26
Nov

AUX AMIS 丸山チーム来仏レポート第二弾! VALETTE編

“ミネラル”のチャンピオン・PHILIPPE VALETTEへAUXAMISが訪問 プイィ・フィッセの急斜面の畑にて   オザミメンバー憧れのフィリップ・ヴァレット・プイィ・フィッセの畑 昨夜、ボジョレのフルーリー村に泊まった。ロマネッシュ・トラン村を通って国道6号線をマコン方面に北上した。9人乗りの小型バスを運転しているHIROTOと途中で離れてしまった。アッと思っているとしっかりヴァレットの蔵までたどり着いていた。収穫を終わったばかりのヴァレットは気持ちよく我々を迎えてくれた。 各オザミ店で大評判のヴァレットだ。各メンバーもヴァレットの高品質と価格のバランスには驚いていた。何としてもこのヴァレットを訪問したかったメンバーだった。   10年ぶりの再会 HIROTO とPHILIPPE 10年前、ラングドック地方のカルカッソンヌ城の町で会って以来だ。その時はスローフード協会主催の試飲会がワイン屋で開催されていた時だった。フィリップもブルゴーニュ代表として参加していた。HIROTOはフィリップと腕相撲をして遊んでいたのを覚えている。意外にもHIROTOが全勝していた。   白ワイン専門のスペシャリスト 92年より自然栽培をしている。ビオ機関にも登録している。 フィリップはワイン造りの大切なことの95%はブドウ園での仕事だと考えている。土壌中の微生物を生かすことが最も大切なことだと言い切る。ヴァレットのワインは実にパワフルでミネラル感にあふれている。すべてはこのフカフカに耕された畑で作られる。 特にここ3年ほど前から酸とミネラルのバランス具合が上品になってきた。ヴァレットのシャルドネはピューリニー・モンラッシェとミュルソの中間的なバランスだ。本当にミネラリで潮っぽく、パワフルで美味しい白ワインだ。白ワインに一点集中している。   フィリップとバティストの兄弟効果が全面に! <白ワイン醸造に集中するヴァレットにとって大切な樽。 すべてのワインは樽発酵・樽熟成する。1年間の樽熟成のあと一年間のコンクリート漕熟成、この2年間の熟成の後、瓶詰される。 パワフルから上品に進化しつつあるヴァレット! 数年前より弟のバティストがドメーヌに加わりさらに畑仕事が充実してきた。パワフルなイメージのヴァレットの白ワインに酸と上品さが加わってきた。ビオ栽培も20年の歳月が過ぎて、やるべきタイミングでやるべき作業をキッチリやることで根っこがしっかりと石灰岩盤に入り込んで来たのだろう。   ヴァレットのワインを大好きなオザミチーム、フィリップの 一言一句をノートにとって記録している。 このワインに対する姿勢がオザミのあの雰囲気を作り上げている。つまりオザミ店に入ったら自然とワインを飲む雰囲気が流れている。   いろんな質問を畳みかけるHIROTO。 質問に真剣に答えるフィリップ。   畑と醸造所見学のあとはテイスティングだ。 ちょっと寒いけど、プイィ・フィッセの畑が見える庭にて試飲開始。一挙にヴァレットのワインを試飲できる機会は貴重な体験になる。特にまだ日本に輸入されていないワインも多い。   テイスティングの一部 MACON-VILLAGE マコン・ヴィラージ2011 この価格にして、この品質は凄い。潮っぽいミネラル感がすばらしい。 シャルドネの果実の旨味がミネラルと酸のバランスでひきたっている。 ヴァレット独特の真っ直ぐなシャルドネ。   MACON –CHAINTRE VV マコン・シャントレ・ヴィエイユ・ヴィニュ 2010 この醸造元がある村シャントレの急斜面にある畑。標高300M,石灰質岩版の土壌。 10年という一年多く熟成しているので、すべてが柔らかく感じられる。芯はミネラル感が ピシっとしめていてくれる。この柔らかさを備えた潮っぽさはお寿司や刺身に合うだろう。   VIRE-CLESSE 2010 ヴィレ・クレッセ このシャントレ村から約30キロ離れたところに畑がある。やく12年前に買い取った。 50歳のシャルドネ、粘土石灰質土壌、地下の深いところは石灰岩盤だが、地表には柔らかい […]

