21
Nov

大自然の中、ピレネ山のふもとで醸造する大物、ドメーヌ・ゴビー − ルシヨン 

自然な景色が果てしなく広がる丘。顔を上げるとすぐそこにはピレネ山が堂々と聳えています。この大自然の中、標高200-300mで醸造しているのは自然派ワインの中でも最もミネラル感が高いワインを造っている Domaine Gauby*ドメーヌ・ゴビーです! 生まれて以来ずっとCalce*カルセの町で暮らしているGérald Gauby*ジェラルド・ゴビーさん。彼はこの土地が大好き。16歳の時初めて祖父と醸造をしてからブドウとワインの魅力に取り付かれてしまったジェラルド。今では誰もが認める芸術家なのである!彼のワインはとにかく繊細でミネラル!栽培も全てビオ・ビオディナミ栽培。ジェラルドは自然を愛し、自然を守りたいという意志が誰よりも強い。 『私の最大の悩みは、今後どう自然を守っていくことかです。自然が与えてくれたもののみでワインを造って行きたい。ブドウ畑には一切化学物質は使用しません。ブドウ木の堆肥も全てナチュラルです。(21種類以上の草と、年中溜めた雨の水を使って造ります)。この地区で最も美しくて有名な丘、La Muntada*ラ・ムンタダでの狩も全て禁止にしました。』 彼は45haのブドウ畑を栽培し、それ以外にも香草や様々な植物で埋まっている45haもの土地を所有しています。しかし最も自慢なのはやはりミネラル感に溢れているテロワールです! 『ここの土壌質は全てシストや粘土石灰質、泥土質です。時にはブルゴーニュよりミネラルと爽やかさが感じられるワインが出来上がります。しかも山と海から吹いてくる風はワインに繊細さや豊富さ、綺麗な酸味とバランスを与えてくれます。日当りも非常に良く、パワフル感を生み出してくれるのです。地区中に生えている数種類の木も、様々な襲撃からブドウ達を守ってくれています。私の畑は本当に恵まれている。』 しかし彼の畑で一番誇り高いのは、フィロキセラにも負けずに生き延びた、樹齢130年のブドウ木でしょう!この畑にはカリニャンを始め、何種類ものブドウ品種が植えてあります。今でもしっかりと美味しくて甘いブドウを生せています。 他にもグルナッシュ・グリが実っている丘は、東西南北全ての方向に太陽の日が当たるので、熟成度抜群なブドウが収穫できます。 ゴビーの醸造はもちろん全て自然方法です。補酸も補糖もなし、亜硫酸の添加もなし、自然酵母でのアルコール発酵。健全なブドウが収穫出来るからこそ可能なのです。全てナテュラルに出来上がったワインなので、ペーハーも低く、とてもピュア!長年保てる事が可能!しかもゴビーのワインは置いておけば置いておくほどアロマが発達して偉大なワインとなるでしょう! 『ルシヨンの夏は本当に毎年暑い!!しかし山風と海風が吹いているので、ブドウ木はめったに病気に罹らないのが特徴かな。けれども今年は夏中一滴も雨が降らなかった。1925年以来の酷い乾燥だった。ブドウ木が弱ってしまわぬように、21種類の草を混ぜた堆肥を、50トン以上撒いたんだ!』と参った顔で語るジェラルド。 『でもその分完璧に熟されたブドウが収穫できた!』と今度は嬉しそうに話す彼! これが21種類の草を混ぜた堆肥です。 今後の目標は?と聞いてみたところ、 『ルシヨンのワインは12世紀の頃とても評判が良かったんだ。王様たちは皆この地域のワインを飲んでいたんだ。何故だろう?と思い、その時代のワインを研究してみたら、略全種類が甘口ワインだったんだ。』 と奥の樽へと移動するジェラルド。 『この時代、ワインは人間の手を一切借りずに、自然と出来上がっていたんだ。私も同じ様に造ってみた。今はもう4年以上熟成しているが、まだ100g糖が残っている。早く完成するのが待ち遠しい。きっと凄いワインになるよ!』 との事。 私達も一口味見してみましたが、蕩けるほどの美味しさです!!ちょうど良い甘さとたっぷりのミネラル感が良い具合にマッチして、やはりゴビーでしか味わえない美味さです!『本物の甘口ワインは後味が甘いだけじゃダメなんだ。ミネラル感で終了しないと!本物のワインだってそうだ。アルコールよりフルーツとミネラルを強く感じなければいけない!』と熱く語ってくれました! ラ・ムンタダ・ルージュ*La Muntada Rouge 品種:グルナッシュ30%、カリニャン40%、ムルヴェードル10%、シラー20% 樹齢:グルナシュ 60年、カリニャン130年、ムルヴェードル30年、シラー30年 土壌:泥土・石灰質 収穫量:15 hl/ha 醸造:2-3週間タンクでの醸造 熟成:20ヶ月間の木樽熟成 パワフルだがエレガント、そして何といっても爽やか!とにかくアロマの豊富さが凄い(カカオ、スパイス、フルーツ、花・・)このワインはまさにテロワールに含まれているミネラルが最大に引き出されているキュべです! ヴィエイユ・ヴィーニュ・ルージュ*Vieilles Vignes Rouge 品種:グルナッシュ35%、カリニャン40%、ムルヴェードル15%、シラー20% 樹齢:グルナシュ 60年、カリニャン130年、ムルヴェードル30年、シラー30年 土壌:シスト・石灰質 収穫量:20 hl/ha 醸造:2-3週間タンクでの醸造 熟成:24ヶ月間の木樽熟成 口に含んだ瞬間、香草(タイム、ローズマリー)と赤フルーツの香りでいっぱいになるワインです。グルナッシュのタンニンがとてもリッチでまろやか!そしてミネラルとフレッシュ感で溢れている一品です! キャルシネール・ルージュ*Calcinaires Rouge 品種:グルナッシュ15%、カリニャン10%、ムルヴェードル25%、シラー50% 樹齢:グルナシュ 15年、カリニャン30年、ムルヴェードル20年、シラー15年 土壌:シスト・粘土石灰・石灰質 収穫量:25 hl/ha 醸造:2-3週間タンクでの醸造 熟成:10ヶ月間の木樽熟成 (20%)とタンク熟成 (80%) 『カルシネール』とは『Calcaire=カルケール=石灰』から付けた名前です。 […]

