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シェフズキッチン・ワインバールてっぺん~Chef’s Kitchen WIne Bar Teppen

シェフズキッチン・ワインバールてっぺん~Chef’s Kitchen WIne Bar Teppen イタリアンとフレンチ、両方をこなす2人のシェフが、とてもフランクで美味しい料理を目の前で作ってくれます! とにかくアット・ホームで楽しい雰囲気が漂うこのバーは、一人でも行きやすいのでお勧めです!いつ行っても元気いっぱいな笑顔でシェフ達が出迎えてくれますよ! *お店情報 154-0024 世田谷区三軒茶屋2-14-19 1-B Tel:03-6805-5773 Fax:03-6805-5774 MAIL:tuiterucompany@ab.auone-net.jp BLOG:http://ameblo.jp/tuiterucompany/

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ラ・レネット~La Rainette

広々としてゆったりできる空間、そしてとてもお洒落なインテリアはまさにパリのカフェの用! ガラス越しにはプピーユなどのワインが勢ぞろいです!そして何よりも、南仏で修行をして来たシェフの激うま地中海料理が味わえます! 皆さん、是非お試し下さい! *お店情報 Address : 135-0047 東京都江東区富岡1-5-1クレール門前仲町2F Tel:03-5621-4588 Fax:03-5621-4587 MAIL:info@la-rainette.jp SITE:http://www.la-rainette.jp

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カリーユ来日3日目!!今日はレストラン訪問!

今日はプピーユが飲めるレストランをご紹介します! 第一にラ・レネット*La Rainette 広々としてゆったりできる空間、そしてとてもお洒落なインテリアはまさにパリのカフェの用! ガラス越しには絶品なワインが勢ぞろいです! そして何よりも、南仏で修行をして来たシェフの激うま地中海料理が味わえます!皆さん、是非お試し下さい! ラ・レネット*La Rainette 135-0047 東京都江東区富岡1-5-1クレール門前仲町2F Tel:03-5621-4588 Fax:03-5621-4587 MAIL:info@la-rainette.jp SITE:http://www.la-rainette.jp ************************************************************************************************* そして次に訪れたのは、六本木ヒルズの中に在る日本食レストラン、Anです! 季節の素材を使ったとても繊細なお料理は虜になってしまうほどの美味しさ! そして何よりも発想豊かな品物が抜群です!落ち着いたロマンティックな雰囲気で、美味しいワインを召し上がって下さい。 綺麗なソムリエールさんと一緒にフィリップも大満足! 八坂通りAN 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ ヒルサイドB2F Tel:03-5772-0067 Fax:03-5772-0068 SITE:www.ystable.co.jp/restaurant/yasakadorian/index.html ************************************************************************************************* 続いては隠れ場に在るイタリアン・酒場、ワインバー・てっぺん! イタリアンとフレンチ、両方をこなす2人のシェフが、とてもフランクで美味しい料理を目の前で作ってくれます! とにかくアット・ホームで楽しい雰囲気が漂うこのバーは、一人でも行きやすいのでお勧めです!いつ行っても元気いっぱいな笑顔でシェフ達が出迎えてくれますよ! シェフズキッチン・ワインバールてっぺん*Chef’s Kitchen WIne Bar Teppen 154-0024 世田谷区三軒茶屋2-14-19 1-B Tel:03-6805-5773 Fax:03-6805-5774 MAIL:tuiterucompany@ab.auone-net.jp BLOG:http://ameblo.jp/tuiterucompany/ **************************************************************************************************** そして東京から少し離れ、静岡までレッツ・ゴー! ここで見つけたレストランの第一印象は、とにかくお洒落で居心地が良い!魚料理を中心とした美味しくてエレガントな料理には、シェフがこだわって選びぬいたフランス・イタリアワインと最高に合います!昔プピーユで収穫をした事もあるというシェフの腕前を味わいに来てください! コム・デ・ポワソン*Comme des poissons 422-8067 静岡市駿河区南町2-14 Tel:054-283-3535 Fax:054-283-4089 SITE:http://commedespoissons.com/ La Cave de Nagafusa 420-0839静岡市葵区鷹匠3-19-18 Tel:054-273-4750 Fax:054-273-4751 SITE:http […]

22
Mar

フィリップ・カリーユ、来日2日目!

今日は東京駅の地下、Grand Stationに在るはせがわ酒店でプピーユ・ワインの試飲会です! 一般の人たちにも彼のワインをもっと知って貰うために、フィリップも声を張って頑張りました!彼のワイン・ファン達とも出会えて感動です! 最後には店長の菊澤さんと記念写真です!1時間で彼のワインも完売され満足の笑顔でパシャ! はせがわ酒店 東京駅GranSta店 100-0005東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東京駅駅構内B1 TL / FX : 03-6420-3409 そして炭火焼やカニなど、日本料理を堪能した後・・・ ビストロ・ヴィヴィエンヌで最後の一杯! オーナーの順子さん、そしてレストラン・メリメロのシェフ、宗像さんとの楽しい一夜が過ぎていきました・・・! ビストロ・ヴィヴィエンヌ 104-0061東京都中央区銀座4-13-19 銀林ビル1F TL : 03-6273-2830 FX : 03-6273-2831 Lunch : 11:30~13 :30 (月~金) Diner : 18 :00~22 :00 Bar Time : 22 :00~ 定休日:日曜

20
Mar

ボルドーのシャトー・プピーユ、フィリップ・カリーユが日本へ!!

ドメーヌ全てをエコ・システムに変えてから南西地方で更に話題になっているシャトー・プピーユのフィリップ。今彼は日本でのステイを満喫しています! フィリップのワインを求め、東京の街を捜索中! まず最初に向かったのは、西新橋にあるワインのお店、カーヴ・ド・リラックス!とても綺麗で広い店内には様々な国のワインが沢山!この種類の量にはフィリップもびっくり! 早速自分のワインを見つけてニコニコ!現在売られているのは2004年ヴィンテージ。 『この年はとても天候が悪く、ボルドーは全体的に悪いヴィンテージとなってしまいました。特に8月は雨が多く最悪でした。しかし私は収穫量が落ちてもいいから熟成したブドウを収穫したかったので、6月と7月に青刈りを行いました。そのおかげでとても濃厚で熟成度が高いブドウが生りました!』 彼の赤は100%メルロ。 シャトー・プピーユ2004*Château Poupille 2004 樹齢:15年 醸造:最初に28ヶ月間、樽とセメントタンクで熟成した後、全てをアセンブラージュし、更にステンレスタンクで8ヶ月間熟成させます。 2004年はとてもパワフルな年でしたので、まろやか感を引き出しより綺麗な骨格に仕上がるように36ヶ月間も熟成しました。 とても繊細で、ボルドーにしてはとても飲みやすいワインです! フルーツの香りがとても強く、フレッシュ感がとても美味しいです! プピーユ2004* Poupille 2004 樹齢:35年 醸造:28ヶ月間の樽熟成 あの『神の雫』でも紹介されたメルロ100%の赤ワイン。 パワフル感がありつつ繊細なタンニンも味わえ、ボルドーにしてはとても飲みやすいワインです! フルーツの香りがとても強く、フレッシュ感がとても美味しいです! フィリップ曰く、テロワールを最大限に表現出来た一本だそうです! そしてロゼは100%カベルネ・フラン。 Les Hauts de Poupille*レ・ゾー・ド・プピーユ この品種がワインに綺麗な酸味を与えています! ソーシッソンと一緒にアペタイザーに飲んだり、魚料理にも合ってしまう不思議なロゼです! とにかくフルーティーでボリューム感もあり、気軽に飲める一品! 世界で日本とイギリスでしか販売されていないレア物です! 『90年代までボルドーでは濃厚でパワフルなワインが求められていました。しかし1992年辺りから考えも変わり、テロワールの特徴を引き出し、もっとエレガントなワインを造ることが重要になってきました。私は18歳の時から醸造していますが、最初からテロワールの重大さを分かっていました。そしてこの仕事で最もエクサイティングなチャレンジは、どんな難しいヴィンテージでも、最大なワインを生み出す事です!』               カーヴの店長の小山田さんと Cave de Re-Lax*カーヴ・ド・リラックス 105-0003 東京都港区西新橋1-6-11 TL : 03-3595-3697 FX : 03-5510-3818 SITE : http://www.re-lax.co.jp 続いてはLiquor Max*リカーマックスの 今井さんと記念写真!この酒屋店ではワイン以外にも焼酎や酒の種類が半端ないです!季節の可愛い品物も販売しており、とても楽しいお店です! Liquor Max*リカーマックス 103-0023東京都中央区日本橋本町4-7-10 鈴和ビル9F TL : […]