3
Nov

ピノ・ノワールとブルゴーニュ・テロワールにすべてを賭けるPHILIPPE PACALETフィリップ・パカレ

ブルゴーニュ・テロワールの真髄への道 2012年はフィリップにとって22年目のブルゴーニュでの収穫となった。プリューレ・ロック時代は、現ロマネ・コンチのオーナーのアンリー・フレデリック・ロックに乞われて10年間、プリューレ・ロック醸造所のブルゴーニュきっての名醸畑を栽培・醸造を手掛けてきた。その姿は正にブルゴーニュ土壌に魅せられた研究者としてのフィリップ・パカレだった。 若き頃、物理学を勉強していたフィリップをジュル・ショヴェ博士に紹介したのはマルセル・ラピエールだった。以後3年間、『自生酵母とワインにおけるその影響について』を ショヴェ博士と共同研究する幸運に恵まれた。 アンリー・フレデリック・ロックはその研究生としてのフィリップをみいだして、プリューレ・ロック醸造蔵のオノローグ・醸造長としてフィイリップ・パカレを誘った。当時、アンリー・フレデリック・ロックはまだお兄さんが生存していてロマネ・コンチの後継者になることは考えられなかった。だから、自分独自の蔵を立ち上げる必要性があった。新蔵を立ち上げるに当たって、アンリ・フレデリックは本物のブルゴーニュ・ワインを造りたかった。当時すでにマルセル・ラピエールの自然派ワインが教養あるプロの間では話題になっていた。マルセル・ラピエールからフィリップを紹介された。91年から10年間プリューレ・ロック醸造元の基盤を造り上げた。その間に、アンリ・フレデリックはロマネ・コンチの後継者になるという変化が生じた。2001年、フィリップは独立を決意。 ピノ・ノワールとは?ブルゴーニュの土壌とは?大冒険が続く! フィリップは、ジュル・ショヴェ博士と共同研究した理論を、プリューレ・ロックでのブルゴーニュの有数の名醸畑で10年間に渡って栽培・醸造する実践・実験するという幸運に恵まれた。さらに、突き詰めて自由にピノ・ノワールとブルゴーニュ・テロワール(土壌)の関係を追及し究めたかった。 冷静にものごとを判断して実証していく研究者としてのフィリップの大冒険が待っていた。 フィリップは畑を持っていないことを喜んだ。一つのドメーヌが所有する畑では研究対象が限定されてしまう。未知のブルゴーニュの畑を自由にやってみたかった。 ワイン造りでフィリップが最も重要視しているのは、葡萄木の素性だ。“Bon plant”ボン・プランである事が必要条件だ。フィリップは云う『クローンのピノ・ノワールではどんな有名畑の土壌でもダメなんだ。』動物の血統証のような存在なのだろう。セレクション・マサル方式で植えかえられてきた本物のピノ・ノワール木が必要なのだ。フィリップはテロワール・ワインを次のよう公式化している。あくまで葡萄・品種は分母に位置している。              土壌 × 気候 × 人間  テロワール・ワイン = ――――――――――――――                          葡萄・品種 フィリップは、ブルゴーニュのまだ醸造したことがない畑、村、区画で、Bon Plantボン・プランのピノ品種と土壌の関係を試したかった。 Bon plantボン・プランとはセレクション・マサル方式で植えかえられてきた本物ピノ・ノワールのこと。マサル方式のピノ・ノワールは小粒の葡萄で生産量が少なく病気に対する抵抗性が強く、寿命が長い。 ブルゴーニュの多くの名醸畑は、残念ながらクローン方式のピノ・ノワールが多い。近年、経済的理由から用いられている。苗木クローンは葡萄が大粒で、生産量が多いからである。しかし病気への抵抗力が弱く、寿命が短い。最近では30年が寿命のビノ・ノワールが多い。 2012年は独立して12回目の収穫となる。 今日、9月28日はニュイ・サン・ジョルジュ畑の収穫だった。フィリップの大冒険を実現するには葡萄栽培家との円満で濃密な関係が必要だ。ブルゴーニュには葡萄栽培しかやらない栽培専門農家がいる。醸造は一切やらない。すべての労働時間を畑に費やすことができる。 普通、醸造元は自分の畑を所有して、栽培・収穫、醸造、熟成、瓶詰、を独自でやっている。しかも、販売管理も自分でやっているので、営業に使う時間も莫大だ。当然、畑に出る時間は少なくなる。 今年の様な、湿気が多く病気が大発生した難しい年は葡萄木の状態、土壌の湿気、天気予報を見ながらジャスト・ピン・ポイントで対応しなければならなかった。2012年は、やるべき畑仕事が1日遅れただけでベト病が大発生して大被害に繋がる年だった。畑を借りているフィリップは所有者(農業専門家)との契約で畑仕事を指定できるシステムになっている。やるべき日時にやるべき農作業ができたニュイ・サンジョルジュ畑は、難しかった12年も素晴らしい葡萄が収穫できた。 フランス社会の変化がブルゴーニュ・ワインへも影響を与えている。 フィリップの大冒険は続く。9月29日はポマール畑の収穫。ポマール畑の所有者は農家ではない。だから栽培も自分達で管理しなければならない。今、フランス社会は人件費と社会保障費の高騰、労働時間が週35時間となってから、職人業、飲食業、農業関連の企業が行き詰っている。 月曜日から金曜の午前中まで、つまりほぼ週3日制。しかもアルバイト雇用が許されていない。すべて正式な労働契約をしなければならない。(勿論、収穫期など農繁期は短期季節労働者の雇用を許されている。)零細農企業では、人は雇えないし、やるべき仕事ができない。 そこで、今ブルゴーニュでは新型の農作業専門会社が出現している。例えば、散布専門業者、耕作専門業者、など農作業の一部を請負う会社である。 中にはいい加減な会社も存在するが、農作業のプロ中のプロを集めた会社がある。フィリップも何社か試して、やっと良いプロ会社を見つけた。大きな利点は、耕作の日時、やり方をすべて指定できることだ。勿論、フィリップの右腕のジョワンが立ち会い一緒に農作業をする。 フィリップは、農作業員の雇用で近年悩んでいた。それほどフランス社会のシステムが、職人や芸術的要素がある業種を圧迫している。 佳きフランス文化を消滅しかねない問題までになっている。 ここポマールの畑は、今年からそのプロ集団に任せたお陰で、この難しい12年も小粒でフェノリック熟度の高いピノ・ノワールを収穫することができた。 ピノ、ブルゴーニュの真髄を究める大冒険は続く プリューレ・ロック時代は人の問題とか会社経営の問題などの心配する必要がなかった。ただ純粋に栽培・醸造のことに熱中していればよかった。 ブルゴーニュという土壌性を理解するには、ここに住み、生活する人達の文化そのものに触れずには不可能だ。特に、世界中から人とお金と名声が集中して人間のあらゆる感情が渦巻いている土壌だ。これらを抜きにしてブルゴーニュの真髄は理解できないだろ。 色んな問題を解決しながら人間的にも深みが出てきたフィリップ。人間が変わればワインも変わる。最近、ますます深みが出てきた。 フィリップにとって22回目のブルゴーニュの冒険 フィリップには心強い右腕のジャワンがいる。収穫時期の葡萄園における鬼軍曹。 収穫の仕事は体力的には非常にキツイ仕事だ。だから、疲れてくると注意力がなくなってくる瞬間がある。無意識に傷んだ葡萄を収穫してしまう。そんな時、この鬼軍曹がやって来て、一喝!気合を入れる。 収穫は9月24日から約1週間続いた。オー・コート・ニュイ地区にある民宿所を借り切って約30人が寝泊りの合宿生活をする。勿論、専門の料理シェフも雇っている。今年は、イタリア、コロンビア、スペイン、オランダ、アメリカなど国際色豊かな収穫メンバーだった。 晴天日の昼は葡萄園で昼食をとる事が多い。移動時間が短縮できる。 フィリップの冒険は家族ぐるみ フィリップのお母さんも昼食の手伝いにやって来ていた。 フィリップのお母さんはマルセル・ラピエールの妹さんだ。 フィリップは醸造元設立の初期の頃は醸造所、熟成庫もすべてヤドカリで行った。この状態で、繊細なピノ・ノワール醸造は難しかった。思い切って投資してボーヌ駅付近に元ネゴシアンの理想的な建物を購入。土日も顧みず、あまりにもの冒険・仕事への集中が過ぎて家族に迷惑をかけた時期があった。今は、家族と共に歩んでいる。長女も奥さんも収穫に参加して時を共有している。 フィリップにとって発酵槽はフラスコのようなもの、一年に一回しかできない醸造が開始 満足のいく健全な葡萄は偶然には得られない! 次々と各畑から収穫された葡萄が運びこまれてくる。フィリップは葡萄園と醸造所を行き来しながら陣頭指揮をとっている。フィリップは到着した葡萄をみて満足している。 『2012年は難しい年だが、良く観察してやることをキッチやれば問題ない年だった。冬にあまり雨が降らなかったので、土壌の地下水が乾燥していた。春、夏と天気は曇り空が多かったが、実際のところは、あまり雨は降っていなかった。空気中の湿気で病気が大発生した。雨が降る直前に畑への対処をきっちりやっておけば病気もそれ程広がらなかった。雨が降ると1週間も畑に入れなく、畑仕事がドンドン遅れて結果的に病気が大発生した。12年は天気予報を見ながらの指揮で予断を許さなかった。だから今年、夏バカンスはとれなかった。収穫量の少ないのは冬と春先の大寒波によるもの。受け入れるのみ。』 人間は横にいて、発酵しやすいように導き手助けするだけ。 勿論、発酵槽への葡萄の搬入はポンプを使わず人力で上から重力で落し入れる。この葡萄にはそれぞれの畑の自生酵母が付着している。今年の湿気、太陽熱など12年のインフォメーションを一杯満載している葡萄達だ。葡萄果汁、果肉にはポマールの元海底だったころの石灰質岩盤に含まれているミネラリーなインフォメーションもたっぷり含まれている。自然酵母が働き安い状況をつくりだす。『自然酵母が発酵する事で、畑独自の香りや味や感動の情報を活力増強してワインに現れる。』 それらの独自なインフォメーションをワインという液体の中にポマールのテロワールとして写しだす事が出来るのは、ポマールで育った自生酵母達なのだ。ジュルショーヴェ博士との共同研究で判明した約30種類の酵母が、今、グツグツと泡を出しながらトランスフォーメンションの仕事をしている。彼らのお陰で12年の宇宙からの光エネルギーやメッセージ、何億年前の土壌ミネラルからのメッセージをワインの中に写し出される。我々人間に喜びと勇気をもたらしてくれるために! 『畑独自の香りや味や感動の情報が現れる発酵は、エネルギーそのもの! これは、動きの情報である。ワインは、振動の液体である。多くのエネルギー情報を我々に与えてくれる。また、細胞(DNA)を変動、変換させる力をも持っている』フィリップ・パカレ

25
Oct

黄金の丘:ロマネ・コンティ

一年の仕事が終わり静寂の冬眠に入る。その直前の眩しい輝き ロマネ・コンティの畑は今まさに黄金の丘だ。1週間前は26度ぐらいの暖かい日だったけど、今週から一挙に冷えて今朝は4度だった。一挙に葉が黄金色に輝きだした。これだけ気温が急激に下がると直ぐに葉が落ちてしまう。一瞬の楽しみだ。 ロマネ・コンティ 世界中のワイン好きが飲めないワイン。世界中のお金好きには愛されている。価格が異常に高いのは、畑に罪がない。取り巻く人間共どもの仕業。ヴォーヌ・ロマネのテロワールは特別だ。このミクロクリマ、土壌、ピノノワールが合わさるととてつもないワインになる。

