29
Nov

今回のN°1!エレガントさ抜群 * Domaine Le Boiron

今日訪問したのは・・・この写真に写っている土地全体を栽培しているフィリップ・カブレル氏・Philippe Cabrelのドメーヌです!湖まで買い取ったって・・・凄い!そして優雅! ここでは10Haのブドウ畑、そして95Haものシリアルを栽培しています。 周りに他の畑が全然無いので、他人が散布した化学物質も飛んで来ないので、育てやすい! フィリップは西南フランスの町、アスタフォールで生まれ育ち、この場所の穏やかさと、この1855年に建てられた立派な醸造所に一目惚れ! 1996年に兄とドメーヌを購入し、1998年にはマチュー・コスさん*Mathieu Cosseの手を借り、2Haの畑にカベルネやメルロ、そしてタナを植え、ワイン造りをスタート。 粘土石灰質のテロワールと、自然に育てられた彼のブドウは非常に美味しいと評価され、初ヴィンテージを2003年に紹介! 『私は生きている土壌でブドウを育てているんだ。収穫も選別もなるべく丁寧に行っている。この土地は、メルロやタナとの相性は抜群だがカベルネは手入れが通常以上に必要だ。しかし、畑での作業が慎重な分、余計な物を添加せずに自然酵母のみでの醸造ができるんだ。熟成中も、マロラクティック発酵後のスティラージュ以外は手を加えてない。15ヶ月間の間 、ワインはゆっくりとまろやかになっていくんだ。』 そんなこんなで2008年から2010年のビンテージを試飲! 2008年 雨が多かった春・・そして粘土質のテロワール・・ その為、ベト病が発生してしまいながらも、薬剤を撒けない状態が続き、収穫量はダウン。。 ですので、2008年はワン・キュベ、ル・ボワロンしかないです・・残念! 味はとてもエレガントでフレッシュでフルーティ!最高! 2009年 まだブレンドしていないので、品種ずつの試飲。 メルロはミネラル感がバッチリ効いていて、まろやか! そしてタナは爽やかで酸味が綺麗! この二つをブレンドする事により、繊細な部分とパワフルな部分が綺麗に調和されるのです! 2010年 『今年は雨が全然降らず、夏の間も30mmしか降っていない。その代わり9月、10月が温かく、綺麗な収穫が出来たよ!収穫時期も、遅めだった。何せ10月の下旬からスタートしたからね!』 そんな2010年のメルロは、とても華やかで繊細なタンニンが印象的。また、カベルネ・ソビニョンは綺麗な骨格と、ポテンシャルを潜めたフルーツの香りが美味しい! 来週樽へ移動し、2012-13年には皆さんも飲めるはず! そして今販売中の2007年を試飲! 大きな試飲室・・・というかパーティー会場?!そこにフィリップの兄、フランシス・カブレル氏*Francis Cabrelが一瞬登場!ん???この名前をご存知ですか・・・?! そう、フィリップのお兄ちゃんは、フランスの大物歌手!日本で言ったら・・・五木宏?の用な存在! ミーハーな部分さておき、2007年ビンテージの説明を! 『2007年は雨と病気が多く、とても困難なヴィンテージとなった。しかし良く熟したブドウしか収穫していないので、メルロは適度の果実味と綺麗な酸味を出し、タナはとてもフルーティーに仕上がっている。2007年は2004年に植えたコットの初収穫の年でもあるんだ。この品種はアセンブラージュ用に植えたんだ。 とてもフルーティーで野いちごの香りが強く、いい具合に熟成しているよ! 』 Le Petit Boiron 2007*ル・プチ・ボワロン2007 今回の一目惚れです!エレガント◎!フレッシュ感◎!フルーティ感◎!!!ファ~っと香りが口の中で広がり、ス~と喉を通ってしまうワイン!とにかく滑らかで、優しくて、上品!ソフトな口当たりと、軽くて飲みやすい喉越しが、もう一口・・・もう一口!と・・・止まらなくなってしまいます! 品種:メルロ 55% 、コット25%、タナ 10%、カベルネ・ソビニョン 10%  樹齢:12年 土壌:粘土石灰質 熟成:13ヶ月間、コンクリートタンクで熟成 Domaine Le Boiron 2007*ドメーヌ・ル・ボアロン2007 品種:メルロ 55%  - タナ 25% - カベルネ・ソビニョン 20%  樹齢: 13年 […]

26
Nov

ラングドック・ナンバーワンのモノ・セパージュ・ワイン!

今回は久しぶりの畑巡りツアーのレポートです! 今回はラングドックの中でも実に美味いドメーヌ・クドゥレ*Domaine Coudoulet、ウルナックさん*M. Ournacの畑を見学して来ました! 彼は18歳の時、親に『ドメーヌを継げ!』と言われ続けていました。それに対しての反発心からか、彼は法律の道を選び、10年間ほど都会でビジネスマンとして働いていました。だがある日、やはり何かが違うと気付いた彼・・・ 月日が経つにつれ、育った風景や自然の匂い、ブドウ畑が恋しくなり、ドメーヌに戻ることを決心したのです!そして今では7代目として、そして次の世代のために、日々チャレンジ満載な人生を送っています! 秋の色に染まった葉っぱに覆われているカーブ。 その大きな扉の中を覗けば・・・ 綺麗に並べられた樽の列が! 写真では分かり難いですが、 インパクト大です! 続いては、タンク内で静かに眠っているワイン達・・・ お客様のオーダーが入るまで、ワインはこの中でゆっくりと瓶詰めさせるのを待っています。 ラ・リヴィニエール2007年のタンク 壁には、ウルナックさんしか分からない暗号が沢山・・・ そして隣の部屋に行ってみると、丸い穴が沢山彫られています。 何と私達は、地下に繋がっているコンクリート・タンクの上を歩いていたのです! ブドウを傷つけないように、この穴からワインの液体を重力の力で移動して行きます。 ではでは! 畑を見ながらでの試飲の説明をどうぞ! 彼は何と70Haものブドウ畑を栽培しています! そして植えてある品種の種類も半端ない! シラーからマルサンヌ、ピノ・ノワールにピノ・グリ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソヴィニョンとグルナッシュ、メルローにムルベードル、ビオニエとシャルドネ、サン・ジオヴェーセやアリカンテ、プチ・ベルドーまで、とにかく豊富! 今年も新たにシラーとグルナッシュを植え、毎年品種の量を増やして行っている、元気はつらつなウルナックさん! テロワールは略全部が粘土石灰質。 平均樹齢は20-30年。これからが楽しみなブドウ木が沢山! 1985年に植えたシラーの畑 2010年のシラーはとても綺麗な色合い!アルコール度数14度という少々高めなワインですが、フレッシュ感タップリで全然感じない!綺麗な骨格からはイギリス飴のような香りとフルーツの熟成感が感じられ、滑らかなタンニンからは心地の良い後味とエレガントさが溢れています。とにかく優しくて飲みやすい! ムルベードル2010は一言で言うとガリッグ(香草)そのもの!オリエンタルチックなスパイスの香りから始まり、ボリューム感タップリなしっかりとしたバディ、そしてレグリスのアロマと共に感じ取られる繊細なタンニンはまさに南仏ワイン! メルロ2010はまさに・・・メルロだ!!って感じです。ミントやハーブ、スパイスの香りが多いに感じられ、とても上品。このキュベは、十分熟成されたブドウそのものを味わえます!とにかく後味が長く残る、爽やかで柔らかいワイン。 これは90年代に植えたカベルネ・フランの畑。 このアリカンテの品種は、とにかく色が濃く、ブレンド用に使用される品種です。ですので葉っぱの色も真っ赤で目立つ! 普段はそんなに熟されていない時に収穫を行い、本当に色だけを目的にブレンドされる品種なのですが、彼は何と14度という、メチャ熟された時に収穫を行い、品種ワインにしてしまうのです! 彼の畑は本当に熟成度に関しては100点満点! これは今年植えたピノ・ノワールの畑。 今年は他の区画から収穫されたピノの初ビンテージをリリース! サッパリとした梅の香りは華やかでウットリ~! グイグイといけてしまう、幸せになるワイン!今後のビンテージが楽しみです! 他にもカベルネ・ソビニョンは独特のハーブの香りが漂い飲みやすく、プチ・ヴェルドは素晴らしい骨格にまろやかさが足されてとてもフルーティー!最後のサン・ジオヴェーセも様々なアロマが引き出されていてスパイスの香りが強く、どれを飲んでもとにかくフレッシュでエレガント! そして白ワインの試飲開始! グルナッシュの畑。 ここはウルナックさんのお気に入りの畑でもあります。 10年前、この土地には大きな岩がポンと2個あっただけ・・・この土壌に一目惚れをした彼は、土壌に必要な土を運び、グルナッシュの植えつけをスタート! 今でも、この黄金に光る葉っぱを見ると感動するというウルナックさん。立派で綺麗な畑を皆さんにも是非見て貰いたいです! ビオニエ2010は本当に美味しい!柑橘類やピーチ、スパイスも奥に感じられ、真っ直ぐで綺麗なバランスのワイン。喉越しも気持ちよく、グイグイといけてしまうフルーティで厚みのある一本です! シャルドネ2010はビオニエに比べたらより花とスパイスの香りがしていてトロミがあります。 これはボリューム感タップリ!なのに爽やか感があり酸味もキリッとしているので、重みも無く、スイ~と飲めてしまいます! 今年植えたてのピノ・グリ品種の畑。 そして次は赤の、シャトー・セスラ、ミネルヴォワ・トラディシオン、キュベ・オルリック 2008*Cuvée Olric 2008。 これは複雑感をタップリ味わえるワインです!黒フルーツそのもののアタックから始まり、徐々にスパイシーな風味が込み上がってきます。飲んだ後にはとても長い後味が残り、またまたフルーティーさが前面に出てきて美味さアップ! シャトー・セスラ、ミネルヴォワ・ラ・リビニエール2007*La Livinière […]

17
Nov

マンスノーブルのギドさんが日本にやって来た!