19
Mar

Cave Auge の恒例試飲会

ご存知の方も多いと思いますが、パリの8区にある老舗ワイン屋のCave Augeでは、不定期的にではありますが自然派の造り手たちを招聘した試飲会を開催しています。 店の前には試飲用のボトルやグラスを置くための樽が犇くようにずらりと並べられ、其処に造り手たちが所狭しに並んで試飲客を待ち受けているのです。いつも地域別に催されるのですが、今回はジュラ、サヴォア、アルザス地方です。11時から19時の試飲会で、僕は11時20分に到着した所、既に多くのお客さんが集まっていました。何と言ってもこの試飲会は、入場無料(入場といっても店先でやっているので通りすがりの人も大歓迎で飲めるのです)で飲みたい放題という点が魅力の一つ。しかもこのAugeのオーナーであるマーク・シバ氏の御眼鏡に適う造り手しか招聘しないという拘りから、とにかく気合の入った造り手ばかりが集うというのも大きな魅力。もう一つ挙げるとすれば、試飲に出ているワインは全て特別価格(定価より大抵10~20%安い)で提供してくれるもの超魅力だと言えます。大袈裟にいえば、この試飲会を毎回経験していれば、自然派ワイン通になれる程のものなのです。ちょっと今回の顔ぶれを紹介しましょう。  DOMAINE BINNER, ALSACE (Audrey et Christian Binner) 16種類  DOMAINE OVERNOY, JURA (Pierre Overnoy et Emmanuel Houillon) 4種類  DOMAINE TISSOT, JURA (Stephane Tissot) 9種類  DOMAINE BARTUCCI, BUGEY (Raphael Bartucci) 1種類  DOMAINE SCHUELLER, ALSACE (Gerald Schueller)  5種類。 ちょっと身震いしませんか? どれもかしこも気合の入った造り手だけに、皆甲乙つけ難い逸品揃いですが、特に感動したものを紹介します。 先ずはBINNERのGEWUZTRAMINER Kaefferkopf vend tardives 2003(41,8€→35,55€)。 ゲブルツ特有のライチの香りがミネラルの風味と共に登り、まったりと落ち着いた濃厚な旨みの後ろで酸が控えめに微笑んでいるような感じ。このBINNERという造り手は凄く長い歴史のある蔵元で、所謂減価償却が済んでいる(お金に余裕のある)蔵元であり、他の造り手と比べると品質に対する価格が非常にお手頃ということでファンが多いことも特徴です。でもこのゲブルツは一番高価なこともあり1本だけ購入(セコイ!)。 次はDOMAINE OVERNOY HOUILLON*ドメーヌ・オベルノワ・ウイヨンのArbois pupillin poulsard 1999(27,7€→23,55€)。 ジュラのプピランといえば、この造り手が最も偉大だと絶賛する人が多いと聞きますが、まさにその噂の通り。通常樽熟成の際には補液して酸化を防ぐことが普通ですが、ジュラでは補液せずに酸化させて独特の酵母菌を育てることで特殊な酸化臭を造りますが、その香りがまさに腐葉土のようで自然の恵みを飲んでいるという感慨を受けます。ちなみに3本買いました。三つ目は妥当な線かもしれませんが、Domaine Raphael […]

15
Mar

丘の上の雲

ワインを愛する気持ちがこの仕事を選ばせたのか、この仕事に就いたからワインを愛するようになったのか、エメ・コメラスは50歳を越えた頃から半生を振り返ってはそのように哲学的な自問に対する答を探すようになった。 具体的な示唆があったわけではなかった。兄がボルドー大学の教授であったことも何処かで影響があったのかも知れない。 だが、彼がお金に不自由ない生活を確保し、余生のことを考え始める時期になってそのようなワインに対する特別な愛情が膨らんできたというのは運命というよりは宿命と呼んだ方がよいだろう。 エメは、ワイン生産地としては知名度の低いラングドック地方の農協組合長だった。 実直な人柄で、多くの人たちから信頼されていた。 安物ワインというレッテルも、数で勝負とばかりワイン最大消費国の底辺の礎を担うのだと自分に言い聞かせて来た。 ところが壮年期の真っ盛りに、ふとこれで良いのだろうかと考えるようになった。 それは、このラングドックという土壌に日々暮らす者として、また誰よりもワインを愛する者として、この故郷の土壌が持つだろう無限大の可能性に挑戦したいという願いが心の扉を叩くからであった。 底辺から頂点への挑戦。 もしかしたら、ずっと以前から分かっていたことなのかもしれなかった。 それなのに無理矢理心に蓋を落としていたのは、矢張り生産者たちへの遠慮があったからであろう。 エメが考える高品質への挑戦は、即ち生産量の激減と結びつくからであった。 しかし自分の大いなる夢を現実化させることこそがラングドック地方の発展を牽引する原動力になると確信したエメは、一軒一軒農家を説得することを決心した。 エメの説得は、徒労に終わった。 初めから結果は容易に想像出来たのだが、それでも自分の意見をぶつけたかったからだ。 彼が提案した内容は、例えば一本のブドウの木から摂れるぶどうの房をこれまでの平均30房から8房程度に減らしてテロワール(土壌の風味)を凝縮するとか、除草剤は一切使用せず雑草駆除は人間の手で行うとかであった。 安いワインを大量に売り捌いて生計を立てていたラングドック地方の造り手たちにとって、この提案は正気の沙汰ではなかった。 何故なら、生産量は約四分の一に減少し、それにも増して人件費は増える。 量り売りが一般的なラングドックのワインでは想像も出来ない贅沢なやり方であったからだ。 しかしエメは徒労と知りながらも、毎日農家を訪問しては説得して廻った。 やがて一年の月日が経ち、賛同者は一人も得られなかった。何度も来るエメに対し、最初の頃は農協組合長として敬服して聞いていた農家たちも、仕舞いには愛想が尽きてしまい、そんなにやりたいのならば自分でやればいいではないかと言い出す者が出てくる始末であった。 エメは流石に落ち込み、長い間心の中の暗い淵を彷徨った。 しかしエメの愛すべき長所は、諦めた後は只管前向きに前進するというところであった。 農協組合長という名誉職を辞任するまでに長い時間は必要なかった。 誰も賛同してくれない以上は、自分でやり遂げるしかない。そう決意した翌週、エメは辞任した。妻も年頃の一人娘も、黙ってエメの決断を見守った。 それからというものエメは、金策と土地探しに明け暮れる毎日を過ごした。 そして1984年、ラングドックのブドウ畑を歩き回った後でエメが白羽の矢を射したのは、AOC コトー・ド・ラングドックで最も自然環境が良いといわれるモンペイルーの25ヘクタールのブドウ畑であった。 自分の持つ財産全てを抵当にいれ、銀行からお金を借りて購入した畑は、前のオーナーがブドウ造りに無頓着な人であったことが寧ろ幸いし、人の手が殆ど加わることのない荒れ果てた自然のままであった。 エメが最初にしたこと。それは一本一本の木に対して語りかけることだった。 彼は来る日も来る日も木に話しかけ、会話した。 見る者たちは怪奇の視線を送ったが、彼は畑の中で実に満足していた。 そうして体力の無い木や病弱な木、そしてやる気の無い木には謝りながら間引きしていった。毎朝日の出と共に畑へ行き、日没まで其処で過ごした。 雑草取りさえも、彼は誰にも手伝わせなかった。そうして3年もの間、エメは只管土壌と木の手入れのみに専心した。 漸くワイン醸造を手がけようとした頃、偶然エメと畑へ行った愛娘はその光景に自分の目を疑った。 そして醸造という格闘が始まった。 エメは、本当に美味しいワインの味というものは十人十色で意見が違うと信じ、地元でもワインの味に煩い者ばかり40人を集めて尊属のモニターとして契約し、シラー、グルナッシュなどの品種毎にどのような味が美味しく感じるかを意見させ、全てを網羅する味というのをそれらから逆算し、農作業から醸造までそれに見合うように調整しようと試みた。 勿論理論的な部分は実兄であるボルドー大学教授が活躍した。 二人三脚で行った試行錯誤のワイン造りは、完成するまでに3年間を要した。 つまり、土地を購入してから6年もの間、ワインは市場に出ることはなかったのである。 エメのワインは、地元モンペイルーでは瞬く間に名声を得た。 営業活動をする時間さえ惜しんで畑へ行くエメにとって、地元で買ってくれる人がいればそれでよかった。 しかしある日、ソムリエ世界チャンピオンのフォール・ブラック氏がラングドックへ来て昼食時に偶然エメのワインを口にする機会を得た。 そしてブラック氏はそのままエメに会いに行ったのである。家族に来訪を伝えると、エメは畑にいるという。 待たせてもらうと言えば、夜まで戻らないという。 仕方なしにブラック氏は自ら畑へ向かった。そこで彼は、衝撃的な光景を見た。 木が喜んでいる・・。木が尻尾を振ってエメらしき人物に寄り添っている。 そんな馬鹿なことが。ブラック氏は目を擦ってもう一度凝視した。 木は動かない。いや、動くだろうが、人間の肉眼ではその動きは見て取れない。 果たして木は固定されていた。 否、しかし木は矢張り喜んでいるように見えたのであった。 ブラック氏の後ろから、道案内について来たエメの娘がその光景を見て、自分が数年前に感じた驚愕を思い出していた。 ブラック氏がその後、公の場でエメのワインのことを賞賛した時の言葉が残っている。 「フランスを代表するワインだ。」 王様のブルゴーニュ、お妃様のボルドーでもない、名も無い南のラングドック地方。 […]