6
Oct

RAYMOND DUPONT FAHN

RAYMOND DUPONT FAHNレーモン・デュポン・ファンのレーモンはボーヌのモンテリー村にあるドメーヌ・デュポン・ファンの4代目にあたる。現在はまだお父さんが健在の為、TAILLY村に独自の醸造元を立ち上げた。ムルソー、ピューリニ・モンラッシェなどを醸す。 15歳の時にお父さんよりシャルドネの畑をもらい試に造ったのが切っ掛けでワイン造りに熱中していった。良きと思った事はすぐ実行に移す猛進型。良き美味しいワインを追及していったら自然な造りにたどり着いた。この世代で白を造らせたら右に出る者はいない。 レーモンの2011年の収穫は8月後半の猛暑で葡萄の皮の一部が焦げたところがあった。その後の雨で一挙に水分を吸い取り、葡萄粒がパンパンになって焦げた皮の部分からジュースが漏れ出しそうだった。まだ腐った葡萄は皆無だった。8月29日に35人で一挙に収穫した。 2011年の白は完璧な状態で収穫ができた。葡萄の熟度はかなり進んでいた。そこに4日間の40度近い猛暑が続いた。ちょっと酸が少なくなるのではとレーモンは心配だった。そこに雨が降って、熟度と酸のバランスが最高の状態で収穫できた。樽発酵している。 レーモン・デュポン・ファンの10年産が瓶詰された。その試飲をやった。Aligoteはボリューム感の中にヴィーフな(キリッとした)酸がアリゴテらしい。Bourgogne Blanc Perieresは本人が過去最高と言い切っているだけあってミネラル、酸、ボリューム感最高のバランス。第1級だ!?実は本来1級の畑だったところ。 レーモンの10年産はすべて上品だ。09より瓶詰に機械をやめてすべて手摘みにした。しかもポンプを使わないで20倍の時間をかけて一本づつ手詰めをやった。 Puligny-Montrachet 1er Les Charmesは力強いのにエレガントに感じる。単なる“瓶詰”と馬鹿にしてはいけない。ワインが上品になるには多くの要素の積み重ねなんです。 Folatieresはもう絶品だ。ミネラルの旨味、力強さ、グラと云われる濃縮感、心地よい樽、マニフック・素晴らしいの一言。 こんなワインを飲むと元気がでるね。

5
Oct

ブルゴーニュの未開拓テロワールの発掘チャレンジャー“ヤン・ドリュー”

偉大なるブルゴーニュに超自然派若手が誕生!その名はヤン・ドリュ。HAUTES COTES DE NUITS オート・コート・ド・ニュイ地区に属している。ブルゴーニュで待ちに待った若きチャレンジャーだ。プリューレ・ロックで栽培を担当、自分の畑を持ち10年が初リリースだ。 ヤン・ドリューはブルゴーニュのまだ発見されていない名土壌発掘への挑戦に燃えている。他の地域では彼のような若きチャレンジャーを時々見かける。ヤン『ブルゴーニュの土壌は今評価されている区画以外にもまだ誰も挑戦してない土壌が埋まっている。その開発実践が私の人生だ。』と語る。 ロックで栽培を担当しているだけあって、自然栽培理論にはうるさい。古き先達の話を聞き、実践の中で自分が確認したこと融合させて独自の理論を持っている。9月中旬、皆が収穫を終えた時期にまだ収穫を始めていないヤンの畑。丁度この時期に熟成するように栽培している。 ヤンにとっては9月後半に収穫するように最初から自然調整が利いている。なんと剪定を開始したのが4月という遅さ。上に伸びるつるの先端を切る作業(rognierロニエ)を最後までやらない、など先輩達が知ってるけどリスクが伴うのでやってない事をヤンは実践しているだけ。 ヤンの葡萄を食べてみると決して超完熟していない。酸も残っている。マチュリテー・フェノリックと呼ばれるポリフェノールの熟度は高い。まさに真っ黒に色づいているピノノワールだ。酸が残っているということは糖度も強すぎることなくミネラル感もあるのだろう。 ヤン・ドリューのお爺さんは葡萄栽培、ワイン醸造をやっていた。お爺さんの影響を多く受けて育った。お爺さんがやっていたことは正に自然派ワイン造りだった。ヤンのワインに賭ける情熱を評価して村の年輩者から『俺の葡萄園でワインを造ってくれ』と頼まれている。村一番の樹齢古く、ミクロクリマと土壌条件がよい畑だ。ヤンの情熱が村の年輩者に通じたのだろう。 ヤンの初リリース10年が樽の中でまだ熟成している。シャルドネ、アリゴテ・ムスカッテという2種類の白ワイン、ミネラリーで真っ直ぐなワインだ。、最初の赤はまだやや硬かったが、ヴィリエール・ラ・ファイエ村の畑のピノ・ノワールは抜群に潮っぽくミネラルと昆布だしのような旨味。 ヤンのヴィリエール・ラ・ファイエ村のピノ・ノワールは驚くべき美味しさだ。ミネラル中心の果実味、エレガントでグイグイいける心地よい軽めのワイン。そして古木VVは2樽しかないけどニュイ・サンジョルジュを思わせる構成のしっかりしたザ・ブルゴーニュタイプのテロワールワインがある。 ブルゴーニュの大型新人ヤンは多くの自然派の作り手に愛されている。ロックでパカレのあと醸造を担当していたニコラ・テスタやブルイのジャンクロード・ラパリュ、マコンのジュリアン・ギヨなどと深く付き合っている。久々に出現したバガンデーの大型新人を応援したい。

15
Août

ブルゴーニュの大物自然派生産者にも引けを取らない新星登場!!!

ブルゴーニュの大物自然派生産者にも引けを取らない新星登場!!! DOMAINE PICATIER ドメーヌ・ピカティエ レ・クラパスでのお祭りの翌日は、ローヌ・アルプ地方、ロワール県(42)、サン・タオン・ル・ヴュ[Saint Haon Le Vieux (42370)]のドメーヌ・デュ・ピカティエ(Domaine du Picatier)を初訪問。クリストフとジェラルディーヌが温かく迎えてくれた。ドメーヌ自体は何年もの間生産者が替わりながらも存在してきたが、2007年に2人が買い取ったドメーヌである。ドメーヌを取り巻く自然環境、生活環境に大いに魅了され、彼らが自らのドメーヌを立ち上げることを決心してから場所選びに2年の歳月を費やした末にようやくこの地を選んだのであった。もともとクレルモン・フェランで景観整備の勉強をしていた2人がワインの道に入ったのは、ジェラルディーヌの仕事がきっかけで1999年にブルゴーニュへ引越したことに始まる。クリストフはコート・シャロネーズのビュクシー(Buxy)協同組合にブドウを売るブドウ農家の下で働いている間にワイン造りに興味を持ち始めた。ボーヌの学校で醸造を学びながら、7年間ポマールのドメーヌ・ラエ(Domaine Lahaye)で畑作業、醸造、瓶詰めまで全て行っていた。ある日、丁寧な畑仕事、天然酵母の賜物である率直、ピュアで自然なワインを親友に飲ませてもらって以来、徐々に自然なワイン造りに対する情熱がわいてきた。ドミニク・ドゥランとの出会いも決定的だった。ドミニクからビオディナミ栽培について多くのことを教わった。そして、自分達のワインを造って新しい人生を楽しみたい!と言う思いが強くなっていったのだった。「ワインへのパッションが私達の血を巡るようになり、自分達のワイン造りをして新しい人生を踏み出したいという欲求に抗うことができなくなったんだよ!(La Passion du vin se répand dans nos veines et difficile de résister à l’envie de s’installer ensemble et de commencer une nouvelle vie!)」というクリストフの言葉が印象的である。 ドメーヌの概要 ローヌ・アルプ地方、ロワール県[Loire(42)]のオーベルニュ地方、ブルゴーニュ地方との境界にドメーヌは位置している。南はサン・ジョゼフとコンドリウの畑、西はコート・デュ・フォレズの畑、東にはボージョレの畑、そして北にはコート・ロアネーズの畑に囲まれている。標高は400m。栽培面積は2007年当初は、7ha(ガメイ 5 ha + シャルドネ 1 ha + ピノ・ノワール 1 ha)だったが、2009年には、新たに3品種(ヴィオニエ 0.60 ha + ルサンヌ 0.30 ha + アリゴテ […]

24
Mar

Arnaud Combier *アルノー・コンビエ - 最高にピュアでミネラルな白ワイン!