テイスティングの天才、マンスノーブルのギドさんが日本にやって来た! 50歳にして人生を変えた男、2つの夢の実現! ギドさんは云う 『私の前世は日本人だった。』と言い切る。日本が小さい時から大好きだった。柔道を始めて黒帯の腕前。柔道の先生をやってたこともある。ベルギー人である。ベルギーと云えば熱狂的フランスワイン愛好家が多い国だ。そのベルギーのテイスティング・コンクールで優勝者になったこともある。ギドさんの鼻、つまり臭覚は犬にも勝ると云われていた。 そんなギドさんが50歳になった時、どうしても自分でワインを造りたい、 との願望が抑えられなくなっていた。それまで保険の会社を経営していたが 1992年にベルギーでの仕事、生活をすべて投げ打って南フランスのコルビエールに奥さんとともにやって来た。 ギドさんは92年8月、売りに出ていたマンスノーブル醸造所に朝10時に訪問した。醸造所に入った瞬間に体が震えるほど何かを感じるものがあった。所謂、ひと目惚れだった。奥さんのマリアニックもすぐ同意してくれた。 12時には契約書にサインをしていた。即、ベルギーの家を処分してコルビエールに引っ越してきた。以来、夢の中に没頭しているギドさんだ。もう一つの夢、日本に来ること。子供のころから何故か分からないけど、ずっと興味を持ち続けていた国だった。15年前より自分のワインを日本に販売するようになった。日本の酒販店グループ、ESPOA向けに輸出している。 ワインと日本、自分の2つの夢を実現してしまったギドさん。楽しくて楽しくてしょうがない人生を送っている。今年も日本の友がマンスノーブルにやって来た。今回はそのお返しで自分が日本にやって来た。 造る人と売る人が心で繋がっている。 エスポア・セミナーの後はザ・ジャパニーズ飲み屋で懇親会 醸造元に来たメンバーと再会 純日本風居酒屋、神田の天狗にてエスポアのメンバーとブラインド・テイスティングを楽しんだ。 ギドさんもラングドックの醸造元達を集めて時々ブラインド・テイスティングや情報交換会をやっている。ブラインドは滅法強いギドさんだ。的確に特徴をつかんで品種、地方を当てていく。 浜松の名物酒販店後藤さんもいる。江戸っ子葛飾の“エスポアいせい”有馬夫妻、同じく葛飾の“エスポアみどりや”の丸山さん、大田区鎌田の“エスポアかまたや”の小島さんもいた。 皆、店でワインスクールをやっている。ギドさんは10日間、日本中の仲間の店を周って一般消費者の人達と触れ合うことになる。造り手が飲む人達と触れ合うのは実に大切なことである。 菊姫のにごり酒を利くギドさん 前生は日本人だった、と言い切るギドさんは日本のものは何でも食べてしまう。このにごり酒には感動した。米でこんなフルーティーさ?! マンスノーブルのワイン NEZ ネ 06 カベルネ・ソーヴィニョン50%、メルロー50% コルビエールの地区の最北端、ミネルヴォワとの境界に位置している。粘土石灰質土壌だ。ギドさんは自分のテイスティング能力を生かせる品種間のアッサンブラージュ(ブレンド)をするワインを造りたかった。そして、大のボルドーファンでもあった。ボルドー品種のカベルネとメルローを北向き斜面に植えた。酸をワインに残すためだ。 ギドさん『カベルネ・ソーヴィニョンが本当はボルドーでは完璧に熟すのは難しいんだ。でもここの南の太陽では熟し過ぎて酸が欠けてしまう。だから北斜面だと酸も残って丁度よく理想的に熟すんだ。』流石、ギドさん 素晴らしく柔らかくて、タンニンも細かくスイスイはいってしまうボルドーータイプのワインだ。そして、安い。 MONTAGNE D’ALARIC モンターニュ・ダラリック アラリック山の北斜面、南フランスの品種のみのブレンド。グルナッシュ40%、カリニャン40%、シラー20%。葡萄やワインの移動はグラビテ(重力)を使って移動する。 つまり、ポンプの使用を避けている。ワインが荒れてしまうのを防ぐため。 何と柔らかく、優しいワインなんだろう。完熟の風味と同時にフレッシュさも備えている。 南のワイン独特の超完熟の重さと濃すぎるところが全くない。心地よい果実味がたっぷりなワインだ。これも価格が安くてリーズナブルなワインだ。 RESERVE レゼルヴ グルナッシュ50%、シラー25%、カリニャン15%、ムールヴェードル10% 南ワインらしい濃縮感、柔らかく甘ささえ感じるタンニン、しっかりした構成、カリニャンからくるフレッシュさも備えている。 樽熟成もしている。 Chateau Mansenobleのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: 株式会社エスポア TEL : 06-6384-3319 FAX : 06-6386-0248 MAIL : jssesaka@vega.ocn.ne.jp