19
Nov

アルデッシュで見つけた自然派ワイン醸造家、ジェラルド・ウストリック、ル・マゼル

今回訪れた場所は、アルデッシュに在るValvignéres*ヴァルヴィニェールの村で自然派ワインを造っているGérald Oustric*ジェラルド・ウストリックさん、Gaec du Mazel*ガエック・デュ・マゼルです。 ちょうど今日はマセラッションも終了し、ヴァン・ドゥ・グット(フリーラン)を抜きとって残ったグラップ・アンティエール(除梗なしの房丸ごと)のブドウをプレス機に掛けている所でした。忙しいそうな時期に本当に申し訳ないです!けれども嫌な顔を一つもせず、逆に仕事場を見せれて嬉しそうなジェラルドさん! ここのプレス機は木で出来ており、昔風の仕組みとなっております。誰かがポンプを押すと、ブドウ達が徐々に潰れていき、ヴァン・ドゥ・プレス(プレス機にかけたブドウジュース)が出来上がるのです。そして流れてくる液体をパイプに通し、重力で地下にある輸送用タンクの中に溜めていきます。 『ワインをなるべく優しく大事に扱うには、この方法が一番なんだ』と。溜まったヴァン・ドゥ・プレスは、その後コンクリートタンクかステンレスタンクに移され、ゆっくりと熟成するのです。                    パイプは穴を通し、下の階に設置してあるタンクへと流れていきます 1983年、お父さん、ポールさんのブドウ園を引き継いだジェラルド。しかしこの時代、品質は関係なく、とりあえず量を増やそうという考えが広まっていました。この意見に抵抗を感じたジェラルドは、健全なブドウを育て、自然醸造方を身につけ始めました。ですが彼のブドウの殆どが協会組合へと売られてしまいます。そして何年もの月日が経ち、ジェラルドは運命的な出会いをします。自然派ワインの神様とも言えるマルセル・ラピエール氏と、ジャック・ネオポール氏に出会うのです。彼らの指導を受け、ジェラルドは協同組合にブドウを売ることを止め、1997年に自分のワイン、しかも畑から醸造まで全て自然に造り上げた初ヴィンテージを生み出したのです!当時はまだカーブは無かったのですが、2年後には自分の醸造所も建ち終り、今では30haものブドウ園を栽培しているのです! 彼の目標は、とにかくアロマと繊細さを引き出すこと。 ジェラルドのブドウは、ピジャージュを行わなくても、もうすでにブドウ内でアルコール発酵がスタートしているのです。繊細さを求め、2日間5℃でのマセラシオン・カルボニックを行います。ポンプは絶対しない(デリケートなアロマを残し、ブドウを潰さないため)、濾過もしなければフィルターにも掛けない、そして亜硫酸は頼まれる以外絶対に添加しない!というのが彼のモットー。 『私は各区画に存在する自然酵母を全て知っている。長年研究している間、2℃という低い気温でも成長する自然酵母を発見したんだ!』と真剣に話すジェラルド。 コンクリートタンクの中にはブドウが発酵中。この中は二酸化炭素でいっぱい!もし中に落ちてしまうと死んでしまう可能性が大!!ピジャージュの作業は命がけなんですね・・・! そして2008年の出来はどうでした?と尋ねると、 『今年の収穫期間は1ヶ月間も続いたんだ。今年は開花期の前にブドウ木がミルディウー(べと病)に罹ってしまった。そのせいでカリニャンとグルナッシュは全滅、カベルネ・ソヴィニョンも半分以上やられてしまった。そして何といっても今年は雨が多かった。この地区では1年当たり600mLの雨が降るのだけれど、今年はたったの6ヶ月でその倍雨が降ったからね。けれどもミストラル(海から来る風)のお陰で、ブドウは乾燥し、醸造しやすくなった。シラーとヴィオニエに関しては、結構良い収穫が出来たし(各30hL)、アルコール発酵も完璧に終了した。』 キュヴェ・ヴァン・ドゥ・ソワフ 07*Cuvée Vin de Soif 07 品種:グルナッシュ75%、シラー−カリニャン−カベルネ・ソヴィニョン25% 樹齢:25年 土壌:粘土石灰質 醸造:6-12℃のステンレスタンクで醸造 熟成: 2ヶ月間の木樽熟成 古くから伝わる自然派ワインの、ほっとする安心感が漂ってくる味わいです。 シャルボニエール*Charbonnières 品種:シャルドネ100% 樹齢:20-30年 土壌:粘土石灰質 醸造:6-12℃のステンレスタンクで醸造 熟成: 1年間のタンク熟成 アルコールと酸味のバランスがとても綺麗!ミネラルと柑橘類や花の香りが魅力的です! ミアス*Mias 品種:ヴィオニエ100% 樹齢:20年 土壌:粘土石灰質 醸造:6-12℃のステンレスタンクで醸造 熟成: 1年間のタンク熟成 とても繊細で柑橘類の味わいが口いっぱいに広がります! キュベ・ブリアン*Cuvée Briand 品種:グルナッシュ100% 樹齢:45-60年 土壌:粘土石灰質 醸造:6-12℃のステンレスタンクで醸造 熟成: 1年間のタンク熟成 フルーテーでフレッシュ!ジャムのような濃厚さと、ブラックベリーの甘さがこのワインの特徴です! キュベ・プラネット*Cuvée Planet 品種:カベルネ・ソヴィニョン100% […]

17
Nov

TERRA MADRE 2008 – SLOW FOOD * テラ・マドレ2008-スローフード

CARLO PETRINI PRONE LA DECROISSANCE * カルロ・ペトリーニ氏、減少を絶賛する « Il est criminel que les gouvernements aient réussi à trouver 2 000 milliards d’euros pour aider les banques alors qu’ils ne trouvent pas l’argent pour sortir des millions de personnes de la famine » Voici les premiers mots de Carlo Petrini dans son discourt d’ouverture. 『政府は銀行へと2兆ユーロもの資本援助をしている。しかし何千万人もの人を飢饉から助ける予算が無いなんて、それはあまりにも許しがたい。 』カルロ・ペトリーニ氏のスピーチはこのような言葉から開始した。 Le ton […]

14
Nov

有機栽培の協会組合、エステザルグへようこそ!- Cave des vignerons d’Estezargues

ローヌ河南部の町、アヴィニョンの南西側に位置しているエステザルグ協同組会。この地区の土壌質は略粘土 ・砂利質、そして多様な品種のブドウが栽培されています。その為、ボリューム感と骨格がしっかりとしたワインが造られる地区として有名です! エステザルグは1965年、10件の生産者が力を合わせて構成した協同組会です。皆さんの畑の面積を総合すると、何と450ヘクタールもあるのです!しかしここからがこの組会の特別な所!化学肥料や除草剤を一切使わない自然栽培と、収穫されたブドウの特徴を壊さない自然醸造方がモットーです。 『ドメーヌごとに収穫と醸造を行い、各区画の土壌の特徴を最大限に引き出す事を目標としている。醸造の間、亜硫酸は一切添加しないため、ブドウ果汁が空気に短時間触れるだけでも酸化の原因となってしまう。だからなるべく素早く作業を進めていかないといけない。』こう語るのは、エステザルグの組合会長、Denis Deschamps*ドニ・デシャンさん。彼は2004年から一人でこの巨大な組織の会長として全ての作業を厳しい目で監視しています。一人でこの座を務める前には、今はDomaine Le Bout du Monde*ドメーヌ・ル・ブ・デュ・モンドとして独立したEdouard Laffitte*エドゥワード・ラフィットさんと供に働いていました。 協同組会での醸造所はまさに工場です!入った瞬間、あちこちで様々な作業を行っている従業員達で賑わっています。最初に目に入ったのは、やはり真直ぐと続くタンクです。 コンクリートタンクは容量260L、デキュヴァージュは手作業。ステンレスタンクは容量300L、そして重力の法則でタンクから木樽へと流れていきます。 『自然酵母は低い気温でなければ発達しません。ですから赤ワインは、略3週間もの間、タンク内でアルコール発酵を行います。そして、タンニンをまろやかにする為、木樽で6ヶ月間から18ヶ月間の間熟成させます。白ワインの場合は6ヶ月間タンクと樽での熟成、ロゼに関しては、6ヶ月間のタンク熟成です。そして瓶詰め前に、自然と含まれているガスを抜きます。ワインを瓶内に入れ、コルクで蓋を閉めてから、よりまろやかさを引き出す為、再び13度で瓶内熟成を行います。』 10件ものドメーヌを集めて醸造しているのでワインの種類は10種類以上! 今日試飲したのは・・・ キュべ・レ・グランド・ヴィーニュ・ロゼ 08 *Cuvée Les Grandes Vignes Rosé 08 グルナッシュ、シラー、サンソーのアセンブラージュ・ワイン とてもフルーティーな一品!グルナッシュのまろやかさにシラーのフルーツ感、そしてサンソーの繊細さを最大限に表現した、爽やかでに飲みやすいワインです。 サンソーとグルナッシュはアルコール発酵が発生しにくい品種。そこでシラーと混ぜ合わす事によって、アルコール発酵が起きやすくなるのです! キュべ・レ・グランド・ヴィーニュ・ブラン 08 *Cuvée Les Grandes Vignes Blanc 08 クレレット50%、ヴィオニエ50% 9月25日に収穫されたブドウは、3週間18℃にてアルコール発酵されたもの。 まだマロラクティック発酵は始まっていないので少し酸味が強い!この第二次発酵が終了したら、スティラージュ(澱引き)を一回行い、自然と澱が樽底にたまるのを待つのです。 白い花やピーチなどの爽やかなアロマに、ハチミツの甘い香りが混ざっている、繊細で飲みやすいワインと仕上がるでしょう! ドメーヌ・デ・バキャント 08*Domaine des Bacchantes 08 グルナッシュ30%、シラー70% 『バキャント』とは酒神バッカスを祈るパーティー、『バカナール』で、バッカスの為に踊る女性達を示しています。 このキュベもアルコール発酵は終了したが、マロラクティック発酵がまだ行われていない状態です。その後、8ヶ月間樽で熟成し、スティラージュを行う予定です。ですがもうすでにレグリスと香草のアロマや、黒フルーツ(シラーの特徴)の香りが凄い!しかも14℃の熟成度で収穫されたブドウなので、とても骨格がしっかりとしていて豊富なワインと仕上がるでしょう!  ラ・グルナッチャ 08*La Grenacha 08 グルナッシュ100% アルコール発酵は終了したが、マロラクティック発酵がまだ行われていない状態で試飲。この品種はマロラクティック発酵が一番起きにくい品種です。何故かと言うと、グルナッシュの高い熟成度とリンゴ酸の少ない量が原因だそうです。しかもアルコール度数は14℃以下、そして樽内の気温は20℃と、全てが整った状況でなければマロは始まりません・・・けれどもドニさん曰く『このキュベはもうすでにフルーツの香りとタバコの葉やコショウのスパイシー感が強い。マロが終了したら、より柔らかくなって、バターのようなとろみが出て来るんだよ!楽しみだ!』ですって! キャランチエンム・ルジサン 08*40ème Rugissants […]

