7
Déc

Manifique Terroir, Clos des Oliviers Monopol          クロ・デ・オリヴィエ・モノポル

オザミ・デ・ヴァン・ツアーAux amis des vins Tour-No4 葡萄園の周りを石灰の石が積まれて壁Closクロができている。 フィロキセラ以前に農夫が開拓しながら積んだ石のClosだろう。 その外側はカシの木の森で囲まれている。 粘土石灰質土壌、すべてに保護された特別な場所。 この村は、ラングドック中で最も涼しいミクロ・クリマ微気象を備えている。 南フランスにいながら、酸をもたらす最高の条件が備わっている。 しかし、春先の冷害の危険性があることも今年わかった。     オリヴィエの持ち味は、瞬時に相手と会話が弾んでしまうところ。重鎮でも若手でもオールマイティーである。 こんな社交性を備えている人間を私は見たことがない。 即、相手の思っていることを聞き出してしまう超能力のようなものを持っている。 多くの自然派の重鎮に可愛がられ、聞き上手のオリヴィエは多くのことを聞き出して継承している。 古きを学びながら、全く違う世界を築きつつあるオリヴィエ・コーエン。 そんなオリヴィエが最高のミクロ・クリマの畑で醸すワイン達。         

7
Déc

Aux amis des Vin au Clos des Oliviers Monopol       クロ・デ・オリヴィエ・モノポルにて

オザミ・デ・ヴァン・ツアーAux amis des vins Tour-No3 オザミ・ツアー最終日を飾る訪問にふさわしい蔵だった。 ブルゴーニュ、ボジョレ、ローヌと銘醸ワイン地方を歴訪して最後にラングドック地方。     新たにラングドックが変わろうとしている。 若い世代が飛び立とうとしている。 古きを継承しつつも全く異質のワインが生まれようとしている。 これは、造る方だけでなく、ワインを販売する方も同じように変化している。          前世代は緑の眼鏡をかけているとすれば、今の世代はブルーの眼鏡をかけている。 同じものを見ても、同じものをテースティングしても同じようには決して映らない。 オザミの若い世代とオリヴィエには共通のブルーの世界が映っている。      これは感性と哲学的な世界、ワインを知っているか否かではない。 これは本当に大切なこと、ワインを扱うレストラン、小売の世界でも大切なこと。 “自然派ワインは嫌い、逆に自然派しか飲まない”なんていうのも緑色の眼鏡をかけた旧世界を引きずっている考え方。      だから、新旧の交流、対話、お互いの理解が新しいカタチを造りあげることができる。 そんな店、企業だけが新鮮さを保つことができる。造り手も同じこと。 さもなければ、品揃えも、メニューも、ワインのスタイルも化石のように固まってしまう。日々に新たに!大切です。

7
Déc

オザミ、Alexandre Bain アレクサンドル・バンとOlivier オリヴィエのワインを

オザミ・デ・ヴァン・ツアーAux amis des vins Tour-No2 2016、 2017年と二年連続と不作だったこの二人が意気投合! アレクサンドルとオリヴィエで、南の自然派仲間の葡萄を買って共同で仕込むことを決定。            Vin d’Alex et Olivier アレクサンドル・バンとオリヴィエ・コーエンは大切な共通点がある。 ワイン造り手の息子ではない。 Passionでワイン醸造所を設立。 借金をしてのマイナスからのスタート。 収穫は少なくなると継続するためのやり繰りが大変。 2年連続、収穫が激小。      こんなPassion溢れる二人が夏に出逢って意気投合しない訳がない。 今日ここにオザミ・メンバーが来て、この二人のワインを世界で初めて試飲する立場となった。 この試飲には色んなドラマが含まれている。 ワイン醸造・現場を知る旅に来たオザミ。死活を賭けたワインに立ち会う。 私の頭の中に色んなことが巡る。皆、きっといい方向に進むことになるだろう。そうしたい、そうする。         