15
Nov

STC 本物商品販売メトッド・山田

STCフェスティバル・本物ワイン販売法・メトッドYAMADA STC ソレイユ・テール・クール、太陽・大地・心(人) 山田さんが主催するSTCグループは毎年、11月に大イベントを行う。 その年に販売課題を大きく躍進して、将来に向けて道を切り開いた人達のやり方を発表、評価(表彰)する。それに対して山田さんよりのコメント、さらにその道を切り開いた人達の苦労話、そして、参加者が皆でお互いにそれをさらに進化させようと勉強・ディスカッションする大イベントが行われた。場所は有楽町国際フォーラムで開催された。 日本中から中小の質販スーパーのオーナー、店長、パートの人までが集合。 良い商品もただ並べただけでは、売れていかない。その商品が光るような アプローチを陳列、POP、セールス・レター、それらすべての販売ノウハウを現場と一緒になって開発、指導、教育していくのがメトッド山田だ。 一度開発したやり方はおしみなく公開されていく。この種の技術はただマネしただけでは殆ど効果がない。内面から発して取り組まないかぎり効果はでない。約100名のスーパー、酒販専門店の有志が集まった。司会担当は昨年同様、九州のお二人でした福岡県飯塚市のみなとや湊谷さん、宮崎のハットリー宮田理恵さんの名コンビで楽しく明るく盛り上がりました。発表は次々と続き、どれもここまでやるかという販売技術ばかりでした。この不景気の中、120%、150%アップの売上を上げている店ばかりでした。 ツイッターを販売販促に取り組んでいるお店、ヌーヴォー予約を150%も伸ばしてもう在庫がないお店。素晴らしいセールスレターやチラシを造っているお店、大量陳列や、単品訴求陳列で大成功をした例など本当に皆素晴らしかった。本当に皆、知恵を絞って本物ワインや本物食品がドンドン売れる方法を現場の中で造り上げています。何より素晴らしいのは皆、明るく楽しみながらやっていることです。 2010年栄光のグランプリは八丈島の山田屋さん 山田屋さんのある八丈島は 人口8000人、酒屋が5件 こんな状況の中でヌーヴォーを600本以上も予約を取っている。自然派本物ワインが八丈島で飲まれている。山田さんの努力は想像を絶する。 よく売れない理由を並べる人がいる。 『自分の立地にはワインを飲む人はいないよ』と売れない理由を並べる人がいる。 たいがいの店は山田さんの努力の10分の1の工夫でいくらでも売れる店になるだろう。今日は2人のスタッフも八丈島より東京まで一緒に来た。 山田屋さんは云う 『限られた環境の中で生活する島の人達に“本当に美味しいワインを提供して、焼酎一辺倒の酒文化”をワインで島の生活を彩りたい。』『隣の島にもヘリコプターで配達しています。』採算を考えたら、やっていられない。 こうした使命感を持っている山田屋さんに敬服です。 グランプリには副賞としてフランスまでの航空券がついている。 来年はSTCフランスツアーに山田屋さんも参加してもらえそうだ。 本物自然派ワインを売るノウハウ指導は世界一のBMOの 山田さん 世の中にはワインのこと知っているプロは沢山いる。でも流通の事を知っているプロは皆無と云ってよい。 特にワインの世界と流通の世界は異次元と云ってよいほど世界が違う。そこに集まってくる人間のタイプが正反対といって良いほど違う。よく見るケースで、ある流通業の会社がワインを始める時、ソムリエさんとかワインの世界の人を引っ張ってきてワイン・マーケティングを一任することがある。殆どの場合、お互いに不孝な結果で終わることが多い。そんな簡単にはワインは売れていかない。ワインが売れる店になるには、ワインの持ってる商品特性と流通システムの二つの間に通訳が必要になる。 ワインの世界で普通に通っていることが、流通の世界ではとんでもない事が沢山ある、その逆もしかりである。ここには両方を熟知している山田さんのような通訳者が必要になる。こんな貴重な人は世界に二人といないでしょう。ワイン業界の世界遺産といってよい。本当に彼らは物凄い行動力で動き周って本物食品を探してくる。そして彼らは本当に品質の良いものを見極める臭覚をもっている。大手スーパーには出来ないことが沢山ある。その大手スーパーが面倒で出来ないことを、スイスイやってのけるのが質販スーパーなのである。ワインが本当に日本に馴染むには質販食品スーパーのようなところで、日常的に売れるようになることだと思う。この辺のことも、ワイン業界の人には理解できない。スーパーと聞いただけで、『スーパーマーケットではワインは売れないよ!売りたくないよ、一緒にしてもらっては困る。スーパーで売っているワインなら私は扱わない。』ワイン業界の人達の視野の狭さには驚くばかりです。 一言でスーパーと云っても、レストランの世界でいえば、ファースト・フードと三ツ星レストランほどの違いが存在していることを知らない人が多い。 温度管理にしてもスーパーは店内の冷房を切ることはない。百貨店では冷房を切られる。スーパーは生鮮食品もあり、特に質販スーパーは繊細な食品を扱っているので冷房は入れっぱなしである。ワイン管理には妙なワイン専門店よりしっかりしている場合が多い。 クオリティー・スーパーがワイン販売の歴史を変える 山田さんの指導先でもある東京の豊洲にあるクオリテー・スーパー“A0KI”のワイン販売量は半端ではない。しかも自然派も含めて5000円クラスのワインがスーパーで売れていくシステムを作り上げている。 偶然に突然売れるようになった訳ではない。15年という歳月をかけてワイン販売技術を磨いてきた歴史の積み重ねが現在の売上を作っている。AOKIのやっている事を形だけマネしても全く効果はない。 数多くの基本ノウハウが生きていることが必要だからである。 今では、AOKIはスーパーの枠を超えて質販スーパーしかできないイヴェントを次々と実行している。ワインと食品の組み合わせテースティング会なども店内の一角でと料理の組み合わせテースティング会などをやっている。 スーパーAOKIには世界中の食材が揃っている。勿論、鮮魚、肉類も物凄いカリテ-を備えている。そんな自前の食材で,自前の惣菜料理人がいて、物凄い勉強熱心な人達だ。彼らが造った料理と店にあるワインを合わせるワイン会である。ワインが本当に日本に定着するにはAOKIスーパーのような店がドンドン出展してくれるとありがたい。妙なワイン専門店よりしっかりしたワイン文化そのものの伝道に努力しているのである。 山田さんはワインと流通の通訳者 山田さんのアドバイスの凄いところは、店長から実際にオペレーションをするパートの人達と一緒になって売り場を造り上げているところである。まさにこのことがワインと流通の通訳者なのである。さらに、STCのメンバーは年に一度ヨーロッパまでワイン研修旅行にやって来る。スーパーの社長自ら社員を連れてやってくる。山田さんがアレンジしている。私達CPVが現地アテンドする。自分が売っているワイン醸造元を年に一度必ず見に来る。何故美味しいのか?一般のワインとどこが違うのかを見極めに来る。千葉の尾張屋はパートの人でも努力する人ならフランスまで送ってくる。日本のソムリエでも、ワイン専門店でも年に一度フランスまでくる事はない。ホントに彼らの行動力と本物を提供したいという信念には敬服する。スーパーのワイン販売を批判する人達へ、もう少し視野と心を大きくして頂きたく思います。 クオリティー・スーパーAOKIの人々とワイン会のスナップ 皆、本当に熱心に楽しそうにやっていました。 フランスの造り手ローランを呼んでのワイン会でした。 静岡・伊豆のAOKIより応援に来ていました。素晴らしい一期一会でした。 Laurent Miquel のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: BMO 株式会社 TEL : 03-5459-4243 FAX:03-5459-4248 MAIL: wine@bmo-wine.com

13
Nov

Christophe Foucher – La Lunotte の最高ビンテージ!

今日はラ・リュノッテ*La Lunotte の クリストフ・フシェ*Christophe Foucherさんが来てくれました! 相変わらずのボサボサ・ヘアはナチュール感そのもの! ずっと熟成中だった2009年の白ワインも瓶詰めし終わり、2010年のブドウもただ今発酵中。 ですので、3日間、クリストフは地元を離れ、息抜きがてら、パリでのシティー・ライフを楽しみにしてやって来ました! 今日はそんな瓶詰めしたてのワインを持ってきてくれました! 2009年ビンテージは、彼にとっても自慢な年。 何せ赤にしても白にしても、 とても上品で飲みやすく、 フルーツ・テロワール・ビンテージの特徴全てが綺麗に引き出されているからです! * * * * * * 早速試飲開始!* * * * * * 最初に試飲したワインはキュベ・オ・プレシ*Cuvée Haut Plessis。 オ・プレシとは区画の名前。 ここでは 泥土と砂質のテロワールが特徴的で、ブドウ品種はこの地区独特のムニュー・ピノ、しかも70年! この品種はジュラのサヴァニャンの従兄弟品種でもあり、香りが華やかでフレッシュ! しかも、しっかりと樽で長い間熟成しているので、複雑感とエレガントさはバッチリ! 5月撮影。ちょうどブドウ木に葉っぱが生え始める時期。 キリッとした、柑橘類のような酸味のアタックの後、ハチミツのようなトロミ感が感じられ、 まるでサン・ヴェランのような味わい。 バランスがとても綺麗で真っ直ぐなワイン。ボリューム感もタップリあるのですが、 とてもフレッシュでジューシーなので、グイグイと飲めてしまう一本です! 友達とアペタイザーに飲むにはピッタリ! そして2本目はキュベ・レ・ロシニュー*Cuvée Les Rossignouxです。 これは2つの区画で収穫された、50年のソビニョン・ブラン品種で出来たワイン。 テロワールは粘土とシレックス質。 そして先ほどと同じよう、14ヶ月間樽熟成されているので、味わいがとても深い! 同じく5月撮影。 マスカットのような、まさに熟成されたブドウのアロマ、そしてフレッシュ感を感じさせる香りが凄い! 『オー・プレシ』に比べると、よりスパイシーでパワフル感のあるワインです。 タンニンの渋みと少々感じる樽の香りが、とても綺麗に調和されていて、これもまた飲みやすい! 最後に広がる酸味は、徐々にりんごのような味に変わり、長く続く後味はとても華やかでサッパリとしています。 このワインは、お食事用にお勧めです! 2009年の品質は最高に良い!と言い切るクリストッフ。 『2005年も美味しかったけれども、2009年は僕の一番お気に入りビンテージになるかも。初めてこんなに美味しいワインが出来たよ!』と2年間雹や天候のわがままで納得いく収穫が出来なかった彼。 今年は丸み感あり、繊細さあり、ミネラル感あり、2008年とは全く違ったワインをお楽しみに! La Lunotte […]

12
Nov

Association des Vins Naturels 試飲会がパリで!

今日は久しぶりに試飲会へ! 今の季節、皆収穫も終わり、 ワインも全てタンク内でアルコール発酵中。 なので生産者は、今ちょうど一息がつける時期なのです! そんなこんなでパリや海外で、試飲会が沢山開かれています! 今日はパリでも有名な ビュット・ショーモン公園で、 お洒落なワインバーでの試飲会。 Rosa Bonheur Parc des Buttes Chaumont Route de la Cascade 75012 Paris 01 42 00 00 45 Métro : Buttes Chaumont / Jussieu / Laumières 5時ごろに到着・・・そしたら中はこんなに人が!ワイワイと賑わっています! 今回は赤ワインが主役! 『グル・グル』=『グイグイ・ワイン』 『ヴァン・セリウ』=『まじめなワイン』 『ヴィウ・ミレジメ』=『オールド・ヴィンテージ』 と、大きく3種類に分かれていて、 皆が皆のワインを試飲し合い、進めていくという、話をする機会が多く、とてもフレンドリーな試飲会でした! * * * まずは『グル・グル・ワイン』のテースティング!* * * 早速ジャン・クロード・ラパリュー*Jean-Claude Lapalu が! 今日は後ほど紹介するブルイー*Brouillyを紹介しています! 『ボジョレ・ヌーボーも無事終了して良かった!今年はアルコール度数も低めで、とてもエレガントに出来たよ!飲みやすく、プリムールらしいワインが出来た!』と一安心してリラックス・モードのジャン・クロード。 そして今回初チャレンジの、アンフォラ(壺)で造ったワインを注いでくれ、飲んでみたらとても滑らか!フルーツのジューシーな味わいと、なんとも言えない奥深い味わいが美味い! そして久しぶりに会った、ムレシップ*Mouressipeのアラン・アリエ*Alain Allierさん! 誰もが絶賛する彼の2009年のグルナッシュは、私も初めて味わったくらい熟成されていて上品! […]