今回は、ブルゴーニュ地方で白ワインを生産している、アルノー・コンビエ氏を訪問して来ました! 山の中にポツンとある瓦礫の家。ここが彼のスウィート・ホームです! しかし立派な『シャトー』のような家! 今ちょうどリニューアルをしている最中! ピエールクロという村に、家族4人暮らしをしているアルノー。 眺めも抜群、そして自然度100%! 家の前には、小さな川も流れていて、とにかく空気がピュアで気持ちいい! マイナスイオンがどんどん体に吸収されていきます。 彼からの提案で、今年の夏は、ここでプチ・バカンスを楽しみたいと思います! アルノーはブルゴーニュ地方にあるプイイ・フィッセの南、St Véran*サン・ヴェランで栽培をしています。 彼の祖祖父から始まったこの家庭ワイナリーは、アルノーの父の世代で一時的終了・・・何故かと言うと、アルノーの父がワインの世界に興味が無かったため、他人に畑を貸してしまったからなのです! アルノーに物心が付いたときには、ブドウ畑はもう他人のもの・・・仕方なく、彼はフィリップ・ヴァレット氏など、偉大な生産者の下でワイン造りに関する知識をマスターしました。 そして1999年に嬉しいニュースが!何と祖祖父の宝だったあの畑を、再び自分の手に入れるチャンスが!当時アルノーはまだ25歳。しかしワインに対する思いは人一番強く、彼はドメーヌを引き取り、全面積をビオ栽培に転向し、なるべくナチュラルなワイン造りを開始したのです! そして今になっては、これほどピュアで、繊細でミネラル感豊富なワインは非常に少ない!とワイン愛好家が語るほど、ビッグなワイン造り手に変身! そんなアルノーの醸造所は・・・今ちょうどリニューアル中。 去年まではこの醸造所がまだ出来上がっていなく、他人のカーブを借りながらワインを造っていました。そして2010年からは、この新たな場所でワイン造りを! 写真は無いのですが、その代わり、熟成しているカーブをご覧下さい。 ここも、去年綺麗に創り上げ、今では2010年の白ワインが眠っています・・・ まだ発酵中のワイン・・・ アルノーは、そんな自分の『赤ちゃん』をなるべく邪魔しないように、そっと、ゆっくりと、しかも短時間しかこの不思議な場所には居ないそうです。 しかし湿気が凄い! 壁には雫が沢山! どう説明していいか分かりませんが、何か異常なパワーを感じます。 もちろん、ワンちゃんも出入り禁止! そんなアルノーのワインは、アロマがとても華やか。口当たりもまろやかで飲みやすく、後味が永遠と続く、濃厚でエレガントなワインです! Les Mandeliers*レ・マンドゥリエ2009 1.5Haに植えてある、若いブドウ木から収穫されたブドウは、フレッシュ感と甘みがタップリ! 一言で言うと、『ピュア』!! 柑橘類とミネラル感のバランスがとても良く、スイスイ飲めてしまいます! 白ワインが苦手な人には是非お勧め! 軽くてエレガントなワインです! La Barnaudière*ラ・バルノディエール2007 先ほどのワインに比べ、よりまろやか感が味わえます。 そして樹齢50年以上の木から生るブドウは、ミネラル感タップリ。 ハチミツのようなトローっとした甘さと、ピーチや梨のフレッシュな香りが凄い! 同じシャルドネなのに、テロワールが違うだけでこんなにもの違いが(上のテロワールは泥土質、こっちは粘土石灰質)!とにかく優しい味です! Pouilly Fuissé*プイイ・フィッセ これは美味しい!とても爽やかで柑橘類やお花のアロマが混ざり、とても複雑な香り。とにかく花畑!という感覚が強いです!そして綺麗な酸味と、やはりハチミツのような甘さが口の中で長く残る一押しワインです! 2008年ビンテージ:ブリオッシュやトーストの香ばしさが、このキュベの複雑感を引き出しています。やはりミネラルが強く、真っ直ぐな美味しさ。最後には、ちょっとした渋みと、洋ナシのアロマが印象的。 2009年ビンテージ:は雹が畑を荒らしてしまったので、生産無しです・・・ 2010年ビンテージ:香りが一瞬で広がり、とてもリッチなワイン。前ビンテージに比べ、よりパワフルでボリューム感があり、とにかくショッパイともいえるミネラル感が!このキュベだけが、今現在SO2無しでの醸造・熟成。初めてSO2無しでのワインの安定感を保てました!これも、長年の研究と、健全なブドウの使用の結果です! 彼のワインのように、アルノーはとても純粋で優しく、流れる時間を大切にする平和主義者。 私の一押しの生産者です。 彼曰く、『畑を取り囲む自然環境を守ることが大事。そうすると健全できれいなブドウが収穫出来る。となると、自然に良いワインが出来上がる。綺麗なブドウとは、収穫量を抑え、成熟のバランスがしっかりと取れているブドウだと僕は思うんだ。』 初ヴィンテージから早10年。 彼のワインは毎年レベル・アップしています。 これから数年後、彼は一体どんな新しいワインを造り、どんな偉大な醸造家へと変身しているんだろう・・・?! 期待溢れるアルノー。彼のワインを是非楽しんで下さい! Arnaud Combier *アルノー・コンビエのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: […]

29
Nov

秋のプイィ・フィッセ、ソリュトル

今はもう秋・誰もいない葡萄園・ソリュトル村、 プイィ・フィッセ村 11月の初旬、ボジョレに行った帰りにマコンからTGVにて パリまで移動する予定だ。マコンからパリまで1時間半という早さだ。醸造元での試飲が長引いて、予定のTGVに乗り遅れてしまった。マコンTGVの駅から10分でここプイィ・フィッセまで来れる。黄葉を見にやって来た。 実に美しい!ほんの1か月半前は収穫で賑わっていた葡萄園が今は人影も見えない静寂の世界が広がっている。 プイィ・フイッセ村 シャルドネの木々が今年の仕事を終えて休息のひと時を過ごしている。 樹液を根に戻し大地に囲まれて、来年の為に鋭気を 養う。

28
Juil

La Cadette * パリの一日訪問完全密着!

今日の朝、 ブルゴーニュの世界遺産がある Vézelay*ヴェズレーから ジャンと息子のヴァランタン・モンタネ氏達から電話が! 『今からパリに行くけど、お昼一緒にどう? しかも今日は息子がパリでの初仕事なんだよ!』 といつものハイテンションで楽しそうなジャン。 息子は今年ワイン学校卒業! 長年通っていたスイスの学校からはるばるとフランスに戻ってきました! 『息子が戻ってきたから僕はどうしよう? もうワイン造りは任せて他の仕事しよっかな~』 とジャン・・・! 取り合えず出来上がったばかりのムロン・ド・ブルゴーニュを試飲。 彼ながらの真っ直ぐでサッパリとした味わい。 ユリの香りが漂い、とても飲みやすくて喉越しが最高! まさにミネラル感タップリでスイスイと飲めてしまうワイン! さあ、12時も過ぎたし、ご飯へ行きましょう! 今日行ったレストランは、オープンしてまだ2ヶ月しか経っていないのにもう人気! それもそのはず、Verre Volé*ヴェール・ヴォレのカーブがある道、Oberkampf*オーベルカンフ通りにあり、 それもヴェール・ヴォレの略真正面! レストランはとてもチャーミングでシェフは何とChateaubriand*シャトーブリアンの元シェフ!もうすぐ子供が生まれるんだ~と幸せそう! そして驚くこともう一つ:何とバーにはあのルネ・モスの息子が! 『アペタイザーにお父さんのワイン飲もう!』と突っ込んだら『アッ・・・冷えてない・・・冷蔵庫入れてなかった・・・』とちょっと天然?! とそこに現れたのが・・・ 何と! L’Anglore*ラングロールのEric Pfifferling*エリック・ピファーリング! 息子が今年の9月からパリの大学に通うので、物件探しのためにパリまで来たのです! となったらみんなでランチ! ジャンと息子、エリックと息子、そしてパリで様々な試飲会を主催しているシルビーさんを招いて乾杯! リイェットや鴨のフォアグラ焼き、天然モッザレラチーズや、これよりトロトロしているブラタという白いチーズ! 赤や白ワイン、スパークリングも最後に飲み、合計5本のワインを昼から飲むという、なんて飲みっぷりの良い人たちなんだ! そして皆はお昼寝タイムのためホテルに戻り・・・私は・・・会社で一仕事! そして間もないうちに、ジャンの試飲会がスタート! これは最近開いたワイン屋さんで、 目の前には同じ名前のレストランが! そうです、ここはアメリカ出身の幼馴染が、 パリでワインバーを開こう!という夢を持ち、開いたお店! セレクションはもちろん自然派ばかり! どれもこれも美味しいワインでウキウキしてきます! 店には 体に良い ナチュラルな 食材が! ジャムやソーシッソン、チップスや調味料、夜は軽く食べれるらしいです! ここでヴァランタンの初仕事! 御客さんにワイン説明です! Les Saulniers 2009*レ・ソルニエ2009 丸みがありリッチ感タップリ! グイグイと飲めてしまうフレッシュ感と綺麗なバランスは、 やはり彼にしか出せないでしょう! 後味も長く、ミネラリティーが口でファ~っと広がります! […]