13
Nov

笑顔率100%!レミー・スリエと楽しい一時を!DOMAINE SOULIE – ST CHINIAN, LANGUEDOC

香草畑の景色が目の前に広がっていく中、予想もしていない場所にポツンと建っているモダンな家が一軒。田舎のど真ん中なのに何てオシャレ!ここで400年前から有機栽培をしているドメーヌがあるという。 早速尋ねてみると、ニコニコな笑顔で出迎えてくれたRémy Soulié*レミー・スリエさん。初対面なのにジョーク連発、とても親しみやすく、絶対に嫌うことの出来ないほど優しくて面白い方! まだ41歳ですがもうすでに23回目のヴィンテージ!自分の職に自信を持ち、人生を楽しんでいる、まさに『Dont’t Worry, Be Happy 』、『心配はいらない、幸せになろう!』と言う言葉がピッタリと当てはまる人です! Domaine des Soulié*ドメーヌ・デ・スリエとは1610年から存在し続ける造り手です。当時は化学物質などは当然無く、醸造家は皆有機栽培で植物を育てていました。この栽培方法を、このドメーヌは化学の発達に影響もされずに長年守り続けてきたのです。 土壌は全て粘土石灰質。この岩と回りに生えている香草がワインに綺麗なミネラル感とスパイシー感(野性のタイム、ローズマリー・・・)を与えているのです。 レミーのワインはとても繊細でフレッシュ。自分が興味を持っているブドウを育て、ワイン造りを楽しんでいる彼。 お父さん、Jean-Paul*ジャン・ポールさん曰く、 『レミーは昔から陽気だ。だから彼のワインも陽気なんだ!ワインには造った人の性格が出ている。このドメーヌのワインは全てが軽い弾みで飲める、生き生きとしてサッパリとしたワインが多いんだよ!』ですって! でも本当に仲良しなんでしょう、2人共笑顔が耐えないです! ランチにしよう!と、テーブルに座った瞬間、栗を見つけたオザミの菅野さん。即行リクエストに答えようと、庭の暖炉で栗を焼いてくれるレミーさん。 ←『これは、ブニェット*Bougnette だよ!豚肉とパンの身で作ったシニャンの名物なんだ!一度食べたらやみつきになるから!』と嬉しそうに教えてくれるレミー。 → こちらが焼けた後。本当に美味しく、カリカリしていながらもトローと蕩ける感触がグー!確かにワインのおつまみには抜群かも! レミーのワイン、マルサンヌ100%に漬けてあるキノコのおつまみです。とても酸味が利いていて美味しい! 待っていました、プリップリな手作りソーセージ!ジューシーで香ばしい〜! お父さんのオリーブ畑で朝収穫して来たオリーブの実です。やはりスーパーなどで買うオリーブとは味も色も全然違う!歯応えがあり、香ばしさもあり、香草の香りがとても染み込んでいます。 シンプルですが最高に美味しい様々な料理に、皆さんも手が止まらなくなります。 そしてお料理と一緒に頂いているドリンクは・・・・ フルーツの香りが口に広がるキュべ・マルサンヌ 07*Cuvée Marsanne 07(マルサンヌ100%)と、熟成感たっぷりのメルロ07*Merlot 07(メルロ100%、樹齢35−40年)です。 他にも、キュベ・レミ 07*Cuvée Rémy 07 サンソー80%、シラー20%、樹齢35−40年 とてもミネラルが含まれているフレッシュなロゼ!酸味とアルコールのバランスがパーフェクト!フルーツの甘さは控え目だけれども存在感がしっかりとある、繊細な味わいです。 伊藤さんとレミーは仲良し! 見てください、2人の笑顔!一体何を話していたのでしょうか・・・? 彼には不思議な力があります。彼といると、誰もが自然と笑顔になっていくのです!まさに心を安らげてくれる存在ですね! そしてデザートには先ほど焼いておいた栗と、オザミ限定ワイン、キュベ・ブーが登場!このマリアージュがまさに最高!どうしてこんなに合うの?!とビックリするほどの美味しさ。   キュベ・ブー 08*Cuvée Bou 08 サンソー100%、樹齢35−40年 2008年のキュベ・ブーは前年に比べ、より繊細で爽やかです。しっかりとした酸味もあり、パワフル感もあり、ミネラル感たっぷり!サンソーなのにピノのような味わいがとてもエレガント!アペタイザーなどに、グイグイといけちゃいそうなワインです! お腹もいっぱいになった所でレミーの醸造所へレッツ・ゴー! とても大きい醸造所。とそこには今年のブドウで詰まった立派なステンレスタンクがキレイに並べてあります。その中にはサンソーやシラーなど様々な品種が発酵中! 収穫後、厳しい選別を終えたブドウ達は、重力の法則でタンクの中に流れ込んでいくのです。この作業も実はとても重要な役目があるのです。ここでブドウを優しく扱わないとブドウの実は潰れてしまい、粗いタンニンや風味が出てきてしまいます。そうするとワインの出来は悪くなってしまい繊細さにも欠けてしまいます。せっかくキレイなブドウを収穫したのに、丁寧に段階を進めていかないと全てが無意味になってしまうのです。 シラーを試飲中の杉野さん。彼の真剣さが伝わってきます。でもポーズにし、やはり決まっていますね! 木樽の中身は発酵中のブドウでいっぱい。このブドウはマルベックの品種です。新樽で1週間発酵させた後は、2年間の間樽熟成させます。そうしたら酸味が残り、さらに存在感のある味わいと仕上がります! そしてレミーさんの『宝の部屋』、カーヴへと侵入。ここで眠っているのは、繊細でミネラルな今年のピノ・ノワールや、フルーツ感たっぷりで甘いグルナッシュ!彼が収穫するブドウは熟成度が高い。それは南仏の気候の特徴でもあるが、熟成度が高いと、当然ブドウ内の糖分の量も多い。そうすると、全ての糖分がアルコールに変わり終えるまで、時間が掛かる。しかもレミーの醸造方は全てが自然方法。そのせい、マロラクティック発酵がなかなか起きない場合もあるのです。この第二次発酵が起きるまで、樽の中でワインになりかかっているブドウ果汁を保存しておくのです。 オザミの皆さんへと急にキュベ・ブーを瓶詰めし始めるレミー。 そしてオザミの杉野さんも負けずにと初瓶詰めに挑戦! キュベ・ブー今年の初一本完成!そして2人の幸せそうな笑顔を記念にパシャ! […]

12
Nov

第一次世界大戦終戦記念日

今日11月11日、フランスは第一次世界大戦の終戦記念日で祭日です。 フランス中の街、村でもこんな式典が行われています。生存者がだんだん少なくなってきてしまいましたがその家族や元軍人の人達が参加しています。 どの市町村にも記念基がありその前に集合して式典が開催されます。 ここPARIS近いサンマンデでも今朝こんな式典が行われていました。葡萄収穫が終わって醸造も一段落着くころのフランス風物誌とも言える光景です。