8
Nov

TERRE DOREE-ジャンポ-ル ブランヌ-ヴォ-2010

南ボジョレの孤高の自然派・ジャンポール・ブラン ハーモニー・ド・テロワール、 ドメーヌ・テール・ドレー 大都市リヨンに最も近い南ボジョレの村、シャルネ村に位置している。 ボジョレの自然派の殆んどはモルゴン、フルーリを中心に北ボジョレに多くいる。南ボジョレとしては、ジャンポ-ル・ブランしかいない。孤軍奮闘している。土壌的にも全く異なっている。北ボジョレでは花崗岩が主体、ここでは石灰質土壌である。しかも土も岩盤も黄金色に近い黄色である。 ここでジャンポールはガメイ種、シャルドネ、ピノ・ノワールを栽培している。醸造方法も南ボジョレのようなグラップ・アンティエール(除梗なし)のセミ・マセラシオン・カルボニックをやらない。 ジャンポール『ここの石灰質土壌ではグラップ・アンティエールは合わないんだ。だからすべて除梗しているんだ。ブルゴーニュ・トラディションの醸造方法をとっているんだ。』 確かにジャンポールのガメイの風味は北のそれとは全く違う。南だけど標高が高い為に、よりフレッシュさを残しタンニンのスタイルも確立したバランスになっている。 黄金色の土壌 醸造所のドメーヌの名はテール・ドレー、直訳すると黄金色の土壌。この村の建物はこの土地の岩盤を切り取って造ったもの。だから村の建物全体が黄金色に輝いている。 ジャンポールのワインは他のボジョレとは全く違うスタイルを持っている。この黄色の石灰質土壌からのミネラルがブルゴーニュを思わせる風味も備えている。 ここのシャルドネやピノ・ノワールには熱狂的ファンがいる。そして価格的にも手頃で値ごろ感がある。 ←醸造所   試飲用サロン→ ハーモニー・ド・テロワール、ジャンポール・ブラン・ヌーヴォー2010年 今年も元気一杯なジタン家族が集まりました。毎年同じ家族一同がこの収穫の為に来ています。もうベテランの人も何人かいるのでジャンポールも安心して任す事ができます。 2010年の葡萄は酸を中心に果実味が周りを包んでいる感じになるだろう。 この南ボジョレでも冷夏の為に、収穫が例年より遅れて行なわれました。収穫日の9月最終週は天気に恵まれて、非常に良いコンディションの中で実施されました。葡萄も待ったお陰でよく熟していました。それでも、2010年はフレッシュな酸が中心になります。補糖をしてない為、アルコ-ル度も低めでグイグイいけるヌ-ヴォ-らしい典型的なスタイルになるでしょう。 モザイク的頭脳を持ち、あらゆる種類のワインを造っているスーパー醸造家 お父さんの代からビオ栽培をやっている。だから葡萄の樹は本当に元気が良い。収穫された葡萄自身に活力がある。土壌には微生物が活き活きしている。畑に住む自生酵母も元気がある。だから、当然自生酵母のみで醗酵させている。当然、SO2も収穫時には添加しない。 そこの土壌独特の風味を醸してくれるのは自生酵母だから、大切にしている。今ジャンポールは北ボジョレにも畑を持っている。モルゴン、ブルイィ、北ローヌにも畑を持っている。コート・ロティのワインも造っている。ジャンポールの好奇心はやまない。 ワインもロゼ微発泡ワイン(ガメイ種)、メトッド・シャンプノワ(シャルドネ)、貴腐ワイン(シャルドネ)、ヴァンダンジュ・タルディヴ(シャルドネ)色んな土壌から収穫した葡萄を色んな方法で醸造してしまう。 まるで料理人が色んな素材を使って調理してしまうように。 赤、白、ロゼ、発泡酒、デザートワインまで、あらゆる種類のワインを一人で造ってしまうスーパー醸造家である。 何よりもこんな「ふかふかな」畑で育った葡萄を使って、 ジャンポ-ルが料理したワインは実に美味しい。そして価格も安いから嬉しい。 除梗した造りで醸したユニークなボジョレ・ヌーヴォーを 試してみてください。グイグイいってしまいますよ。 Harmonie des Terroirs のワインについてのお問い合わせは、こちらまで! 野村ユニソン株式会社 TEL : 03-3538-7854 FAX : 03-3538-7855 MAIL : wine@nomura-g.co.jp http://www.nomura-g.co.jp Jean Paul Brun のワインについてのお問い合わせは、こちらまで! 株式会社ウェスト・エンド・ジャパン TEL : 04-2628-2597

5
Nov

シリル アロンゾのピュア-ヌ-ヴォ-

天才的アイデアの頭脳を持つアロンゾのピュア・ヌーヴォー 2010も次々と新しいヒラメキで行動を展開する異才 今までは自社葡萄園を持たず、醸造所もそれぞれの醸造元の一角を借りて、色んなアペラシオンのワインを次々と生み出しているアロンゾです。そんなアロンゾが出荷する2010年ピュア・ヌーヴォーはその名のように実にピュアに仕上がりました。比較的、薄めのヌーヴォーが多い2010年の中でも、しっかりした構成を持っているスタイルに仕上がりました。ご期待ください。 シリル・アロンゾのほとばしるヒラメキがいっぱい詰ったヌーヴォーです。ヒラメキが必要な方是非ピュア・ヌーヴォーをお試しください。 葡萄栽培が難しかった2010年でした。しかしアロンゾが選んだ葡萄はきっちり熟成して、健全な状態で収穫されました。 2009年ほどではないけど、そこそこの濃縮度を備えています。 ヴィルフランシュの街に自然派ワイン小売店“P・U・R”を開店 ボジョレー地区で最も大きな街といえばヴィルフランシュの街である。その街にワイン小売店を昨年開店した。シリル・アロンゾは若い時、スイスの有名ワイン専門店で働いていたことがある。一般消費者と直接に触れて、近いところにいる事の重要さを良く知っている。自分達や自然派の仲間が造るワインを販売しながら、愛好家達の生の声を常に聞いていたかったのです。 自分のアイデアでネ-ミング、デザインしたワインをお客が接した時のリアクションを確かめたかったのです。 例えば、フランスのシャンソン歌手のエディット・ピアフが歌った、“ラ・ヴィ・アン・ロ-ズ”をシャレで“ラ・ヴィ・アン・ルージュ”とネーミングしたボジョレーワインを出荷し大人気でした。 いよいよ、2010年はヴィルフランシュの街に醸造所を設置しました。 今年はまだ試作段階の醸造しかしていませんが、その試作が実に素晴らしかった。ほんの僅かな量しか造っていない為今年は、まだ日本出荷は出来ませんでした。来年はご期待ください! 何と来年から、フランス初の自然派ワイン学校を設立いたします。 アイデアが次々と湧いてきてしまう、アロンゾのピュア・ヌーヴォーを是非お試しください! Cyril Alonso のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: ディオニー株式会社 TEL : 03-5778-0170 FAX : 03-5778-0278 www.diony.com

4
Nov

黄金のモルゴン・ワイン街道を行く

10月30日 モルゴン村を越えて山に向かって県道18号線を登る。Col du Tugesコル・ドュ・トゥージュ方面 に走った。この時期はこの黄金の山に向かってドライブをする。なんて美しいんだろう! マニフィックな景色だ!車を止めて何時間でもボーとしたい。 やはり、ボジョレー全体を見守る冷厳なるブルイィ山を中心にシャッタ-を切ってしまう。 エネルギ-溢れる山だ。 北ボジョレーの守護山だ。 どこから撮っても決まってしまう。 本当に幸せな気分になってしまう。 この時期ボジョレー・ヌーヴォーの試飲の為、毎年モルゴンに数日間滞在する。試飲の合間に気分転換にやって来る。 この美しい紅葉のモルゴン畑を是非 日本の皆さんと分かち合いたかった ヌーヴォーが10倍美味しくなる!? 2010年のヌーヴォーを飲みながらこの景色を思い出してください。何かを語りかけて来る筈です。10倍美味しくなるかも。 モルゴンの富士山・コ-ト・ド・ピ モルゴンの皆が愛してやまないコート・ド・ピ 何故か、私はモルゴン村が大好きだ。毎月一回ぐらいのペース で来てしまう。友も多いし、皆サンパティック(気持ちの良い)な人達だ。 定宿のアトリエに泊まれば、誰かしら知っている醸造家が飲みに来ている。いつも飲みすぎてしまう。