3
Mai

CPVフランス蔵元訪問ツアー 2010

CPVフランス蔵元訪問ツアー2009フォトギャラリー Hudelot ビオディナミ Dominique Derain ボジョレーJC Lapalu Romanee contiにて記念写真 Mazel 親子 自然派の父Marcel Lapierre でのランチ ローヌ自然派といえばDard et Ribo モルゴン Georges Descombesでの試飲 JP Senatにて日本から持参の信州牛を焼くオザミ丸山氏 ルーションの鬼才Foulards Rouge ルーションの帝王Gauby CPVフランス蔵元訪問ツアー2010参加者募集!!! ~今年もCPV弾丸ツアー開催です。自然派巨匠を巡る感動のツアーです。~ 昨年2009年は天候にも恵まれ、5日間の間にブルゴーニュからルーションまで自然派巨匠蔵元を 15軒訪問、2500キロを走破しました。

8
Avr

二人のBUDOの達人の遭遇

二人のBUDOの達人の遭遇・ブルゴ-ニュの1日 フィリップ・パカレ氏 (葡萄の達人)     藤原康弘氏(剣道の達人) 月のとある日、日本より藤原氏フランス行きの電話がはいった。藤原氏は剣道7段、8年前に剣道指導の為に1年間フランスに滞在したことがある。剣風といい人柄といい正に達人だ。フランスに多くの熱狂的なファンが多い。私もそのファンの1人でもある。おまけに藤原先生はワインが大好きだ。 偶然にも私がリヨンにいる時にリヨン近辺に滞在しているとのこと。私は直ぐフランスのワイン造りの達人フィリップ・パカレと遭遇できないか、と考えた。 分野が違うこの二人の達人には共通点があり、この遭遇はきっと何か良い気が創造されるだろ。 フィリップとはもう17年来の付き合いだ。一緒に日本にも4回ほど行った。彼の天才ぶりにはいつも驚かされている。日本語が解からないのに、人から質問されたことを通訳する前に答えてきたことが度々あったからだ。一つの事をあるレベルまで成し遂げている人の共通したヒラメキのようなものがある。藤原先生の剣道も一味違う。剣道は相手がいて、何故かわからないけど一緒にやっていて気持ちが良くなる剣風と、気分が悪くなる剣風の人がいる。別にこれは、打たれたとか、負けたとかいう勝ち負けの問題ではない。対人関係と同じようなもので、一緒にいて不愉快になる人、愉快になる人がいるのに似ているのかもしれない。 藤原先生とやると気分爽快になってしまう。自然派ワインのようだ。スーと元気になってしまう。 真っ直ぐで、明るくて、濁りがない 藤原先生の剣道は“真っ直ぐで、明るくて濁りがない”。これはフィリップ・パカレのワインと一緒じゃないか。 フィリップはいつも云っている。 『シンプルなのが一番だ。真っ直ぐなワインを造るのは難しい。最も美味しいくテロワ-ルを表現できるんだ。』 藤原先生も云う『剣道は真ん中を真っ直ぐいく面一本がベストです。』 ワイン造りも、剣道もゴチャゴチャ無駄なテクニックを使わずに、シンプルに徹することが一番のようだ。 言うは安し、である。勝ちたいとか、もうチョット濃縮させるとか、もうチョッとリスクを回避したい、色んな邪念が入り混じる中、それらを振り払ってシンプルさに徹する価値と困難さをこの2人は体験的に悟っているのではないか。最も大切なものだけを残して、あとのこだわりを捨てきる決断、この辺が共通のように思う。 フィリップの収穫に何度か立ち会ったことがある。チョットでも腐っている葡萄は躊躇なくすべて捨てさる。普通ならもったいない感覚や、経済的にももう少し量を増やしたければ多少腐っていても使ってしまう。これを躊躇なく捨て去る、この決断と実行に驚いた経験がある。だから、『邪念のない面』のようなワインになるのだろう。 藤原先生と剣道していて、私のような下手な者とやっていても、真剣に面を真っ直ぐにくる。私を打ち負かすことなど、簡単なことだけど、妙なテクニックは一切使わず兎に角真っ直ぐに面にくる。勝ち負けなど関係がない、だから時々出ばな小手を打たせてもらえるけど、撃った私の方が恥ずかしくなってしまうような気持ちになってしまう。勝ち負けをふっ切っているのだ。 ワイン販売の達人を目指せ! これは商売でも同じなのかもしれない。自分の儲けばかりこだわっていたら、最も大切なものを失ってしまう。前後左右、周りの人たち皆をハッピーにする商品、売り方がきっとあると思う。みんなが感動して、皆に喜んでもらえるような商売、生き方をしたいものだ。よく見極めて捨て去るものは躊躇なく捨てる。達人のように真っ直ぐに、最も大切なものに絞り切るシンプルさが必要だ。 商売には色んな邪念が渦巻いてる、楽に売れて、儲けの多いものを皆欲しがる。特にこの時期は兎に角安いものを欲しいとよく言われる。品質など2の次で少しでも安く儲けるもの、そんなことにこだわり過ぎていると、最後にはトンでもない品揃えのワインばかりになって、客の信頼を失ってしまうだろ。やはり本物ワインを真っ直ぐに濁りなく、クリヤに販売していかなければと思う。複雑な販売技術を使い過ぎず、本物をまっ直ぐに売れるようになりたい。販売技術も所詮はテクニック、剣道もワイン造りもテクニックを使い過ぎるところに邪念が入ってくる。真っすぐに真ん中をシンプルな技術で!難しけど達人を目指すには必要なことだ。ワイン販売の達人・・大切なものを見極めて・・あとは邪念を捨ててシンプルに。まだまだ修行が足りない!フィリップのワインは益々世界中の人たちから愛されている。藤原先生と一緒に剣道した人達は皆ファンになってしまう。活人剣だ。今日は色々勉強させて頂きました。感謝!! 今、ボーヌで最も人気上昇中のワインビストロ“TONTONS”トントン 住所:22、Rue du faubourg madeleine 21200 BEAUNE TEL :03-8024-1964 私はパカレ氏とボーヌでよく食事をすることが多い。マリアのREGAlADEか、和食のBISSOHもしくはこのTONTONSだ。 最近、このトントンが進化を続けている。店も改装して明るい雰囲気になった。そして何より自然派ワインの品揃の充実が素晴らしいものになってきた。地下のカーヴを整備してストック兼販売も出来るようになった。店内に入店して右側の壁はワイン棚になっており、そこでもワイン販売をしている。そこでワインを選んでテーブルに着くことも可能だ。 ペピータの料理は心・喜びがこもっている! 料理担当は奥さんのペピータだ。料理が好きで、好きでたまらない女性だ。『私は料理をする為に生れてきたの!』 本当に楽しそうに料理をしている。調理場が透明ガラスで仕切られているので、彼女の料理姿が見られるようになっている。本当に楽しそうだ。2010年の今年にミシェランの星が一つ付いてしまった。ペピータの料理の質の高さから云えば遅すぎるくらいだ。でもあまり有名になり過ぎて私たちが来れなくなってしまうのがチョット心配だ。 パカレの醸造所カーヴで2009年産を樽から試飲した後にこのトントンにやってきた。 2009年産は勿論まだ熟成中だ。ホントに凄い年になっていた。09のエシェゾーもシャンベルタン・クロ・ドベーズもマニフィックで繊細でミネラルの旨味が乗った出来上がりだ。シャブリもタップリのミネラルでまさにザ・シャブリのスタイル、ムルソーはパワフルなシャルドネの中にミネラル爽やかさが詰まった感じだ。カーヴでたっぷり食前酒を飲んでここに到着した。 料理はペピータがもう準備してくれていた。 まず、MINESTRONE DE LEGUMINEUSE AU FUME DE CORAIL D`OURSINSウニ風味の濃厚な有機野採スープ、 Coq du Louhanais au Vin Blanc et Verveine,Cocotte de Persil Racine […]