12
Nov

ラ・フォレー・ヌーヴォーと夕日に輝く紅葉

今、紅葉が実に美しい。ラフォレーの畑とコート・ドゥ・ブルイの山が夕日で輝いている。 畑の紅葉が美しくなるのと同時にヌーヴォーが完成する。 ラフォレーではベト病の被害も少なく良く熟した葡萄が収穫された。 フルーティーさでは14社訪問した中ではナンバー1だった。 08年の収穫も楽しさ溢れる収穫人が2週間に渡ってラフォレーで共同生活をした。彼らの喜びがラフォレー・ヌーヴォーには詰まっている。 こんなに美しい景色を見ながら育った葡萄で造ったヌーヴォーは美味しいに決まっている。 思わずカメラのシャッターを切りっぱなしだった。 何時間でも葡萄園でジッとしてられる心地良さがある。

11
Nov

大自然に囲まれている城、ロマノー・デストゥゼ * エルヴェ・スオ Herve SOUHAUT

コート・ドゥ・ローヌ、標高430mに在るアルボレスク村の中、 大自然に囲まれながら逞しく建っている立派なお城。 ここで醸造しているのが、Hervé Souhaut*エルヴェ・スオーさん、ドメーヌ・ロマノー・デストゥゼ*Domaine Romaneaux Destezet です。 このお城は1500年に火山塊の土壌に建てられました。歴史が詰まったこの場所はその後エルヴェの奥さん、Béatrice*ベアトリスさんの曾祖父に買われ、代々と受け継がれている遺産です。その点エルヴェさんはパリで育った都会っ子。化学の勉強をしてきた彼は、ワインに含まれている成分にとても興味がありました。その後エルヴェはパカレ氏と親友になり、より深く自然派ワインの世界を知りたいと思い、それから彼の醸造家としての人生が始まったのです。1990年にダール・エ・リボのジャン・ルネ・ダールさんと働くようになり、1993年には奥さんと共にこのドメーヌを設立したのです。今では自然派ワインの世界では欠かせない人物。真直ぐで心の優しい彼のワインには、その真剣さと繊細さがとても伝わってきます。 季節の花(アジサイ)に囲まれている醸造所の入り口は こんなに立派・・・! 一体どの様なワインが保存されているのでしょう・・? 楽しみです! 『収穫はつい三日前に終わったんだよ(10月16日)。だから今ちょうどブドウは発酵中なんだ。』と大きな発酵樽に登りながら言うエルヴェさん。 『今ちょうどピジャージュをしなければならないんだ。もしよければやってみる?』ハイ!喜んで!と皆さん初体験のピジャージュを試してみる事に。 ピジュ(木の棒)で樽の中のブドウをかき混ぜるだけなのですが、予想以上に重い!体力がかなり必要な作業でした・・・! そして今年のワインを試飲!出来はどうですか?と尋ねたところ、 『今年は1ヶ月間雨が絶えなかった。けれどもその後はずっと良い天気が続いて本当に良かった。シラーは腐った部分も無く、熟成度が高い綺麗なブドウが収穫できたよ。それに比べてサン・ジョセフの畑はミルディウー(べと病)でかなりやられてしまった。今年の出来具合は全てブドウの厳しい選別に賭けたよ! 』 と語るエルヴェさん。 アルコール発酵中のワインはまだ少し酸味が強い部分もあるけれど、まるでりんごジュースのような甘さ!トロンとしている喉越しは最高! ラ・ストゥローヌ*La Souteronne ガメー100% 樹齢:60-80年 土壌:シストが混ざった花崗岩 3週間タンクでアルコール発酵した後、細やかな澱と一緒に8ヶ月間の樽熟成。ピジャージュはするが、濾過は一切無し。このキュベはフルーツの美味しさを絶好に引き出しています。赤フルーツにスパイシー感を足したような、とても繊細なワイン。口に含んだ瞬間、別世界に引き込まれそうな 、とてもバランスがいい一品です! シラー* Syrah シラー100% 樹齢:30年 土壌:シストが混ざった花崗岩 3週間タンクでアルコール発酵した後、細やかな澱と一緒に8ヶ月間の樽熟成。 より香りと色を引き出す為、フラージュ(破砕)を一日3回行います。 このブドウはローヌ川の支流、ドゥー川が流れている丘で収穫されたブドウです。 ミネラルがたっぷり含まれていて、コショウなどのスパイスと、赤フルーツのアロマが良い具合にマッチしています。とても綺麗な味わいです! サン・テピンヌ AOCサン・ジョセフ* St Epine AOC St Joseph シラー100% 樹齢:100年 土壌:シストが混ざった花崗岩 長い間タンクでアルコール発酵した後、細やかな澱と一緒に12ヶ月間の樽熟成。ピジャージュはするが、濾過は一切無し。この畑はサン・ジョセフの地区でも一番優れている区画であり、エルミタージュのテロワールと同じ特徴があるという。 パワフルすぎなくて上品なタンニン、鼻をくすぐるスパイスさ、軽いスモークの香りが完璧に溶け込んでいて美味しい!! ドメーヌ・ロマノー・デストゥゼ*Domaine Romaneaux-Destezet ヴィオニエ60%。ルサンヌ40% 樹齢:15年 土壌:シストが混ざった花崗岩 標高430mの区画に植えられたヴィオニエは、絶好な日当りに恵まれています!4週間の間木樽でアルコール発酵した後、細やかな澱と一緒に12ヶ月間の樽熟成。ピジャージュはするが、濾過は一切無し。アブリコットや花の香りがするこのワイン。しっかりとした骨格にはアロマの複雑感と繊細さ、テロワールのミネラル感などがたっぷり!アペタイザーにはピッタリなキュベです! エルヴェは最初から決めていた事があります。 『僕は環境を考え、健康を考えた上でのワイン造りをしたかった。だから畑では一切化学肥料などは使用しない。せっかく自然が生み出してくれた物、例えば土や生物などを、何故殺す必要があるのか?だから僕は自然派ワインを造り、自然派ワインの事をもっと勉強してもっと理解できるようになりたい』 […]

10
Nov

世界一美味しい « コック・オ・ヴァン » はボジョレーにあった!

マルセル・ラピエールさんを訪問した後、彼のお気に入りのお店、『世界一美味しいコック・オ・ヴァン』が食べられる地元の可愛いレストランへランチを食べに行きました。 ここのシェフは、コック・オ・ヴァンにはかなりの拘りを持っており、地元では有名人! オザミワールドの菅野さんと土居さんとシェフ 壁には鶏の小物がたくさん飾ってあります。さすが! 最初に出てきたのは、刻みパセリが入ったハムとサラダ。 シェフの新メニューです! マルセルさんも『何でもっと前から作らなかったんだ!』 というほどの美味しさです! そして待っていたコック・オ・ヴァンの登場です! お肉は柔らかいし、ソースも濃厚で抜群! ボリューム感もたっぷりあって絶品です! マルセルさんはよほどこの料理が大好物なのでしょう。 一瞬で綺麗にソースまで食べてしまいました! お肉と一緒に出てきたのは、きのこのバター炒めと、お芋のグラタンです。 家庭料理の味です! こちらの料理に合うのは、ラピエールの一番弟子、ギー・ブルトンのモルゴン・ヴィエイユ・ヴィーニュ。 料理とのマリアージュは最高! どんどん食べてグイグイ飲んでしまうような感じです! デザートにフロマージュ・ブラン(=フレッシュチーズ)を頼むマルセルさん。 普段はお砂糖を加えて、ヨーグルトのように食べるこのデザート。 けれどもマルセルさんは違う! 彼は大量の塩とコショウを入れて食べるのです。 エッ!?とビックリしていたものの、食べてみるとクセになる味! ワインに合う、ちょうどいいおつまみです! 皆さんもボジョレー地方に訪れたら是非行ってみて下さい! 丘の上から見上げる景色は最高ですよ! Auberge du Col de Truges* オーベルジュ・デュ・コル・ドゥ・トリュージュ 住所:Col de Truges     69910 Villié-Morgon 電話 : 04.74.69.92.51