13
Mar

エマニュエル・ラセーニュが教えてくれる『ラ・メトッド・シャンプノワーズ』

先日、シャンパ-ニュ・ジャック・ラセ-ニュのエマニュエルが事務所に寄ってくれました。 その際に、シャンパ-ニュの造りについて、いろいろ聞いてみました。 シャルドネの品種から造られているシャンパーンには、ワインとは違って独特な醸造方法があるのです。 まず最初に、シャンパーンは2回もアルコール発酵が行われるのです。 第一回目のアルコール発酵はワインと同じように、樽内、もしくはタンク内で行われます。 そしてまだ少々残糖(ワイン含有の未発酵の糖分)が残っている状態(0-38g)で瓶詰めをします。この時点で蔗糖や甜菜糖など、数多くある砂糖の種類を選び、瓶内二次発酵がスタートする為に添加します。ラセーニュはここでブドウの液から引き出される自然な糖を添加しています。この2回目のアルコール発酵中、瓶内では繊細な泡が徐々に出来上がっていきます。 第一回アルコール発酵が行われる木樽とステンレスタンク ビン内2次発酵がゆっくり進みます。発酵で生じたワインに溶け込ましてガスを洗練させるために発酵終了後も静かな暗冷なカ-ヴ内で静かにゆっくり熟成させます。 熟成期間が終わるとデゴルジュマンの為の準備がなされます。 つまりビン内の澱を瓶口に集める作業です。 ラセーニュが行っているのはシュール・ラット方式。その間、逆さにされた瓶の角度がゆっくりと回されながら徐々に急角度になっていき最後には、瓶がほぼ逆さまになってしいます。 そんな作業をしながら澱が瓶の口に溜まるのを待ちます。 そして全てが瓶口に溜まったら、彼は « デゴルジュマン・ア・ラ・ヴォレ »という、手作業でのデゴルジュマンをします。 このやり方はかなりのプロではないと出来ません! 普段行われているデゴルジュマンは、澱が溜まったら瓶口の澱の部分のみを凍らし、ポンっと引き出す機械作業なのです。 しかしエマニュエルは自分で全て行っているのです! 一本一本瓶を手に取り、瓶底に出来た空気泡をゆっくりと瓶底から瓶の入り口まで移動させ、ちょうど空気泡が瓶口の澱の位置と一致した時に、キャップシールをポンっと抜き、同時に澱を外に排出するのです。 ここで最終的にブリュットやセックなど、どのようなキュベを造るかにより、添加するリキュール・デクスペディシオン(Liqueur d’expédition=甘味添加)の分量を決めます。 そしてエマニュエル曰く、この段階で自然派か、自然派ではないかが分かるのです。 『リキュール・デクスペディシオンとはアロマと甘さを引き出し、ワインを全体的にまろやかにするものです。ここで、自然派ではない醸造家は、ブドウの自然な甘さがまったく無いのをカバーするため、沢山の量を添加するのです。私はテロワールとブドウの自然な味を強調したいので、健全で完熟したブドウのみ収穫します。そうしたらリキュール・デクスペディシオンを添加しなくても美味しくて繊細なシャンパーンが造れます。』 これは、エマニュエルの畑の位置がシャンパ-ニュ地方の最南端だからこそできることなのです。ブルゴ-ニュ地方に最も近いので、シャルドネの熟度がエペルネやランスのある北より高くなるのです。自然にワインに膨らみやまろやかさが備わっているのです。 そして『リキュールがワインに溶け一体化するまで』 ワインをさらに熟成させます。 長く寝かせれば寝かせるほど泡も繊細になります。 彼のカーブには数年間も寝かせているシャンパーンもあるのです。 そしてその後、やっと皆様の手元へと届くのです! エマニュエルの新キュヴェ、La Colline Inspirée*ラ・コリンヌ・アンスピレ 品種:シャルドネ 樹齢: 35 -40 年 地質: 白亜 熟成:8ヶ月間熟成したワインと、20ヶ月間熟成したワインのアセンブラージュ(2004年収穫されたブドウが主調) 名の由来 : 『La Colline Inspirée』とは詩人アンドレ・マセイが書いたモンギュに付いての詩の題名です。 このキュベは初めて樽で熟成したシャンパーンです。糖分添加はたっの3gr / Lなのに、ブドウの甘さが口に広がって美味しい! 繊細で肌理細かい泡には、彼の綿密的な面が出ています。 Millésime 2002*ミレシム2002 ブリュット・ナチュールですので、ブドウそのままの味がするシャンパーンです。 これは100%タンク熟成。 シャンパーンとは様々な年のブドウをブレンドするのが通常ですが、2002年、エマニュエルが収穫したブドウはあまりにも綺麗でしたので、ブレンドするには勿体無いと思い、2002年のみのブドウでシャンパーンを造ったそうです。綺麗な酸味とミネラル感が溢れていて、嬉しいパーティーにはピッタリな一品です!

10
Mar

La Dive Bouteille 2009 ~ラ・ディヴ・ブテイユ2009

*** 2月23日~24日 *** ノルマンディー地方、ドーヴィルの町。ここは夏、最もパリジャンが多く、高級地区で有名な港町。海が見わたせる会場で今年もLa Dive Bouteille*ラ・ディブ・ブテイユが行われました!今年でちょうど10周年記念を祝うこの試飲会は、『ヴァン・ナテュール』を愛する人には欠かせない大イベントです。伝説とも言われているマルセル・ラピエールやマルセル・リショーをはじめ、新世代の若手醸造家まで120人もの自然派醸造家が集まるとても素晴らしい試飲会です。 この会の開催者、シルヴィー・オジュローさん曰く: 『自然派ワインを知って貰い、自然派ワインとは何かと皆様に伝えたい気持ちで開催しました。セミナーや討論会などを通して皆さんに分かって貰いたいです。テロワールは研究室で生み出されるものではない!悲しくも一様化しようとしているワイン業界では、とても重要な事なのです。』 自然派ワイン以外にも、偉大なシェフ達のクッキング披露や様々な講演、またラジオの収録などが、この2日間の間、広く綺麗な会場で行われています。 そのため、世界中から人が集まり、バイヤーやカヴィスト、レストラン業界の人たちやジャーナリストで大盛り上がりです! *** 初日・オープニング開始! *** オープニング時間の少し前に到着した私達。しかし会場内にはまだ誰もいない寂しい空気が・・・しかしここから徐々に生産者達が集まって用意をし始め、1時間後にはもうすでに人で埋まっている状態に・・・! *** ここで試飲会スタート! *** 各地方に分かれているので、テンポ良く試飲出来るというのが印象的。 しかし私達が知っている醸造家は半分以上! 気合を入れてまず最初に向かったのは、ボジョレーのテ-ブル! Christophe Pacalet*クリストッフ・パカレ ラベルも新しく変わり、よりポップスになりました! 『ボジョレー地区ではガメイしかないので、テロワールの違いがとても重要です。しかもガメイとはとても辛辣な品種なので、やせた土地でないと栽培しにくいのです。』 Nicolas Testard*ニコラ・テスタール 新しいキュベが2本も!! とてもフルーティーで酸味が綺麗なやさしいロゼ、ピンク・ラビットと6ヶ月間熟されたガメイで造ったガメイ・プリュス・ガメイです! 可愛らしいラベル対セクシーな感じでおしゃれです! Geoges Descombes + Damien Cloquelet* ジョルジュ・デコンブ + ダミアン・クロクレ ジョルジュさんの息子、ダミアンの初キュベ! シルーブルで栽培されたブドウを、一つはセメントタンクで、もう一つは樽で熟成した2本を紹介!ジョルジュさんのワインのようにとてもフレッシュでフルーツ感が溢れる一品です。 フランスで、鶏はコックといいます。 彼の名前が「コック」に似ていた為、ラベルに鶏の絵を取り付けたそうです! Jean-Claude Lapalu*ジャン・クロード・ラパリュ 彼こそボジョレーの神です!繊細で真直ぐなワインを生み出すジャン・クロード氏のオーラーは自信と誇りで輝いています。 彼のブドウは100年以上のヴィエイユ・ヴィーニュが多いのです。ヴィエイユ・ヴィーニュには枝が多く、そして小さなブドウが実るので、2/3はエグラパージュ(除梗)しないと青っぽい味が強調されてしまうのです。 しかしやはり複雑で果実身が強く、長く後味が残る彼のワインは最高です! Marcel, Matthieu, Marie Lapierre*マルセル、マチウ、マリ・ラピエール とてもフルーツ感が強く、繊細でありながらもリッチ感で溢れているマルセルのワインは、別世界に跳んでいってしまいそうな美味しさです! モルゴンには綺麗な酸味が、ヴァン・ド・ペイ・デ・グイユにはイギリスアメのような甘くて居心地良い香りが、ボジョレーに関してはとても真直ぐな味わいがと、全て違う味わいですのでとても楽しめます! しかし皆さんに試して貰いたいのはAOCボジョレーのカンボン07です!とても綺麗なバランスのこのキュベで、マルセルはシンプルなボジョレーでもここまで美味しいワインが出来る事を証明しています! Arnaud Combier*アルノー・コビエ 柑橘類と樽の木のアロマのコンビネーションが何とも言えないリッチ感と爽やかさを与えています。特にGoutte du […]