29
Sep

ブルゴーニュ世紀の年!09フィリップ・パカレ収穫完了

フィリップ  『2009年の収穫は夢の収穫だった!!葡萄が健全で殆ど選果する必要がなかった。』 選果が厳しくて有名なパカレがここまで云うほどの完璧な葡萄が収穫された。 収穫は9月12日から18日の6日間で終了した。 約50名を動員(35人が葡萄収穫、15人が運び人、醸造所要員)して一挙に短期間で終了。毎日が100%晴天の最高の条件下だった。 1947年の再来だ! パカレ自身もロック時代から現在までで“最高だ”と言い切る。 『ここまでの品質はブルゴ-ニュで云えば1947年まで遡らなければならないだろう。』と言い切る。 さらにフィリップは続ける『ジュル・ショーヴェ先生がよく47年のことを話していた、“47年はリンゴ酸”が少なかったので、半分くらいの醸造所は醸造に失敗してお酢になってしまった。”と云っていた。 当時は除草剤も化学肥料も無くすべて自然派のワインだった時代の話だ。09年の醸造は細心の注意を払って醸造する必要がある。』とフィリップは云う。 特にSO2を使用しない醸造は2倍、3倍の注意が必要なのだろう。 ピノ・ノワ-ルはすべてトロンコニック型の木樽に入って発酵中だ! ジョワンとニコラが日に2回のピジャ-ジとアエラッションに大忙しだ! 09はパカレのクロ・ド・ベ-ズが登場する!

8
Juin

ブルゴーニュ・ワイン街道を行く

5月30日(土)今日よりブルゴーニュからルシオンまで約2週間の旅だ。日本からもソムリエ、酒販店、レストラン経営者、酒類問屋さんなどの人達が今夜ボーヌに到着する。 15:38のTGV(新幹線)に乗ってディジョンまで行ってレンタカーを借りた。来週の月曜日、フランスは祭日で今日から3連休だ。 電車も結構混んでいた。ディジョンから国道74号線をボーヌに向けて走り出した。今日は快晴の天気だ。ヴォージョ村から畑の中の小さな道を走り出した。国道からクロ・ド・ヴージョのシャトーが緑の葡萄園の上にポッカリと浮かび上がっているのが見えたからだ。 急ぐ旅ではないクロ・ド・ヴージョからロマネコンティに抜ける農道を走ることにした。なんて美しいんだろう。つい最近、芽が出たばかりの葡萄園がもうあたり一面の緑の葉の海になっている。 その海にポッカリ浮かんだ巨船クロ・ド・ヴージョだ。潜水艦の望遠鏡のようなラトゥール。車を止めてしばらく時間をとった。マニフィック!素晴らしい。 クロドヴージョの裏道に向かった。夕方の6:00だと云うのに太陽が燦々と降りそそいでいる。 裏の農道をいくとロマネ・サン・ヴィヴァンの畑T字路地にぶつかった。左に行けばヴォーヌ・ロマネ村、右に行ってすぐ左に農道を曲がるとリッシュブールとエシェゾ。そしてロマネ・コンチの畑へと続く。ロマネ・コンチの畑にハンドルをとった。 ~ 09年5月30日のロマネ・コンチ ~ ロマネ・コンチの畑も新緑で美しい。既に開花が始まっていた。 太陽のエネルギーを吸収して葡萄木の生命力がぐんぐんフル回転しているのを感じる。、根っこが粘土石灰の土壌、そして、その下にある石灰岩盤のミネラルエネルギーを吸い上げて葡萄木の体全体に注入している、という感じだ。 グングン上に向かって伸びてくる枝の先端を切る作業をロニェと云う。ロニエをやったばかりで、切られた枝がよく耕された畑に落とされていた。 あと約100日前後で収穫の日がやってくる。 さて2009年は如何になるか?楽しみだ! 最も重要な3か月がスタートした。

3
Fév

ドゥニ・ジャンドー来日〜〜〜ミネラルの秘密

ブルゴーニュ地方マコネ地区の生産者、ドゥニ・ジャンドーさんが1月21日来日した。 ジャンドーは、ここ2-3年で急激に注目を浴びた生産者だ。 彼の“サン・ヴェラン”や“プイイ・フュイッセ”は、パリの3ッ星レストランを初めとして世界中のトップクラスのレストランにて楽しまれている。幾つか挙げると3ッ星だけでも「ピエール・ガニエール」、「ラストランス」、「アンバサダー」、「ジョルジュ・ブラン」、「ル・ブリクール」・・・などなど。他にもロンドンの3ッ星「ゴルドン・ラムゼイ」や名だたるニューヨークのレストランでも評判だ! どうしてこんなにも評判になったのだろうか?は後で述べるとして、来日イベントでも彼のワインは大人気だった! —————————————————————————– 京都伊勢丹さんでは従来から彼の“ヴィレ・クレッセ”を定番として販売いただいているのでご挨拶に伺った。価格も比較的手頃なこともあり好評なようだ! 売場のワインと同に 伊勢丹スタッフとのショット —————————————————————————– 東京では、表参道にあるパリで人気のビストロ“ル・プレ・ヴェール”で開催された「サロン・デ・ヴァン」に参加した。フランス全土より8件の自然派生産者が参加し、大いに盛り上がった。 ソムリエのアランさんと 来日生産者達とのスナップ —————————————————————————– また、CPVではインポーターのディオニーさんと共同で、ドゥニの来日に合わせ試飲会(東京)を開催した。試飲した来場者たちは、ジャンドーのピュアで純粋な味わいに皆感心していた。ドゥニは自分自身がワイン造りに参加し始めた2000年からビオディナミを実践している。同じマコンのフィリップ・ヴァレットとも一緒にワイン造りを研究する間柄だ。ドゥニはその土地の持っている特長を出来るだけ素直にワインを通して表現したいので、栽培はもちろん自然、醸造においては樽の風味が出過ぎないようステンレスタンクと樽を共用し、また樽の焼き加減は中程度にとどめている。また、高品質ワインを造るために彼がとても気を付けていることは、収穫のタイミングだ。収穫を始めて次の区画に移動するとき、もしその区画が完璧な状態で熟していなければ、彼は一週間でも平気で収穫を中断する。実際、2007年と2008年は一週間中断したそうだ。もうひとつ重要な点は、収穫したぶどうをそのままの健全な状態で醸造所まで運びプレスすることだ。そのため、収穫したらすぐ30Lの小型ケースに入れ、そのままの状態でプレス機まで持ってくる。移動中にもし果汁が染み出してしまえば、すぐ酸化が始まるし、果皮が破れてしまえばそこから雑菌が繁殖してしまう。ピュアな高品質ワインを造りだすにはとても重要なことだ。そして何といっても発酵は、ぶどうに自然に付着している野生酵母の自然な働きにて行なうことだ。彼は、シャブリの生産者にてワイン造りの経験をしているとき、野生酵母の重要性に気が付いたそうだ。 —————————————————————————– =各ワインのコメント= ヴィレ・クレッセ 2005&2007 栽培:樹齢=約40年、標高=250m、土壌=粘土質石灰 醸造:発酵からステンレスタンク50%、樽50%(全体の新樽使用比率10%) 澱引きせずそのまま1年細かい澱と共に熟成 生産量:6500本 2007:レモングラスやレモンの風味、蜂蜜の香り、味わいは酸がしっかりとしていてフレッシュで爽やか!甘く感じるニュアンスととてもよくバランス取れている。典型的な年でバランスよく超熟、特徴が良く表れた良い年 2005:レモンクリームの風味、厚みありがゆったりとした優雅な風味。よく熟した年 サン・ヴェラン 2007 栽培:樹齢=約35年 標高=250m 土壌=珪土混じりの粘土質石灰 醸造:樽100%、新樽使用比率15% 澱引きせずそのまま1年細かい澱と共に熟成 生産量:2500本 珪土の影響でより酸が強く、よりしまった味わい プイイ・フュイッセ“スクレ・ミネラル”2007 栽培:標高350m 土壌:ロッシュ・ド・ヴェルジッソンの石灰の多い土壌 醸造:樽100%、新樽使用比率20%+1〜3年樽    澱引きせずそのまま1年細かい澱と共に熟成 生産量:4000本 味わい:蒸した栗の香り、白い花や黄色果実の香り、ゆったりとした味わいをミネラルが支えている —————————————————————————– ジャンドーのワインはどれも素直でピュア!そして深い余韻、味わいがある。 実は、ドゥニのお父さんはワイン造りに興味がなく、2005年に所有していた畑を売ってしまったそうだ。当然ワイン造りを引き継ぐつもりでいたドゥニはとても大きなショックを受けた。悩んだ末、その年のうちに新たにいい畑を見つけて自分自身の会社を設立してしまったのだ。ジャンドーのワインが急激にその品質を上げ脚光を浴びた訳が分かった!そのときの苦渋の決断が、最高のワインを造ってやろうという気持ちにさせたのだった。 ドゥニのひとつひとつの仕事は地道なものだ。 冬〜初夏の期間は畑を耕す。それも馬を使ってだ! 重いトラクターを使うと土壌が押し固められ微生物が弱ってしまうから、土に負担を掛けない馬を使うそうだ。 収穫はすべて手摘み。摘んだぶどうは潰れないように丁寧に小型ケースに入れ運搬 彼の「プイイ・フュイッセ“スクレ・ミネラル”」の味わいの秘密(フランス語でスクレ)はまさに“ミネラル”! ヴェルジッソンの岩“ロッシュ・ド・ヴェルジッソン”から地中に続く石灰土壌が、彼のワインに深い味わいを与えている。 是非味わってみて下さい! お問合せ先 ディオニー株式会社  TEL. 075-622-0850                  サンバ

