も沢山勉強しました。物理学も、その他にも。あらゆる全ての科学に興味があったんです。 ケセルリング氏 — そうですね。当然、ワイン醸造学と言えば、いろんな全てのことが絡んできますからね… ショヴェ氏 — 科学すべてにです。 ケセルリング氏 — ちょっと、うわべをかじって… ショヴェ氏 — ちがいます… 上辺をなでることが、全部を知ることではありません。一般的基礎知識がなければいけません。ワイン醸造学を始めるには、多くのことを知らなければなりません。沢山のことを知る必要があると思いますが、わたしは、多くの知識が無かったので、大変勉強しなければなりませんでした。 ケセルリング氏 — しかし… わかりません… 全ての分野を勉強し準備する時間などありませんから、良く考えて選択する必要がありますね。 ショヴェ氏 — 良く研究しなければなりません。 ケセルリング氏 — そうは言っても、ともかく、その都度その都度選択して行かなければ。 ショヴェ氏 — ええ、その通りです。選択しました。醸造学を始めるのに、他の科学分野を沢山勉強しなければなりませんでした。それだけです。 何がそんなに魅了したか? ケセルリング氏 — わかりました。では、3番目の質問をしたいと思います。魅惑です… ショヴェ氏 — 《研究するにあたり、何がそんなに私を魅了したか?》と言う質問ですね。 ケセルリング氏 — 有触れた質問なので、私が言う前に見抜かれてしまいました。(笑)そんなに私的なことでなければ…  ショヴェ氏 — 研究… 何の研究でですか? ワインの研究ですか? ワインを説明するために行った研究ですか? わかりません。でもこれだけは確かです。私を魅惑したものは、ワインです。明確です!しかし、ワインの他に、とりわけ生物学に魅了されたようです。生物学はワインであり、ワインは生物学です。どちらでも好きなように取って下さい。しかし、私は、この2つを少し混同しました。ワインを醸造するためのワイン研究が、微生物学者の研究であることは確かです。生物学者の研究です。そして、これを理解したいならば、生物学を深く勉強する必要があります。それで、私は、生物学を勉強している内に、生物学に魅了されたんです。わかりますか? ケセルリング氏 — つまり、ショヴェさんは、仕事において、研究の関心が自然な興味につながり、嬉しく思ったんですね。 ショヴェ氏 — ええ、そう、そう、そうです。ワインが、私を生物学へ導いたと思います。 ケセルリング氏 — その逆ではないんですね…? ショヴェ氏 — いいえ、とんでもない!先ず最初に、ワインが私を生物学へ導き、それから、生物学をかなり詳しく研究するようになったんです。けれども、ワインから離れずにです。つまり、常にワインがそこにあることを見失わずに、生物学を勉強し続けました。そして、ワインを理解するために、学んだ事を使うようにしました。しかし、ここではっきり言えることは、私がまだまだワインをわかっていないと言うことです。 ケセルリング氏 — それは、決して到達しない目標だと思います。あえて考えようとは思いませんが… ショヴェ氏 — 確かに。まだまだ発見すべきことは沢山あります。 ケセルリング氏 — もっと大変複雑な… ショヴェ氏 — ええ、もちろん… ケセルリング氏 — 私にとって、生物学は、常に創造の表現です… ショヴェ氏 — その通りです。 ケセルリング氏 — 今朝、話したことですが、大宇宙の創造よりも遥かに複雑かもしれないと言うことですね。そして、同じ位… いや、さらに魅力的なのは、小宇宙かもしれないと言うこと… ショヴェ氏 — それは、もっと遥かに魅力的なものだよ… […]

7
Jan

ルシヨン地方、標高400mで醸造している爽やかさN°1ワイン、ロイック・ルール!