5
Mar

新AOCのCOTE DE BORDEAUX委員会がオザミ59に上陸

*****ボルドーのアペラッションは進化している!***** 今、フランスワイン法が大きく変化しつつある。地方によっては諸々の問題を抱えているAOCの改正だ。 ここボルドーは前向きに進化してる。最もまとまりがあって進化したのがこのCOTE DE BORDEAUXだ。 新 AOC COTE DE BORDEAUX が公認され施行される。 BLAYE COTE DE BORDEAUX CASTILLON COTE DE BORDEAUX FRANC COTE DE BORDEAUX CADILLAC COTE DE BORDEAUX (旧CADILLAC, PREMIER COTE DE BORDEAUX) 3月19日にCOTE DE BORDEAUX 委員会が東京にやってくる。詳しく知りたい方は要参加。 *****ボルドーの超人気ビストロ、ラ・テュピナにプピーユもやってくる。***** ボルドーでワイン関係者や愛好家が入り浸る人気ビストロLA TUPINAと神の雫でお馴染みのCASTILLON COTE DE BORDEAUXの人気者、POUPILLEのフィリップ・カリーユと共に委員会がやってくる。 *****テュピナ料理とオザミ59のコラボでボルドーワインを楽しむ夕べ。***** 新鮮な素材を生かした手料理にボルドーをガンガン飲む。 オザミスタイルに似ている。 *****1000万ドルの夜景を見ながら不景気を吹き飛ばせ!!***** TUPINAテュピナの料理を再現!! 気合の入る金子シェフ 問い合わせ先 日時:2009年3月19日(木) 19:30スタート (19:00~受付開始) 食事会の価格:¥10,000(ワイン代・税込み) 場所:AUX AMIS 59        東京都豊島区東池袋3-1-1-59階(サンシャイン60)   TEL:03-5960-4120          […]

4
Mar

サンセールの神、ドメーヌ・ヴァシュロン!

*******ドメーヌ・ヴァシュロンの歴史******* サンセールで今話題になっているドメーヌ・ヴァシュロンの歴史は、曾祖父のマルセル・ヴァシュロンさんがこのサンセールの町で初めてブドウ木を植えた瞬間から始まりました。しかし彼は他の栽培もやっていた為、マルセルさんの息子、ジャンさんがブドウ栽培の後を継ぎ、ピノ・ノワールを植え加えてから、本格的にワインの世界に入り込んでいったのです。その後ジャンさんの息子達、ドニとジャン・ルイはドメーヌにカーヴを建て、今では最も偉大なサンセール・ルージュの生産者となり、ドニはアペラシオン・サンセールの議長を務め、小さなドメーヌの管理士として働き、ジャン・ルイはドメーヌのカーブの管理士として今でも働いています。 現在ドメーヌはドニとジャン・ルイ各それぞれの息子達、ジャン・ローランとジャン・ドミニックが後継いでいます。ジャン・ローランはブルゴーニュで有名なオベール・ド・ヴィレンヌ氏の下で経験を積み、2002年(32歳)の時にドメーヌへ、そしてジャン・ドミニックはシャトー・ヌフ・デュ・パップで働いた末、1993年(21歳)の時ドメーヌを改造し、後継ぐ事を決心しました。 *******何故ヴァシュロンのワインは天才的に繊細なのか?******* 一体何故ここまで繊細でエレガントなワインが出来上がるのか? まず最初に、二人の父と二人の息子は目には見えない深い絆で繋がっているのだなと強く感じました。今では息子に栽培・醸造を任しているお父さん達。彼らは自分達の知っている知識全てを後世に伝え、今では息子達を優しく影から見守っているのです。そして二人のジャンは、前世代の伝統を守りながらも新しいアイデアを取り入れ、父達に恥じ無いようなワインを造り出そうと心がけています。お互いの信頼感、そして尊敬し合っている気持ちがとても強く伝わってきます。 『私達の父達が、自分の力と努力、知識でこのドメーヌの全てを造ってきました。そして私達はその努力を無駄にしないように、そしてその歴史を誇れるように頑張らなくてはならないのです。その思いが我々の力となり、モチベーションとなっているのです。 又畑というものを甘く見てはいけません。些細な事でも容赦しないし、毎回決闘を申し込んできているような感じです。ですからどんな状況を目の前にしても謙虚さを保ち、ブドウの木が何を必要としているのかを聞いてあげないと、美味しいブドウは生らないと思っています。』 しかしヴァシュロン一家にはもう一つ悲しくも力になった出来事が一つあるのです。それはワイン造りの天才とも言われていたもう一人の息子の死です。 挫けざる終えないこの悲しみを乗り越えるためには、更に美味しく、更に繊細なワインを生み出すしかなかったのです。ヴァシュロン一家の絆はさらに深まり、思いは一団と結集し、そこで出来上がったのが、他では味わえない繊細そのもののピノ・ノワールだったのです。 ジャン・ローランの経験は驚くほど豊富です!ロマネ・コンティの畑で醸造しただけでも凄いのに、他国でも彼の評判はトップ・レベル!オーストラリアやアメリカ、ニュージーランドから南アフリカまで、世界中のブドウ畑が彼の手に掛かっているのです! 『色々な国で経験を積む事によって、予期せぬ出来事が起きても冷静に対応する事ができるようになりました。また様々な場所に行って毎回思うことは、やはり素晴らしい人々に出会えるという事。今でも連絡を取り合い、畑の状況や醸造でのハプニングなど色々と分かち合えるので、終わり無き勉強が出来てとても為になるし ,本当に幸せな事だと思っています。』 *******ドメーヌ・ヴァシュロンの栽培・醸造方法*******    ドメーヌ・ヴァシュロンにとって、そしてもちろんこれからワインを造っていく彼らにとって、自然栽培は最も重要な点でした。二人のジャンはドメーヌの全畑を完全に自然派栽培に転換させ、テロワールのありのままの表現を引き出す為、2003年にはビオディナミ栽培へと転身しました。 『テロワールをありのままに表現出来るのは、ビオディナミ栽培しかない。未来のグラン・クリュは自然栽培に掛かっている。全ては時間の問題だ!』と主張するのはジャン・ドミニック! 『畑では摘芽や摘果、耕作を行い、収穫量をなるべく抑えています。例えば、サンセールで許可されている平均70 hl/haの収穫量に当たり、私達はたったの50hl/haしか収穫していません。そして化学物資は一切使用していないし、肥料も堆肥しか使っていません。病気が発生していなくても、イラサクや植物で出来た薬で対処方法。このおかげで土はより健康的になり、テロワールのバランスもより保てます。そして収穫はもちろん手摘み作業。後忘れていけないのはブドウ畑とカーブでの厳しい選別ですね。テロワールの風味の特徴を引き出す為には、完璧な熟成度を達したブドウを収穫する事が第一条件です!』 地質は全てシレックスと石灰質、そして貝殻の化石が落ちています! ヴァシュロンは40個もの区画を栽培しています。ピノ・ノワールが11Ha 、そしてソヴィニョンが32 Ha。この32Haの中、ミネラル感バッチリの『レ・ロマン』という区画の面積はたったの7 Ha。そして、この区画内から更に厳しい選別の末選びぬかれた、たった2haしかないヴィエイユ・ヴィーニュのブドウのみが最高級の『レ・ロマン』のワインに使用されるのです。 ドメーヌのワインの特徴は? シレックスの土壌はミネラル感と華やかな花の香りをワインに与えています。 逆に石灰質の土壌で造られたワインは若いときに飲むととてもフレッシュで繊細。そしてなによりもフルーツ感が特徴的です。私達の目標はなるべくエレガントで繊細で長期間保存出来るワインを造ることです。 今後の目標は? 第一に私達は自然を守る事が大切だと思ってます。『環境に優しく』が私達のモットーです。ですからパッケージングにはリサイクルされたボール紙を使用しています。 そして第二の目標はもっとまろやかなタンニンを特徴としたフルーティな赤ワインを造る事です。そのために、トロンコニック・タンクで赤ワインを熟成しています。 トロンコニックタンク 『偉大なワインを造るには、健全なブドウが必要です。しかしソヴィニョンの最大限の力をまだ私達は発揮できていません。ソヴィニョンは偉大な品種ではないですが、フルーツのポテンシャルを最高に保ち、テロワールを見事に引き出してくれる品種です。』 *******ドメーヌ・ヴァシュロンのワイン******* Domaine Blanc 08 *ドメーヌ・ブラン08  品種:ソヴィニョン100% 樹齢:25年 テロワール:シレックス45% + 石灰質45%+ 白亜紀の泥灰岩10% 収穫量:50hL / Ha 醸造:ステンレスタンクでの醸造 熟成:ステンレスタンク + トロンコニックタンク(10%)でのシュール・リ熟成 特徴:石灰質のテロワールがリッチ感を、そしてシレックスのテロワールが繊細さをワインに与えています。収穫時期は通常の1週間前に行いました。真直ぐでまろやか、そしてミネラル感があふれ出ていて、熟成されたブドウの綺麗な酸味が味わえます。ピーチなど柑橘類のフルーツと、白い花の香りが特徴的です。 Domaine Rouge 08 *ドメーヌ・ルージュ08  […]