3
Nov

日本初登場!ダミアン・コクレ・ヌ-ヴォ-2010年

ダミアンのお父さんはモルゴンの人気者デコンブだ。 お父さんの元で修行を積みながらの独立だ。3年前よりモルゴンの最高の畑コ-ト・ド・ピに2ヘクタ-ルを買った。そして今年はモルゴン村の古木ばかりが植わっている畑を3ヘクタ-ルを買い足した。 昨年より独自の醸造元ドメ-ヌ・ル・コクレを立ち上げて初リリ-スした。初年度からカナダに熱狂的ファンを造り、ニュ-ヨ-クにも出荷した。 ボジョレ・ヌ-ヴォ-は今年が始めてだ。 世界で初出荷が日本向けという初物である。 実際には、醸造所も収穫人もまだお父さんと共同でやっている。しかし、確実に自然派が進化しているのを感じる。 若きアイデア、新しい発想がダミアンには一杯ある。ダミアンはオートバイが大好きだ。オートバイ仲間の友人が一杯いる。その一人が北米に住んでいて、ダミアンのワインをプロモ-トしている。そんな訳で一番の顧客はアメリカから始まった。この辺も新潮流を感じる。 モルゴンの新しいスタ-・濃縮感にフレッシュさを加味! 醸造機具はすべてお父さんと共有で使わせてもらっている。 コンクリ-ト漕でアルコ-ル醗酵、垂直式の圧搾器を使用。 ガメ種のマセラッション・カルボを絞るには、この古式圧搾器が最も適している。優しい果実味を絞りだしてくれる。 濃縮感が好きなのはデコンブ譲り。 でもフレッシュ感も好きだ。 ダミアンが最も気を付けているのは収穫時の選別である。 美味しいワインを造る基本中の基本は醗酵漕に入れる葡萄が熟していて健全であること。これはお父さんに教わった最も重要なポイントである。自生酵母で醸造すること、雑菌を殺す為のSO2(二酸化硫黄)は添加しない。自生酵母も死んでしまったり、弱まってしまうからである。だから雑菌が繁殖する最も多い原因である。痛んだり、腐った葡萄が醗酵漕に入らないように徹底的に注意をすることが大切なのでる。 家族を大切に、父を尊敬し、その上に新しいものを築こうとしている ダミアンは醸造家として今、修行中である。葡萄栽培の過酷なまでの自然からメッセ-ジを何度も貰った。特に、今年は7月にモルゴンの古木が全滅するほどの雹の被害を受けた。強烈な自然界からのメッセ-ジだった。醸造家になる事はそんなに甘いものではないよ! でも、その時のお父さんの“一言も愚痴を言わない”立派な態度にも感銘を受けたに違いない。 顔つきにも厳しさが出てきた。きっと将来の自然派を背負っていけるような醸造家に育ってくれると思う。 皆で応援したい。 ダミアン自慢の畑・コト・ド・ピも今は黄葉の真っ盛りだ。 子供の頃から可愛がってくれていた近所の農夫が引退時にダミアンのために畑を譲ってくれた。 良き指導者、良き畑を手に入れて将来、楽しみな若き醸造家がまた増えた。 ダミアンの初リリ-ス・ヌ-ヴォ-を是非楽しんでください。 Damien Coquelet のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: トーホー・フード・サービス Tel: 092-611-2547

1
Nov

フィリップ・パカレ・ヌ-ヴォ-2010年

2010年パカレ・ヌ-ヴォ-をアッサンブラ-ジュ 10月29日パカレ・ヌ-ヴォ-のアッサンブラ-ジュを行った。ラピエ-ル醸造所の一角を借りて造っている。毎年、マルセル・ラピエ-ルと共にやっている作業である。今年はマチュ・ラピエ-ルと共に行った。私も毎年参加している。マルセルがいないのがチョット淋しい。涼しかった夏の影響で収穫が遅く、その上、アルコ-ル醗酵がゆっくりだったのでアッサンブラ-ジュの時期も遅れてしまっている。来週早々に瓶詰めをしなければならない。時間との競争になってきた。今年のヌ-ヴォ-は造る方にとっても時間に追われてやっと滑り込みセーフという感じだった。 特に自然派ヌーヴォ-は自生酵母を使って醗酵する為、アルコール醗酵のスピ-ドがゆっくりになりがちであり、強制してアルコール醗酵を早める事はしない。しかし、出荷日や飛行機便は既に決まっている。今年は本当に限界に近い。醗酵漕から出してプレスした後、幾つかの大樽で別々に醸造、熟成をしていたワインが5種類ぐらいに分かれている。それらをまず試飲して、今年の風味を最も表現できるタイプに6種類のワインのブレンド比率を決定するためだ。 2010年パカレ ヌ-ヴォ-はエレガントなフル-ティ-ワイン まず、それぞれのワインの特徴を把握することに集中、その次に今年のスタイルの典型を模索する。そして其々のワインの配合比率を幾つかのパタ-ンでサンプルを造ってみる。 それを試飲して今年出来うる最高のバランスを探る。そして、またサンプルを作って、試して見る。これを何回か繰り返して、最終的に配合比率を決定する。 パカレ『今年のスタイルは89年のバランス感覚に似ている。アルコ-ルから来る力強さはないけど色んなものが詰まっている。色だけ見ると薄いように判断してしまう人がいるかも知れないけど決して単純に薄いワインではない。エレガントなスタイルが今年のバランスだと思う。爽やかなフル-ティ-さが心地良いワインだ。 最終決定比率のサンプルを作るマチュ・ラピエ-ル。マチュにとってもパカレとのアッサンブラ-ジュは勉強になる。マチュも今はラピエ-ル家の責任者となったばかりだ。従兄弟の天才フィリップ・パカレとの貴重な時間である。最後に皆で最終決定した2010年ヌーヴォ-を試飲。アルコ-ル度数が12度前後と低く、エレガントでグイグイいってしまう。 アッサンブラ-ジュ終了後はカ-ヴの樽に入ったばかりのモルゴンを試飲 マチュはフィリップ・パカレに今年のモルゴンを飲んで欲しかったに違いない。 そうこうしている中にマチュのフィアンセのミュリエルもやってきた。 来月に子供が生まれる。パカレの奥さんのモニカ、研修生のアキノリ君も混じってアペリティフがわりの飲み会になった。 マルセル・ラピエ-ルが生前の時もこのカ-ヴに入って永遠と飲み会をやったものでした。 ついつい思い出してしまう。 誰となく『乾杯!マルセル!』 の合唱となった。この光景を見てマルセルも喜んでいるに違いない 皆様!エレガント・フル-ティーな パカレ・ヌ-ヴォ-を楽しんでください! Philippe Pacaletのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: 野村ユニソン株式会社 TEL : 03-3538-7854 FAX : 03-3538-7855 MAIL : wine@nomura-g.co.jp http://www.nomura-g.co.jp