8
Nov

朝日に輝く紅葉のロマネコンチ

オザミ メンバーとブルゴーニュワイン街道を走る! 一年の仕事を終え,一息の葡萄達 10月18日の早朝コート・ドゥ・ニュイ・グランクリュ街道を走った。 前夜、パカレとレガラードで夕食を済ませたあと、誰からとなく 『ロマネコンチの畑が見たい。』 ということになり、日の出と共にホテルを出発してワイン街道を 走った。 朝日に照らされたロマネの畑は紅葉と重なってより紅色だった。 収穫も終えて、ホット休んでいる畑が印象的だった。 12月に池袋にオザミ新店舗がオープンする。杉野さん、土居さんの 二人が担当だ。オープン前の充電フランスツアーだ。 そしてオザミ東京店長の菅野さんは店の壁にあるこのロマネ畑の写真を 毎日見ながら仕事をしている。本物との出会いは格別だ! オザミの若きリーダー達 ロマネコンチに立つ 杉野さん                柔らかいタッチの性格と研究熱心 静かに燃える男 土居さん  皆をホットさせてくれる貴重な存在  菅野さん 芯が強く、 頑張り屋の女性ソムリエール

7
Nov

標高320m、急な斜面、ドメーヌ・クリューゼル・ロックへようこそ − Clusel-Roch

朝9時。外はまだ寒い空気に包まれています。そんな中訪れた場所は、 ヴェルネー村 に在る Gilbert et Brigitte Cluzel Roch*ジルベールとブリジット・クリューゼル・ロックさんのもとです。可愛らしい家から出てきたブリジットさん。気温は5度なのに半袖です・・・寒くないの?と聞いたら、『私は幼い頃からここに住んでいるから、この地区の気温に慣れているのよ!』と笑顔で答える彼女。 ジルベールさんもブリジットさんもコート・デュ・ローヌ出身。ジルベールさんの父は地元では有名な醸造家。けれどもこの時代(80年代)コート・ロティのワインは他のアペラシオンに比べてあまりよく知られていませんでした。けれどもジルベールさんは 『ここの畑は絶対いつか認められる。』と信じ、 1988年にこのドメーヌを引き継いだのです。 ジルベールさんが所有している区画は小さな区画が多く、各畑ごとに収穫されたブドウが一つのキュベに使用されています。栽培されている品種は95%以上がシラー、残りの5%はヴィオニエと、食品用のシャスラです。 標高200Mのテラス状の段々畑に在る区画は、第一次世界大戦前まではりっぱなブドウ園だったそうです。けれども戦争以来ずっと放置されていて、草はともかく、コナラの木までが生えていました。 『私の目標は長年掛けてでもこの畑を昔のように綺麗な畑にする事だ。しかし急な斜面なので作業が進みにくい。けれども2−3年前から新たなシラーを少しづつ植えていっている。3年後には収穫出来るかもしれない。この畑がいつか立派なブドウを実らせてくれるように毎日頑張っています。』 とシャイだれけども素敵な笑顔を見せたジルベルさん。 クリューゼル・ロックの土地の特徴と言えば、やはりこのミクロシスト質のテロワールです。 石のとても小さな割れ目にそって、土の奥へと深くブドウ木の根が張っていきます。その深い部分から、ブドウの成長に必要なミネラルや成分を吸収していきます。 夜明けと共に輝くブドウの木は逞しい感じがします。標高が高いのでコート・デュ・ローヌの町が見渡せます。 ジルベールさん曰く 『僕は自分のワインにパワフル感より繊細さをより感じて欲しいと思っている。偉大なワインは健全で熟成しているブドウが収穫出来ないと造れない。その為にはなるべく自然な方法で栽培をしなければならない。』 畑での作業は殆ど手作業。斜面なので機械が使いにくいという点もあるが、やはり自分の手で土、木、ブドウを確かめるという事が大切なんだと。 『テロワールの特徴を最大に表現できる為、私達は自分達の畑のシラーを使って接木して苗木を作り植えています。収穫量は低いですが、その分豊かで複雑なアロマが詰まったブドウが生るのです。』 彼の醸造所はとてもさっぱりしていて綺麗です。アルコール発酵はステンレスタンクで、そしてマロラクティック発酵は、まろやか感を出す為に樽で行います。 『私は亜硫酸や化学物質を一切使用しなので、この醸造法はとてもリスクが高い。毎日監視していないと、すぐに酸化してしまう。』 『2008年は雨が絶えなかった年だ。9月の上旬は毎日雨。けれども中旬当たりから太陽が戻ってきた。暖かい日中と寒い夜が実の腐敗を制限し、ブドウに良い熟成度を与えてくれた。今年は特に選別作業が一番大変で一番重要な作業となった。健全なブドウのみ使用した為、綺麗な色のワインが出来上がるでしょう!』との事。 今年は2004年ヴィンテージに似た年になりそうです。 ラ・プチット・フイユ 06*La Petite Feuille 06 品種:シラー  樹齢:4-10年 『ラ・プチット・フイユ』とは『小さな葉』と言う意味です。 選別されたブドウは3週間の間タンクでアルコール発酵、そしてピジャージュとルモンタージュを終えた後、コナラ樽で15ヶ月間熟成。このワインは一番若いシラーで造られています。とてもミネラル感があり、エレガント。そして何と言っても果実身が強くてとても豊富な味わいです。待てない人は今すぐ飲んでも良し!けれども5年待って飲んでみても美味しいです! クラシック*Classique 品種:シラー96%、ヴィオニエ 4% 樹齢:30-40年 選別されたブドウは3週間の間タンクでアルコール発酵、そしてピジャージュとルモンタージュを終えた後、コナラ樽で何と24ヶ月間も熟成!しっかりとしたタンニン、シスト土壌独特のミネラルとスパイス、そして何と言ってもアロマの豊富さ!全てが良いバランスで混ざり合っていてとても上品で繊細なワインです。保管すればするほどより複雑感が現れてきそうなキュベです! レ・グランド・プラス*Les Grandes Places 品種:シラー・ヴィエイユ・ヴィーニュ100% 樹齢:70年 選別されたブドウは3週間の間タンクでアルコール発酵、そしてピジャージュとルモンタージュを終えた後、こちらもコナラ樽で何と24ヶ月間も熟成!しっかりとした骨格とスパイシーなアロマがこのキュベの特徴です。黒いフルーツの香りが複雑感を与え、パワフルさと繊細さが良い具合でマッチしているワインです。ジビエや肉汁たっぷりな赤肉と飲んでみて下さい! コンドリウ* Condrieu 品種:ヴィオニエ100% 樹齢:15年 選別されたブドウは3週間の間タンクと木樽、両方でアルコール発酵、そしてそのまま12ヶ月間熟成します。軽い濾過をしたこのワインは、『テロワールのジュース』と呼ばれるほどミネラル!酸味もちょうど良く、柑橘類やハチミツ、ライチに白い花など、様々なアロマが混ざった何ともいえない美味しさです。アペタイザーにも飲めて、鶏肉や魚料理にも合ってしまう優しい味のワインです。 オザミワールドの杉野さんのお茶目ワン・ショット オザミワールドの菅野さん、土居さん、杉野さん

6
Nov

パカレ・ヌ−ヴォ−がビン詰め! 08年はヌーヴォ−の為の年だった!!