7
Déc

天からの教示でビシっと心身がしまってきた          Olivier Cohenオリヴィエ・コーエン

オザミ・デ・ヴァン・ツアーAux amis des vins Tour-No1 自分の目の前に起きることは、すべて自分を鍛えてくれる試練、自分の深いところをより強くするためのチャンス。 昨年、今年と2年連続で収穫が50%と云う試練を与えられたオリヴィエ。 自分で醸造所を立ち上げて4年。 ゼロからスタートしたばかりのオリヴィエにとっては、諸々の返済もあり厳しい状況を突き付けられている。 頑張れ!!Olvierオリヴィエ!! あの笑顔を戻せ!! 今日は、東京、銀座近辺に12軒のレストラン・ビストロを開くAuxami des Vinsオザミ・デ・ヴァン・グループが、元気づけに訪問。 ワインとフランス文化をこよなく愛している丸山社長は、社員に、“今のフランス”を知っておいてもらいたく、毎年社員を連れて“食とワイン”の今を見分にやって来る。 料理担当とサーヴィス担当者を4人づつ自分をいれて9名でやって来る。 . 訪問先もフランスワイン蔵の新旧を混ぜ合わせて訪問する。まさに今を飲み、今を知る旅をする。 . その意味でも今、ラングドック地方で、最も勢いのある若手醸造家の一人オリヴィ・コーエンエを元気付けに訪問。 オザミ・メンバーの熱心さにオリヴィエも何かを感じる。       

7
Déc

年末年始のシャンパーニュはこれがお勧め!                    RUPPERT LEROYリュぺール・ルロワ

Paul Bertポール・ベール試飲会Paris-NO3      スポーツの先生をやっていたEmmanuel エマニュエル。スカットした性格。 何事にものめり込む性格でもあり、研究しだすとトコトンやってしまう。 醸造所も家もすべて自分で設計して、自分で建設してしまう程のマニア。 そんなエマニュエルがトコトン突っ込んだ栽培、醸造を手掛けたシャンパーニュです。 半端ではありません。 シャブリに限りなく近いシャンパーニュ。 石灰質、粘質土壌、石英石が多く、貝の化石が多いテロワール。 ピノ・ノワールのスパイシーさとスカットしたスタイルのシャンパーニュ。 今年の年末年始の祝いに、お勧め!!         

7
Déc

最も早くからビオ・ディナミ農法を導入蔵元、       Julien Guillot ジュリアン・ギヨ

Paul Bertポール・ベール試飲会Paris-NO2 同じくブルゴーニュからMACONマコンのJulien Guillotジュリアン・ギヨが参加。 910年まで遡ってクルニー修道院から続くテロワールを再生させているジュリアンがいた。 歴史的に一切の化学物質が一度も入ったことがない由緒ある葡萄園。 石灰質土壌からくるミネラルタップリの美味しいワインを醸すジュリアン。 ジュリアンは二つのPASSIONがある。 一つは勿論ワイン。 二つめは、演劇である。 幅の広い人間性をもっているジュリアンのワインには常に、優しさが表現されている。 その裏を支えているミネラル感は本当に素晴らしい。         

7
Déc

自然派ワイン試飲会が目白押しのPARIS

Bistro Paul Bertポール・ベール試飲会Paris-NO1 収穫が終わって、醸造も一段落ついたこの時期、年末向けワインの試飲会が毎週の如くパリで開催されている。 パリの人気ビストロ、Bistro PAUL BERT ポール・ベールにて、少数精鋭な醸造家の試飲会が行われた。 参加蔵は少なくてもピカリと光る蔵元が来ていました。     ★Philippe PACALETフィリップ・パカレ醸造★ 今日は奥さんのモニカさんが参加。 いつも元気印のモニカはトビッキリの笑顔で対応してくれた。 我々の為に、後ろ に置いてあった特別なワインを開けてくれた。 パカレ氏自身も一番個人的に注目しているのがこの畑、 Gevrey-Chambertinジュヴレイ・シャンベルタンの一級畑、La Perrièreラ・ペリエール。 2015年を開けてくれた。 ラ・ペリエールは石灰岩盤が地中浅いところにあり、粘土質層が最も薄いところ。 根っ子は石灰岩盤の中に入りこんでいる。 まさにブルゴーニュのミネラル感が真っ直ぐに表現されたピノ・ノワールだ。 私が最も好きなワインの一つ。 やっぱり、ブルゴーニュはパカレ氏のワインが安定感もあって美味しい。ピノの神髄が表現されている。        