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Fév

無心の極み!究極の旨み!ラングロール来日

*********エリック・ピフェリングがやってきた!********* いつもワイン好きで賑わう、パリの自然派ワインビストロの草分け的存在、Verre Volé, ここで絶大な人気を誇り、かつ店主が、ローヌNo.1の蔵元と薦めるのが、このエリックが造る、ラングロールのワインである。 今回日本へは、3度目の来日となるが、日本とエリックとのつながりは、年々深くなっている。彼のやっていることを最初に認めてくれたのは、日本だという。日本で、いろんな人たちと接し、自分の道が間違っていないことを確信したという。 最初の来日とは違う、威風堂々とした、それでかつ、威圧感のない自然なオーラを、今回の同行中、感じた。                                             エリック&マリーロー参上! *********人間 エリック・ピフェッリング********* 〈幼少期~青年期〉 1962年10月23日アフリカ、ナイジェリア生まれ。 祖父と両親の仕事の関係で、生後2か月までアフリカで暮らしたそうだ。 おじいちゃんは、星の王子様のサン・テクジュペリと同様に、同時代、飛行機のパイロットをしていたそうだが、狩猟が趣味で、ある日、ワニを捕獲に向かったが、逆に川に落ちて、ワニに食べられてしまったそうだ。。。 そのとき、エリックの父親3歳。かなり苦労をしたそうだ。 ともかく、アフリカからフランスに戻り、ニームの村で生活を始めた。 子供の頃から、自然が好きで、屋外で自然に触れて育った。性格的には、押さえつけられるのが嫌いで、とにかく反発しがちな子供だったという。 そして、青年期、父親の影響もあり、養蜂家として働いていたが、母親方のおじいさんが亡くなり、その所有するぶどう畑の相続で、家族会議を行われる。家族一同は、エリックが一か所に落ち着いて仕事するように、また、養蜂家という自然に一番近い環境にいることを考慮して、エリックにぶどう畑を相続するように薦めた。これが、1988年。譲り受けたぶどう畑5ha。ここから、エリックのワイン造りの歴史が始まる。 〈マリーローの父親の教え〉 ぶどう畑の栽培方法も、全く分からないエリックに、昔ながらのぶどうの栽培を教えてくれたのは、ぶどう栽培から引退したばかりの、奥さんマリーローの父親だった。  もともと養蜂家として、自然環境の汚染に不安を持っていたエリックに、マリーローの父親が教えてくれる昔ながらの自然な農法は、スムーズに吸収されていった。 〈エステザルグの出会い〉 1990年から近くの若手生産者が集まる共同組合の組合員になり、ぶどうを売り始めた。 この1990年から2000年の間は、まさに試行錯誤の繰り返しであり、ぶどう畑は、有機栽培へ完全に移行、そして醸造に関しても、いつかの独立を目指して、実験的醸造を数多く行った。 そして、このとき、出会ったのが、当時のエステザルグの醸造責任者のジャン・フランソワ・ニック(現在、フラール・ルージュの生産者)。 あまりにも世間に、工業的で、頭痛のするようなワインが多いことに疑問を持っていた二人は、自然栽培のエリックの経験、ジャン・フランソワの酸化防止剤を使用しない醸造技術をお互いが情報交換し、2002年同時に、お互いの夢を目指し独立をする。L’anglore*ラングロールの誕生である。 *****洪水の年2002年、酷暑の年2003年***** しかし、運命は過酷であった。 独立、最初の年2002年は、雨が多く、ローヌ地方では洪水が発生。収穫量は予定の半分であった。 そしてまた2003年は乾燥、酷暑の年、ただでさえ、暑い南仏のタヴェルをこの熱さが襲い、この年も収穫量は激減した。 2002年の洪水のとき、濁流がぶどう畑を削りとり、一部崖のような断層ができた。それを見てエリックは、自分のぶどう栽培に確信をもった。硬い岩盤質の石を、根っこが、垂直にまっすぐ伸びていることが分かったのである。 テロワールを表現するには、根っこが地中深く入り込み、多種多様なミネラルを吸収しなくてはいけない。エリックのぶどう栽培に間違いはなかったのだ! ********マセラシオン・アロマティック******** ラングロールの現在所有するぶどう畑は、8ha。その大半のぶどうの樹齢は古い。樹齢100年以上のカリニャンやグルナッシュの区画があるが、それらの区画は黒ぶどうに混ざり、ブー・ブラン、クレイレットなどの白ぶどうも一緒に植えられている。それらは、一緒に収穫され、一緒のタンクで醸造される。 これは、昔の南仏の生産者の知恵ともいえる。 コート・ロティでも、シラーに数パーセントのヴィオニエが混ざるが、まさにどうしても熟度の高すぎるぶどうが取れる南仏では、白ぶどうを混植して、一緒に混醸することによって、バランスのとれた味わいを造りだせるのである。まさに、メゾッド・アンセストラル(伝統的方法)である。 エリックは、混植でない区画に関しても、このセオリーを使い、赤ワインに若干の白ぶどうを混ぜるようにしている。 *******自然酵母との戦い******* 2008年のシュマン・ド・ラ・ブリュンヌは、ステンレスタンクで半分、木樽にて半分アルコール発酵をさせようとしたが、ステンレスタンクの半分は発酵が進まず、最終的には廃棄することとなった。 このキュベは、サンソーとアラモンをダイレクトプレスして造るロゼであるが、ぶどうの果皮とマセレーションをしないため、ぶどうの果皮に付着している自然酵母が働きにくいのである。また、2008年は、雨が多く、果皮の自然酵母を流してしまった可能性も考えられる。 そんなリスクの中、ぶどうをダイレクトプレスしたロゼを造りたかった!と挑戦したとエリックは、笑いながら語る。  自然酵母を活かすため、もちろんSo2は、収穫、醸造段階では一切使用しない。赤ぶどうのプレスも、白ぶどうのプレスに圧力でゆっくりとやさしく行う。そして、ワインの液体の移動は全て重力で行い、けしてポンプは使用しない。ぶどうのポテンシャルを最大限に活かしたワイン造りといえる。 *******自然派ワインを造ることは、洋上を帆船で進むがごとし******* 自然は人間より強い。自然な栽培や醸造をすることによって、いろいろな苦難もある。しかし、海の上を進む帆船のように、風に身を任せ、自然を受け入れながら、目的地に向かっていくことが大切なのだとエリックは言う。 *******何かにとらわれず、ただ全力を尽くすのみ******* ぶどうは、年に1回しか収穫できず、もちろんワイン造りも年に1回しかできない。そこで、人間のエゴや、思いこみが入ると、良いワインができない。逆に、良いワインを造らなくてはいけないという思い込みから、自分を解き放ち、無の状態から、その年のぶどうを受け入れ、そこに最善の努力をしなくてはいけない。 *******日本が与えてくれたもの******* ラングロールには、ニュル・パール・アイユールという日本だけの、日の丸ワインとも言われるキュベがある。樹齢100年を超えるグルナッシュから造るワインだが、この区画は、日本のラングロールファンの支援のもと手に入れられたぶどう畑である。このワインには、いろんな人たちの思い、エリックの日本への感謝の思いが込められている。 自然な栽培を始めた当初、除草剤を使用せず、ぶどう畑に雑草を生やし、手作業で畑を耕し、収穫も手摘みで行う、彼の姿を見たタヴェルの回りの生産者達は、エリックの頭がおかしくなったのではないかと馬鹿にした。   また、昔ながらのタヴェルのワインを再現した、彼のワインをAOCは認めなかった。多くのワインは、テーブルワインとして販売することとなった。 そんな中、初めて日本へきて、自分のワインが普通に受け入れられていることに驚き、そして多くのソムリエ、料理人、お酒屋さんが、ワインを褒めてくれ、自分の栽培方法、醸造方法、生き方に共感してくれた。その感動がエリックに自信を与え、さらに彼のワイン造りが進化する原動力になったことは、間違いない。エリックは、今、また高みを目指し前進する。この日本のラングロールファンのためにも !!! 竹下正樹 *******ラングロール写真館******* 到着初日大阪BMOオフィスでくつろぐ二人              大阪セミナー&試飲会 大阪セミナーの後は、La tortugaで、萬谷シェフと、 神戸、玄斎の上野シェフとのコラボレーションで、フレンチと和食とラングロールの饗宴。大勢のラングロールファンの熱気で包まれた。全てのラングロールのワインに、萬谷シェフ、上野シェフが、各1品ずつ料理を作り、その料理の数は、合計18皿となった。まさに、満足。満腹。。。 予約の取れないレストラン高田馬場アミチエにて     ラングロールの家族の一員Tipsy’s志熊さんと Tipsy’sの姉妹店コトトワで打ち上げ          ティプシーズに集合したラングロールファン達 […]