28
Oct

濃縮感NO1のデコンブ・ヌ-ヴォ- 2010年

人智尽くして天命を待つ! 2010年はデコンブにとって難しい年だった。 7月、樹齢100年を越す曾お爺さんが植えた古木のあるモルゴンの畑に雹が襲った。約2ヘクタ-ルがほぼ全滅状態だった。天候を相手に仕事をする者の宿命だ。熊のような風貌のデコンブは微動だにせず、ニッコリ笑って『ほぼ全滅だよ』と笑い飛ばした。人間の大きさを見た。『我々は天の与えてくれた条件の中で最善を尽くすだけだよ。』モクモクと畑作業に全力をつくしている姿を見るとグット心に打たれるものがある。幸いにもヌ-ヴォ-用の畑は大丈夫だった。 今年も、自然派ヌーヴォーでは群を抜いた濃縮感を醸す。 デコンブ曰く 『今年も葡萄が良く熟した、 そりゃ昨年の09年に比べればチョット落ちるけど05年に似ていると思うよ。俺は良く他の果実を観察している、参考になるからね。今年はリンゴが良く熟している。葡萄も同じだと思う。でも今年のリンゴは腐りやすかった。気をつけなければと思っているんだ。今年も良く濃縮している理由の一つがミルランデ-ル化している葡萄が多いからだ。(写真あり)小粒の実が多く、ジュースの量に対して皮の面積が多いから、皮のタンニンが熟していればワインに濃縮感がでるんだ。』 家庭的な雰囲気の2週間の葡萄狩り合宿生活 ボジョレの伝統文化を守る 収穫後は醸造所で延々とアペリティフを楽しむ  醸造所の敷地内に食堂とその2階に宿舎があり、そこに20から30名ぐらいは泊まれるようになっている。そこで2週間の大所帯の家族生活が続く。フランスの他の地方では消滅してしまった収穫期の文化習慣である。マセラッション・カルボニック方式での醸造には、葡萄を丸ごと刈る人手しかできないからである。他の地方では、自動葡萄狩機械が活躍している。収穫に人間が要らなくなってしまった。 実に残念なことです。人の力は大きい。 デコンブ・ファミリ-のパワ-全開 甘えるマノン↓↑ いつも仲良いデコンブ夫婦    ヌヌン   ケビン   ジスレン   ダミアン 家族それぞれが各自の役割をこなして進んでいく。奥さんの20名分の食事を2週間も作り続けるシェフとしての役割に拍手を送りたい。 自然派ワイン中、最も濃いヌ-ヴォ-を醸すデコンブは偶然ではない! ワインには造り手の性格、志、感情などが反映されている。デコンブの体格、性格、強い意思は、自然に彼のワインに反映している。ただ濃いだけではなく“優しさ”も同居している。強い性格の中に優しさを備えている正に彼の愛すべき人柄そのままである。 二つの大切な事を実行しています。 1-長いマセラッション 普通は一週間から10日前後でプレスにかけてしまう。ここでは15日から17日間のマセラッションを実行する。単に長くすれば濃いワインが出来るかというとそうではない。皆、ヌ-ヴォ-用に使う葡萄木は若い木やあまり土壌がよくない畑のものを使ったり、フレッシュな果実味を狙う為、あまり熟してない葡萄を使用することが多い。しかしデコンブはヌ-ヴォ-といえども妥協しない。長期マセラッションに耐えうるポリフェノ-ル熟度を備えた葡萄を使用するからである。 2-垂直式プレスで一日かけてゆっくり絞る デコンブではコンクリ-ト槽を使っている。グラップアンティエ-ル(葡萄房丸ごと)を入れてセミ・マセラッション・カルボを行っている。勿論、自然酵母のみ、酸化防止剤(SO2)は添加しない。まだ、アルコール発酵が中途の状態、つまり糖度が残っている段階で、垂直式プレスにかける。 ガメ品種のセミ・マセ・カルボを絞るにはこの伝統式プレスが最も柔らかく調整できるからです。 プレスにかける前の葡萄房は葡萄の原型をそのまま残して、葡萄の粒の中で発酵していたことがよくわかる。粒の皮を破ると、果肉は赤く染まっている。(発酵前の果肉は乳白色透明)絞った果汁は糖度が残っているので、別のコンクリ-ト槽に移してアルコ-ル発酵を続け、マロ発酵もそのまま自然に同時に行われる。マロも強制することもなく自然に任せる。健全な葡萄しか発酵槽に入っていないので妙なバクテリアが繁殖することもない。 普通の場合、アル発酵とマロ発酵が同時に行われると大変危険なことなのです。 しかも雑菌を押さえるSO2を添加してない状態の中では大きなリスクを背負ってワイン造りをしているのです。簡単に自然派ワインといっているけど、本当に多くのリスクを人の力と労力で乗り越える努力をしている事実は、まだあまり多くの人に知られていない。こんな事を乗り越えて、我々に美味しい自然派ワイン・ヌ-ヴォ-を提供してくれる醸造家に心より感謝したい。 デコンブとマルセルの思い出 2008年の夏の出来事  – マルセルはデコンブに絶大な信頼を寄せていた。 2年前の夏、私はデコンブ醸造元で一杯やっていた 。 私、ヌヌ-ン(デコンブのあだ名)は昼食を食べ終わって午後2時頃だった。 突然、扉が開いて、マルセル・ラピエ-ルが入ってきた。その後は、夜の何時に出たか記憶がない。何本飲んだかも覚えていない。マルセルは酔っ払うと、シャンソンを歌ったり、詩の朗読を語りだす。この日はもう3人でボロボロに酔っ払いました。マルセルは酔っ払って、本当に楽しそうでした。マルセルがデコンブに抱いてる信頼感は絶大なものでした。友人というより家族に近い同志という感じでした。思い出しただけで涙が出てきてしまいます。 デコンブは敷地内に個人バ-を備えている。そこに入ったら最後ベロベロに酔っ払うまで出て来れません。 この愛すべきデコンブ(ヌヌ-ン)のヌーヴォ-を楽しんでください。 アデュ!マルセル! Georges Descombesのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: 豊通食料株式会社 TEL : 03-5288-3854 FAX : 03-5288-9248 http://www.vin-de-t.com デコンブ・ヌーヴォーが購入できるお店 : マルシェ・ド・ヴァン銀座  東京都中央区銀座8-2-11 TEL:03-3573-5535 http://www.marchedevinsginza.com/shop/

27
Oct

ラパリュ・ヌーヴォ-2010年

ラパリュの畑はボ-ジョレの中でも最も早く熟す。 今年もヌーヴォ-用は北ボ-ジョレの自然派の中では最も早く収穫を終えた。9月14日には収穫を開始した。他の醸造元より1週間も早い。しかも、どの蔵元より糖度ものってポリフェノ-ルの熟している。特別なミクロ・クリマ(微気象)備えている立地である。 ボジョレで最も高い山“BROUILLY ブルイ”を北西の方向に見える立地の畑である。北からの寒い風をブルイ山が遮断してくれる。北西から来る雲も方向を変えてしまう。いつも太陽に恵まれて、暖かい好条件を備えている大変ラッキ-な立地である。 ブルイは太古の昔、火山だった山である。エネルギ-をボジョレ全体 に流してる特別な山である。ラパリュの醸造所はそのブルイを見上げる南東に位置しているから、そのエネルギ-を最も近くで受けているのだろ。今年も9月中旬にはポリフェノ-ルも糖度も十分熟していたのでジャンクロ-ド・ラパリュは収穫を決断した。 2010年ラパリュ・ヌーヴォ-はエレガントな年になる! 今年は栽培が難しい年だった。 ラパリュの葡萄がこんなに健全に収穫完了したのは偶然ではない。ジャンクロ-ドは語る。 『今年は栽培が難しかった。乾燥していたかと思うと、突然、嵐のような雷がきたり、曇りが続いて太陽が出たり隠れたり、天候が読みにくかった。栽培方法の対処には普通の年の3倍は考えて行った。でも8月の中旬からは天候が落ち着いてきたので良かった。特に収穫期間は最高な天気のもとで出来たのが良かった。それでも、今年はエレガントな年になる。』 ラパリュの葡萄がこんなに熟して、ワインが繊細なのは偶然ではない! ラパリュの特殊な栽培 ラパリュでは北ロ-ヌのエルミタ-ジなどで行われ ているゴブレ方式を実施している。枝が伸びてくる5月 ごろに杭を葡萄木の傍に立てて、伸びてくる枝をその杭 の上の方で縛りつける方法をとっている。ボジョレでは ラパリュだけである。 特殊なカジェット(箱)使用 収穫葡萄の運搬に使うカジェット(箱)はロマネ・コンチ並みの底の薄いものを使っている。葡萄が重みでキズつく可能性はゼロである。ボジョレではここだけである。 ラパリュの特殊な栽培 ジャンクロ-ド・ラパリュは常に改良と新たな未知への挑戦を続ける。 2010年の最大の改良はプレス機である。今までは空圧式を使用していた。今年から100年前の垂直式プレスを手に入れた。さらにフィネスをもたらしてくれるだろう。そして新たな挑戦として昨年よりアランフォのカメの中で醸造する試作をしている。さらに土壌のピュア-な風味がワインに醸しだされるとのことでした。(アランフォはヌーヴォ-用ではない) 2010年ヌ-ヴォ-を利く、フィネス・エレガント・ヌ-ヴォ-だ! ジャンクロ-ド 『今年は濃縮感は狙っていない。ヌ-ヴォ-と言えどもフィネスとエレガントさを表現できたらと思っている。アルコ-ル発酵が本当にゆっくり進んだお陰で、エレガントさが最初からある。最初からイチゴやキャンデーのような心地よい香りがあった。プレスを替えて、一日中をかけてゆっくりプレスしたので本当にフィネスさを備えるようになったんだ。』 Jean Claude Lapalu のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: 大園 Tl : 03-5565-5884 Fx : 03-5565-5886

27
Oct

クリストフ・パカレ・ヌーヴォー2010年

日本上陸2年目のクリストフ・パカレ今年も元気いっぱいに収穫を終えました。 今年は波乱万丈の気候でした。6月と7月にボジョレを襲った雹が、昨年のヌーヴォー用に確保していた畑を直撃しました。50%減の収穫となり、急遽、友人のニコラ・テスタールに相談したところ、不足分の葡萄を譲ってくれるとの快諾をえた。 そんな時でも微動だもせず悠々と解決してしまうクリストフ・パワーは凄い。 今年も笑顔が絶えない収穫風景となりました 収穫は地元の屈強の若者を集めて笑顔が絶えない収穫風景となりました。クリストフのヌーヴォーが美味しのは彼らの笑顔が入っているからでもある。涼しい夏と雹で量が減った分、量が少なくユックリとポリフェノールが熟した為、程々に濃縮されて、上品なタンニンを備えた葡萄がとれました。 風光明美な景色の中で育った葡萄 クリストフの畑では本当に健全な葡萄が多かった。 今自然派ワインの造りで大切な事の2項 収穫された葡萄はキズが付かないようにプラスティックの箱に入れて醸造所まで運ばれる。自然酵母で発酵する自然派ワインの造りには大変重要な作業なのです。何故なら、自然酵母を守る為に酸化防止剤のSO2を発酵槽に添加しないから、この段階でキズが多いとそこから雑菌が繁殖してしまうからです。もう一つ重要なのは、収穫時の葡萄の温度です。温度が高いとやはり雑菌が繁殖する可能性が高くなります。だから普通の場合、収穫した葡萄は冷蔵庫にいれて冷却してから発酵槽にいれる。 しかし、今年は収穫時の温度が10から15度と低かったので冷却する必要はありませんでした。 葡萄園から醸造所まで運搬をする重要な作業を担当してくれたにはクリストフのお父さんでした。 葡萄園から収穫された葡萄が醸造所へ到着 - 繊細な柔らかなワインの秘密 今年は気温が低く、収穫された葡萄を冷やさずそのまま醗酵樽の中へ入れることができました。ここでもうひとつ大切なことがあります。醗酵樽へ入れる時にできればポンプを使わないことです。普通ならポンプで醗酵樽まで入れてしまう。 ポンプを使うと葡萄に圧力がかかってキズがついたり、繊細度が無くなってしまう。 クリストフのワインが柔らかく優しい秘訣 その一つは、ポンプを使わず、葡萄をベルトコンベア-で醗酵樽の入口まで上げて、重力で落としながら醗酵樽に入れていることです。 完璧な葡萄しか発酵槽の中に入っていないからです。云うは安し、実際には困難な仕事。 つい先ほどまで、風光明媚な葡萄園に居た葡萄がワインに変身すべく、そのままの姿で醗酵樽に入った。実に健全な葡萄ばかりである。自然派ワイン造りの基本中の基本です。本にも書いてない基本的な作業です。 クリストフのワインのあの繊細な柔らかい旨みは偶然には造れない。 Christophe Pacaletのワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: BMO 株式会社 TEL : 03-5459-4243 FAX:03-5459-4248 MAIL: wine@bmo-wine.com http://www.bmo-wine.com