フランスとスペインの堺に在るLansac*ランサックの町。トラモンタンヌというピレネー山の谷間で吹く強い風に耐えながらたどり着いた訪問先は、Domaine du Possible*ドメーヌ・デュ・ポシーブル、Loic Roure*ロイック・ルールさんの醸造所です。 ロイックは長い間ブドウ園を探していました。ある日この土地の山道を彷徨っていたら、青や赤、ラメ入りなどの様々な色をした石が道端に落ちていたそうです。そして顔を上げた瞬間、綺麗に並んでいたカリニャンの畑に一目惚れをしてしまったそう・・・!ここでワインを造りたい!という気持ちが強くなり、彼は即樹齢100年以上のカリニャンの区画を購入!自分の畑を手に入れたものの、ロイックには醸造が出来るカーブもなければ住む家も無い!仕方なく車内で睡眠を取り、アグリ川で体を洗う生活を送っていました。一刻も早く住む場所を見つけなくては!と焦ったロイックは、ちょうど空き巣になっていた協同組合の醸造所を見つけました。そして2003年、同じ町で自然派ワインを醸造しているDomaine Le Bout du Monde*ドメーヌ・ル・ブ・デュ・モンドのEdouard Laffitte*エドワード・ラフィットさんと共にこのカーブを購入し、本格的に活動を開始しました! 二人で使用するには十分に広く、しかも設備も完璧に整っています。 冷凍室もあれば、ちゃんと暖房室もあるのです。 そして何と言ってもこのファンキーなデコレーションがカッコイイ!壁は去年ロイックさん自信がペンキを塗りカラフルに、そしてアーティストのデッサンやバッカス(ワインの神)の像などが飾ってあります。ノリの良い音楽がいつでも流れており、自由人な彼にはピッタリな空間です! この日ロイックは肋骨の骨を骨折していて、しかも風邪を引いていてとても辛そう・・・しかし『大丈夫大丈夫!ただ鼻をかむ時に少し響いて痛いかな・・・』と笑顔で畑まで連れて行ってくれました。 そんな畑の地質は花崗岩や片麻岩、他にも触っただけで粉々になってしまうシストなどが混ざっています。 この地区は風がとにかく強く、何ヶ月間もの間止まなく吹き続けているという。これは、ブドウの木が折れてしまわないように紐で固定しているのです。 彼が栽培しているブドウの樹齢は略全てがヴィエイユ・ヴィーニュ。シラーは35年、グルナッシュは45年、そしてカリニャンは52年からなんと105年! 『僕はナチュラルにブドウを育てているよ。除草剤や殺虫剤は一切使用しないし、もし何かを撒くとすれば、植物で造った煎じ薬、もしくはブイィ・ボルドレーズくらいかな。 手摘みで収穫を行った後、ブドウを冷凍室に保管して、ブドウが傷まないように、ポンプは一切使わず、重力でタンクに流すんだ。 そして自然酵母でアルコール発酵が始まる。 シラー以外は房丸ごと発酵樽に入れるんだ。その方が濃厚な味に仕上がる。 そしてワインの美味しい成分が逃げてしまわぬようにフィルトラシオンもコラージュもしない。 もちろん亜硫酸も一切添加していないんだ。』と自然にワインを造る事が本当に当たり前のように話すロイック。 とそこに現れたのは、醸造所の上に住んでいるロイックの息子さん、 ティトゥアン君と現在妊娠38週目の奥さん!ティトゥアン君はまだ3歳前なのにとても元気でお喋り!お母さんそっくりな愛くるしい笑顔と、その人懐っこさで私達は即効彼の大ファンに! シャリヴァリ 07*Charivari 07 品種:カリニャン 樹齢:45〜80年 土壌:シストと片麻岩 醸造:プレキシタンクで15日間の醸造 − 2/3はマセラシオン・カルボニック 熟成:8ヶ月間のプレキシタンクと樽熟成 名前:シャリヴァリとは古くから伝わるカーニバルの名前です。楽器以外の 物で音楽を奏で(台所用具など)、町の中を回るというユニークで楽しいカーニバルです。 *ロイック曰く、カリニャンはルシヨンに最も合う品種なのです。時間が経つにつれ、赤フルーツのアロマが強く漂ってくるワインです。南仏ワインなので濃厚なはずなのに、驚くほど爽やか感とミネラル感があってとても飲みやすい!グイグイ飲めてしまう最高なワインです!*   クマ・アコ 07*Couma Acò 07 品種:グルナッシュ、カリニャン、シラー 樹齢:40〜105年 土壌:シストと片麻岩 醸造:ステンレスタンクで20日間の醸造 − マロラクティック発酵 熟成: 8ヶ月間の樽熟成 名前:クマ・アコはカタロニア語で『こんなものさ!』という意味です。 *友達との楽しい時間にはこのワインがピッタリ!事前に開けておき、30分くらい待ってみて下さい。どんどんと広がっていく果実の香りと複雑さは本当に感動ものです。このキュべもやはりフレッシュ感が強く、ブドウジュースのように飲めてしまいます。私も大のお気に入りの一本です!* セ・パ・ラ・メール・ア・ボワール07*C’est pas la mer […]

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Jan

2009年頭ごあいさつ、世界が動く!ワインが動く!

地中海に浮かぶ新春朝日 世界が大きく動いている。特に08後半の世界経済の変化は誰も予測できない程の激変だった。 資本主義経済の調整機能がマヒ化しつつある。各国が大量の資金を投入しても今までのようには効果が表れない。経済分野に限らず資本主義を基盤にしたシステムがあらゆる分野において調整不可能な側面が表面化しつつあるのを肌で感じるようになってきた。 世界が進化しようとしている。人類史上最大の進化が必要になってきたように思う。人間自身が造り上げたシステムが独り歩きして、その人間自身を苦しめようとしている。 しかし、今でもそのシステムを動かしているのは個々の人間であることに変わりはない。でも人間の調整が利かなくなってしまった。 正に、今、一人一人の人間が自分の生き方や価値観を進化させなければ人類の歴史そのものを絶滅させかねない時期が到来したのを誰もが感じているのではないか。 つい最近までは、大きくなりすぎた世界システムの中で、自分一人が動いたところで何になる、と自己の無力感を皆が感じていた。しかし、もうそんな事を言っている場合ではないことを多くの人が実感している。 地球・人類の命運がかかっている、皆の子供たちの未来がかかっている。 09年は人間の内面進化の時代の始まりだ。 資本主義・自由主義の悪い面ばかりが表面に出てしまった現在、利益第一主義、自分だけ儲ければのエゴ・利己主義の行き過ぎが現在の状況を造り上げてしまった。すべてのものとの共生、調和が必要だ。 150億年の宇宙システムの歴史に比べれば、今の人間が創り上げた経済システムなどちっぽけな存在だ。 45億年の地球の歴史からみても塵のように小さなシステムに過ぎない。 我々人間が変えられない理由は存在しない。 量子物理学からみても人間の意志の力は偉大であることが述べられる時代になった。物事の生成に人間の意志力が大きく関与できそうである。 深いところで気がついた人間がそれぞれの分野で本気で取り組んでいくしかない。 ワインの世界も大きく動いている 私が関わっているワインの分野も大きく動いている。 フランスいや欧州では今AOCが大きく変わろうとしている。良き方向に進化してほしい。ワインの本質的要素を守るべき本来の方向に動いてほしい。 これがなくてはワインではないという本質的要素をほとんど備えていないワインが氾濫してしまっている。 外観と味覚だけは整えて、土台を手抜きしてる偽ワイン、化粧ワインが多すぎる。外観や味覚は氷山の一角だ。本当に大切な部分は水面下に沈んでいる80%の土台の部分だ。土台がメチャクチャな手抜きワインがいかに多いことか。水面下の土台の部分が確りしたワインが本物だ!