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Fév

Salon des Vins de Loire 2009 〜 サロン・デ・ヴァン・ド・ロワール 2009

2月2日〜4日の間、第23回ロワール地方のワイン試飲会が アンジェの町で行われました。1987年に初めて開催されたこのサロンは、年が経つにつれ規模が大きくなっていき、今では世界中から人が集まるほど欠かせない大事なイベントとなっております。 この3日間の間、600人もの醸造家や協同組合が集まりました。中にも私達と働いている醸造家は何十人もいます!皆に挨拶をするだけで一日が終了してしまいます・・・それだけ大きなこのサロンでは毎年参加する人数も増えているとか・・・今年は9000人ものワイン関係者が訪れました! Val de Loire*ヴァル・ドゥ・ロワールはフランス内でも3番目に大事なアペラシオンです。ロワール地方で造られるワインの75%がAOCワイン、しかも68種類ものアペラシオンがあるので大変!そしてこの量は毎年増えていっているのだそうです! ロワール地方では赤・白・ロゼの3色のワインは当たり前、他にもドライ系、まろやか系、甘口ワイン系、又繊細で上品なワインもあれば弾けるスパークリングワインもテスティングでき、全種類がそろっているのでカヴィストやインポーター、それぞれの要求に応じやすいのが特徴です。 ロワール試飲会はヴィネクスポやヴィニスッド試飲会に比べ規模が小さいので、知っている醸造元と会って話したり、又は新しく若い醸造家とも出会えるので楽しいです! また今後ドメーヌを継ぐ為父親と一緒に働いている子供達も参加するので新しい世代の考え方や今後の目標なども聞け、ためになる事ばかりです! ********************************************************************************************** ルネサンス・デ・AOCに比べると全然規模が大きいサロン・デ・ヴァン・ドゥ・ロワール。皆自分のスタンドに目を付けて貰うため気合が入っています! Château Gaillard – Vincent Girault (AOC Touraine Mesland) スタンドをバーのカウンターに変えてみたり、派手にデコレーションがされてあったり、一際目立つポスターを貼ったりと、皆アピール度が高いです!確かにこのサロンには全国のワイン専門家やバイヤー、記者などが参加するので皆注目を浴びるため頑張っているのです! La Grange Aux Belles − Marc Hoution et Julien Bresteau (AOC Coteaux de l’Aubance) やはり私達と働いている醸造家のワインは大人気! いつ、どこに行っても人が沢山いて賑わっています! Domaine Guiberteau – Romain Guiberteau (AOC Saumur) Domaine du Bel-Air – Pierre Gautier (AOC Bourgueil) Domaine Levasseur Alex Mathur […]

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Fév

そこにしか照らない太陽

蔵元名:Gerard SCHEULLER et Fils 産地:アルザス地方 品種:ピノ・ブラン、リースリング、ピノ・グリ、トケイ・ピノ・グリ、ゲブルツトラミネール、ピノ・ノワール  コルマール市周辺には美しい街が点在していて、春から夏にかけて多くの観光客で賑わいを見せる。歴史的にドイツとの領土争いの渦中にあったこともあり、木材を部分的に使用した建築様式も色の使い方も生粋のフランス製ではなく、何処と無くロマンチックなメルヘンを感じさせてくれる。Husseren-les-Chateaux はコルマール市からほんの少し南にある村であるが、そんな観光地とは違いワイン畑に囲まれた小さな農村である。ブルーノはワイン蔵元を経営する父ジェラールの一人息子としてこの村に生まれ育ったが、少年時代のブルーノの頭の中はサッカーのことで一杯だった。ぶどうやワインは最も身近な物ではあったが、大した興味は持っていなかった。それは、ぶどう栽培への異常とも言える父親の拘りに戸惑いを感じていたからであった。ジェラールは朝早くから日が暮れるまで、一日中畑で作業をするのが日課であった。周囲の畑ではそんな者は誰一人居なかった。1970年代に入りフランスは農業の近代化を迎え、作業が高効率化され生産量の確保が約束されるようになったからだ。昔ながらのやり方を続けるのはジェラールだけだった。ブルーノは父親を尊敬していたが、明らかにジェラールより努力が少ない近所の蔵元たちが順調に企業として成長しているのに、我が家はそれ程でもないことに歯痒い空周りを感じていた。  ブルーノは勉強が苦手であった。幼い頃からサッカーや昆虫採集など、やり始めたら時間の経つのも忘れるほど没頭してしまう集中力があった割に、学校へ行くと何故か集中出来ないのだった。どうもブルーノは教科書で勉強するタイプの学者肌ではなく、自分で課題を見つけて研究する独創派のようだった。高校進学を考える際、ブルーノは漠然と農業学校進学を決断している。それは、一つの蔵元オーナーの一人息子として当然将来跡継ぎになるという程度の気持ちであった。しかし漠然と選択した農業学校が、ブルーノの人生を大きく飛躍させることになるのである。農業学校で学んだことの多くは、効率化と安定した量産を確保するための近代農業であった。それは、まさに父ジェラールが背中を向けてきたことであった。ブルーノはしかし、それに対して愛情も憎しみもなかった。ただ、事実として教科書と父親は全く別なものであった。ブルーノを考えこませたのは、どうして父親はそこまでして昔ながらの造り方に拘るのかということであった。少年時代、日が暮れてボールが見えなくなる寸前までサッカーをした後の帰り路、自宅へ急ぐブルーノは近所の蔵元たちが立ち話で父親の噂をしているのを聞いたことがあった。 「それにしても、あれだけ拘ったところで儲からなければ何にもならないじゃないか。」 「しかし、あの男が栽培するぶどうは確かに違う。俺の畑なんか同じ区画で奴の隣だというのにさ、収穫するぶどうの艶まで違うんだぜ。あっちは完全に熟してやがるんだ。」 「まあ、いいさ。俺たちは金儲けのために事業としてやってるんだ。近代農業になって以来、農作業はうんと楽になったし、収穫量もある程度見込めるようになった。ぶどうの出来、不出来で味も左右されにくくなった。まさに文明の力ってやつだよ。それに乗らない奴さんが変人なのさ。」 ブルーノは農業学校卒業の年の春休み、子供の頃偶然聞いたその話をふと鮮明に思い出した。そして普段は道から見るだけであった父親の畑を見に行った。思えば、父親の職場である畑へはそんなに足を踏み入れたことがなかった。そこは父親の聖域であったし、ブルーノを強要して連れ出したこともなかった。ただ、毎年収穫の時期にぶどうを担いでトラックまで往復する位であった。かくしてブルーノは父親の畑の前に立ち、愕然とした。目の前に広がる雄大なぶどう畑。その中には沢山の蔵元が所有する畑が混在し、一見は見渡す限り一枚のぶどう畑のように見える。しかし実は何十何百という所有者によって細分されていて、それぞれの境界線にはワイヤーや杭で印がつけられているのである。ジェラールの畑、そこは明らかに周囲のそれとは違っていた。いや、素人なら違いに気がつかないかもしれない。自分は農業学校で一通りぶどうの栽培からワイン醸造までを学習したから分かるのだろう。ブルーノはそう思った。しかしそれにしても・・。彼は勿論父親を尊敬していたが、それは父親としてであった。しかし男として、仕事人として父親がここまで凄いとはその時まで気がつかなかった。先ず剪定の短さが目に付いた。周りの畑では、一房でも多く収穫しようとして、剪定は出来るだけ長く残しているのに対し、ジェラールの畑では一本の枝に多くても二つしか芽が残っていなかった。これだけで収穫量は周辺の畑の三分の一から四分の一になってしまう。次は土壌である。綺麗に雑草が抜かれているその土壌は、まさにジェラールが毎日朝から晩までかけて手入れしたものである。隣の畑を見てみれば、除草剤を撒いて少し経った頃なのだろう、雑草が農薬によって枯れ果てて一面がきつね色に蔽われていた。雑草は死ぬが、ぶどうの木は死なない程度の農薬というわけだが、そんな土壌で栽培されたぶどうがテロワールを健全に再現するはずがないと確信した。さらに細かい所を見れば、根っ子の太さが周囲に比べて太い。樹齢だけではない、生命力の違いが感じ取れた。専門家であれば、一目瞭然で地中に伸びる根っ子の長さが格段に違うことが分かる。ブルーノは、身体に電流が流れるような感覚を覚えた。それは、父親への尊敬の念や周囲への軽蔑から来るのではなかった。正誤の問題ではなく、純粋に「最高の素材」を使って「至福のワイン」を自分が仕立ててやろうという野心に駆られたのだった。ふと見ると、ジェラールが畑の真ん中付近からこちらを不思議そうに見つめていた。畑の中にしゃがみ込んで作業していたようで、ブルーノも気付かなかったのである。  その年の夏、農業学校を卒業したブルーノの挑戦が始まった。先ず最高級品質のぶどうが何故今まで特別なワインならなかったのかを研究することにした。そしてそれは存外容易に解明出来た。ジェラールのワイン醸造は、工夫というものが一切無かったのだ。それは喩えて言うなら、最高の素材で料理を作る際、そのままの姿で焼くか煮るだけのようなものであった。切り方を工夫したり、香草や調味料を凝ってみたり、燻製にしてみたりといった工夫がなかった。ブルーノの試行錯誤の日々は続いた。兎に角独創的なワイン造りを心がけた。例えばリースリングを亜硫酸無しで五年間熟成させたり、品種毎にノン・フィルターの実験をしたり、普通ならやらないことを試みた。当然失敗したワインは売り物にならない。陶器職人のように、納得の行かない作品は次々に捨てられた。何とか納得出来るワインが出来始めたのは、彼が醸造を手伝い始めて約10年が経過した1990年頃であった。手前味噌ではない、明らかに周囲の蔵元とは段違いのワインであった。やっと光明が射してきたシュラー家だったが、そこで大きな壁が立ちはだかったのであった。AOC協会である。AOCとしての認定を受けるため、全ての蔵元は毎年試飲検査に認められなければならない。その頃のシュラーのワインは何処よりも素材が優れている上に、その素材を何倍にも増幅させた膨らみが味にあった。AOCの意味は、地域色(テロワール)を忠実に表現することであるから、シュラーこそアルザスAOCの横綱といえるはずなのに、いくつかの品種で格下げされてしまうという屈辱を味わわされたのだった。明らかに卓越したワインを造っているのに、何故そんなことになってしまうのか。自暴自棄になりかけたブルーノを救ったのは、古くから付き合いのあるネゴシアン(ワイン買付業者)たちであった。通常格下げされたワインはその価格も著しく下がってしまう。しかしシュラーのワインの価値を知るネゴシアンたちは、AOCの等級に左右されることなく安定した価格でワインを買ってくれたのだった。そしてそういった気概のあるネゴシアンたちは、確実に販路を伸ばしてくれた。そういったネゴシアンたちは、AOC協会が農業改革以降、随分と変わってしまったと常に嘆いた。つまり、昔のAOCがテロワールを忠実に表現することを査定の条件にしていたのに対し、技術による品質と味の安定、つまり人の手によって調整された味を査定の条件に変えてしまったのである。行政がそうなると、自然的に蔵元たちは市民権を得るための最短行程を歩むようになり、如何にしてAOC協会に気に入られるか、すんなりパスするかという邪心ばかりが先行するようになり、その土地独特の味わいというものが薄れ、AOC毎に金太郎飴のような同じような顔(味)をしたワインが増える結果になった。ブルーノは、父ジェラールの生き様を思い、何があっても世間の流れに屈することなくアルザスで一番のワインを造り続けようと意を決した。  90年代の終わり頃になり、あるネゴシアンがシュラーのピノ・ノワール(LN012)の記事を地方雑誌に掲載したことがあった。「ロマネ・コンティより旨い」当時一本千円程度だったワインが、何十万円もするワインより旨いなんて、プロのネゴシアンが口にすること自体正気の沙汰ではなかった。それ以降、日本でも知る人ぞ知るワインになり、愛好家たちの間で取り囃されるようになった。昨今では瓶詰めと同時に完売してしまい、シュラー一家が飲む分さえ残らない始末である。喜びに浸るシュラー父子かと思いきや、意外にも彼らは落ち着いている。寧ろ、ブルーノは言う。「アルザスのテロワールは、リースリングやムスカ、ピノ・グリやゲブルツトラミネールなどの白ワインが主流。何故ピノ・ノワールだけが持て囃されるのか、理解出来ない。シュラーの一番の持ち味は白ワインなのに。」そんなブルーノがジェラールは誇らしくて堪らない。父子二人三脚の挑戦は、終わりが無い。算盤勘定の無い彼らの蔵元にだけ、アルザスの太陽が照っているような錯覚にさえ襲われる。