26
Oct

大阪小松屋スタッフ・ツアー・パカレ訪問

果敢に攻める小松屋、自然派ワインに一点集中! 業務酒類卸業、 自然派ワイン・バー“ブラッセリー・ブー”を展開している。気軽にシンプルに飲めて、食べられる業態ということです。この不況の中、社員3人をフランスに10日間、送り込んできた。一人、 ガンちゃんこと岩田さんはフランス滞在3年になる。現在は パリのワイン専門店カーヴ・オージェで働いている。パリで自然派ワインが最も揃っているワイン屋さんである。 小松屋の専門性を高めようとの努力が覗われる。今、日本の企業で社員をフランスまで送り込んでくる企業は少ない。実際に販売する社員がフランスの栽培、醸造現場を知っていることは実に大切なことだと思う。 百聞は一見に如かず、実際に造り手と会って、話して、一緒に食べてその人間性、考え方、性格まで分かってくる。自然派ワイン造りには“人間”そのものが如何に大切かが体でわかる。そして、畑を自分の足で歩いて、土壌や畑のパワーも感じ取ることができる。 これからは本物しか生き残れないでしょう。 造る方も、売る方も、大切な部分を共有して生きる姿勢がないと自然派ワインの健全な伝播はありえないでしょう。単なる利益目的だけでは造る方も、売る方も成り立たない時代です。お互いを理解し合って 共に生きる姿勢が“本物度”をより磨きあげることが可能になります。 コート・ドーレまさに黄金色に輝くポマール一級・ペリエールの畑 なんて美しいのだろ!黄金に輝いている! 今、ブルゴーニュは黄葉の真っ最中。ほんの一瞬で葉が落ちてしまう。朝の温度が0度を超すと終わる。年によっては一週間も見られない。日本の桜のような存在。今年は幸運にも皆さんと満喫できた。歩くだけで色んなことを感じ取ることができる。場のエネルギーを感じる。 フカフカの畑を歩くと土壌に生きている微生物の声がきこえる。一年の仕事を終えた葡萄木達のゆったりしたと休息の時を感じ取れる。 2010年産・発酵中のパカレを利く 収穫終了後、セミ・マセラッション・カルボニックで発酵、そして約3週間のカモシを続け、今、プレスをして熟成樽に移す作業をしている最中だった。熟成樽に入れる前のワインを試飲するチャンスは、今この時期しかない。色んな経験ができる。 パカレの発酵槽はすべてトロンコニック型の木樽を使用。空圧式プレスにてユックリ時間をかけて絞り、慎重にゆっくりプレスすることは繊細なワインには大変重要な作業である。そして地下にある樽に重力を利用して移動する。ポンプは使わない。ポンプを使うとワインの繊細度が失われる。実に大切な作業である。 天、地、人が三位一体でワインを造る。 醸造所の中では、太陽の光が与えてくれた糖と土壌が育ててくれた自然酵母と、そして人が三位一体となってワインを造っている真っ最中です。パカレの白ワインはすべて樽発酵であり、赤ワインとは別室で行っている。樽に耳を当てるとその年の酵母の唄声が聞こえる。              発酵中のムルソーを利く まだ残糖が残っている。 樽熟成中の2009産を利く 赤ワインの発酵室の真下にある地下に赤ワインが寝ている。 発酵済み、プレス済みのワインを樽に入れる時、重量を利用して1階から地下までワインを移動できるようになっている。 そのかわり、1階で発酵の真っ最中は地下のカーヴに降りることはできない。発酵で生じたCO2、2酸化炭素ガスは空気より重いので地下に溜まるから危険で、普通、この時期は降りることができない。今は9割がたアルコール発酵が終わって、空気を入れて安全な状態になっている。 小松屋のメンバーも パカレ・ピノの試飲を楽しみにしていた。 ピペットと呼ばれるガラス制の器具を使って樽からワインを巧みに取り出してグラスに注いでくれる。まず、村名ワインから始まった。ポマール、ジヴリー・シャンベルタン、ニュイ・サン・ジョルジュ、シャンボール・ミュージニー、どれも素晴らしいピノ果実味だ。09は濃縮感あり、スパイシさをも感じる。 同じ村名の一級ワインを試飲。 そして、ジヴリ・シャンベルタン村のクリュを試飲。ルショット、ラヴォー・サンジャック、ペリエール、そして、09から初リリースのシャンベルタン・クロ・ド・ベーズを試飲。パカレはロック時代よりクロ・ド・ベーズには特別な情熱をもっている。この畑を出来るまで9年の時間をかけて選んだ畑だった。力強さ、繊細さ、ミネラル感、旨味、ピノの素晴らしさをすべて備えていると云っていい。そして、最後に09初リリースのエシェゾを試飲。 素晴らしいピノ・ノワールのフィネスを備えている。マニフィックなワイ ン。 テースティング、畑訪問のあとは皆で食事 ブレス・プレーに養鶏をやっている友人がパカレの為に届けてくれた特別なフェルミエ・プレだった。 3星のシェフ達がとりあう人気ものだと云うことだった。 奥さんのモニカが料理してくれていたものを、ガンちゃんがプレー解体を担当して、パカレが3種類の人参、やジャガイモなどをソーテしてくれた。 準備している間に、勿論、皆でアペリティフをやった。パカレのシャブリ・プルミエ・クリュだった。 まるで収穫期の食事のようだ。 一緒に一仕事を終えて、皆でアペリティフをしながら、食事準備をして、パカレのワインで造り手の本人と売り手が一緒にテーブルを囲むのは格別なことだ。大切なことがお互いに判りあえる。お互いの人間性を感じてお互いが影響をうける。動きの中で新しいものが生まれていく。パカレのワイン造りにも影響を与えていく。小松屋のメンバーも変わっていく。日本での自然派ワインの伝播に頑張ってください。 パカレ氏のワインについてのお問い合わせは、こちらまでお願いします: 野村ユニソン株式会社 TEL : 03-3538-7854 FAX : 03-3538-7855 MAIL : wine@nomura-g.co.jp SITE : http://www.nomura-g.co.jp