24
Oct

デュポン・ファン家4代目、レイモンのワインを試飲! − Raymond Dupont-Fahn

今日訪れたのは、コート・ドゥ・ボーヌで代々続くデュポン・ファン家の4代目にあたるレイモンさんの自宅です。まだ若いレイモンは、お父さんや祖父が畑で働く姿を見て育ち、自然とワインに魅力を感じるようになり、醸造家という道を選びました。 15歳の時、お父さん、ミッシェルさんからシャルドネの畑をもらい、試しに自分のワインを造ってみたレイモン。その経験が以外と楽しく、ディジョン大学でワイン醸造の資格を取得した後、お父さんに畑を借りて、やっと自分のワイン造りを始めます! レイモンは本当に優しくて気さくな人です。会った瞬間からフレンドリーで、何か充実感が伝わってきます。それもそう。やっと自分の家も建ち終わり(しかも全部彼一人で建てたから凄い!!)、奥さんのお腹の中には赤ちゃんもいて、今年も美味しいワインが出来上がり、幸せたっぷりなんですもん!!羨ましいです・・・! これが彼の家です。白とベージュに整っていて、モデル・ルームみたいな凄い素敵な部屋です。インテリアは全て奥さん任せ。とてもセンスが良く、可愛くて、日当たりも良く、私達も住みたくなってしまうような家です! レイモンのワインは、彼の穏やかな心が伝わってくるような、繊細で滑らかで優しい味がします。 ピュリニー・モンラッシェ « レ・シャルム » 07 * Puligny Montrachet « Les Charmes » 07 シャルドネ100%、樹齢20年、粘土石灰質の土壌で造られたこのワインはもう美味しすぎる!!酸味とアルコールのバランスが最高。桃やバニラの甘い香りが印象的です! ピュリニー・モンラッシェ ・プルミエ・クリュ« レ・フォラティエール » 07 *Puligny Montrachet 1er Cru « Les Folatières » 07 シャルドネ100%、粘土石灰質の土壌、樹齢15年 この畑はとても日当たりが良く、ブドウが熟成するのがとても早いのだそうです。口当たりも抜群!パワフルで真直ぐなワインだと思ったら、ピュアでフレッシュ感もあり、とてもミネラルなワインです。 ムルソー・レ・ティエ 07 * Meursault Les Tillets 07 シャルドネ100%、粘土石灰質の土壌、樹齢25-30年 このキュベはレイモンが大好きなキュベです。それもそのはず!口に含んだ瞬間、シャルドネのエレガントな繊細さが、ファーっと広がっていくからです!ミネラル感が強く、パワフルでフレッシュ!果実身が強く、レイモンの若さと野望がこの一杯から伝わってきます。 ムルソーの畑です。 ムルソー・レ・ヴィルイユ・ドゥス 07 * Meursault Les Vireuils Dessous 07 シャルドネ100%、粘土石灰質の土壌 レ・ティエの南に在る畑です。レイモンは30%しか新樽を使用しないので、樽の香りより白い花の香りの方がどのキュベにも強調されています。このムルソーは力強さと存在感があります。口の中に広がる柑橘類の味は絶品!彼の白ワインは是非皆さんにも試して貰いたいです! オークセイ・デュレス・ロゼ 07 * Auxey-Duresses Rosé 07 ピノ・ノワール100%、粘土石灰質の土壌 このロゼは絶品です。目をつぶって飲んだら白ワインのよう!色も薄くて、とても繊細!本当に『何このロゼ?!』と思うほどミネラルが感じられて美味しい!レイモンいわく、『これはシャルドネのように醸造されたピノ』なんです。ゆっくり優しくプレス機に掛ける為、ブドウの液体に殆ど赤い色が付かないのです。この様なワインは、 « ウイユ・ドゥ・ペルドリックス *Œil […]

23
Oct

やっぱり絶品!パカレ訪問!