7
Déc

JACQOUES LASSAIGNE ジャック・ラセーニュ

飛っきり美味しいシャンパーニュを開けた。 な、なんて、繊細で、上品で、やさしいタッチ、スーッと体に入っている。 矢のように真っ直ぐ飛んで行く感じ。 これぞ、シャンパーニュだ。 La Colline inspiré ジャック・ラセーニュのラ・コリーヌ・アンスピレ。 Emmanuel LASSAIGNE エマニュエル・ラセーニュ Emmanuel LASSAIGNE エマニュエル・ラセーニュ エマニュエルの真っ直ぐな性格そのもの。 年末年始のシャンパーニュは JACQOUES LASSAIGNE ジャック・ラセーニュで!

7
Déc

な、なんという液体だ!桜島!!偶然の賜物                          Un Nectar par hasard

Jerome Saurigny-ロワール地方―ANGERSアンジェ 天から授かった2016年の賜物。 昨年は天より難題を与えられた。 殆どの畑が天候不良でやられてしまった。 勿論、全生産量の25%は日本向けに確保できた。 この野村ユニソン女性スタッフのお蔭だ。 この秋にTomomiさん、高橋さんがやって来た。      厳しい天候の中でも、畑に生き残っていた抵抗力のある屈強な葡萄達すべてを、 この一本に詰め込んだ。 それはもう、桜島のあの噴火エネルギーに通じるものがある液体だ。     勿論、全生産量の25%は日本向けに確保できた。 この野村ユニソン女性スタッフのお蔭だ。 この秋にTomomiさん、高橋さんがやって来た。   

8
Oct

自然な造りに賭けて7年目に突入、さらに改良・工夫が続く

Remi Dufaitreレミー・デュフェートル レミーの絶妙なリーダーシップ。 レミーの収穫人の年齢層は若い人が多い。 チョット、強面の顔のレミーは若い人達の統制が上手だ。 蔵の中庭には、大きなテーブルを設置し、仕事が終わると皆で生ビールを飲めるようにしてある。 厳しい指示と、柔らかな交流を合わせながら、収穫をすすめている。 若い人達の動きも機敏で、適度の緊張感をもって仕事をしているという感じ。 今年の最も素晴らしいことの一つは、収穫後,直ちに発酵槽に入れられることだろう。 気温が低いので雑菌が繁殖の危険性がすくない。酸化防止剤(SO2)を醸造中に混入しない自然な造りには大切な事である。 何故いれない?勿論、畑で育った自生酵母のみで発酵させるから。いれると自生酵母の一部が死んでしまうから。 レミーの発酵槽はコンクリート槽が多い。2つのトロンコニック型の木樽槽が設置されている。 コンクリート槽は外気の影響を最小に抑えることができる。 木樽は醸造中から木目をとうして酸素に慣らすことができる。つまり還元を抑えることができる。 ホワッとした柔らかなタッチに仕上がりやすい。 今、このレミーの醸造所には何億という自然酵母が働いている。目には見えないけど、途轍もないエネルギーが発生しているのである。発酵は色んな微生物との接触のなかで、微生物学+物理学的世界の中で進んでいる。 すべてを人間が管理しようという発想から酸化防止剤(SO2)を混入して、直接必要のない微生物を殺して危険性を避けているのが、現代の一般的ワイン醸造界だ。 企業化して絶対に失敗を許されない状況下では、経営面からみれば決して悪いことではない。 でも、楽な方法では必ず失うものがある。美味しいワインはできても。感情まで使わってくるようなワインはできない。 リスクを負いながら色んなやさしい風味を備えたトビッキリ美味しいワインを造ろうとしている人達が私は好きだ。 ホントウの美味しさの中には諸々の微生物の力も関係しているのは当然のこと。 微生物とも共存しながら、改良と工夫を重ねている2017年のレミーのワインが楽しみだ。