11月3日はパカレ・ヌヴォ−が完成した。 パカレ 『87年を思い出すヌ−ヴォ−だ。当時はまだジル・ショ−ヴェ先生のところにいた。80年台はずっとジル・ショ−ヴェ先生のところでヌ−ヴォ−を造っていたんだ。今年のヌ−ヴォ−はまさにジル・ショ−ヴェが造ったヌ−ヴォ−の味わいだ!』 伊藤 『どんな点がジル・ショーヴェ風なんだ?』 パカレ 『アルコ−ル度数が11度と低めで、軽やかでいてきっちりミネラルと果実味があってグイグイと飲めてしまう感じなんだ!このタイプこそ本来のボジョレ・ヌ−ヴォ−なんだ!!最近のヌ−ヴォ−は完熟させ過ぎで濃縮感があり過ぎるんだ!08年のこのタイプこそ本来のヌ−ヴォさ』と言い切るパカレ。 その後、ボ−ヌにある和食レストランBISSOにこのヌ−ヴォ−を持ち込んで釜飯とリムザン牛を食べながら楽しんだ。 そこにロマネコンチのオ−ナ−であるヴィレンヌ氏がいた。 パカレとは勿論良く知った間柄。簡単な挨拶を済ませたあと、パカレは08年ヌ−ヴォ−をヴィレ−ヌ氏のグラスに注いだ。 パカレ 『08ヌーヴォ−を瓶詰めしたんだ。どうぞちょっと楽しんでください。』 ヴィレ−ヌさんは試飲したあと一言 『昔、ジル・ショ−ヴェさんが造っていたヌ−ヴォ−みたいだね!』 まるで、打ち合わせしていたかのようなコメントだった。 私はヴィレ−ヌさんがジル・ショ−ヴェ先生のことを知っていたことに驚いた。そしてワインのタイプまで記憶していたんだ。 私はパカレに聞いた。 伊藤 『ヴィレ−ヌさんはジル ・ショ−ヴェ先生を知っているのかい?』 パカレ 『勿論だよ』 その後BISSOの主人とパカレと客が引けた後に、飲み会になってしまった。ブラインドで5本が開いた。 今夜も楽しいひと時が過ごせた。 08年産ヌ−ヴォ−は3本ぐらいはス−ッと入ってしまう。 日本の皆さん!楽しみにしていてください。!!

4
Nov

自然派ワインの伝道者:マルセル・ラピエール Marcel Lapierre

ボージョレ地区のモルゴン村と言ったら必ず出てくるこの名前: マルセル・ラピエール。一体何者だろう?といつも思っていた私は、この間やっと彼に会う機会が訪れました! 第一印象は・・・サンタクロース?!に似たおじいさん。優しい笑顔に純粋な目、意外とお茶目?!な面もあり、とても親しみやすいマルセルさん。 けれども彼 、実は凄い偉大な人。自然派ワインの世界では、誰もが尊敬し目標としている人物だ。 このドメーヌはマルセルさんのおじいちゃんが1900年に造り上げたもの。代々継がれていき、1973年にはすでに11haの畑を栽培していたマルセルさん。この時代(特に80年代)は、とりあえず量を増やそうという考えが広まっていました。その為、マルセルさんやマルセルが影響を受けたJules Chauvet*ジュル・ショヴェ氏の、『収穫量が少なく、化学物質をを使わず健全なブドウを育てよう』と言う考えは一般的に否定されていました。1981年からマルセルは本格的にビオディナミ栽培に切り替え、亜硫酸、人工酵母、化学肥料、除草剤など一切使用しなくなったのです。そして現在。今となり、彼の栽培・醸造方法は確かだったと誰もが声をそろえて主張する。彼は何年後かの地球の環境をもうすでに30年前から見渡していたんです。 このカーブに彼のワインが眠っているのです。 モルゴン07*Morgon 07 には一切亜硫酸を添加していないので、本当に自然中の自然なワインと仕上がっています。複雑感が漂ってくるアロマには、レグリスや赤フルーツ、お花の香りなども漂ってきます。そして何といってもテロワール(花崗岩質)の特徴がしっかりと強調されています。 モルゴン08*Morgon 08 まだマロラクティック発酵が終了していない段階のモルゴンを試飲。お味は・・・まだ酸味が強い!けれどもフルーツの味が口いっぱいに広がります。色もまだまだワインには遠いけれど、クレヨンで描いたようなパステル系な紫色がとても綺麗です。 これはブルゴーニュ地方で良く目にするトロンコニック樽です。この中でグラップ・アンティエール(除梗なしの房丸ごと)のブドウのアルコール発酵が12日間の間行われます。 年により、アルコール発酵が終了する3-4日前に、こちらの格子で樽内のブドウを上から押し付けます。これを使うとブドウ果汁に色が付きやすくなるのです。 そして先ほどのブドウをプレス機に掛けます。マルセルのプレス機は昔から使っている木製のプレス機。 そしたら何と少し前までブドウだったのが、液体となって下から出てきます!これはまさに天然ブドウジュース!甘いフルーツの香りがたっぷりです! このタンクの中に今年のボジョレー・ヌーボーが詰まっているのです。ブドウの香りがたっぷり引き締まっています。 『今年は雨や雹が以上に多かった年だ。だから一つの房がまるまる綺麗だったブドウや完璧に熟成度が達したブドウの量がとても少なかった。去年に比べ、収穫量は全然少ないが収穫期間は去年の2倍も長かった(26日間)。今年のボジョレーの品質はブドウの選別にかかっていた。』 と少し悲しそうな顔で語るマルセルさん。『『けれども例年の2倍の時間と労力をかけて完璧なブドウのみを使用して造ったワインは絶品に仕上がるよ !』と最後は自信のある顔に戻ったマルセルさんでした。 Beaujolais の風景 マルセルさんの畑にて 奥さん、 マリーさんと オザミワールドの 杉野さん、 菅野さん、 土居さんと

3
Nov

若きボジョレーの星、ニコラ・テスタールさん − Nicolas Testard

地平線まで広がる大自然が魅力的なボジョレー地区。今日ここを尋ねて来た理由は、期待に溢れた若き醸造家が居ると聞いたからです。 そう、その人の名はNicolas Testard*ニコラ・テスタールさん。 まだ29歳、けれども経験はとても豊富。 小さい頃からブドウ畑で遊んでいた彼は、学校の卒業と共にブルゴーニュのティエリ・ヴィオロ氏のもとで修行を開始します。その後、2年間ジル・ジャイエと働き、2000年から2005年までプリウレ・ロックのもとで自然派ワインを学びます。 ニコラの情熱さと繊細さに魅力を感じたドメーヌ・デ・ラジャのオーナーは、是非ワイン造りを任したい!と彼にオファーをしたのです。その頃の土壌は、まだ化学物質や殺虫剤を使用していました。けれどもニコラが来たからには畑を浄化しなければならない。そこから彼は任された区画を少しづつビオ栽培の方向へ持っていきました。そして2008年。今年から彼は自分の畑を借り、自分のワインを造る決心をしたのです! 彼の醸造所のドアには、こんな看板が・・・ 『正面の家でよりここで飲んだ方がいいよ』 ニコラのワインは亜硫酸ゼロ。 体に優しく、自然に優しくがモットーです! 小さな醸造所の中は、結構オシャレなデコレーション。 天井には乾燥中の自然派ワインのボトルが沢山! そして壁には栓抜きのコレクションが飾られています! 形、素材、大きさなど色々あり、ニコラも結構こだわりを持っているそうです。 そして試飲開始!彼のトレードマークはこのウサギちゃん。どうして?と質問したところ、 『Les Lapins*レ・ラパン(=ウサギ)と言う区画があるからだよ。この区画には昔ウサギが沢山いたんだ。そして100歳のブドウの実を食べていたんだ。 』との事・・・ そのまんまでした・・・! アノニム07*Anonyme 07 シャルドネ100%、樹齢24年 土壌:粘土・砂質 Vin de Table のラベルには、造り手の名前も品種も書いてはいけないという規則があります。 そして『アノニム』とは『匿名』という意味。アハ〜ン、だからこの名前!と感心していると、ニヤッと微笑むニコラ・・・彼の遊び心がこのキュベの名に出ています。 この白ワインはとてもフレッシュ!シャルドネなのにシュナンのような滑らかな感覚。 キリッとした酸味が、最後に味を引き締めてくれます。 ボジョレー・ヴィラージュ 07*Beaujolais Villages 07 ガメー100% 土壌:粘土・砂質 ここの土地は他の区画より水の量が豊富。そのお陰で化学栽培からビオロジック栽培の変化を一番スムーズに受け入れた区画です。このワインはとてもパワフル!香りも口当たりも、一瞬吸い込まれそうになるくらい複雑で豊かです。赤肉にとても合いそうな一品です。 フルーリー 06*Fleurie 06 ガメー100% 土壌:粘土・砂質 フルーリーの畑は、どこにブドウの木があるの?!と思うくらい草がボーボーです。しかしこれにも訳があり、自然に草を生やす事でブドウの木によりミネラル感が伝わっていくのです。このキュベは18ヶ月間熟成されてある為、フルーツの香りがとても強調されています。 そしてもちろんミネラル感あり、爽やか感あり、ピノと勘違いするくらい飲みやすくて優しいワインです! ボジョレー・ヌーボー 08*Beaujolais Nouveau 08 ガメー100% 土壌:粘土・砂質 飲んできました、今年のボジョレー・ヌーボー! 第一印象は・・・複雑なフルーツの香りにミネラル感たっぷりなワインと仕上がっています! 今年のボジョレーは亜硫酸の添加も一切無し! 天然酵母オンリーで造り上げたワインは、ナテュラル中でのナチュラルワインです。 そしてこのキュベの特徴というと、アルコール発酵が終了する前にプレス機に掛けているので、より甘さが強調されています。 今ボジョレーでは狩のシーズン!ニコラもお隣さんのラパリュー氏と獲物探しに出ていました。そして野ウサギをゲット! 他にも、いのししやヤマウズラ、キジなどもいるらしいです! そして愛犬のピノちゃんもブドウ畑の前でパシャ! […]