22
Oct

SOPEXA主催ラングドック試飲会にて出展

10月4日、東京・渋谷の東急セルリアンタワーにて、SOPEXA主催ラングドックワイン試飲会が開催され、CPVからも参加・ご紹介させて頂いた。 同時にセミナーも行なわれ、ラングドックワイン委員会・輸出部長からラングドックワインについての解説がなされた。特に新しいこととしては2009年からEUの規定が変更になり、従来のヴァンドペイが「IGPペイドック」に、AOCが「AOP」と呼称が改められる。 更に、AOPは3つのカテゴリーに分類され、 ブルゴーニュのAOCと同じように、ピラミッド型のヒエラルキーとなる。(右図参照)⇒ ① グラン・クリュ=限定されたエリアの世界最高級ワイン ② グラン・ヴァン=村名ワイン ③ AOPラングドック=ラングドック全体のアペラシオン これは、高品質なラングドックワインが登場しワインのレベルが上がったことに対応した措置と言えるでしょう。 さて、セミナー後半は試飲です!ズラッと12種類。 ペイドックIGP(従来のVDP)6種類、AOPラングドック(現段階ではAOC)から1種類、グラン・ヴァン3種類、グラン・クリュ2種類と、ピラミッドの各カテゴリーから代表的なものを試飲です。 コメンテーターは、あのイケ面の石田博ソムリエです! CPVがご紹介するワインからも2種類が登場! グラン・ヴァンのカテゴリーでは『カーヴ・カステルモール/ル・カステルモール(赤)』 \1,953 (輸入業者:片岡物産 tel.03-5405-8632/BMO tel.03-5459-4243) 。 石田ソムリエのコメントは、マセラシオンカルボニックしたカリニャンの華やかな香りがとてもよいと、好意的なものでした。 もうひとつCPVご紹介のワインは、『ドメーヌ・ド・モンカルメス(赤)』\5,250 (輸入業者:サンフォニー tel.03-5565-8992)。 こちらはラングドックワインのピラミッドで頂点に位置する“グラン・クリュ”です! 石田ソムリエのコメントは、グラスにサービスされてから1時間経過しても香りがまだまだ少しずつ表れている。これは大きなポテンシャルを持っている証拠だ。また、アルコール度が14度と高いのにもかかわらず全くアルコールを感じさせない程味わい成分が詰まっており、バランスに優れていると評価されておりました。 インポーターブースでご紹介していたワイン イーストライン様ブース   ご担当の佐藤さん、にこにこと対応してました。 一押しのワインは 『ドメーヌ・ジャン・バプティスト・セナ』 年々エレガントさが増してます! ●ラ・ニーヌ’08 \2,709 ●オルニカ’09 \2,919 ●ル・ボア・デ・メルヴェイユ’08 \4,074 片岡物産/BMO様ブース   ご担当の田丸さんと高野さん。元気いっぱいでした! 一押しのワインは『シャトー・ペシュ・オー』 流通業で上げた利益をすべて最高のワインを造り出すために注ぎ込み、最高のラングドックワインを造ってます。 3つ星「ジャルダン・デ・サンス」で欠かせないワインです! ●テット・ド・ベリエ’06 \5,460 ●キュヴェ・プレステージ’06 \3,675 カーヴ・ド・リラックス様ブース   おなじみ大魔王の内藤さん!いつも大爆発。 お薦めは、「リアルワインガイド」で旨安大賞に輝き、売れて売れて、そしてまた売れている『ドメーヌ・ロベール』!どこまでこの勢いが続くんでしょうか? ●ドメーヌ・ロベール、メルロ’08 \1,050 ●ヴィーニュ・ド・モンクール’07 \1,480 他にもたくさんご紹介したいワインがあったのですが、写真撮りきれませんでした。 ラングドック、美味しい高品質ワインの宝庫です! 是非、お試しください!! […]

20
Oct

2010年 マルセル・ラピエ-ル・ヌーヴォ-編 

2010年マルセル・ラピエ-ル・ヌ-ヴォ-収穫 今年も元気いっぱいの雰囲気の中、素晴らしい葡萄を収穫できました。 マルセルが病気の中、奥さんのマリ-、長女のカミ-ユが大活躍!勿論、全体をス-パ-ヴィ-ズしているのは長男のマチュだ。 葡萄園での陣頭指揮がマリ-だ。そして、側面から援助を細かくするのは繊細な感性をもつカミ-ユだ。 収穫時のこの喜びと歓喜が実に大切だ。特にヌ-ヴォ-は一年に一回のワイン祭りに出されるワインだからだ。世界中の人達が、マルセル・ラピエ-ルヌ-ヴォ-を待っている。この収穫人達と共に、良い雰囲気の中、果実味と酸の素晴らしいバランスを備えた葡萄が収穫された。 2010年の収穫はトゥリア-ジ(選別)の年だった 収穫人はカゴを2つ持って、 1-完璧な葡萄と 2-やや痛んだ葡萄を分けて収穫して別々のカゴに入れる作業をした。 やや痛んだ葡萄でも傷んだ部分を切り取る作業をしながら、一つ一つの葡萄を見極めながらすすんだ。だから時間は普通の3倍はかかった。最初の一週間は25人で収穫していたけど、2週間目からは50人に増やして、 週間目は100人を動員して3週間で収穫を無事終えた。 さらに3トリア-ジュの効果抜群で素晴らしい年になりそうだ。 こんなに厳格にやったのは2008年以来だった。   悪い部分を切取っている⇒ さらに葡萄園の端に集積した運搬用カジェット(箱)の場所でも2人の選別要員を置いて徹底した。ここまで徹底した選別を私は見たことがない。 自然派ワインを造ることの難しさがここにある。 単なるビオワインを造るには、ここまでの作業は必要ない。 自然酵母を使って発酵させるた為にはSO2の使用を控えなければならない。 何故なら、普通の醸造元は多少腐った葡萄を発酵槽に入れても、SO2を大量に添加して腐った箇所から雑菌が繁殖することを防ぐことが出来る。 しかし、自然派の造りは、発酵槽にSO2を添加すると、一年間の厳しい農作業で育ててきた自然酵母が死んでしまうためSO2は添加しない。 だから、腐っていない、痛んでいない健全な葡萄のみを発酵槽に入れる必要があるのです。単なるビオ・ワインを造っている醸造所はここまでの作業をやらない。 自然派ワインを造るということは、こんなに手間暇、お金のかかることをやらなければならないのです。この辺の事はラベルにも本にも書いてありません。目に見えないところで苦労している大きな違いと真実です。 醸造所に運搬された健全な葡萄⇒ 2010年収穫スナップ写真集 AM9月中旬を過ぎたこの時期の収穫は、朝は8度から10度前後と結構寒いのが普通。早朝の7時に集合して皆で朝食カフェを飲んで7時半には葡萄園に立っている。まだ、チョット暗い感じ。 朝は、露もあり皆、カッパを着てマフラ-をして収穫を開始する。 PM 午後から太陽さえ出れば25度ぐらいまで気温が上がる。Tシャツ姿での収穫となる。 マルセル・ラピエ-ル醸造元には畑仕事のプロ集団がいる。普通の人の3倍の仕事量をこなす超プロ。 厳しい収穫仕事のあとの夕食と団欒のひと時で疲れを吹っ飛ばす! 3週間の合宿生活。 ブラジル人、リトアニア人、ブルガリア人、アメリカ人、チリ人、日本人と勿論フランス人、世界中から自然派ワインが大好きな若者が集まってくる。 そして、その中にはプロ級のミュ-ジシャンが何人もいる。夕食後はロックあり、サンバ、ボサノバ、吹奏楽器グル-プと歌やダンスで盛り上がる。 毎年、参加するメンバ-もいる。 それは毎夜が楽しい一期一会だ。 この収穫人の喜びが、この調べが 醸造所で発酵している自然酵母も 聞いている。 この“喜び”がリズムと共にワインの中に入っているに違いない。 そして、翌朝は皆元気に7時に朝食、7時半には収穫を開始していた。 良く遊び、 良く働く、 夢の3週間 2010年の醸造はマチュ・ラピエール マルセルと完璧に5年間、マルセルが今世紀最高と云った2009年、そしてマルセルが人生最も難しい年だった、と云った2008年、中庸な2007年、中の上の2005年と諸々の対応処置をマルセルと実践してきたマチュには、既に、親譲りの柔軟な醸造感覚を身につけている。実に勉強熱心で几帳面な性格だ。今年の完璧な選別収穫を選んだのはマチュだ。 お陰で完璧な葡萄しか発酵槽に入っていない。 マセラッションは10~11日でプレスにかけた。 繊細な果汁を絞ることが出来た。 セミ・マセラッション・カルボニックを終えて、プレス前の発酵槽から 取り出した葡萄。 ⇒ まだ、残糖は残っている段階でプレスにかけた。 マチュは繊細さを狙っている。 今年はいたずらに濃さを狙うべきではないと判断した。 これから、さらにアルコ-ル発酵が続く。 素晴らしい繊細なワインに仕上がるだろう。

12
Oct

偉大なる醸造家マルセル・ラピエ-ルが我々に別れを告げた!

Marcel nous a quitte ! 世界中の多くの人々に勇気、ひたむきさ、シンプルさ、真っ直ぐさ、自然であることの大切さ、生きることの喜びを与え続けてきたマルセル・ラピエ-ルが我々に別れを告げた。最後の最後まで葡萄園に立ち続けた人生にピリオドを打った。60年間という濃縮したあまりにも早い人生だった。一ヶ月前までは元気に畑に出ていたマルセルだった。2010年の収穫が終わるのを待って、その2日後、10月10日にモルゴンを去った。 『マルセルには多くのことを教えてもらいました。人間としての厚み、深み、生き方、人に接する時の暖かさ、勿論、ワインについても多くのことを学びました。今思うと、彼の人生そのものがワインの要素になっている。ワインを通して人が集まり、その人生を楽しみ、人生に温かみを与えてくれる。まさにマルセルの人物そのものではないか。』 2010年8月18日撮影 この笑顔のシワに刻まれた深みが人物としての厚みを感じ、瞳の奥に暖かみが。 誰にこんな笑顔ができるのだろう! 多くを語らないマルセルは、常に行動で語っていた。 多くの悩める若き醸造家を真っ直ぐな方向に導き、その方向を自らの行動とワインで行くべき道を示してくれた。 我々のような外人ワイン関係者にも隔たりなくワインのあるべき姿の真実とプュア-さを教えてくれた。 ありがとう!マルセル!言葉では言い尽くせない感謝で一杯! GRAND MERCI! MARCEL ! 今世でのお役目、お疲れさまでした。 安らかに、おやすみください。 伊藤  PARIS