8
Oct

レミの収穫2017年戦略

Remi Dufaitreレミー・デュフェートル レミーの畑のある位置はジャンクロード・ラパリュ畑に近く、ほとんど隣接している区画が多い。 ラパリュといえば、毎年、ボジョレで最も早く収穫を開始することで知られている。 つまり、特殊な立地である。 コート・ド・ブルイィ山の南に位置して、北からくる冷気が遮断されて、気温が他より暖かくなっている。 だから、葡萄が熟すのが、他より早い。 レミーは8月末に収穫を始めた。 乾燥している上に天気がよく、葡萄が熟していたのである。これ以上、時間が経つとアルコールが高くなり過ぎる恐れがあった。 しかし、レミーは雨が降る予感がしていた。 収穫を急ぐことなく、最も熟しきっている区画の収穫を始めた。 最も良い区画の収穫は、雨を待つことにした。 9月初旬に雨が降る予報がでていたからだ。 予想通り、9月初旬に雨が降った。しかも、理想的な量の雨が降ったのである。 レミーは微笑んだ。自分の描くスタイルには、どうしても一雨必要だった。 雨の水が地中に入って、根っ子が水分を吸い上げるのに48時間はかかる。 レミーは収穫を一時中止した。 根っ子が水分を葡萄に供給するのを待つことにした。 何故なら、一部の区画の葡萄は、乾燥の為シワシワになってしまう程だったからだ。 レミーが狙っているスタイルにするには、チョット濃縮し過ぎていた。(左) 結局、収穫を待った区画の葡萄は水分も必要な分を吸収した。 そして、朝の気温が下がり、収穫後冷やさないでダイレクトに発酵槽に入れることができた。 今年もほぼ理想的な収穫ができたと云ってよいだろう。 最初の収穫したものと、後半に収穫したものを最終的にどうするか、ワインができた段階で決めるのだろう。

8
Oct

ボジョレの若き存在感のある、Remy Dufaitreレミ・デュフェイトル

レミー・デュフェートルは自然派のワインを造り初めて7年、まだそんなに時間が経っていないにも関わらず、驚く程ハイ・レベルな品質のワインを造りだしている。 どことなく、ジャン・フォワラールのそれに似てきた。 それもその筈、14歳で父を亡くしたレミーにとって、ジャンは尊敬すべきお父さんのような存在であり、ワイン造りの師匠でもある。 ここ7年ほど、毎日の如くに会っている。公私ともにファミリーのような存在となっている。 2000年に巡り逢って、ジャンを目標に工夫に工夫を重ね2016年産は誰もが驚くハイレベルな境地にたどり着いた。 Les Prémicesプレミス16年は、新たな境地、つまりジャンから離れて自分独自のスタイルを造りあげたワインだ。 今年の4月、ボージョロワーズ試飲会では、多くのプロフェッショナルが、プレミスのスタイルと品質に感嘆した。 軽快なスタイルの中に、細いミネラル感がスーッと伸びていく心地よさに皆酔いしれた。 レミーは、ジャン・フォワラールの他に二人、影響を享けた醸造家がいる。 一人はロワールのティエリー・プゼラ、そして近所のジャン・クロード・ラパリュである。 この軽快さ、酸、ミネラル感は、明らかにこの二人のワインのイメージに一致するものがある。 特にジャンクロード・ラパュのオー・フォルトには通じるものがある。 造り手が、造りたいワインのイメージを描きながら意志をもって栽培の段階から醸造まで目指すことはよくあること。

7
Oct

2017年 Damien Coquelet Nouveau                             ダミアン・コクレ・ヌーヴォー!!

Damien COQUELET ダミアン・コクレ2017年モルゴン村-NO3       ダミアン・コクレ・ヌーヴォーは別の区画、平地で粘土質がチョット混ざっていて水分も保水できていて、スクスクと育って、健全な状態で収穫することができた。 ダミアン 『今年のヌーヴォーは力強いスタイルになりそう。過去でいえば2009年に似ているかも。 期待してください。』 今年のヌーヴォーは、ダミアン・ヌーヴォーも期待できますよ!! 今、アメリカで人気沸騰のダミアンFou du Beaujo フー・デュ・ボージョも美味しいよ!! 軽快な果実味、締まった酸、冷やして魚類でも合う、トマトソースのイタリアンにはピッタリ!! 冷蔵庫で冷やしておいて風呂上りに、キュッとやっても美味しいよ!!        今日はフルーリーのビストロでダミアンとアペリと昼食を楽しんだ。 いつも愉快なダミアン。 ダミアンのこの明るさもテロワールの一部。    