31
Oct

Vins de Vignerons – ヴァン・ドゥ・ヴィニュロン

10月26日の日曜日、私はル・タン・デ・スリーズ*Le Temps des Cerises の アクセル・プリュファー*Axel Prufer さんに誘われて、パリの11区にある自然派レストラン、シャトーブリアン*Chateaubriandで行われた自然派ワインの試飲会に行ってきました! 壁には自然派醸造家達の名前がズラリと書かれています。 パカレ、アングロール、リショーなど、名醸造家がいっぱい! 私が行った時間帯はちょうどアペタイザーの時間!ワイワイと賑わっていて、お客さんも醸造家達もちょうど良い気分になってきた頃です! パリに自然派ワインバーを持っている経営者がいっぱい・・・! 座っているお兄さんはこの前までパリ1区にある ル・ガルド・ローブ*Le Garde Robeで働いていたギヨームさん! ドメーヌ・ル・ブ・デュ・モンド*Domaine Le Bout du Monde、エドゥワール・ラフィット*Edouard Laffitte 彼のワインは南仏のワインなのですがとてもミネラル感があり繊細です。赤フルーツの香りが口いっぱいに広がっていく感じが印象的です! – ホップ・ラ*Hop Là – タムタム*Tam Tam – アベック・ル・タン*Avec le Temps – レシャペ・ベル*L’Echappée Belle ラングロール*L’Anglore、エリック・プフィファーリング*Eric Pfifferling アングロールのタベルを飲みなさいとずっと言われ続けていた私。やっと今日そのロゼを試飲する事が出来ました!ミネラル感、フレッシュ感、バランスが抜群の酸味。本当に絶品です!幻の味です!! – Les Traverses*レ・トラヴェルセ – Pierre Chaude*ピエール・ショード – AOC Tavel*AOC タベル – Les Comeyres*レ・コメール – Nulle part ailleurs*ミュル・パル・アイユール – Vejade*ヴェジャード – […]

30
Oct

ドイツ出身の天才醸造家、アクセル・プリュファー * Axel Prϋfer

今日は小さな可愛らしい町の真ん中に醸造所を持つ、 アクセル・プリュファー *Axel Prϋferさん、 ル・タン・デ・スリーズ*Le Temps des Cerises (=サクランボが咲く頃) へやって来ました! 醸造所のドアにはサクランボの看板が飾ってあります! そして目の前には町の教会が! アクセルはまだまだ若い34歳の醸造家!とても優しくて、レディーファーストなジェントルマン!彼は元ドイツ民主共和国出身。経済大学に2年通った後、これは自分が行くべき道ではないと気付き、バーなどで働き始めました。そして義務付けられた兵役を嫌っていた彼はフランスのピック・サン・ルー(ラングドック)へと引っ越してきました。そこで彼は醸造専門学校に通い、自然派ワインを代表とする作り手、マルセル・リショー、ギー・ブルトン、ヤン・ロエル、そしてアンヌ・モスやグリオットの元でワインに対する情熱を学びました。2002年にはオステルタグの元で収穫の手伝いもしました。そして2003年、自分が借りている畑で始めて収穫したブドウでのワインを造る事が出来たのです。けれどもその時はまだ自分の醸造所が無かった為、ジャン・フランソワ・ニック氏の蔵を借りてワイン造りをしました。2004年についに自分の醸造所が出来上がり、念願のドメーヌ・ル・タン・デ・スリーズを建て上げたのです! アクセルは自分のワインに樽の香りが付くのがあまり好まないようです・・・ ですので、使用するなら古樽、しかもプリウレ・ロックやアングロールが使用していた古樽です!樽にもこだわりを持たなければ味も香りも全て変わってしまいます。 こちらがトロンコニックの発酵樽です。 ブルゴーニュ地方ではよく使われている木製の樽です。 かなり大きいですよ! 今年は完璧なブドウが実った!と喜んでいるアクセル。 『アルコール発酵も順調に進んでいる。毎年130hL中30hLは失敗していたが、今年は完璧だ。この出来は、畑での作業や手入れがちゃんと出来ている証拠だ。ブドウも更に健全に育っている。僕にとっては一番嬉しい事なんだ!』 彼のワインは全てグラップ・アンティエール(除梗なしの房丸ごと)のブドウでのマセラシオン・カルボニック。天然な炭酸ガスで発酵樽をいっぱいにして、自動的にブドウが潰れて発酵するの待つのです。ですからピジャージュもルモンタージュも一切必要なし! 『僕がするのはただ一つ:樽の下からヴァン・ドゥ・グット(フリーラン)を抜きとって、その液を樽の上からまた流すという作業。これをするによって樽の換気を行い通気が良くなるし、自然酵母がより発達するんだよ。』 だから豊富なアロマなワインが出来上がるのですね! アヴァンティ・ポポロ*Avanti Popolo カリニャン90%、グルナッシュ10%、標高250m〜300m 土壌:水晶と溶岩が少し混ざった花崗岩 9月20日に収穫されたカリニャンのブドウは、トロンコニックの樽でアルコール発酵、2週間のマセラシオン・カルボニックを行いました。マセラシオンの期間を短くするによって果実味がしっかりと残り、とても爽やかなワインと仕上がるのです!友達と気軽に飲むのにはピッタリなワインです! ラ・プール・ドゥ・ルージュ*La Peur du Rouge セルヴァン100%、標高400m〜450m 土壌:水晶やシストが混ざった花崗岩 『赤が怖い』という意味 2005年、ヴィオニエで造った処、大失敗と終わったこのキュベ・・・ 今年は食用のブドウ品種、セルヴァンで造ってみました。通常では10月下旬当たりに収穫する品種なのですが、アクセルは酸味を少し残す為、1ヶ月も早く収穫したのです。グラップ・アンティエールでマセラシオン・カルボニックを3週間行った為、タンニンがしっかりとしている白ワインとなっています。 アン・パ・ドゥ・コテ*Un Pas de Coté グルナッシュ100%、標高400m〜450m 土壌:苦灰岩 (マグネシウムが含まれている石灰岩) 『左右に一歩する』という意味 フルーツの香りが豊かでミネラル感もたっぷり!しっかりとした骨格にフレッシュ感も関わっていて、とても綺麗なバランスなワインです! フー・デュ・ロワ*Fou du Roi カリニャン30%、グルナッシュ30%、サンソー30%、カベルネ・ソヴィニョン10% 標高250m〜300m 土壌:シスト 少しドライな赤ワイン。サクランボ、野いちご、黒いちごなど、赤フルーツの香りがフンワリとしていて、フレッシュ感が第一に味わえるワインです。アヴァンティ・ポポロより少々濃厚ですが、とてもエレガントです! レ・ランドゥマン・キ・シャント*Les Lendemains […]

29
Oct

ギリシャ時代からの財産!ムレシップへようこそ!