14
Fév

ネグレットの伝道師 Chateau Plaisance

************世界で唯一ここだけ************ ネグレットというぶどう品種をご存じだろうか?ネグレットのワインを飲んだことがあるであろうか? 大半の方は、NO!と答えるであろう。 そんな、希少価値?のあるぶどうネグレット。それは、 フランス南西部、トゥールーズのちょい北にある、AOC Fronton(フロントン)にのみ存在するぶどう品種なのである。 フィロキセラ以前は、フランス南部全体で植えられていた品種だが、最終的にはこの土地の気候、土壌に あったのか、このフロントンでしか栽培されていない。 このネグレットだけでなく、南西部には、その土地独自の土着品種が、いまだに存在している、マディランならタナ、カオールでは、コット、ジュランソンでは、プティマンサン、グロマンサンなどなど、オリジナル性のとんだ地方である。 ネグレットの名前の由来は、ニグロから来ているようで、その名の通り、色が黒く濃い、樹勢も強く、 収穫量を抑えないと、スパイシーなだけのバランスの悪いワインとなる。 収穫量を抑え、適切な栽培、醸造をすることによって、酸とタンニンのバランスのとれた気品のあるワインが出来上がる。 別名、ピノ・ド・サンジョルジュとも呼ばれる所以は、造り方によって、ピノのような繊細さを醸し出すということであろう。 *****ネグレットの伝道師 Marc PENAVAYRE マルク・ぺナヴェール***** 今回、日本に来日したのは、Chateau Plaisance のMarc PENAVAYRE 。この男、とにかく明るい。 とにかく、よくしゃべる。彼は、AOC フロントンの会長でもあり、ネグレットのポテンシャルを、このはるかかなた日本まで伝えるために、初めて日本にやってきた。 Chateau Plaisanceはこのフロントン地区にあるわけだが、南西部と言っても、カルカッソンヌまで80Km、 地中海性気候の影響を受け、暑く乾燥した気候土地柄である。 段々畑の上のほうは、特に乾燥しており、トップキュベは、標高の低いぶどう畑、保湿性の高い土壌で造られる。 栽培は、有機栽培。 自然をそのまま受け入れながら、健全なぶどうを得るため、最大限の畑仕事を行う。  ***************キュベ紹介*************** ★ Chateau Plaisance 2006 (シャトー・プレイザンス) ネグレット75%、シラー20%、カベルネ・フラン5% 標高200メートル、フロントンでも一番高いところに位置する区画のぶどうで造ったワイン。 ネグレット独特のスパイシーさ、甘い赤い果実の香り、非常にバランスのとれたワイン。 これが、一番スタンダードなキュベであるが、収穫量は、40hl/haと低収量である。 ★ Thibaut de Plaisance 2006   (ティボー・デ・プレインザンス) ネグレット80%、シラー20%。収量:30hl/ha  息子の出生年から造りだしたキュベ、今や息子は19歳、身長190cm。バスケット部だそうだ。(珍しい) 12〜18か月の樽熟成後ビン詰め。完熟したぶどうの濃縮を感じる、スパイシーで、口当たりの良いワイン。やはり、この地区の料理、コンフィ・ド・カナールなど肉料理が食べたくなるワイン。                  とても仲良しぺナヴェール一家 ★Tot Co Que Cal2005(ト・コ・ケ・カル) ネグレット90%、シラー5%、カベルネ・フラン5% 収穫量:20hl/ha ト・コ・ケ・カルとは、オキシタンの言葉で「必要なもの全て」という意味です。天、地、人の全てが入りこんだワインといえます。ネグレットにシラーをアッソンブラージュすることで、ワインに酸味を与えます。 20か月ほどの熟成。スパイスとラズベリーの香りにあふれ、素晴らしくバランスのとれたワインです。 しかし、やはり肉料理、カッスーレが食べたくなるワインです! カニとネグレットはいかが? 他に、娘の名前ヲつけたMaelle(マエル)というソーヴィ二ヨン・ブラン・セミヨンの軽い甘口ワインもあるが、これが、また和菓子のような心地良いワインで美味い!                  カニとタコ焼きとはいかが? **********シャトー・プレイザンスの買えるお店********** ジェロボアム 店主 安東さんとともに。 住所:神戸市中央区元町通1丁目14−18 TEL :078−327-7650  FAX :078−327-7651 オープン11:00−20:00 (日・祝18:00まで) 定休日/月曜日・第3火曜日 www.jeroboam.jp […]

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Fév

ビオ世代、前へ進め!〜EN AVANT LE BIO

Par ces temps de crise, l’année 2009 commence plutôt bien pour le vin bio. 世界が危機に陥っている中、ビオワインは2009年の頭を好調に切り出しました! Tout d’abord une affluence record (+30%) pour la 16 ème édition de Millésime bio qui a eu lieu à Montpellier les 26, 27 et 28 janvier dernier. Depuis 1993, date de création, le nombre d’exposants et le nombre de visiteurs […]

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Fév

カベルネ・フランの名指揮者、フィリップ・アリエ垂直試飲開催!!