つまり我々の云う自然派ワインだ。 自然派ワインの概念も今は独り歩きして単なるビオワインと勘違いされている。本物ワインを他のワインと区別するシステムが存在していない。 ワイン教育機関も何十年も前に書かれた書物やワイン法を教科書に化石のようなワイン知識を教えている。 現実のワイン界はドンドン進化している。いろんな新しいものが泉のごとく湧き出ている。 世に出ているワイン知識の老朽化は深刻な問題だ。まるで流れのない貯水池の澱んだ水のようなワイン知識をコンコンと湧き出る生きた水“有源の井水”のような知識に変えていかなければならない。 AOCの現状、グラン・クリュの現状、売ることばかりを考えたマーケティングワインの増加、現実を直視するだけでも多くの知識を得られるはずだ。 葡萄栽培、ワインの造りも様々なやり方や知識が湧き出ている。 現状のワイン常識では本当に良いものと、悪いものとの区別判断ができないシステムとなっている。 これは地球の為にも、消費する人間にとっても実に大切なことである。 ワインの本質的要素を備えた正しいワインを、悪玉ワインとごちゃ混ぜにせざるを得ないようなシステムは変えなければならない。 人の生き方と同じで、本当に良いものと悪いものの区別判断ができなくなって来ている。正しいものを正しいと言えない世の中なんて、断固として変革させていかなければならない。 本物ワインは天、地、人のシンフォニーだ 世に存在するすべてのものは、お互いに関わって調和がとれている。 醸造家は土壌に住む微生物とも共生しながらワイン造りをしている。ワイン販売者も仕入先とお客さんとの間で共生しながらやり繰りしている。醸造元が仕事を楽にするため除草剤や殺虫剤を大量に捲けば土壌にすむ微生物が死んでしまい、自生酵母が育たなくなってワインができなくなってしまう。 ワイン販売者も自分の利益ばかりを第一に考えて仕入先をいじめたり、お客さんに高く売りつけていてはいつかは破たんがくる。 醸造家から飲み手までそれぞれがお互いに関わって調和がとれて一つのシンフォニーができあがる。このシンフォニーがワインの世界だ。 クラブ・パッション・ド・ヴァンは醸造家、発掘者、輸入者、酒販店、レストラン、消費者のそれぞれが出す素晴らしい個性溢れる音をより調和がとれるようにそれぞれの情報・知識を流し、すべての音がまとまった素晴らしいシンフォニーとなるように2009年より新たな活動を開始していきたい。 1−小売業、レストランに携わる人達を対象にしたワインツアーを企画。 2−本物ワインを造る醸造家を日本に招き、小売業やレストランとの接点の機会をより増やしたい。 3−本物ワイン販売を積極的に取り組んでいる小売業、レストランへのより積極的援助の実行。 4−一般愛好家への本物ワインに関する正しい知識・情報の提供。 5−本物ワインの試飲会の企画。 今までとは違った切り口で取り組んでいきたい。 本物ワインには宇宙、地球のメッセージが詰まっている 今現実にフランス・欧州で起きている現場の動きを伝えながら“有源の井水”のよな生きたワイン情報を提供することによって、正しいことを正しいと云える健全なワイン業界の形成に微力ながら寄与でいればと願っています。 佳き人が造る佳きワインを、佳き人たちの手によって、佳き飲み手まで送り届けるシステムを造りたい。佳き人とは、人間として大切な部分を守りながら、エゴに走ることなく、すべてのものが関わりあって調和された世界を考えることができる人である。“利は義の和なり”を実践できる人である。 本物ワインには、天、地、人のメッセージが詰まっている。 本物ワインを通して、天、宇宙、地球の叫びを聞いてもらいたい。 佳き人たちのメッセージも感じてもらいたい。 ワインで世を変えることができる。 私は確信しています。 燃やせ!!PASSION!!燃えろ!!PASSION!! 伊藤與志男