やっと来ました、パカレ氏のカーブへ!! 自然派ワインが好きな人たちには欠かせない存在! その大きな体と優しい笑顔が印象的。 44歳の彼は、以前プリウレ・ロックやドメーヌ・サーブルなどでも醸造経験があり、 まさに誰もが尊敬する醸造家です。 ワインへの愛情が、出会った瞬間から伝わるようなミステリアスなオーラに包み込まれている人です。 ちょうど収穫も終わり、現在ワインを造っている真っ最中! パカレ氏も、2週間前は大忙しな時期だったけれども、今は少し落ち着いてホッとしていました。 醸造所に入った瞬間、醗酵中のブドウの匂いがしてきます。 とそこへ男性達が何かしています・・・ 何だろう?と近づいてみると、一部の発酵槽はピジャージュ、マセラッションも終了し、ヴァン・ドゥ・グット(フリーラン)を抜きとって残ったグラップ・アンティエール(除梗なしの房丸ごと)のブドウをプレス機に掛けている瞬間をキャッチ! 発酵大樽に入っているブドウをバケツいっぱいに移し、プレス機に流し込みます。 そしたら何と少し前までブドウだったのが、液体となって下から出てきます! これはまさに天然ブドウジュースです! 甘くて美味しいフルーツの香りがたっぷりです! そしてパカレのカーブへと進入。 人気絶好調だけあって、入り口には瓶詰めされたばかりのワインが大量に詰まれています。 そして何といっても熟成中の絶品ワインがずらり! パカレのワインは全てが繊細。 ミネラルも感じられ、なおかつ酸味もしっかりとあり、爽やかで味わい深いワインばっかりです。 特にジュヴレ・シャンベルタン*Gevrey-Chambertin 、ポマール・プルミエ・クリュ*Pommard 1er Cru 、ニュイ・サン・ジョルジュ07*Nuit-Saint-Georges 07 などはバトナージュもしているので、更にアロマティックに造り上げられています。バトナージュとは樽内ワインの澱をかき混ぜることです。バトナージュをするによってタンニンがまろやかになり、澱に含まれている香りや成分が、ワインにより感じられるようになります。 オザミワールドの菅野さんと土居さん ブルゴーニュ・ブラン*Bourgogne Blanc  を試飲中。 3年もかかってやっと手に入れたピノ・ブランの品種はとてもレアだそうです! フルーティで酸味もキッチリと感じられる、今後期待のワインです。 伊藤さんも声が出なくなるほどの美味しさ!思わず記念にパシャ! パカレ氏の説明を聞きながら懸命に試飲する菅野さん、土居さん、杉野さん。皆さんも絶品の味わいにビックリ。パカレ氏も皆さんに飲んで貰えて嬉しそうな表情です! 他にもたくさんのワインを試飲させて貰いました。 – オークセイ・デュレス 07 * Auxey-Duresses 07  (シャルドネ) エレガントで少々ドライな白ワイン – ポマール07 *Pommard 07 (ピノ) 酸味とタンニンがしっかりとしているワイン – シャンボール・ミュシニ・ヴィラージュ * Chambolle Musigny Villages    酸味がキリッとしているワイン […]

1
Oct

フィリップパカレ、収穫スタート!

 8月のある日、パカレ氏の秘書から一通のメールが届きました。「2008年の収穫は9月20日頃にスタートの予定です」  そう!実は私、6月にボーヌのレストランでパカレ氏にお会いする機会があり、名刺交換をしていたのでした。 その時に「もし時間の都合がつくようであれば、ぜひ参加を」と声をかけて頂いていたのです。  ・・まさか、覚えていただいていたとは!  パカレさんの収穫に参加できるなんて、こんな機会もう二度とないかもしれない。。 ・・というわけで、行ってきました!  出発前に周囲から「収穫って気軽に言うけど、大変な作業だよ。身体をちゃんと鍛えとかないと、腰痛になって帰ってくるよ」と言われ、笑って聞き流していたのですが、実際に畑に出てみて、その大変さがよく分かりました。  仕事柄、ワイン畑にはよく行くのですが(ワイン関係旅行の取り扱いの仕事をしています。)畑仕事が目的ではなかったため、造り手さんの苦労は話で聞くのみでした。 実際の労働はどんなものか・・   朝の畑。。 暗くて周囲が見えません。 そして寒い、寒い、寒い!!! 冷え性の私は手が氷のように冷たくかじかんでしまいました。  早朝は眠いのでは、ちゃんと起きられるかな?と心配していましたが、眠気より何より寒気でした。 恐らく気温5度以下です。。  ←葡萄を摘む列を指示するパカレ氏 (暗すぎて見えにくいですが、左側に赤いベストを着たパカレ氏が写っています) 各々がきちんと熟した葡萄を摘んでいるか厳しくチェックしています。  こんな暗い時間から・・ものすごい集中力です。プロってこういうことなのですね。 7時半にもなると周囲が明るくなってきます。   壮大な自然の中 健全な畑でパカレ氏のワインは造られています。  私達が一番初めに着いた畑はポマール。下記写真、数字札8番が立っているところが パカレ氏の畑です。       斜面は急で、普段運動をしていない私は初っ端の小1時間で、既に疲れてしまいました。うーん・・弱音を吐いてはいけません 笑   余談ですが、斜面が急=陽がよくあたるというわけで、いい土地である証拠です。     私が摘んだ葡萄よく見ると、少しピンクがかった、紫の葡萄があるのが見えるでしょうか?これらの葡萄は、後にパカレ氏によって却下されました。ピンク色の果実は積んではダメ、熟した美しい葡萄の実だけを使ってワインを造るというポリシーからです。  今夏は寒い日が多かったですし、葡萄をここまで育てるだけにしても、相当の苦労があるのではないかと察するのですが、その貴重な数少ない葡萄をさらに選定してしまうのです・・ なんだかもったいない気がしますが、この葡萄を選ぶ作業こそが、パカレ氏のワインの質を高めているのだと思います。       不適格とし、捨てられた葡萄→ 監督するパカレ氏   今回収穫に参加して、素人なりにも気がついたことは、葡萄が手摘みか機械で摘まれているのかという作業の一つをとっても、 « ワイン自体の健全さ » にものすごく差が出てしまうのではないか?!ということでした。なぜなら、私が今回摘んだ葡萄は、少なくとも私+監督者(2名)の目を通って、果実の状態がチェックされているわけですが、機械摘みの場合は、とにかくそこにある葡萄が一緒くたにされてしまうわけです。つまり腐敗していても、熟していなくても、ワインの構成果実になってしまうわけです。  ←あぁ、こんな果実が入ったワイン・・もし知っていたら、 のみたくないですよね。。  パカレ氏は自然な栽培で、健全に熟した葡萄のみを選別して仕込んでいるから、自然な醸造が可能になるんです。逆に、左記写真のような腐敗した葡萄でもワインに変えてしまうような造り手は、発酵の段階でSO2を添加して、タンク内を消毒、ニュートラルな状態にしてしまう。(いい葡萄を使用していないので、他に方法がないのですね。。) 要は、熟してなかったり、腐敗した葡萄を使っているドメーヌは、極端に言うと、薬を添加して、さらにその後に人口酵母で味調整していたりするところもあるわけですよね。この行程について、私も少しは理解していたつもりですが、実際に畑で腐敗した葡萄を見た時「これがワインに使われているところがあるのか・・」と思うと非常にショックでした。   「ねぇナオミ、ワインじゃわかりにくいから、別のたとえ話をしよう。もしね、ナオミがお家でサラダを作るとする。その時に、どういう野菜を用意する?新鮮で美味しい野菜を揃えるよね?腐って虫がつくような野菜を買ってくるかい?」同じく収穫に参加していたメンバーから言われた言葉です。考えさせられますね。  ・・と、話を元に戻します。  収穫ですが、朝7時に作業開始、9時半くらいに一度20分程度の休憩を挟み、ランチ(これも短くて40分弱です)、17時頃まで作業・・という流れでした。パカレ氏の畑は小区画で所々に分散しており、度々移動があったので、気分転換になりましたが、それにしても作業は想像を絶するものでした。腰痛、肩こりは予想していたのですが、指を切ったり・・これは想定していませんでした。今、私の手のひらに多数の傷がありますが、収穫に参加の証ですね。パカレ氏が「ナオミ、収穫に血はつきものだよ」と言って笑っていらっしゃいました。  皆さんの手元にワインが届くまで、本当にたくさんの人の手を介しています。そこには、努力と苦労、そして笑顔があることを、私はこれからずっと、きっと忘れないと思います。      1ケース25キロ程度の葡萄がぎっしり 休憩もさっとすませ・・とにかく働きます                                                                                              たくさんの笑顔  私が摘んだ葡萄はポマール、ジュブレ・シャンベルタン、シャルムシャンベルタン、シャンボール・ミュウズィニです。仕事の関係で、私は一足先に現場を後にしましたが、まだ収穫は続き、残る仲間達がペルナン・ベルジュレス、ニュイ・サン・ジョルジュほかの畑で作業を続けています。  これら果実がワインとなり、一般に出回るのは2010年。さぁ一体どんなワインが出来上がるのでしょう。今からとても楽しみです。皆さんもご期待あれ。

30
Sep

今、フランスは収穫の真っ盛り!

ブルゴーニュ編 フィリップ・パカレ収穫 ミネルヴォワ・カリニャンの収穫 収穫の指揮をとるパカレ 収穫初期の指導が大切だ! 発酵槽に入れる葡萄は完璧でなければならない。厳しい目が光る。 2008年はテロワールが全面に出る年だ!