今日訪れたのは、アラン・アリエット*Alain Allierさん の元、ドメーヌ・ド・ムレシップ*Domaine de Mouressipeです! ローヌ地方とラングドックの境界にあるこのドメーヌでは、ギリシャ時代から伝わるムレシップ丘が有名。このエネルギーが満ち溢れている丘には、未だにその時代の硬貨などが見つかるらしいです! 優しい笑顔に天然パーマーとその渋い髭が印象的なアランさん。彼は何代もブドウを栽培醸造する家庭に生まれました。けれども実家は彼の兄が引き継いだ為、アランは25年前、自分の区画を購入して、その畑に新たにシャスラ、グルナッシュ、ムルヴェードルなどを植えたのです。2003年までは収穫したブドウの約80%を協同組会に売っていたのですが(残りの20%は自分用のワインを造る為取っておいたのだそうです)、2003年から、皆さんに飲んで喜ばれるようなワインを造りたいという意思で、このドメーヌを建て上げました。 彼のカーヴは自分の家のガレージ!小さいけれど、醸造するスペースは十分!けれどもこんなに少量だったらすぐ彼のワインは完売してしまうのでは・・・! 今年は雨が多かった年。彼のお父さんも、この町でこんなに降ったのは80年間生きていて初めてだ!とビックリ。雨のせいでアランは70%ほど収穫量が減ってしまいました。けれどもそんな事ではめげないアラン!量が減ってしまった分、残ったブドウの栽培に倍以上の手入れを兼ね、アルコール発酵もスムーズに進み、今年の出来具合は結構良かったと喜んでいました! ムレシップの山 早速試飲開始です! ジュ・ドゥ・ビュル*Jeu de Bulles シャスラ・ヴィエイユ・ヴィーニュ100%、樹齢100年 土壌:粘土石灰質、青泥灰土、砂利少々 炭酸ガスを残すように瓶詰めをしてあるため、ブドウの果実がそのままシュワーっと口いっぱいに広がる感じが魅力的!とても爽やかで飲みやすく、アルコール度数も低めです。アペタイザーなどに嬉しいワインです! キュベ・ル・トラカシエ*Cuvée Le Tracassier エグラパージュをしたグルナッシュ100%、樹齢10〜35年 土壌:粘土石灰質、青泥灰土、砂利少々 トラカシエとは、『 おっちょこちょいな人、世話を焼かせる人』 と言う意味。 2007年が初ヴィンテージ!南仏のワインなので熟成度も高いのですが、スーっと体に染み込んでいくような、柔らかいワインです。 キュベ・ギャラピア*Cuvée Galapia アリカンテ100%、樹齢10〜35年 土壌:粘土石灰質、青泥灰土、砂利少々 ギャラピアとはオック語で『大食いな人、』という意味。 2007年のギャラピアはシラー、サンソー、グルナッシュも入ったアセンブラージュだったのですが、今年はアリカンテ100%!普段は色が濃いワインなのですが、今年は薄紫で綺麗〜!ブドウの果実と酸味がしっかりと感じらる、フレッシュでフルーティーなワインです。 キュベ・カク*Cuvée Cacous グルナッシュ70%、シラー30%、樹齢10〜35年 土壌:粘土石灰質、青泥灰土、砂利少々 カクとはオック語で『カッコつける』という意味。 スパイシーで濃厚ですが、飲みやすくフルーティーなワインです。 キュベ・ルー・キャントゥンヌ*Cuvée Lou Cantoun シャスラ100%、樹齢100年 土壌:粘土石灰質、青泥灰土、砂利少々 カクとはオック語で『部屋のかどっこ』という意味。 今年は8月3日と20日、2回に分けて収穫されたシャスラを使用。気候のせいで収穫量が減った分、残ったブドウの熟成度が早かったそうです。シャスラの酸味がキリッと利いていてとても繊細なワイン!少々ドライなワインです。 他にも、今年初収穫したシラー100%ワインもありました。この畑は彼の家の隣に在り、今年購入したのだそうです。シラー100%ワイン、もしくはアセンブラージュ・ワインにするか、まだ迷い中のアラン。けれども新しいキュベが増えるので楽しみです! とても話しやすくて少しシャイっぽいアラン。彼の今後の目標は、新たに区画を購入し、グルナッシュ・ブランや、彼の町と同じ名前の珍しい品種、サン・コムズを植える事です。 『私は自分のワインを造ることが幼い頃からの夢でした。その夢が今やっと叶いました。ですから私は自信を持ちながら、愛を込めてワインを造っています。私はブドウ栽培を手伝ってくれている皆、このドメーヌを最初から応援してくれている友達にとても感謝をしています。私がいつも思っているのは、私のブドウ畑は自分一人で栽培しているのではない。80%は友達が栽培してくれているのだ!ということです。本当に皆さんに感謝しています。』 とてもピュアで心の優しいアラン。今後も美味しいワインを造って下さいね! 最後は皆で記念写真! オザミワールドの菅野さん、杉野さん、土居さんと。

28
Oct

La Régalade – ラ・レガラード

La Régalade とは « 美味しく食べれる場所 »という意味。 このボーヌにあるフレンチ・レストランでは、地元の家庭料理が楽しめるのです!外も中も落ち着いた雰囲気。 一体どの様なお料理があるのでしょうか・・・? こちらがメニューです。様々な食材を使った料理がズラリ!エスカルゴやカエル、トリュフ料理や地元で有名なシャロレ牛もちゃんとあります! 壁の柱には誰かからのメッセージが・・・その内容は: « 私達の仕事はそう簡単では無い !» と。 御もっともです・・・! この方が美味しい手料理を作ってくれるマリアさん。ボーヌでは結構有名人です!それもそのはず、彼女は元ミス・ブルゴーニュ!彼女の料理を巡って来るお客さんはいっぱい! そして彼女の娘さん、サブリーナ。メチャ綺麗な人です・・・伊藤さんも一緒に写真を撮ってご機嫌の様子です! お食事の前にパカレのシャブリ*Chablisで乾杯! シャルドネ100%のこのワインはもう最高! よりもっと美味しく頂く為に、オヴァリウスでワインを注ぎます。 そうしたら何と! 一瞬で香りがファーっと開いちゃいます! そしてお食事と一緒に飲むのはまたまたパカレのワイン: シャンボール・ミュシニィ*Chambolle Musigny と ポマール・プルミエ・クリュ*Pommard 1er Cru。酸味がしっかりとしていながらもとてもまろやか〜!果実身とミネラルが強く感じられるワインです! やって来ました!マリアさんの自慢料理! 前菜にはワインとパンとの相性が抜群なパテ(豚肉) バター風味に焼きあがっている帆立貝(大きくてプリップリ) 身がしっかりとしているカエルのお肉(こちらもプリップリ!) そしてボーヌ自慢のシャロレ・ステーキ、クリームソース添え (とろけるくらい柔らかい!) ヒラメのムニエル、バター・レモンソース添え (ソースがお魚とグッド・マッチング) この店の人気料理、 ジャガイモそのものから作られたフレンチ・ポテト (ジャガイモの味が甘くて美味しい〜) デザートにはクレーム・ブリュレ、 ヌガのアイス、赤フルーツのソース添え、 キャラメルとチョこのパフェ(これは絶品です!) ババ・オ・ラム(ラムに浸してあるスポンジ・ケーキ) 甘いデザートにはやっぱり食後酒!と出てきたのは、1986年、ロマネ・コンティのマール(蒸留酒)!何とアルコール度数47%! 甘〜い匂いに誘われて皆さんも試してみました! 美味しい〜!でも一杯でオーケーです・・・! ここでお茶目なパカレ氏の一面を目撃! 伊藤さんが見ていないうちに、伊藤さんのデザート、ババ・オ・ラムの上に、先ほどのマールをドボドボ・・・ 何も知らない伊藤さんは、パクパクっといい感じで食べていました! けれども、次の朝に悲劇が・・・ 何でアルコールが残っているのか、少し疑問に思っていた伊藤さんでした・・! パカレ氏の愛娘、12歳のアニアちゃん。 少し人見知りだけれども、最後は皆と楽しんでいた彼女でした! 猫の物まねが得意! そしてお酒が入ってきた伊藤さんは、 […]