6
Oct

ダミアンの収穫開始は、ボジョレでは最も遅い9月13日

Damien COQUELET ダミアン・コクレ2017年モルゴン村-NO2 ジョルジュ・デコンブ一家の一員のダミアン。長年お父さんと一緒に働きながらワイン造りを勉強してきた。 デコンブ家では葡萄はキッチリ熟してからの収穫が基本。今年はお父さんのデコンブと同じ9月13日に開始した。 9月初旬に降った雨のお蔭で、乾燥し過ぎていた葡萄実に水分が供給されて、光合成が活発になってしばらく時間を置いての収穫となった。雹による自然な青刈りとなって葡萄の房が少ない。 雹のショックで熟成がストップしていたので酸が残っている。 ここで収穫を遅らせて果実味、ポリフェノールが理想的に熟すのを待った。 雨から10日間ほど遅れて収穫を開始した。 もともと、ダミアンのスタイルは、果実味がタップリあって、タンニンも比較的しっかりしながら酸がビシっと利いている素晴らしいスタイル。 今年は、このスタイルがより強調された酸と果実味の熟度の差が大きく凹凸がハッキリしたスタイルになるだろう。 楽しみなミレジムになりそう。 今年も去年と同じポーランド人ファミリーが家族総出で収穫に来てくれた。 25名で約1週間ほど続く。 ポーランド家族のリーダーが先陣で収穫指導をしながら進めてくれるのでダミアンも安心。 雹の直後は全滅と思っていたコート・デュ・ピィが50%ほどのマイナスで済みそうなので、 やや安心のダミアン。 あの絶望の時は、ここまで回復できるとは思わなかった。 葡萄の生命力は凄いものだ。 独立して10年目にして、また新しいことを学んだダミアン。 ますます、これからが楽しみな醸造家だ。

6
Oct

ボジョレの若大将Damien COQUELET ダミアン・コクレ2017年笑顔の収穫

ダミアン・コクレ10年目の試練 収穫を2カ月後にひかえた7月13日、強烈な雹がモルゴン村を襲った。 モルゴンの北側の標高が高いところが襲われた。 コート・デュ・ピィは斜面だけにもろにうけた。その数日後にもう一回。 ダミアンは、モルゴンきっての銘醸テロワールのこのコート・デュ・ピィの丘に4ヘクタールも畑を持っている。 皆に羨ましがられている。 この時ばかりは、『なんでコート・デュ・ピィが?!』ここに葡萄園があることに、ダミアンはガッカリだった。 あのいつも元気印のダミアンが本当に落胆した。 最高の状態で葡萄が育っていた畑を、雹の直後見た時のショックは、『もうダメだ。今年は収穫をしない!』と皆に云った。 ところが、その後の異例な晴天続きと乾燥が状況を変えてくれた。 普通、雹でやられた後は、傷ついた箇所から葡萄が腐って全滅してしまうのが通例。 今年は乾燥して全く腐りが存在しなかった。 つまり、雹でやられた箇所、粒が乾し葡萄化して酸と共に濃縮。 やられなかった葡萄粒はそのまま、正常に熟成した。 葡萄木たちは、生命を振り絞って子供を残そうと葡萄実を守り育ててくれた。 今日はそんな葡萄を収穫にやって来た。親友とフィアンセが手伝いに来てくれた。 あまりにも酷くやられた葡萄、粒を選別して切り落とす作業が大変だった。 自分の責任でもなく自分の力ではどうにもできないことが、人生にはあることを悟ったダミアン。 すべてを、心の深いところで、受け容れたダミアンには笑顔しかなかった。流石の若大将。

6
Oct

Côte du Py コート・デュ・ピ 2017

今年は雹に2回も襲われた厳しい年だった。 傷つきながらも、何とか頑張って葡萄を実らせてくれた。 完璧な葡萄房はないけど、振り絞って生き抜いた葡萄達。… 一粒づつの内容はとても濃縮して酸もある。 傷ついたところも乾燥のお蔭で腐りはなかった。 こんな年もあるさ。 これはこれで、興味深いバランスになるだろう。 ダミアン・コクレの畑にて。