1月17日、パッション・ド・ヴァンの銀座事務所でプロ向けのフィリップ・アリエ試飲会を行いました。オーナーのフィリップ・アリエは1978年から祖父を手伝ってAOCシノン地区、クラヴァン・レ・コトー地区のドメーヌで栽培・醸造を始めた。一見して朴訥なおじさんの風貌なのだが、彼の手にかかれば、シノンもまるで別物になってしまう。シノンのトップシャトーにまで導いた、まさに見事な指揮者である。 <栽培改革とは・・・> 1985年に後を継ぎ、高品質なワインを目指した栽培改革が始まった。まず、除草剤等の化学物質の撒布を一切やめて自然農法に切り替えた。収穫量を抑える為に1本の木に残す芽は5個から6個にし、それ以外の芽は摘んでしまう。葡萄の生育中、芽かきや摘芯をして葡萄の旨味がアップするように、コツコツと丹念な農作業を続けたのである。 もちろん畑は全て自分の手で耕しており、収穫量は極端に落ちてしまうが、ワインの凝縮度を高めるためには欠かせない作業である。 <家族との共同作業> 1994年、南向きの斜面で粘土石灰質土壌である「コトー・ド・ノワレ地区」を手に入れたが、この畑はものすごい斜面で、作業が困難であった。フィリップは妻のクロードと2人でこの畑を植替え、徐々に改良していったのである。1996年には、別の畑に1haのヴィエイユ・ヴィーニュ(V.V.=古木)を取得し、99年にこれを2haに拡大した。現在のV.V.の畑は4ha、コトー・ド・ノワレは3haになっている。 <飽くなき探究心> 1年に2,3回ずつボルドーのグラン・クリュ畑を見て回り、熟成技術を見習い、より構成のしっかりしたワインをつくろうと試みた。幾度も失敗を繰り返したが、根気強く挑戦を続けて、徐々に収穫量を減らしていき、1993年、ついに樽熟成に耐えうるワインを完成させたのである。熟成に使用する樽は、以前はシャトー・マルゴーとシャトー・ラトゥールから買ったものを使用していたが、現在では自ら選んだ樽を使い、新樽はコトー・ド・ノワレに。その後の樽をV.V.用に使用している。 フィリップ・アリエ氏と妻のクロード 赤ワインの産地としてフランスで最北の地域にありながら、カベルネ・フランを100%使用した、熟したピュアな果実味を持った見事なワインを生み出している。野菜っぽさなどみじんも感じさせない豊かな果実味、緻密さは他に類を見ない域に達しているといっても過言ではない。 ************************************************************************************* レ・クラヴィエ・ヴィエイユ・ヴィーニュ ・Cuvée Vieilles Vignes フィリップ氏曰く「絹のように滑らかな、フレッシュで繊細なワイン」。豊かで混じりけのない果実の香り。若いうちからでも滑らかな口当たり。艶やかで旨味が前面にあふれている印象。余韻が実に上品である。 まろやかなぶどうができる古木から造っていて、フィリップ氏の手作業による見事な作品といえよう。 コトー・ド・ノワレ ・Coteaux de Noiré カベルネ・フランの見事に熟した果実味は特筆すべき!エレガントで豊かな赤い果実のアロマ。カカオ、ロースト香やバニラの風味が複雑さを出している。アタックはまろやかでスムーズな口当たり。驚くようなきめの細かさは他に類を見ないほど。ワインの構成がしっかり取れていてバランスがとても良く、10年の超熟タイプと言えよう。その素晴らしい味わいは、まだ若木ながら既にロワールの№1赤ワインの風格を見事に漂わせている。この土地最良の南向き斜面に植えたぶどうは、まだ若木ながら既にトップワインのワインを生み出している。今後更なる向上が大いに期待できる。 〜垂直試飲のコメントは以下の通り(ビストロ・ヴィヴィエンヌ 吉川ソムリエコメント)〜 シノン レ・クラヴィエ・ヴィエイユ・ヴィーニュ ヴィンテージ 1995 品種 カベルネ・フラン 熟成を感じさせる紅茶の香り。きれいな酸が後々まで続く。まだまだ若々しい印象。 ヴィンテージ 1996 品種 カベルネ・フラン ややベジタル、スパイス、ユーカリの香り。若々しい印象。酸が柔らかく、タンニンも滑らか。きれいな熟成をしている。 ヴィンテージ 1999 品種 カベルネ・フラン 力強い香りが特徴的。葡萄の完熟感がある。 ヴィンテージ 2000 品種 カベルネ・フラン 香りはやさしい印象。99年ヴィンテージよりはやや飲みやすいが、果実味がある為に、味わいに立体感がある。タンニンは滑らかな印象。 ヴィンテージ 2004 品種 カベルネ・フラン 果実味があり、カベルネ・フランの特徴がよく表現されている。余韻に柔和な果実味を感じる。 ヴィンテージ 2005 品種 カベルネ・フラン ジャムのような甘い香り、ユーカリ、樽のロースト香。果実味が強く、タンニンとのバランスがいい。酸もしっかりあり、余韻が長く続く。 シノン コトー・ド・ノワレ ヴィンテージ 1996 品種 カベルネ・フラン ベジタルな香りと、熟成から感じられる紅茶の香り。味わいに深みを感じる。 ヴィンテージ 2000 品種 カベルネ・フラン 全体的にバランスは非常に良く取れていて、エレガント。ヴィエイユ・ヴィーニュ2000と比べると柔和な酸味や果実味といった印象。 ヴィンテージ 2002 品種 カベルネ・フラン 熟した果実の甘い香り。きめの細かいタンニンでボリューム感を感じる。 ヴィンテージ 2003 品種 カベルネ・フラン ジャムのような甘い香りで、このワインの力強さを感じる。更なる向上が期待できる。 […]

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Fév

ルネサンス 2009〜Renaissance des AOC 2009

Renaissance des AOC とはロワール地方の小さな町、アンジェで2001年から開催されている、ビオ栽培の醸造家のみが集まる試飲会です。毎年規模が大きくなっているこのサロン・・・今年は13国から152人もの醸造家達が集まりました!今年は天井が高く、広くて日当りが抜群なグルニエ・サン・ジャン教会の中で行われました。 ルネサンスに参加するには、様々な条件をクリアしなければいけません。このシステムは、醸造家であろうが配合業者であろうが又は消費者であろうが、同じ考えを持った人達を結びつける為に行っています。もう一つの目標としては、科学が発達するにつれ変化しすぎてしまったアペラシオンの本来の意味を取り戻すことです。 醸造家達は次の3つの条件をクリアしていないと参加できません!! 第一:畑にて 最低3年前から畑全体に自然栽培を行っていること。ということはエコセール、もしくはカリテフランスなど公式認証が必要なのです。しかし90%ほどの参加者が更に進んだ考えを持ち、自然栽培はもちろん、ビオディナミ栽培まで行っているのです。ビオディナミ栽培は太陰暦に合わせながら畑、そしてカーブでの作業を行うという栽培・醸造方法です。この方法により、テロワールの風味はより引き出され、ワインに複雑感と深い味わい感を与えます。 ここで自然栽培に欠かせない条件とは: – 除草剤や化学肥料の使用は一切禁止 – 肥料も対処方法も自然な物のみ(ボルドー液や堆肥など) – ぶどうに自然に付着している自然酵母の自然な働きにての醸造 – 遺伝的に変更された苗木の使用は禁止 第二:カーブにて カーブ内での作業中にアペラシオンの風味を化学物質で修正しない事。300種類以上もある人工酵母の添加や浸透、また遺伝子組み換え作物、機械摘みなども一切禁止となっております。 ビオ栽培・醸造家の間では当たり前だと考えられている醸造方法というと: – 手摘み収穫 – 自然なアルコール発酵(アロマ添加剤や酸素の添加、発酵を進める成分の添加などは一切禁止) – ワインに含まれている自然な成分の豊富さを尊重 – クローヌを含まないセレクシオン・マサール – ワインの自然なバランスを保つこと(補酸や補糖は禁止) – コラージュは禁止 – 2ミクロン以下の濾過は禁止 第三:最終条件・・・ オリビエ・ウンブレヒト*Olivier Humbrechtやレイモン・ドゥ・ビルヌーブ*Raimond de Villeneuve、ジャン・リュック・ヒュベール*Jean-Luc Hubertやニコラ・ジョリ*Nicolas Jolyなど、誰もが認めている醸造家達が審査員として主催している委員会のテスティングで、全員一致で認められないと、ルネサンスには参加出来ません。 アルザス地方n°1、Domaine André Ostertag* 『2007年ヴィンテージはフレッシュでピュア。酸味が綺麗で骨格がしっかりとしている、とても繊細なワインです』 Domaine Humbrecht – Alexandre 『2007年はとても真直ぐ。繊細なアロマが漂うワインにしあがっています。』 どこにいても目だってしまうOlivier Cousin 『とにかく2007年はミネラル感がたっぷりなヴィンテージです』 いつも笑顔ニコニコのDomaine Pierre […]